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●2008年1月のアニメ編成などの興味
(2008/01/06)
2008年1月のアニメ番組の編成なのですが、BSデジタルで興味深い動きがありました。
地上波は2クールものが多く、ほとんどトピックスはありません。同じ原作漫画で制作母体を1クールごとに変えた「みなみけ」と、1時間の特別編成で1クール乗り切ったNTV-YTV月19時枠に「ヤッターマン」を掲げられるというところでしょうか。(もやしもん→墓場鬼太郎、スケッチブック→ARIA
The ORIGINATION、メジャー第4シリーズ開始などもありますが)
WOWOWのノンスクランブル枠がなくなり、それに変わりこれまで独立U局などで放映していたアニメの一部が、2007年12月に開局したBSデジタルの BS11が金・土の23時から1時まで編成することとなりました。(シゴフミ、true tears、俗・さよなら絶望先生、PERSONA -trinity soul-の新作と別の局で放送済みのアニメ4作)スポンサーも興味深いものととなっています。
2007年BSフジで復活した名作劇場は、ハウス食品の単独提供になりました。
それはそうと、2008年1月のTVアニメと調査分の提供一覧をこちらに随時アップしていきます。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor0801.pdf
●2008年1月期TVアニメざっと見
(2008/01/22)
「メジャー」は4期目ということで、ほぼ安定したところでしょうか。
深夜枠以外は2クール基本なので1月改編は少なく、ネット枠から外した結界師(関東・関西では深夜で放送)の後、1クールスペシャル枠でつないだ月曜19時に、たぶん前倒しの放送開始となった「ヤッターマン」をYTVが編成。
作品自体は、舞台を現代に合わせ、きちんとシリーズの定番イベントをこなしてうまく作られたんじゃないかと。
ただ、2クール以上質を安定して継続できるかは、不安が残る。ついでに、オープニング曲に関してネットで炎上したというおまけもついているらしい。
「みなみけ〜おかわり〜」は、前期同枠の「みなみけ」の制作母体を変更して、キャストや話は継続して作られたものだが、いまいち違和感があり、シナリオもこなれていないので、前作の勢いを継続できるかは疑問。
「墓場鬼太郎」は、日曜朝放送の「ゲゲゲの鬼太郎」との比較となると、ある程度ハンデがついている感じ。興味を引き込めるだけの演出に至っていない気がする。同枠前々作の「モノノ怪」の視聴層を確保できれば御の字かも。
「のらみみ」は、原作の雰囲気をそのまま表現するにとどまり、かつ興味を引き付けるだけの原作の力も無いので、厳しいものになるかも。
「ARIA The ORIGINATION」は、第3シリーズでほぼ作品の雰囲気の表現手法が確立しており、ストーリー構成もうまく作られていることから、前作同様安定した視聴層の確保となっている。
「H2O」「ture tears」は、登場人物たちの関わり方でいまいち引き付けるだけのものを提示できず、淡いだけのものにおさまる感じ。ただ、その後の展開ではひょっとするともあるが、かわいい複数の女の子が出ている類似の作品との差異は感じにくい。
「シゴフミ」は、扱う素材のきつさとそれを淡泊に受け止める主人公のコントラストが、うまく機能しているように感じられない。また、3話目で内容変更を迫られるなど、死をきっかけに起こる素材ゆえに大変な気がする。
「PERSONA -trinity soul-」は、物語として発生する出来事と主人公との関わり方が、いまいちうまくつながって表現できていない気がする。映像としての見せ方も、手間のわりにはいまいち興味を引き付けていないような。
「俗・さよなら絶望先生」は、前作同様の演出なのでこれはこれでおもしろいんじゃないかと。(そもそも、この作品の演出はダメな人はダメだし)
「AYAKASHI」「ロザリオとバンパイヤ」「破天荒遊戯」「狼と香辛料」については、独立U局などでの放送のため視聴できないからなんとも…
「GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO-」は、前作と絵の雰囲気がずいぶん違うから、ひょっとして不評かも。(前作は現在BS11で見られるんですけど)
●2008年4月期TVアニメざっと見
(2008/05/11)
「図書館戦争」は、いわゆるベタなラブコメを物語のベースにしているはずなのだが、戦闘にかかる部分のリアルに感じられる映像の作り、さらにギャグっぽく見せる演出と間が絶妙に構成されていて、見れば素直に楽しめる内容に仕上がっている。
(この作品の監督の前作がウェルベールの物語であるというのと、プロダクションIG作品であるという2点で「意外」といえる)
「RD 潜脳調査室」は、原作となるものがもつテイストをしっかり表現し、攻殻機動隊シリーズでも定評を受けた演出や脚本はまず基準点以上の評価となっているといってよい。
逆に、そういったシリーズとは異なる健康的な太めの脚など、らしくない部分にも興味が向くという部分もあって、不思議な魅力の形成につながっているようである。
(第1話と2話のパンツまるみせの主人公のむっちりとした健康的な脚・おしりに加えて、第3話Aパート最後の方のカットは、アダルトな…ゲホゲホ。「図書館戦争」とは別な意味でこれまでのプロダクションIGらしくない作品ともいえる)
「今日からマ王!(第3期)」「xxx〜HOLiC〜◆継」「BLUE DRAGON 天界の七竜」「遊戯王5D’s」「ネオアンジェリークAbyss」「デュエルマスターズ クロス」「D.C.II S.S.〜ダ・カーポII セカンドシーズン〜」といった前作があって、その作品テイストを引き継いだ作品は、可もなく不可もなしといった無難なスタートが出来たといえる。
「はっけん たいけん だいすき!しまじろう」は、アニメと子供向けの実写素材を組み合わせたものに変えたものの、実質的な作品のテイストには変わりなく、こちらも無難なスタートが出来たはず。
キッズ向けとされる「絶対可憐チルドレン」「ペンギンの問題」「ネットゴーストPIPOPA」は、原作にあった演出の選択ができていると思われ、そこそこの水準に収まっている。
「絶対可憐チルドレン」は、今後もう少し話が転がる可能性があると思うのだが、今のところ設定説明に収まっている感じ。
「うちの三姉妹」は、確かに素材を考えると適切な作りだが、いまいちさらなる視聴層を引き付けるだけのネタが提示できていない気がする。(もうちょっと毒があっても…)
「アリソンとリリア」は、落ち着いたトーンの絵に物語もまだ落ち着いたドキドキ感が薄いものにとどまっている。
「イタズラなKiss」は、完結できなかった話をきちんと
終わらせるためにつくっている感じで、アニメ独自といえる見せ方の提示がなく、無難に終わりそうに思える。
「マクロス FRONTIER」は、op曲の方に興味が…はともかく、マクロスシリーズらしい展開や見せ方を維持しているので、安定した視聴層確保は出来そう。
WOWOWスクランブル枠では、アーティスティックな内容の作品も時々出てくるが、「カイバ」はそういった作品なのでしょう。不思議な(分かりにくい)設定も絵のテイストも、これはこれでありだと思います。
「秘密 -トップ・シークレット-」は、際っぽい部分だけが目立つくらい演出の主体があることからも、好みによる視聴の差が際立ちそう。「ゴルゴ13」も、それに近い見る人を選ぶ作品になったようである。(出来はまあまあだが)
「ドルアーガの塔 〜the Aegis of URUK〜」は、ゲームをすでにやっている層から受け入れられにくい演出や脚本になっているらしく、いまいち引っ張り込まれる部分がキャラにも話の出来事にも見いだしにくい。
「ソウルイーター」は、見せ方としては平均レベル以上にあると思うのだが、メインキャラの一人の棒読みに聞こえるものに引きずられて、いまいち…というようになっている感じ。ボンズ10周年記念作品だけあって、興味を適切に引き込める内容となっていると思う。(わざわざおまけ内容を追加したレイトショーも放映しているところは、編成上特筆すべき話である。)
「ヴァンパイア騎士」や「モノクローム・ファクター」は、設定も含めてそこそこ見やすい内容ではあるが、想定視聴層を越えて引き付ける魅力的なキャラの形成までは至っていない感じである。(絵だけで引っ張るのは無理がある)
いわゆる腐女子向けの絵や物語をしっかりとやっているという意味では「純情ロマンチカ」は適切なのだろうが、あまりに具現化しすぎていて引く人も多いと思われる。
「隠の王」「二十面相の娘」は、いずれも原作あわせた適切な映像なり演出を行っているが、バランスが良すぎて作品世界に入り込む前の人には食い足りない感じでは。
「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」は、前作最終話での方向感を失ったと受け取られる物語を、しっかりと回復して時間枠移動にかかわらず、視聴継続につなげられたようである。(あいかわらず、いろいろ話題になる作品ではある)
「ToLOVEる」は、原作からの期待された映像的な興味は、独立U局の別の作品(かのこん)にかっさらわれたようである。話の構成も含めて、まあ平均値っぽいもので収まった感じかも。
以上、1か月経ってようやくまとめてみました。
参考までに、例年通りの2008年4月分のTVアニメと調査分の提供一覧をこちらにアップしています。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor0804.pdf
●2008年7月期TVアニメざっと見
(2008/07/28)
毎度のごとく、TVアニメについては群馬で視聴できる放送時間などと提供をまとめてありますので、タイトルのみで語ります。あとキッズステーション、animaxに加えてAT-Xにも加入したので、多少紹介する作品が増えます。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor0807.pdf
テレパシー少女 蘭は、アリソンとリリアなどと同様にある種NHKらしいアニメ作品のセレクトといえそう。きちんと非日常の出来事を交えつつ学園ものの定番の設定をきちんと描けているといってよい。ただし、派手さはない。
夏目友人帳は、物の怪といったものが日常的に存在する世界を見える人にとっていろいろおこっていることを丁寧に描けている。ただし、これも安心して見られるといったところ収まってしまっている気がする。
魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜は、写真をそのまま背景にしたような絵やBECKで見せた多少省略気味のストーリーが、前作を見ている人にとっては不満足かも。ただ、描きたいとされる主軸はきちんと表現されているとは思う。
ワールド・ディストラクションは、出来事そのものはちゃんと見られるものなのだが、どうもこの話の前提となる部分の必然性が今のところの話の中では感じにくい。
スレイヤーズREVOLUTIONは、いろいろな出来事が起こることについても納得して、長期のブランクがあってもこれまでと同様に楽しめるのだが、対峙する物語の主軸となる敵をあまり感じられないので、作品として引き付ける力は
削がれているように思える。
西洋骨董洋菓子店 〜アンティーク〜は、TVドラマ化した時のオリジナルキャラの存在が無く、原作通りに話を動かしていることから、作品世界になじんだ視聴層以外は入り込みにくそう。
テイルズオブシンフォニアは、1話としてはちょっと長尺が長い4話ものであった。ドルアーガの塔よりは、ゲームの世界観をきっちり取り込み見られるものだったと思えるが、セリフが多く物語へ引き込むだけの出来事があんまり出せていなかったかも。
真ゲッターロボ 世界最後の日は、原作のテイストそのものをしっかりと作ったロボットものであり、それ以上でも以下でもない。
ウルトラヴァイオレット:Code044は、作品が持つ演出という視点からは悪くないのだが、出来事や演出そのものがなんか固定化された印象が強く、そこが見えてしまうといまいち楽しめない気がする。
薬師寺凉子の怪奇事件簿は、こういった女王様キャラが起こす出来事を楽しめるかどうか、といったところで視聴が決まるように思う。
鉄腕バーディー DECODEは、いろいろと起こっていく出来事などがうまく作り込まれていると思うので、そこそこ見られるものになっている。
ストライクウィッチーズは、まず絵的なところでちょっとねぇ。スカイガールズと内容もかぶっているし、その違いもいまいち分かりにくい。
Mission-Eは、出来事の割に内容がパターン化されていて、前作同様いまいち新たな視聴層引き込みは難しそう。
無限の住人は、演出的には悪くないと思うのだが、原作が持つセリフなどから見せていく部分がいまいち弱いように感じられた。
恋姫†無双は、舞台と登場人物の設定とのズレが感じられるし、そもそもこの手のかわいらしいキャラに戦わせること自体の矛盾に引っかかって…キャラに興味があるかどうかが視聴のポイントらしい。
乃木坂春香の秘密は、かわいいキャラがとになく何か起こすこと自体に楽しみを見いだせないと見ないように思うのだが。
ゼロの使い魔 〜三美姫の輪舞〜は、前作より発端となる出来事が納得しやすい形で作り込まれたし、まあしっかりとツンデレが表現されているから、これはこれでいいか。
●それにしても「ウザい」キャラだこと
(2008/08/04)
ソウルイーター(TX月18:00)という、月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス刊)連載のマンガをアニメ化した作品がある。この作品は、ボンズというアニメ制作会社によって制作されているが、実はボンズ創立10周年記念作品として位置づけられており、木曜深夜(金2:15)にも多少のおまけ映像をつけたソウルイーターレイトショーという番組も放映されている。
そういった意味でも興味深い番組ではあるが、わざわざ「聖剣伝説」なるサブタイトルを付けて、レイトショーの方では何度も登場してくるのを予告しまくった「エクスキャリバー」というキャラクター。こいつが「ウザい」。
人に質問しておきながらその質問の答えには反応しないわ、自分の(真偽不明と思える)武勇談を延々と語るわ…(な〜んか時折似た様な書き込みをする人をネット各所で見かけるのだが)
そりゃともかく、2度目に登場した(2008/7/28放送17話)には、とうとうAパートの最後に歌い始めた(延々と「エクスカリバー」と歌い続けているだけのようだが)歌が、中CMでもバックでかかり続け、Bパート最初まで続くという徹底したウザさの演出だったりするのである。(中CMはスクエニ(少年ガンガン)とメディアファクトリー(ソウルイーターDVD)だから出来たともいえる)
●2008年10月改編のアニメ番組での興味深いこと
(2008/11/04)
例年通りの2008年10月分のTVアニメと調査分の提供一覧をこちらにアップしています。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor0810.pdf
・BS11のANIME+枠がなかなか確定しない。
BS11開局当初から金・土の23:00〜1:00で4枠編成されているアニメ枠だが、金23:00に当初入る予定のものが変更となって1回前週
23:30に放送されたものをリピート放送をして結局「神様家族」が編成された。土0:00枠も直前まで確定せず10月は「低級霊DAYDREAM」11月は「ロザリオとバンパイア
傑作選」が編成されるということになった。
・BSデジタル深夜枠は大幅変更
2008年4月までBS日テレやBS朝日などで深夜アニメが編成されていたが、今期は枠消滅。BSジャパンでは11月より「かんなぎ」が新規に編成。
枠自体は継続しているBS-iでは、今期より地上波同様に(提供クレジットはないものの)前提・後提の映像が流れることとなる。
・日曜朝のTXで枠増など
TXで10:30第2アニメ枠増。平日夕方の1枠終了による「BLEACH」の放送枠移動と、プライムタイムにディズニーのローカライズしたアニメ「Stitch!」を編成するなど、キッズ向けの強化を図っている。
●2008年10月期TVアニメざっと見
(2008/11/25)
アニメ番組の提供や放送時間はこちらを参照のこと。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor0810.pdf
10月期は一気に深夜アニメの放映枠減少しているが、キッズ向けはそうでもない。TXがライブオン
CARDLIVER 翔を新規に編成しているが、まあこれはそこそこの内容で可もなく不可もなし。
ねぎぼうずのあさたろうやバトルスピリッツ 少年突破バシンも、これまでの同枠と同様の演出なり話の内容で、視聴層維持をしているといったところか。
機動戦士ガンダムOO 2nd seasonは、確かに前作の続きとしては、きちんと作られていると思うが、前作にあったような派手さやいい意味での違和感といったものは無く、すんなりと話が流れてしまっている。(そういえば、今期はダブルオーのMADが盛り上がらないなぁ)
Stitch!は、かなりうまく日本にローカライズして作られているといえそう。ただ、意外な話というのはあまり見せてもらえそうもなく、安心して見られる程度にとどまるのかも。
TYTANIAは、銀河英雄伝説とそんなに演出も含めて違いが無く、狙い通りの視聴層確保といえるが、同枠前作(アリソンとリリア)の視聴者は離れたかも。
ヴァンパイア騎士 Guiltyは、前作の続きものだけあって、そこそこ安定してみられる。ただ、新たな展開というほどの話になっていないためか、食い足りない気もする。
ONE OUTSは、バクチとしての見立てで野球を描く…という意味では描けていると思うが、逆に能書きが多く、絵よりも話で見ている印象が強い。
魍魎の匣は、絵の動きはあまりになく、淡々と登場人物が話を語って進めている感じである。原作のテイストはしっかりとでていると思うが、すでに作られた映画の方が適切かも。
ミチコとハッチンは、当初取っつきにくい話であったが、道中でのいろんな出来事が比較的興味深く描かれているとは思う。ただし、コミカルな部分があまり感じられないのが、不足感である。
のだめカンタービレ 巴里編は、前作より周囲を取り巻く人びとに突拍子もない人がいないこともあって、原作を丁寧に描いて、その内容で引っ張っている感じである。
夜桜四重奏は、原作の持つ世界観や出来事をきちんと描かれていると思うが、もっと過剰に演出していく部分があったらいいかも。
CLANNAD 〜AFTER STORY〜は、前作同様に適切な演出などを行っていて、安心して見られる。ただし、まだアニメ独自の物語を提示できていない部分が惜しい気がする。(素材自体が視聴層を限定するのは、これまで通り)
黒執事は、登場人物が期待通りに描けているから、これはこれでうまくいっているのでは。ただ、思いの外伏線となる設定に奥行きが感じられないが、今後の話の展開での変化に期待できるかも。
鉄のラインバレルは、描きたい主体(ロボットなど)と素材や物語とがうまくかみ合っていない感じがする。
スキップ・ビート!は、なんとか主人公が動き回って話を進めている感じがするが、周囲の人物があまり機能していない気がする。(添え物って感じの人もいるし)
今日の5の2は、小学生の日常の出来事を淡々と描いているという印象にとどまっている。ひきつけていく特異な登場人物の設定が無く、丁寧に描いているだけに逆に平凡に収まって見える。
テイルズ オブ ジ アビスは、まあこの手のゲームのアニメ化としては、ほぼこれまで通りの水準にあるとは思う。ただ、ひきつけてくるだけの登場人物が出ていないように思えるのだが。
屍姫 赫は、素材にあった絵の動きや話の進め方はできていると思う。原作が持つ闇の部分に必要以上に引っ張られている感じがするが、屍との対決場面ではそれがうまく機能しているのでいいとも悪いとも言い難い。
黒塚は、古くからの伝説に基づく話から一気に現代っぽいところに話を持ってきた違和感もあるが、それより同枠前作(ウルトラヴァイオレット:Code044)同様、ダークな部分を描くところに注力して、話にいまいち魅力を感じないところが気にかかる。
地獄少女 三鼎は、これまでの1,2期よりも見た後の後味が悪い印象がある。相手を呪う理由自体の納得度も薄く、主人公が復活してきたこと自体も唐突な印象がある。
かんなぎは、学園ラブコメとしての話としては、きちんとおさえどころを提示していると思う。でも、設定の割に過剰な演出が無く、薄味っぽい印象がある。(当初BS11で編成予定がBSジャパンになったのが、興味深かったりする)
とある魔術の禁書目録は、原作の持つ設定をきちんと描きつつ、話としてもきちんとひきつけてから物事が進んでいる。ただ、多少説明不足のまま登場人物が出てくる感じがして、そこがもったいない。
ヒャッコは、ちょっと風変わりな登場人物たちがくりひろげる学園ものの日常の話を見せていくものであるが、意外と絵としての動きもあって、多少の食い応えがあるものにはなっているかも。
とらドラ!は、学園ラブコメとしてきちんと設定をおさえつつ描かれている。その上で、興味深い(ラブコメ以外の)ネタがいろいろな話の中で提示されていて、おもしろがって見やすいものになっているかも。ツンデレキャラもしっかり作品中で機能している。(MADの素材取り作品になっているかも。盛るぞ〜超盛るぞ〜 とか)
●2009年4月改編で気づいたこと
(2009/03/29)
アニメ枠は減っている…と地上波の動きだけ見ているとそう思えるかもしれない。実際全体では、思いの外減っていなかったりする。
日中やプライムでの民放枠は、YTV(日テレ)の枠移動を除くと、番組の若干の置き換えや、再放送などでの穴埋めが目立ち、実質減少という雰囲気。
深夜枠は放送枠の移動や番組置き換えもあってわかりにくいが、数的には現状維持という風にとらえるべきかも。
NHKは、もともと2年ごとに大きな編成変えを行っているが、今回は再放送枠をドラマ同様に地上・BSで一気に増やすという気合いの入ったものになっている。
http://www9.nhk.or.jp/anime/bangumi_0904.html
BS11は、アニマックスのサイマルや新作、旧作などを取り混ぜ、昨年来の編成未確定が長期化する自体にはならずに済んでいて、実質枠確保の増減ほぼ無し。
AT-Xも、視聴料値上げと合わせて放送時間の24時間化により、当初からのTX枠の番組以外に、これまでも積極的に独立U局やBSの番組を放送していたがTBSメインの番組の放送も追加してきて、ラインナップの増強を図っている。
http://www.at-x.com/whats_new/detail.html/1651
提供一覧をまとめるために作成しているが、アニメ番組ラインナップをまとめた表としても活用可能なPDFファイルを作成している。こちらを参照してみてほしい。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor0904.pdf
実は3か月(放送用語で1クール)ごとに提示しないと途切れるので何度か転けているんですが、それでもしぶとくアップしていたりします。
その抜けた2009年1月分を、かなり端折って紹介。
キッズ向けは2クールか4クール基本なので、2月改編のフレッシュプリキュアのみ。キャラ総取っ替え、かなり設定も変えたが、基本視聴層の動きなく移行は成功した。しかし、表見上変わっていないといってよさそう。
NHK-Eの土曜2枠。メジャーも1月から第5シリーズで、ちょうどWBCネタをやっているものの、メジャー編となった頃と演出など特に変化無し。4月以降移動の名探偵コナンと重なるが、視聴層の変化は無く、視聴率維持か。
獣の奏者エリンは、プロダクションIGの土曜朝枠の精霊の守り人よりキッズ向けの設定に落とし込み、うまくつくられている感じがある。
深夜枠。
はじめの一歩は原作トレースだが、前作よりもひきつけるネタが感じられない。
源氏物語千年紀 Genjiは、あまりにオリジナリティが強すぎて、絵とネタだけでひきつけているに過ぎない。
明日のよいち!は、学園ものの枠以外、設定がうまく機能していないような…
宇宙(そら)をかける少女は、舞シリーズの変則(宇宙)バージョンという雰囲気しか感じられない。
黒神 は、原作の持つストーリーでなんとか持ちこたえている感じだが、薄っぺらい演出が引っかかる。
みなみけ おかえりは、初回作(みなみけ)並みの質は保っていたんじゃないかと。
続 夏目友人帳は、前作のテイストと途中から見ても安心して見られる安定感があったんじゃないかと。(その前作が、4月から夕方再放送だったりする)
鉄腕バーディーDECODE:02は、最初からテンションの高い感じで小気味いいが、イマイチ最初のシリーズを知らないと取っつきにくい。
ドルアーガの塔 the Sword of URUKは、前作同様のイマイチ感が拭えない。
VIPER’S CREEDは、立ち向かう相手などもぼんやりしていてなんか動いている感じに終わっているかも。
アキカン! は、突拍子のない設定とかわいいキャラが登場している以外印象が残らない。
スレイヤーズEVOLUTION-Rは、前作同様にすでにスレイヤーズとしての枠の範囲にとどまって話が進んでしまっていて、新作として積極的に新規顧客を引き込むものがなかった気がする。
RIDE BACKは、主人公とそれが使う機械と、その機械が持つダークな話がうまくリンクできていないため、主人公がその機械に持つ愛着をうまくその後の話につなげられていない感じである。
WHITE ALBUMは、ゲームを淡々とアニメとしてトレースしているだけで、最初からキャラに思い入れしていかないと入り込みにくい。
まりあ†ほりっくは、百合が出てこようとスッパリとギャグっぽい部分だけで十分楽しめると思える。
マリア様がみてる 4thシーズンは、取っつきの話をわざわざ10話近く書けて間延びさせそうな予感がして、それぞれのキャラとのいろんな出来事が薄まってしまいそうな気がした。
空を見上げる少女の瞳に映る世界は、最初から重たい設定を全面に持ち出したことで、取っつきにくい印象が強くなった感じである。
毎度恒例だが、実はすべて見終わっていなかったりする。
ただし、ほぼ終わったのでだらだらっと書いてみる。
放送時間や放送局、提供などは下記URLのPDFを参照のこと。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor0904.pdf
きらりんレボリューションが終わってしまい、少女マンガ(ちゃお)枠は極上!!めちゃモテ委員長が新規に始まるが、まあ引き付けるには多少弱い内容になった感がある。(アイドルになる、方が目的がわかりやすい。○○にもてたいはちょっと…)
メタルファイトベイブレードということで、またベイブレードをアニメ化したが、内容としてそんなに変わること無し。前作の視聴層をなんとか確保かも。
ドラゴンボール改は、変え方に失敗したように思えるほど、バランスの悪さが目立つのが、気になったりする。
ジュエルペットは、サンリオキャラの継続アニメ化ということでそんなに可もなく不可もない感じかも。
クロスゲームは、今さら野球ものの淡い印象の作品を…という不安はあるが、その内容の範囲内では想定通りの絵の感じや演出をしているんじゃないかと。
平日夕方(TX)は再放送がやたら増えた気が…
NHK-HivisionとBS2の怒濤のアニメ(実質再)放送はさらに…というか、新作よりよっぽど興味深い編成だったりする。
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMISTは、前作のような当初からかなりきわどい描写もなく、新たに最初から原作通りに作られるということでファン層はある程度安心したかも。ただし、声優の変更による違和感が残るかも。
毎日かあさんは、バラエティ+アニメという形態だが、うちの三姉妹のような引き付けるだけのネタのこなれがない感じで、原作のネタだけで引っ張っている感じ。
こんにちはアン は、ハウス食品がCM枠120秒→90秒で冠無しの名作劇場となったが、これまでの名作劇場と比較してすんなりキッズ向けとして入り込みやすい話と絵が作られていたんじゃないかと。
日曜深夜に移動したNHK BSアニメ劇場2枠
花咲ける青少年は、原作の持つストーリーをそのまんまアニメ化したのか、第1話での説明がどうも中途半端。かっこいいキャラは確かに出ているが、主人公の立ち位置が不安定な感じがする。
グイン・サーガは、いわゆるファンタジー世界の描き方は丁寧であるが、戦いの構図がちょっと込み入りすぎかも。
深夜枠。
蒼天航路は、もともと持っている原作のテイストが濃く、演出的に強引に持ち込まれている雰囲気が感じられる。
東のエデンは、突拍子のない設定をうまく並べて、人を選ぶが引き込みやすい感じにはなっている。ただし、1クールでいろいろな登場人物とかかわって戦う(と思われる)流れは、相当今後の演出での難があるかも。
PandoraHeartsは、丁寧に出来事が進んでいく感じが見られるが、引き付けるだけの強いキャラの存在が感じられないのが惜しい気がする。
バスガッシュ!は、設定と唐突に話が進むのと、出てくる人たちがかなり身勝手に動いて、きちんとそれを追うだけで見ると疲れてしまうかも。
アラド戦記は、ゲームトレースの最たる感じで、キャラ自体のクセが強すぎ、話が散逸して見える。
真マジンガーは、その手の絵と話と演出が好みであれば見られるし、それ以外ははじくし、新たなものが見られる期待感が薄い。
ファントムは、なんか形を変えたnoirって感じで、小手先の設定の違い以外は演出としてどこかで見たような…ということで、期待感が多少薄れる。
戦国BASARAは、戦国時代の登場人物に無理して現代のキャラ設定で描写して演出しちゃった感じ。過剰とも取れる演出では入れる人とはじく人を作ってしまったかも。
初恋限定(リミテッド)。は、少女たちが主人公の話だけに、うまくキャラクター設定を活かした話を…と思ったら、なんか話に無理にはめ込んでいる感じに。
タユマユは、絵的なもの通り設定自体も客を選ぶ感じが出ていて、なかなか入り込みにくいかも。
ハヤテのごとく!!は、製作主体が変わったものの多少の絵のトーンの違いを除くと、ほとんど演出的な部分も含めて前作並みの質を保ち、きちんと見られる。
けいおん!は、一番のんびりと学園(というか部活)での出来事を丁寧に見ることができるんじゃないかと。
咲-Saki-は、原作が持つ絵のテイストはきちんと描き、麻雀としての盛り上げを絵よりも声優さんの演技に任せることで、当初はうまく構成できたんじゃないかと。
夏のあらし!は、パーツのようにばらして話が動くのが、うまくまだ機能していないような…でも、なんとなく描きたいことは分かる。
アスラクラインは、きちんと謎っぽい話が順番に出来事として入学とともに始まるし、唐突な出来事もきちんとその後フォローしている意味で、まずまず。
戦場のヴァルキュリアは、まず最初の説明すべき設定をいろいろな出来事で描けた点と、メインと思われるキャラが丁寧に演出されていて良かったのでは。
あと、数作品残っているので、気が向いたら書き込むつもり。
●ゴンゾ 東証マザーズ上場廃止決定
(2009/06/29)
日本の株式市場に企業が上場している場合、債務超過の決算がある一定の決算年数超えると、上場廃止となる。すでに、東証マザーズ上場のアニメ制作を主としたゴンゾ(GDHから2009年4月に社名変更)は、該当になる旨の決算報告などをプレスリリースや定時株主総会の資料として提示していたが、正式に有価証券報告書の提出で、東京証券取引所が上場廃止基準抵触を確認したため、7/30上場廃止を決定した。
東京証券取引所の発表
http://www.tse.or.jp/news/200906/090629_a.html
ゴンゾのプレスリリース
http://www.gdh.co.jp/ir/press/pdf/090629_4.pdf
上場廃止したからといって事業は継続していくわけで、当然再度の株式上場ということもありうる。興味深いことに、上場廃止がほぼ明確になった2009年4月の段階で、株主優待の継続などを発表していたりする。
アニメやゲーム制作のファイナンス手法をいろいろと試してくれたゴンゾ。結果としてあまりうまく行かなかった状況にあるが、直近 咲-Saki-などコンテンツとしての魅力を高める努力の芽が見えてきているだけに、早期黒字化とさらに再上場を目指してほしいものである。
実は、4月開始で6月終了のアニメはこれまでと比較すると少ない。
CX Noise枠は、これまでより落ち着いた話を描くことにしたのか、リストランテ・パラティーゾは原作通りいわゆる大人の何気ない店を介した出来事が流れただけで終わる。
同様に noitamina枠は、ある意味突拍子のない設定から既存のものに新たな出来事を起こすということで 東のエデンは、パッとみるだけならきちんとインパクトのある話となった。
しかし、(noitamina枠が持つ)視聴率とビデオセールスとの差異はまた発生しそうなすう勢である。
夏のあらし!、戦国BASARA、アスラクライン いずれも次回作があるとのことだが、固定したファンに向けたという感が見え隠れしてイマイチピンと来るような(他のファンを引き込むような話)がなかった気がする。出来は固定ファン向けとしてはまずまず。
初恋限定。は、しっかり固定ファンのみ。語るべきトピックスたる出来事もないタイトル通りの作品であった。
2クールである、宇宙をかける少女は類似の舞-HiMEなどのテイストをうまく演出で使い切れず、宇宙に舞台を広げただけで収まっちゃった感じのような気がする。
前作との違いもなく、だらだらと続けた感じが、はじめの一歩 NewChallengerにあったと思ったのは、個人的な気のせいであってほしい。
そんな中で、原作が月刊4コマで2巻しかなく、当初ファン以外の広がりを持ててしまった けいおん!が、結果として残る作品として取り上げざるを得なかったといえる。(本当に、いろんなネタが出てきたなぁ…sh-katoのページ(アニメの)トピックスを参照のこと)
まだ継続しているが4月始まりで気になるとすれば3作品。
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMISTは、同じ原作で当初はほぼ同じストーリーを描いていたが、きちんと違いをつけて前作を見た人でも引き込めることや、新たな話に2クール目から動き始めていてうまく引き込めているといえる。
咲-Saki-は、原作に加えた設定や話、演出が結構うまく機能していて、麻雀アニメの新たな方向性を提示できたといえるのでは。
ハヤテのごとく!!は、ラブコメ色を強めたことで、前作より原作ファンも含めて見やすく楽しめるものになったのではないかと思われる。
ファンタジーものが、その設定などで硬直して同じように見えているのも複数あり、それらの変化が感じられないのはやはり気にかかる。
ついでに、戦場のヴァルキュリア は、意外と話の進捗が遅い気がするが、ゲーム原作でありつつアニメ的な演出をきちんといかしているように思う。(それよりも、あるキャラが原作通りに亡くなってしまう進捗をどうにか…という意見もあるらしい)
●2009年7月改編アニメざっと見
(2009/08/12)
在京局は2クールが基本になりつつあるので、実は深夜アニメの7月改編の新作は例年よりずいぶん減っている。
それとは別に、興味深いのはNHK教育 メジャーの後枠であるエレメントハンター(NHK教育土18:00)。内容はそれほど興味深いものもないベタな教育的要素の強い子供向けだが、これに関連した玩具が民放でTV-CMとして流れていたりする。NHK主導でも、ある程度商業的動きが能動的に行える可能性が出ているのかも。
番組の放映時間は、下記PDFを参照してください。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor0907.pdf
懺・さよなら絶望先生は、前作同様のパターンで社会的な事由をコミカルに描いている、といい言い方をすればいえるかな。
同じ制作会社・監督で制作している化物語。ちょっと風変わりな言葉をあやつる原作のテイストを、映像化としてうまく表現しているんじゃないかな。たぶん。
宙(そら)のまにまに は、天文部というマイナーな部活でもしっかり学園ものとしていろんなイベントを入れたり、登場人物の謎っぽい部分を加えたりすれば、引き付けられる内容に出来ることを示した作品だと思う。
東京マグニチュード8.0は、あまりに丁寧にリアルに表現していて、シミュレーションアニメとしてはそれ以上でもそれ以下でもないまあ適切に作られているとは思う。それを、継続して楽しんで見るという素材ではないと思う。
青い花は、ぶっちゃけレズものなんだけど、そういった恋をしているということを、淡いトーンでうまく包み込んで表現して見るだけならうまく作られているなぁ…と感心できるものとなっている。
うみものがたりは、丁寧に透明感のある南国の島の風景を描き込み、そこに合う音楽を流し、素直な海の世界の娘がいろいろな出来事にあっていくのだが、ダークな部分の表現がそれ以外の素材の優しさに押し流されて、物語としての引っ張っていく力は乏しい気がする。それ以外を楽しむならいい作品といえる。
大正野球娘。は、時代設定やそこに登場する人物設定は、適切に描かれていると思うが、原作自体ももっている引き付けるだけの話の展開という意味では弱い気がする。
かなめも は、以前同枠であった下宿を舞台とした まほらばのテイストで作られているのだが、主人公自体が結構受け身でさらに引っ込んだ感じとなっていて、設定も物語も引き付けるだけのものは無さそう。作品世界で見る感じかな。
同じ雑誌からのアニメ化であるGA-芸術科アートデザインクラス-は、学園ものとしていろんなしょーもない出来事を積み重ねて進んでいるので、見てみればそこそこ見られるはず。
ただ、そんなに際立ったキャラ設定があるわけではなく、その分継続視聴にはなりにくそう。
狼と香辛料IIは、前作同様ファンタジー仕立ての商売の話を中心としたやりとりと、商人ロレンスと賢狼ホロのやりとりを楽しむという部分をしっかりおさえていて、見やすい。
ファイト一発!充電ちゃん!!は、そもそもの設定が無茶で、無理くり話をくっつけている感じ。
よくわかる現代魔法は、主人公とされる娘の立ち位置が不安定な感じだし、表現される絵の割に起こっている出来事はたいしたことないように感じられちゃっている気がする。
うみねこのなく頃に は、ひぐらしのなく頃にがOKかどうかで視聴が決まるといってもいいくらい、同じテイスト。
CANAANは、確かに銃を撃つシーンなどはPhantom同様見応えあるとは思うが、物語や設定自体はそんなに厚みがあるように思えない。
プリンセスラバー!は、あまりに突拍子のない設定とご都合主義の話の進み方という印象しかない。
●JDC信託、信託免許取り消しへ 金融庁、資産管理体制に問題
(2009/09/15)
NIKKEI NET 2009.9.15
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090915AT2C1500315092009.html
金融庁は15日、著作権の管理・運用を手掛ける信託会社の「ジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)信託」の信託免許を週内にも取り消す方針を固めた。顧客から預かった信託財産を流用するなどの法令違反が判明。顧客財産を適切に管理する内部管理体制を整えるのが難しいと判断した。
---引用終わり
コンテンツに関するファンドなどの金融商品を設定し、映画などの制作資金確保で興味深いファイナンススキームを提示していたJDC信託。しかし、ヒットに結びついたファンドがほとんどないことや、顧客財産を適切に管理する内部管理体制不備で、上場している東京証券取引所から監理銘柄(その後特設注意市場指定銘柄だったが信託免許取り消し発表により監理銘柄(確認中)へ)となっていた。銀行以外の信託会社初の信託免許も、停止処分からとうとう取り消しとなったとのこと。(9/15
18:50発表)
http://www.c-direct.ne.jp/public/japanese/uj/pdf/10104815/20090915177227.pdf
確かに、DVD販売の低迷などのコンテンツ市場の厳しい状況がベースとして今回の問題が露呈したといえるが、ヒットしたコンテンツのあるファンドにしても、それほど出資した側に期待ほどのリクープ(資金回収・収益)があったとは言い難い。ファイナンススキームに凝りすぎて、本来の著作物を活かしたものとなったとは、現時点でもいえないと思えてならない。
JDC信託が取り扱った販売収入を得る権利を元に資金調達するよりも、直接製作委員会に出資出来る企業を探して、その出資割合からリクープするのが、まだ最適とはいえないが一般的であったりする。その新たなスキームが、ベースとなる内部管理体制不備で取り扱いできる母体が実質なくなるというのは、困った話だと、私は思う。
今回は6月〜9月までに終了したアニメのうちから、気にかかったものだけを書くことにします。(4月改編アニメ感想といくつか作品が重複します)
6月終了でヒットといえるのは「けいおん!」でしょう。TBSでは4:3、BS-TBSでは16:9であったことや画質などにいろいろと議論は出てきた京都アニメーション制作作品であったことや、アニメファン以外も番組内容に食いついてくるという相乗効果もあって、京都市内などへの聖地巡礼(映像の元になった場所へ行くこと)やBDセールスも好調。かなりゆったりとしたトーンで、そんなに飛び抜けた出来事があるわけでもない部活動ものではあるが、キャラ人気も出てきて珍しいくらいに目立つ作品となった気がする。
4月開始のキッズものがイマイチターゲットを絞りきれずに上乗せ無しの状況。ただ、安定した視聴層の確保は出来た模様。
「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」は、まだ継続放送中だが、前作とはかなり表現も内容も変えたため、一定の評価できるものではあるが、前作以上に厳しい表現が多いのが気にかかる。
「グイン・サーガ」が原作以上に敷居の高く、中途半端に終わった感じがあるのも気にかかった。
「戦国BASARA」は、ターゲットを完全に絞って確実な視聴層確保を狙い、それがうまくいった例といえる。逆に、新たな視聴層の開拓はあきらめたともいえそうなのは、それでいいのかどうかという疑問符が残る。
「東のエデン」は、小難しい設定を突き抜ける勢いでストーリーを走らせたのが功を奏したと思え、劇場版へとうまくつなげたのではないかと思う。
「リストランテ・パラティーゾ」は、原作トレースに終わった感がある。
「夏のあらし!」には、演出上のクセと表現された作品世界に若干の違和感を感じ、それがもう一段の視聴層確保につながらなかった感じがある。(それは10月からの続編でも同様に感じる)
「ハヤテのごとく!!2nd season」は、ラブコメに特化してメインストーリーを進めたのが、既存視聴層への安心感を得た形で、そこそこ見られる感じになったと思う。逆にサイドストーリーでの失速感もあった気がする。
「東京マグニチュード8.0」のめちゃくちゃある震災でのリアル感は、表現としては適切ですごいと思うのだが、あわせて再度みたいと思わせない厳しさもあったように思える。
「かなめも」は、表現などでの原作と違うプラスアルファが見られなかったためか、キャッチィな部分に欠いていた。
逆に日常的でちょっと変わった部分を描いた「GA-芸術科アートデザインクラス-」には、きちんと見せる部分があったように思えた。
「宙のまにまに」は、結局大きな出来事があったわけではない部活動ものではあるが、キャラが生き生きと描かれていて見れば見飽きない感じに仕上がっていたと思う。
「うみものがたり」は、結構ダークな部分を描くところもあったはずなのだが、それは日常的に持つ幸せ感を作品全編でたゆたゆと音楽や映像で表現してしまって、結果としておぼろなストーリーのように見えてしまった気がする。
「狼と香辛料II」は、前作にあったしっかりしたストーリーから細切れのストーリーを束ねたように変化した感じで、1クールしっかりと通してみたくなるものを構築できていなかった印象がある。
2クール通じてキャラやストーリーでいろいろと話題を出せていたのが、女子が中心で麻雀を部活動として活躍する「咲-Saka-」だったといえる。多数のキャラが登場しているが、それぞれのキャラにファンがつくくらいキャラごとに目立てる物語がちりばめられていたし、それでいて日常的な表現も音楽も含めて丁寧に作られていたと思う。
9月終了でのヒットといえるのは「化物語」。かなり独特のくどい感のある台詞回しを、(制作会社である)シャフトのこれまた独特な表現手法とマッチしていたし、2ないし3話で一つの物語を構成して、怪異とそれにとりつかれたりするキャラ、そして主人公との会話や物語は、作品世界にはまれるとかなりいい感じに仕上がっていると感じられたのではないかと思う。(逆に、作品世界ではじかれる人も多いかも。萌えキャラではじくのとは違った意味で)
振り返ってみると、ヒットやトピックスとなりうる作品が、作品数自体を絞った以上に絞られてきていた気がする。
●2009年10月改編アニメざっと見
(2009/11/17)
アニメ番組数は前期同様絞られているためか、派手さのある作品はほとんどなく、おとなしい印象が強い。
番組の放映時間は、下記PDFを参照してください。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor0910.pdf
そんなおとなしい状況で目立ったのが、「とある科学の超電磁砲(レールガン)」。前作(とある魔術の禁書目録)の外伝としているものの、コミックスの内容にオリジナルのストーリーをつけて肉付けし、設定を活かして映像も丁寧に作られているようである。
オリジナルものが得意な制作会社とライトノベル原作でうまくいくか注目された「聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)」は、意外と原作のテイストを活かしたものとして作られていて、平均以上かも。
原作自体それほどキャッチィなものではないものの、学園ものの出来事を丁寧に描いているとして「ささめきこと」と「君に届け」は、平均以上として取りあげておいてもいい作品かも。安定した映像構成と、ストーリー・設定のバランスの良さは見やすいのだが、それほど引き付けるだけの出来事は起こらないし、人によっての好みもありそう。
キッズ向けはある意味求められる設定にしばられていて、飛び抜けた引き付けるだけのものはなかった気がする。
(FAIRY TAIL、夢色パティシエール、たまごっち、怪談レストラン、あにゃまる探偵キルミンずぅ などなど)
20時台のNHK BS放送の「こばと。」は、原作の持つテイストをしっかりと表現しつつ、2クールもち得る設定をうまく作っているように見えた。
「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」は、前作同様のテイストで、それ以上でもそれ以下でもないが、ちょっとわかりにくい部分が見ている時にかかる。
前作がある作品は、意外と新たな展開といった感じを受けず、現状維持に終始しているようなストーリーの転がし方に感じられて仕方ない。(犬夜叉完結編も、その範囲に留まっている感じ)
「戦う司書 The Book of Bantorra」や「11eyes」は、どうも原作のテイストに引きずられてアニメとしての見応えに不足感を感じる。
深夜アニメの多くは、設定通りの話を転がしているだけで、原作自体に興味があるかどうかで視聴するかが決まってしまう状況にとどまっている気がする。
(夏のあらし!、ミラクル☆トレイン、けんぷファー、にゃんこい!、テガミバチ は、そんな感じ)
●とある科学の超電磁砲のストーリー構成への興味
(2009/12/13)
とある科学の超電磁砲(レールガン)は、とある魔術の禁書目録(インデックス)外伝として作られたコミックスを元に作られたアニメ作品である。コミックスは4巻まで既刊であるが、その内容だけでは2クール(半年)のアニメ作品として作るのにはいろいろ不足しているし、すでに3巻分の話を1クールで使い切ってしまっている。
水上清資という方が、この作品でストーリー構成をやっている。ストーリー構成は、個別の話で脚本家が異なって並行して作成するのをとりまとめ、必要により脚本内容を補間する役割と、私は理解している。彼が以前ストーリー構成をやった「あさっての方向。」で、オリジナルのキャラクターを配したり、元となったコミックスとは方向性の違うがきちんと個々の物語を積み重ねて、見やすい流れの話を作り込んでいて、気になっていたのである。
とある科学の超電磁砲でも、そういったオリジナルの物語やキャラクターを配したり、それぞれの話の物語に配した内容を伏線にして大きな物語をきちんと構成していることに、個人的に大変興味を与えられたのである。
2クール目となる2009年12月下旬以降の話は、アニメオリジナルの話が多くなると思われるが、原作となるコミックスのテイストをきちんと保ちつつ、興味深く楽しめるストーリーが構成されてくるのではないかと、期待しているのである。
アニメざっと見で書いた内容そのまま、かもしれない状況かなぁ。
2クールでまだ継続するとある科学の超電磁砲(レールガン)は、小気味よくストーリーを表現してきちんと引き込めるものに仕上がっている。
原作通りにストーリーを展開するかが興味だった聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)は、多少食い応えに欠く1クールゆえの急ぎ足なストーリー展開だが、それなりに見られる話を構築できたと思う。
特に際立つ出来事がない原作の世界観を丁寧に描ききった学園ものは1クールの「ささめきこと」2クールの「君に届け」いずれも安定していたといっていいと思われる。
2クールでアニメオリジナルを多くせざるを得ない「こばと。」は、その作品のテイストの中できちんと物語を作り込んで安心して見られる。
「 DARKER THAN BLACK -流星の双子-」は、映像のリアル感と対照的に、設定が込み入った感じをきちんと表現しきれず、見ていてわかりにくい感じがざらついた感じとしてあまりいい感じのしない後残り感がある。
前作のある作品は、総じて前作より勢いを失いそこそこの出来で終わった気がする。
作品を絞って1クールで試しっぽく作られるアニメが多いが、総じて原作にある物語をこなすのに終始し、アニメとして魅せる部分に欠いて作品名すら思い出しづらい状況は、今期に限らない現状かもしれない。
●劇場用アニメ、産学で販促 アニプレックス、立命大と組む
(2010/01/18)
NIKKEI NET 地域経済 2010.1.16
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20100115c6b1503j15.html
ソニー・ミュージックエンタテインメント傘下のアニメ製作会社、アニプレックス(東京・千代田)と立命館大映像学部は劇場用アニメの新作「宇宙ショーへようこそ」のプロモーションに産学連携で取り組む。15日の授業で学生が関西地区での販売促進プランを提案し、コンペを実施。
---引用終わり
産学連携で販売促進というよりは、学生向けプロモーション実技に実際公開する予定の作品を持ってきた程度のものという感じである。地域を限定しているのも、効果を比較しやすくするというより学生が考え行えうるプロモーション内容とするというものではないかと思う。
それよりも、アニプレックスがTXと共同してオリジナルアニメ作品を作るアニメノチカラ(現在放映中のソ・ラ・ノ・ヲ・トが該当)など、他のアニメ制作・プロモーション会社とは一線を画する企画を行っているという流れの一つとして興味深い。
●2010年1月改編アニメざっと見
(2010/01/20)
アニメ番組数は本当に減ったなぁ…と感じるくらい減りました。
番組の放映時間は、下記PDFを参照してください。
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor1001.pdf
ソ・ラ・ノ・ヲ・トは、オリジナルアニメとして制作するのを前提としたTXとANIPLEXの共同制作「アニメノチカラ」第1弾として出してきただけあり、派手な設定や映像演出はないが、安定して話の構成や舞台設定、映像などが作られていると感じられ、安心して見たいと思えた。
ひだまりスケッチ×☆☆☆(ほしみっつ)や のだめカンタービレ フィナーレ は、前作同様の安定した演出なりストーリー運びが出来ていて、安心して見られる。
おおかみかくし と おまもりひまり。タイトルが似ていて設定は結構違っているらしいが、それでもどちらも似たような表現的な色合いが感じられて、特徴に欠けている気がする。
デュラララ!!とCOBRA THE ANIMATIONは、もともと原作が持っているテイストをきっちりと描いていると思うが、アニメとしては取っつきにくさがある人もありそうなクセのあるつくりな気がする。
バカとテストと召喚獣は、原作通り設定を細かく作り込んだ割にアニメとしてみせる絵なり演出が感じられなかった気がする。
はなまる幼稚園は、無難に原作通りに作ってあると思われるが、それでアニメとして興味深いかどうかというと、もうちょっとアニメならではの独自色があった方が良かったかもしれない。それくらい、なんとなく話が流れているように思えた。
●東映アニメの純利益、2.4倍の12億円に上方修正
(2010/02/26)
NIKKEI NET 2010.2.26
http://www.nikkei.co.jp/news/tento/20100226ATGD2502825022010.html
東映アニメーションは25日、2010年3月期の連結純利益が前期比2.4倍の12億円になりそうだと発表した。従来予想を2億円上回る。アニメ映画の興行やキャラクター商品の版権販売が予想より良かった。
---引用終わり
ワンピースやプリキュアといったキッズ向けのアニメが安定して収益を得られており、上方修正となった模様。深夜アニメなどがビデオセールスを中心としていて収益を落としているのと対照的に、ある程度の人気を確保したキッズ向けアニメは手堅いと言うことになる。ただし、挑戦的なことをしているかというとそうでもないわけなので、このままでいいと思ってもいないと思う。
アニメ番組の本数が減っていますが、その割にはコメントしたいと思える番組も減っているようで…原作そのままの世界を表現、とか、アニメにしなくてもドラマCDやWed音声ドラマとかで済むんじゃないか、というがほとんどを占めていたりする。
「銀魂」は、当初プライムタイムで流れていたが、時間を移しつつ、連続した物語がほとんど無い中でテイストを守りつつ4年もアニメを作り続けたなぁ…と、感心した感じです。
「ひだまりスケッチ×☆☆☆(ほしみっつ)」は、時系列をずらして実質1話完結で日常を描くというところと、その世界観を丁寧に見せて、はまれば引き込まれる感じに仕上がっている。
逆に「のだめカンタービレ フィナーレ」は、原作そのままの話の進行のために、アニメとしての特別な見せ方のような工夫が感じられず、すんなり終わっちゃいそうな感じ。
「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」は、落ち着いたでもどこか寂しい感じのある世界観とそれに対比された日常をすごす少女たちを、生き生きと描いていたし、最後2話でドキドキする話を織り込んできていて、見応えのあるオリジナルアニメに仕上がったところでしょう。
2クールでオリジナルストーリーが主となった「こばと。」は、きちんと時系列で1話ごとに話を進めつつ、全体としての目標に向けての謎をはらんだ話を解きほぐしながら進めていて、見ていて好感の持てるものとなった。
原作コミックスがあるのに2クールの1/3をアニメオリジナルの話で占め、原作者からわざわざプロットをもらい受けて、最終数話で前半同様に長編話をもってくるという大技をやってくれたのが、「とある科学の超電磁砲(レールガン)」。
作中の世界観の表現も微に入り細に入り適切で、かつ視聴者を意外と思わせるくらい、いろんなところに伏線を張っていて、それでも各話できちんと楽しませてくれたという意味では、外伝とは思えないくらい完成度の高いアニメだったと思います。
あとは、10数作品あると思うんだけど、個人的に見流した感じなのでコメントも特に無しかな。
(2010/04/30)
アニメ番組数は本当に減ったなぁ…と前もいったけど、さらに減りましたねぇ。
キッズ向けは、実はタイトルを変えたり放送時間を変えたりしつつ、ほぼ増減無しだったりする。
「ジュエルペット〜てぃんくる☆〜」は、キャストと放送時間を変えただけで、ターゲットは同じ。マイナーチェンジで、なんとか乗り切っている感じ。
「ケロロ軍曹」を15分枠に時短して、「SDガンダム三国伝」を新たにスタート。3Dガンダムはこれまでより違和感ない映像となっているが、内容はまあタイトル通りでキッズ向けとしては可もなく不可もなく、かな。
「メタルファイト ベイブレード〜爆〜」は、タイトルを変えただけで、ベイブレードが続いているなぁ…というほど同じテイストで作っています。
「ひめチェン!おとぎちっくアイドル リルぷりっ」は、女児向けとしてはキャラの特徴付けが振れた感じで、焦点ボケっぽい気がする。
「HEROMAN」は、アメコミっぽい感じでエウレカセブンを作ったという感じかなぁ。イマイチ取っつきが悪そう。
「GIANT KILLING」は、サッカーで監督をメインに描く感じなのかな?対立項はなんとか描けているが、サッカーを見せるという意味では、まだ2話までではそこそこって感じ。
ここからは深夜枠。実質本数は減少。
「おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜」は、前作同様に丁寧にストーリーも絵づくりもされている。
「会長はメイド様!」は、だぁ!だぁ!だぁ!と同じ制作陣で作っているようで、少女マンガ原作としてはちょっと野暮ったいテイストが見えるなぁ。話は、設定ほどキャッチィにつくられていない感じで、引きつける力としては弱いと思う。
「Angel Beats!」は、絵や音は丁寧に作られていると思うのだが、話や設定はいまいちキャッチィな部分に欠いている気がする。時間の流れまで作り込むアニメではなくゲームとしてなら、うまくいくような内容に思えた。
「迷い猫オーバーラン!」は、独立U局でよくありそうなかわいい女の子が多く出る、設定と話のバランスが置いてきぼりのアニメそのものだなぁ…と、なんとなく感じた。
「荒川アンダーザブリッジ」は、ずれた会話を楽しむというギャグ的な要素があんまり機能していない気がする。それでも、設定やカット割りはうまく作られていると思うが。
「RAINBOW 二舎六房の七人」は、設定の重さに深夜に見たいとは思えないダークな内容です。絵とか演出に多少の荒さが感じられるが、原作の話自体やナレーションなどで補っている気がする。
「閃光のナイトレイド」は、(原作のない)オリジナルアニメとしては、前同枠(ソ・ラ・ノ・ヲ・ト)より気合いが入りすぎて空回りしている演出がいくつかあるかも。それでも、見逃せない雰囲気を感じさせる話の小気味よさや絵の質の高さは感じる。
「けいおん!!」は、前作と同じように絵も演出も出来ていると思うのだが、それだけでは前作のような期待感のようなものの形成は難しかったように思う。それでも、見たいと思わせる映像や設定になっている。
「四畳半神話大系」は、原作のテイストはうまく作れていると思うが、それがちょっと取っつきにくい感じかも。
「さらい屋五葉」は、動きよりも話で魅せる抑制のいい感じで作られていると思うが、動きがあった原作の方が制作会社的にはあっているように思えた。
WORKING!!というYTV,CTV,MX,AT-Xで2010年4月から放映しているアニメのDVDが、比較的売れ行き好調との話を聞く。
実はすでに半年ほど前にアフレコすら終わっているということで、13話分が作られているアニメである。
北海道某所にあるファミレスを舞台にした、バイトコメディという内容。ヤングガンガン連載の漫画が原作。
直近アニメを放映したくてもその放送枠の確保もままならない状況で、そのため制作自体が止まるのが一般的なようであるが、このアニメは放映自体はすることを決めていたらしく、制作は進行させていたらしい。
メイン局がYTVで、他の放送局の枠調整がそうそううまくいかなかったようだし、制作母体のA-1 pictures(ANIPLEXのアニメ制作子会社)も他の作品の制作の都合先行せざるを得ず、スクウェア・エニックスも、他の在京局をキー局とする作品を複数抱え、あまりこのアニメに力を入れにくかったと思われる。
…そんなわけで、放映開始直後の4月下旬にDVD第1巻が発売することが可能だったようである。放映局のゼネカバが良くないことで認知度はそれほど良くないが、それでも1巻が1万以上売れたらしい。(1話のみで3150円だが)
つくってしばらく経って放映されたことから、制作日記のようなブログはなく、あとツッコミのようなtwitterがある。
ネットラジオも5月下旬にようやく始めるというのんびりしたもの。
放映枠確保に苦心して、それからなんとか制作に本格的に着手しているアニメがある中、放映局が少ないというリスクを抱えても作ってしまうアニメもあるとのこと。
普通のTV番組では、こういったことはほとんどあり得ないのは、番組自体が販売するものそのものであり、むしろ制作形態としては映画に近いからといえそう。
「ご姉弟物語」は、「あたしンち」のような続けられるような世界観の構築は出来ず、原作の物語を消費して終わった感じかねぇ。
「おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜」は、予定調和で原作通りに丁寧に作られて、次の大会へ続けられるように作っているのが分かる。
「Angel Beats!」は、思ったよりも引き込まれるストーリーの出来事が弱く、パターンの中で話が小さく作られちゃった感じが否めない。
「荒川アンダーザブリッジ」は、不条理ギャグ狙いだったがとにかくうまく設定などが機能せず、物語がただこなされる感じで進んじゃった感じがする。
「閃光のナイトレイド」は、絵の質などは申し分ないのだが、話の骨格が弱く、諜報活動と対峙する敵がうまく並び立たずに物語が薄っぺらくなった気がする。
「四畳半神話大系」は、世界観の作り込みはうまく行っている気がするのだが、話ごとのネタの重複をうまくかわすような演出に最終話以外はなっていなかったように思えた。
「さらい屋五葉」は、原作通りの世界観の投影はうまくできた気がするのだが、動きが少ないのが見る側としてちょっと物足りなさを感じる気がした。
「デュラララ!!」は、感覚的に見るとそれなりに楽しめたのかもしれないが、話が後半ようやく明確に目的を持って動いてから興味が持てたというのは、ある意味もったいない気がする。
「WORKING!!」は、ありきたりな漫画原作のアニメなのだが、アニメオリジナルの演出が出来て、それなりに興味を持って見てもらえる工夫があったと思う。
●2010年7月改編アニメざっと見
(2010/07/26)
アニメ番組数は本当に減ったなぁ…と前もいったけど、さらに、さらに減りましたねぇ。
「戦国 BASARA弐」は、前作よりも設定はぶっ飛んでいるけど、ある意味元となるゲームの範囲をきっちりやっているだけという感じ。
「デジモンクロスウォーズ」は、いい意味でも悪い意味でもデジモンシリーズの枠で新たな設定を作ってみましたという程度のもの。
「世紀末オカルト学院」は、オカルトなどの設定はともかく、ストーリーをしっかり作り込んでいる感じがし、まあ見られる感じになっているかも。
「屍鬼(しき)」は、原作のコントラストの濃い設定をしっかりと表現しているとは思うのだが、話自体は薄まって無駄にいろんな場面を付け足した感じがする。
「アマガミSS」は、ゲームをそのままアニメにした感じの違和感があるのか、丁寧に話を追って都合良く進んでいくように見えた。
「伝説の勇者の伝説」は、やる気のない主人公という特徴を除くと、勇者が出てくるこれまでのアニメとあんまり表現上の差異を感じなかった。
「黒執事II」は、前作からうまくつないで進めている感じではあるものの、目新しさといった前作のようなものはない。
「みつどもえ」は、もともと原作のギャグとしてのテイストがクセがあって、そのクセが楽しめないと入り込めない気がする。
「ぬらりひょんの孫」は、映像などはしっかりと作られていると思えるが、設定そのものに引き付けるだけのものがあるとは言い難い気がする。
「ストライクウィッチーズ2」は、製作会社が変わったが前作の続きとしてはうまく作られていると思う。ただ、キャラなどのクセが強いだけに見る範囲は限られそう。
TVドラマ以上に夏枯れ感が強いなぁ。
●アニメ制作会社、9割が都内 自治体、育成へ相次ぎ支援
(2010/08/22)
日本経済新聞 2010.8.21
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C889DE3E1E3EAE2E6EBE2E0E2E2EAE0E2E3E29EEAE1E2E2E2
帝国データバンクがまとめたアニメ制作会社の経営実態調査によると、全国の制作会社のうち都内に本社を置く企業が92%に達することが分かった。アニメ産業はアジアや欧米向けのコンテンツ輸出産業として注目が集まっているものの、売上高は減少傾向にある。
---引用終わり
都内への集積度が高いのは比較的分かっていたことだし、売上減少も放映本数減少で既知といえる。まとまっている業種に対して、地場産業として育成していくのは自治体としてよくある対応ではあるが、もう少し早めから対応していればと思うのだが。それくらい業種としては危機的な状況にあると考えた方が妥当と思える。
●アニメ作品の公式動画配信が増えてきた
(2010/09/19)
アニメ作品をTVで放映した後に、動画配信を第1話は常時、第2話目以降は1週間無料で見られるようにする作品が、2010年に入ってからずいぶん増えてきている。特に、TXや独立U局を中心にあまりネット局が多くない作品で、配信する例が増えていて、ニコニコ動画あたりだと2010年10月期は9作品行うとのこと。
ある程度見てもらえる手段を増やして、その反応もうかがい知ることが出来れば、作品そのものへのマーケティングもやりやすくなるからかな。何が何でも配信しないのではなく、配信をコントロールすることで作品への接触度合いが高まり、あわよくばパッケージも売れてくれれば…ということなんだろうと思う。
「バトルスピリッツ 少年激覇ダン」は、次の続編へつながるように、この時間枠のアニメらしく熱血感が伝わってつくられていたかな。
対照的に「あにゃまる探偵キルミンずぅ」は、視聴層を絞りきれず、なんとなく設定をこなした感じで終わった感じかなぁ。
「ポケットモンスター ダイヤモンド & パール」は、予定通りの進捗で、可も不可もなく設定が変わるだけ…と、終わった感じがしない感じで終わったなぁ。
「家庭教師ヒットマンREBORN!」は、長期の放映のわりにすがすがしく終わっていった感じかな。とりあえず終わったって感じ。
「GIANT KILLING」は、後半になってようやくサッカーの采配の持つおもしろさが表現できたかなぁ…という気がする。前半のもたつきがなんか惜しい。
「メジャー第6シリーズ」は、あえてコメントの必要無いくらい、原作通りに熱血しつつ話がきちんと進行している感じでしょ。
「戦国 BASARA弐」は、当初見た時の感想と同じ。元となるゲームの範囲をきっちりやっているだけという感じ。でも、それなりにアニメとしての見せ方の工夫はしていると思う。
「世紀末オカルト学院」は、やっぱりオカルト的な設定はとってつけた設定で、それでもストーリーはしっかり作り込んで見続けられたと思う。ただし、再度見たいかというと、そこまでの引き付けるものはなかったと思う。
「黒執事II」は、なんか中途半端な設定で消化不良っぽいというのか食い足りない感じがした。丁寧に前作同様に作られているということを加味しても。
「みつどもえ」は、ギャグにいくのかそれ以外にいくのかがぶれて、いまいち原作のテイストもうまく作り込めていなかった風に見える。
「ストライクウィッチーズ2」は、なんかストーリーの深みがなくて、スルッと話が流れちゃった感じがした。
「RAINBOW 二舎六房の七人」は、原作のテイストをきちんと描いていると思うが、いかんせん深夜にはきつい素材だったように思えるのだが。
「会長はメイド様!」は、もう少しギャグっぽい表現を減らしてラブコメをしっかりやった方が見やすかったように思える。
「けいおん!!」は、作品の世界観をしっかりと2クールにしても作り込めたというところでしょうか。
再度見返したいと思える作品が、作品数が減った以上に少なくなっているのは、気のせいですかねぇ。
●2010年10月改編アニメざっと見
(2010/10/28)
「とある魔術の禁書目録II」は、前作同様安定した原作の構成を、アニメにうまく表現しているし、しっかりと登場するキャラの見せ方も確立しているといっていい気がする。
原作が持つギャグをしっかりと描き、かつアニメとしての見せ方も確立している印象がある「侵略!イカ娘」。対照的に、ギャグが滑るまくっている感が強い続編である「荒川アンダーザブリッジ*2」。
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」は、オタクをある意味見事に表現しきっているという感じかなぁ。妹である女子中学生がエロゲーマニアという素材なのに、ファッショナブルな女子中学生をベースとして描いているからうまくいっているのかも。
同じストーリー構成の人がつくっている、ギャルゲーをリアルで試していく話である「神のみぞ知るセカイ」は、素材自体がある意味ベタすぎて、それほど引き付ける感じになっていない。
ゲームをアニメ化するというものは、どうしても素材を丁寧に表現する方に力点が入って、物語が添え物という印象を拭えない。「FORTUNE ARTERIAL」「ヨスガノソラ」は、どちらもそんな感じ。
「おとめ妖怪ざくろ」は、サクラ大戦のようなテイストから内容・表現ともに抜け出せず、どこかで見たような…感じが抜けない。
「海月姫〜くらげひめ〜」は、素材をそのままアニメにするだけで終わっちゃいそうな…原作をアニメ化することがトライアルになった感じ。
「それでも町は廻っている」は、これもギャグっぽい表現が滑っているような…カット割りには結構トライアルというかシャフトっぽい作りにはなっているが。
「咎狗の血」は、ストーリーよりキャラを引き立たせる方に力点があるみたいに見えるし、キャラにはまれないと近寄りがたい気がする。
「テガミバチ REVERSE」は、前作を必要以上に引きずっていて、重い設定にしばられて、新たな物語への期待をしづらい。
「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」は、むしろ同じテイストのパワーパフガールの方が見ていてまだ興味が…というか、下品さが必要以上に際立つ感じかな。
アメコミっぽいといえば「アイアンマン」なんてアニメもやっているが、こちらは本当にアメコミをアニメにした感じ。
「新ゲッターロボ」は、ゲッターロボとの違いを探しづらいくらい、同じものをまた見させられている感じ。
「バクマン。」は、素直に原作通りに描かれているのかなぁ。まあ、NHKらしく安心してストーリーを見ていられる気がする。
NHKらしくストーリーをきちんと描くところに力点があるといえば、「心霊探偵八雲」も、そういった作品にあたるんじゃないかと。
「ポケットモンスター ベストウィッシュ」は、設定が変わっただけで演出など何らこれまでと違いなくつくられています。というか、キッズ向けのタイトルリニューアルは、そんなもの。「夢色パティシエールSP プロフェッショナル」も、その点は同じ。
再放送だけど、opとedを変更するという凝ったことをしているのが、「ソウルイーター リピートショー」クールごとに変えるのかなぁ。
「STAR DRIVER 輝きのタクト」は、数少ないオリジナルアニメだが、取っつきにくいというのか設定の省略が多くて、なんとなく勢いで話を進めているだけって感じがした。
●多摩の「地場産業」 アニメ苦戦 少子化やTV番組減少
(2010/11/19)
日本経済新聞 2010.11.19
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C889DE3EAE6E4EAEAEBE2E3EAE3E3E0E2E3E29EEAE1E2E2E2
日本のお家芸として海外でも評価されるアニメーション産業。東京・多摩地区には制作会社の4割近くが集積しており、アニメは新顔の地場産業と期待されてきた。だが業界はいま逆風にさらされている。少子化やテレビ番組の減少に直面、新たなビジネスモデルの構築を迫られている。
---引用終わり
キッズ向けですらスポンサー減少に、番組本数自体の減少、さらに補えるだけのDVD売上もないと、既存のビジネスモデルでは減収になるべくしてなるといった状況といえよう。こういった状況の中でも、国や自治体の支援はほとんどなく、中小零細企業が多いアニメ産業は崖っぷちにあるという状況かも。
「うちの三姉妹」は、いつの間にか終わっていましたねぇ…それくらい、動きも少なく地味に原作の持っているネタをやっていただけかな。
「夢色パティシエール プロフェッショナル」は、1クール分伸ばしただけで、特に変わった感じもなく、そつなく女児向けアニメを作りましたというところかねぇ。
「心霊探偵八雲」は、うまく原作の持つテイストを表現しつつ、アニメとしてキャラを見せるというのもうまくできていたんじゃないかと。
「おとめ妖怪ざくろ」は、いまいちストーリーとしての引きつけが弱かった感じだし、なんか過去に類似のがあったように思わせる点も厳しい。
「神のみぞ知るセカイ」は、インターミッション的な話での引き込みが残念な出来。キャラごとのストーリーは、ちょっと展開がゆっくりしすぎていて、キャラなどの素材をうまくこなしたとは言い難い。(でも、18時台で再放送して、その後2シーズンがあるらしい)
「屍鬼」は、2クールにしたばかりにストーリーがだらだらと続いた感じになっちゃったし、グロっぽい部分にどうも表現の焦点が当たっていた感じで、興味を引き込みにくかったかも。
「海月姫」は、主軸となる話自体がそんなにきっちりしていなかったし、まず原作をアニメ化しようとトライすることばかりが目立った感じになっちゃったんじゃないかと。
「アマガミSS」も「FORTUNE ARTERIAL」も、いわゆるギャルゲーをアニメ化すること自体には成功しているんだろうけど、それ以上魅せる部分がなかった感じがする。単にギャルゲーをアニメにしました、で終わったみたい。
「伝説の勇者の伝説」は、なんか話も設定も中途半端な感じで進捗して、終わったかどうかも不明瞭なまま終わった気がする。
「咎狗の血」は、とにかくキャラを動かしてアニメにしてみただけで、アニメとして魅せる部分は全然感じられなかった。
「荒川アンダーザブリッジ*2」は、中途半端にギャグをアニメ化した感じで、かつ終わった感じもなくだらだらと続くのかなぁ…と思うくらい、枠のないギャグものを魅せられた気がする。
「それでも町は廻っている」は、まだ枠のあるギャグっぽく原作のテイストを丁寧に表現していると思うが、平均するとなんか「夏のあらし!」のような微妙に外れている感があって、今ひとつピリッとしない。(でも、サントラはよかったりする)
「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」は、日本でギャグアメコミっぽいものを作ったら、そこそこのものが出来ましたという感じで、好みによってうける印象が変わるんじゃないかと。
「新ゲッターロボ」は、新たな話である以外はこれまでのゲッターロボをそのまま表現しただけで終わったんじゃないかねぇ。
「ぬらりひょんの孫」は、次シーズンが作られることからか、いまいち話が中途半端になって危機感の作り方が弱い気がする。
「ヨスガノソラ」は、エロゲーのエロ部分を強調してアニメ化してみました、という感じだけが残ったなぁ。それ以上でもそれ以下でもない。
「侵略!イカ娘」は、うまくギャグのインフレにならずに淡々とストーリーを表現していて、そこに引き込まれるツボのようなものがあったんじゃないかと。
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」は、オタクの要素をアニメで表現するという部分では、それなりに成功したんじゃないかと。ただし、取りあげる素材によって話の興味に影響したんじゃないかねぇ。
まあ、一時の低迷状況から多少は回復局面に来つつあると感じさせる作品も出てきているかなぁ。
●2011年1月改編アニメざっと見
(2011/02/07)
キッズ向け「べるせバブ」は、いまいちのりが悪いというのか…設定などの意外性もイマイチで、ただストーリーが繰り広げられ、主人公があたふたしているだけって感じ。
「レベルE」は、まあ原作の持つテイストをきちんと活かしつつ、それなりにリズミカルにストーリーが展開されているかなぁ…でも、これ!という部分には欠ける気がする。(そもそも1クールらしいし)
「君に届け2ND SEASON」は、前作の雰囲気をそのまま引き継ぎ、可もなく不可もなしといったところか。物語自体もそれほど展開することも無さそうだし。
「フラクタル」は、設定のあいまいな部分に突拍子のないキャラを唐突に登場させるなど、バランスを欠く演出になっちゃっているかな。映像的には魅せる部分を持っているのだが。
「放浪息子」は、淡いトーンで淡い話を進めちゃっているからかなぁ…もうちょっとくっきりと主人公たちの話が出てきてもいいはずなのに、それが見えてこない雰囲気を作っちゃってる。
「IS(インフィニット・ストラトス)」は、パワードスーツの表現は際立つモノがあるんだけど、学園ラブコメとしての部分に弱いというのか引き付けるための物語が作り込めていない気がする。
「夢喰いメリー」は、2つの世界をあいまいに存在させるという風にとらえられるような表現になっちゃった感じで、それがキャラの行動の中途半端な印象に結びついちゃった気がする。
「GOSICK-ゴシック-」は、表現や物語の組み方はスタンダードな範囲にとどまっているものの、きちんと原作通りに話を進めて見やすい感じにはなっている。
「魔法少女まどか★マギカ」は、もっとほんわかな雰囲気で作れば興味深くなりそうだけど、どうも際立った(厳しい現実を出す)表現になっている部分が、サイケデリックな表現とともに出てくるのが、見ていてきついなぁ…と思うことしきり。
「Rio-Rainbow Gate!-」は、ギャンブルを見せる部分よりそれ以外の表現の方にズルズル引きずられて、ただのお色気入りアニメに成り下がった感がある。
「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」は、ただただパンツ見えまくりのアニメって印象しか残らない。
「みつどもえ増量中!」は、前作同様ギャグの部分がイマイチ空回りしているというのか、原作に引っ張られてそこにとどまってしまっているのかなぁ。
…まあ、2010年10月期と比較すると、引っ張る作品無しといった、期待の春の前の静かな状況、といったところか。
●アニメ制作のマッドハウス、日テレが子会社化
(2011/02/08)
ITmedia 2011.2.8
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1102/08/news075.html
日本テレビ放送網は2月8日、アニメ制作会社マッドハウスを子会社化すると発表した。2月18日付けで行う第三者割当増資約10億円を全額引き受け、株式の85%を保有する筆頭株主となる。
---引用終わり
現在資本金10億円で、日テレが10%程度インデックスが約61%出資しているが、第三者割当増資をすべて引き受けることで日テレが筆頭株主になるとのこと。これまでも資本提携していただけに、より提携を高めるというよりも資金的に厳しいので増資を引き受けるという側面の方が強そうな気がする。それくらい、最近のアニメ関連企業の状況は厳しいと思える。
●アプリックス、アニメ制作のAICを買収
(2011/03/10)
日本経済新聞 2011.3.10
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E2EBE295978DE3E2E2E1E0E2E3E39C9C91E2E2E2
東証マザーズ上場で携帯電話向けソフト開発のアプリックスはアニメ制作会社のアニメインターナショナルカンパニー(AIC、東京・練馬)を買収する。遊戯機器大手のオーイズミから約7億円で10日に全株を取得する。
---引用終わり
アニメコンテンツがすんなりと携帯電話向けコンテンツとして活用できるかというと疑問があるが、とりあえず資金的に援助できるところに資本が移るという感じなのかなぁ。AIC自体はそこそこ新作アニメも作っており、厳しいながらもなんとかやっているという感じに見えるので、これはコンテンツ活用が主目的の買収というところなのだろう。
「レベルE」は、原作の持つテイストをきちんと活かしているが、すんなりと流れてしまった感じがする。(でも、次週が最終話ではあるが)
「君に届け2ND SEASON」は、前作の雰囲気をそのまま引き継ぎ、しっかりとオチをつけていたから、まずはよしか。
「フラクタル」は、オチのために話を途中から強引に進めちゃった部分が際立つなぁ。
「放浪息子」は、淡いトーンのまんま、なんとなく話を淡々と進めちゃって、終わったかどうかも分からぬまま、物語が目の前を進んでしまった気がする。
「IS(インフィニット・ストラトス)」は、パワードスーツの表現は際立つモノがあるんだけど、実際うけたのはあるキャラクターだけ(それもサブキャラ)という盛り上がりに欠いた感じ。
「夢喰いメリー」は、オチに向けての話が長々と引っ張っちゃった感じで、あいまいな世界観がさらに中途半端な物語のように感じられた気がする。(といっても、最終話は次週だったりするが)
「魔法少女まどか★マギカ」は、誰がなんと言おうと今期の話題作。うつ展開の内容からキャラをきちんと立たせる話をたたみ込んでいて…って9話(関西などでは10話)からまだ放映が進んでいない困った作品。(4月中の放送を予定しているが、放送枠変更は避けられず)結果として、見応えのある作品にはなったんだけどね。
「Rio-Rainbow Gate!-」は、キャッチィなネタを作り込めず、やっぱりただのお色気入りアニメに成り下がったみたい。
「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」は、ただただパンツ見えまくりのアニメって印象しか、やっぱり残らない。(tvkしか放映しなかった津波ネタなんて言う話もあったが)
「みつどもえ増量中!」は、ギャグの空回りはあいかわらずという感じで数回総集編をやったことすら忘れるくらい、同じものを何度も見せられたという気がしてならない。
「STAR DRIVER 輝きのタクト」は、設定自体がゴッチャゴチャしていて分かりづらく、そんな部分に引っかかってかっこよさなど伝わりにくかった感じがするなぁ。
「テガミバチ REVERSE」は、前作よりもストーリー構成がシンプルになった分、見応えがなくなったというのか分かりやすすぎるというのか…キャラが設定通りに動いて話が進んでいるだけって気がする。
キッズ向けは、終わったっていっても次のシリーズに変わるだけのが多いから、特に感想を述べることもないか。
「ドラゴンボール改」は、まあそれなりに楽しめたんじゃないの、という程度に終わっちゃったかな。ワンピースのような熱いものを感じるまでにはいたらなかった気がする。
「ケロロ軍曹」は、15分になってもマイペースで話をこなしていった感じかなぁ。それなりに楽しめたんじゃないかと思うが、同じ話を回している感じになったので、終わっても良かったんじゃないかと。
「とある魔術の禁書目録II」は、原作ファンから言わせると結構話を端折(はしょ)っている部分が多く、もう少しアニメとして見せ場を出せたんじゃないかという意見がある。それでも、アニメ単独で見るとそこそこしっかりと話をこなして見せてくれたという気はする。
とにかく、話題に上るネタ供給のような作品が少ないのは、困った話である。
●2011年4月改編アニメざっと見
(2011/04/25)
「ジュエルペット サンシャイン」「プリディーリズムオーロラドリーム」「デジモンクロスウォーズ〜悪のデスジェネラルと七つの王国〜」「メタルファイト
ベイブレード4D」「遊戯王ZEXAL」「爆丸バトルブローラーズ ガンダリアンインベーダーズ」ともに、前作と物語構成など変えず設定の見変えただけで特にキッズ向けとしてのパターンをおさえただけのアニメといった
ところでしょうか。
「トリコ」は、設定としての引き込みが弱い感じがするが、まあキッズ向けとしてはそれなりに作り込まれているかな、といった程度でとどまっている。
「SKET DANCE」は、もともとの物語自体の魅力に若干弱さを感じるし、あんまりデフォルメされた演出もないので淡泊に感じる。
「銀魂’」は、ある意味前作同様に作品の雰囲気を変えることなく適度な演出で作られているんじゃないかと。
「ダンボール戦機」は、キッズものとして新たな部分はあんまりなく、どっかで見たような構築の話が…といった感じかねぇ。設定の見違うだけ。
「青の祓魔師(エクソシスト)」は、第1話目であまり引き込めるような物語を作り込めなかったんじゃないかなぁ。原作通り作られていると思われるが、どこか設定のわりにつかみが弱い気がする。
「へうげもの」は、戦国時代に茶器にはまる武将を描くということは分かるんだが、モノローグが多用されすぎていて、アニメで描く必要をあんまり感じないなぁ。
「神のみぞ知るセカイII」は、前作同様ゲームのようにリアルの娘を落としていくという物語の構築が変わらないので、可もなく不可もなし。
「戦国乙女桃色パラドックス」はパチンコをアニメにしたらしいが、戦国武将を女にして…という設定自体あまり引き付けるだけのものになっていない気がする。物語もご都合主義で流れているだけって感じ。
「逆境無頼カイジ2破壊録篇」は、前作同様引き付ける場面が何話か進んでようやく出てくるというくらい、主人公はずっとへたれなわけで、見飽きてしまう感じが強い。
「よんでますよ、アザゼルさん。」「変ゼミ」「30歳の保健体育」いずれも、素材の奇異さを出すだけでとどまって物語として見させてくれる部分に欠けている。
[C]は、金融界というところでのいわゆるバトルで魅せていくらしいが、カードゲームの延長のような見せ方にみえて、イマイチ引き付ける部分に欠ける。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(あの花)は、設定や物語そのものは丁寧に作られているが、キャッチィに引き付けるだけの設定づくりが出来ていない気がする。「電波女と青春男」も、引き付けるだけの設定づくりが同様に弱い。
「DOG DAYS」は、ファンタジーの世界での戦いという設定のわりに軟弱な話の構築や設定に終始していて魅力に欠ける。
「TIGER & BUNNY」は、ある種のアメコミっぽさと宣伝色が強い部分が目立って、物語自体があんまり残らない弱さを感じる。
「日常」は、ある種の非日常を日常として描くというズレをギャグっぽく描きたいらしいが、ギャグとしての間を外している気がする。
「Aチャンネル」は、何気ない日常を丁寧に描けていて、引き込むだけの物語には乏しいものの、それなりに見られる水準にはある。
「緋弾のアリア」は、いわゆる学園ものとしての作りはそれなりに盛り込めており、設定のやや弱い(武装探偵の養成)部分もなんとか見られる程度に収まっているかなぁ…と、感じられた。
「Dororonえん魔くんメ〜ラめら」は、作品世界自体の好みで見るかどうかが決まるんじゃないかと。作品自体は原作のテイストをうまくつかんで作られていると思う。
「まりあ†ほりっくあらいぶ」は、前作同様 かなこの超百合っぽい行動のおもしろさを描けているから、よしというところか。
「花咲くいろは」は、映像として丁寧に描けているし、物語もそれなりにうまく構築できていて見やすさを感じる。
●ガンダム新作は「機動戦士ガンダムAGE」
(2011/06/13)
ITmedia ねとらぼ 2011.6.13
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1106/13/news047.html
ガンダム新作は「機動戦士ガンダムAGE(エイジ)」、MBS・TBS系列で10月に放送開始される――6月13日の新作発表会で明らかになった。放送期間は1年間。
---引用終わり
キッズ向けにアジャストしたガンダムを作ろうということなのだろうかねぇ。
ここ最近のガンダムは、キッズはちょっとターゲットから外れていたストーリー展開だったかもしれないから、そういうのを意識しているのかも。当然、あんまり評価しないという意見も結構出るはず。
狙い通りに見続けられたかなぁ…と思えるのは「Aチャンネル」くらい。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(以下「あの花」)は、物語のオチは分かっているわけだが、きちんとそこに落とし込んでいく丁寧さで、なんとなく引き付けて見せてくれたかなぁ…といった感じ。
「神のみぞ知るセカイII」は、きちんと原作通りに話を構成して素直に見せた感じで可もなく不可もないというところにやっぱり落ち着いた。
「戦国乙女桃色パラドックス」は、見せ場が合ったような無かったような…ご都合主義で物語が作られた感がやはりあって、あんまり作品自体印象に残らない。
「よんでますよ、アザゼルさん。」「変ゼミ」「30歳の保健体育」いずれも、素材の奇異さを出すだけでとどまってしまっちゃったなぁ。
[C]は、ごちゃごちゃした話を組み合わせて複雑に見せているだけに終わっちゃったかなぁ。オリジナルアニメとして見せたい点がどうも焦点ボケした感じが強く、唐突に終わった感じ。
「あの花」は、物語そのものが丁寧に作られ、多少強引に泣きが入る話に持ち込んだ感じもあるが、まずまず見られるオリジナルアニメになったんじゃないかと。
「電波女と青春男」は、初夏から夏の風景は印象的に残るんだが、突拍子もないキャラがなんとなく日常をすごしている感じで、意外とさらっと物語が流れてしまった感じかな。
「DOG DAYS」は、危機的な場面があんまりうまく作り込めず、ふんわりとしたファンタジーっぽい世界がすーっと描かれただけって感じに終わっちゃった感じ。
「Aチャンネル」は、何気ない日常のなかにあるちょっとしたキラキラしたものを描くという、もともとの原作の持つテイストをしっかり描けていたんじゃないかと。
「緋弾のアリア」は、もうちょっと視聴者を引き込むだけの物語が作れればよかったと思うんだが、その辺は弱かった分主人公たちが格好良く問題を解決していく感じにはもう少し引き付ける力がなかった感じがする。
「Dororonえん魔くんメ〜ラめら」は、なんとなく原作通り作ってみましたという感じだけで、アニメ化するだけの見たい感を形成できなかった気がする。
「まりあ†ほりっくあらいぶ」は、前作同様 かなこの超百合っぽい行動のおもしろさを描けているし、それなりに実験的な物語構成もやっているから、まあそれなりに面白かったかも。
●2011年7月改編アニメざっと見
(2011/08/08)
「夏目友人帳 参」は、前作までと同様安定して原作のストーリーをこなしていて見やすい。
「ゆるゆり」は、思ったより百合の表現は強くなく、女子中学生の日常っぽいことを表現していて、そこそこという感じか。
「神様ドォルズ」は、原作のテイストをしっかり表現しているし、ロケハンもしていて絵的な表現も見やすいが、そもそも村のおきてなるものにとらわれるという部分の引きつけは弱いんじゃないかと。
「うさぎドロップ」は、原作のテイストを活かすがゆえに、淡々と話が流れてしまって、好きな人だけが見そうな作品に仕上がっちゃったかも。
「N0.6」は、逃げている者とそれに引きずり込まれている者とが繰り広げるアクションものなんだろうが、きっかけのわりにストーリーとして引き付けるものがなんか薄い気がする。
「THE iDOLM@STER アイドルマスター」は、軸とすべき視座がなんかずれていて、ただアイドルの卵たちが出てきてなんかやっているだけの話に収まっちゃった感じかも。
「まよチキ!」は、設定自体が弱いし、引き付けるだけのストーリー上のイベントもなんかイマイチ流れてしまって弱い。
「バカとテストと召喚獣にっ!」は、前作を見られたという人なら期待通りだが、それ以上でもそれ以下でもない。原作ファンかどうかが、視聴の鍵になっちゃっている。
「ダンタリアンの書架」は、同時間枠の前作「ゴシック」よりも引き付けるだけの魅力的な設定って感じはしなかった。ただ、原作の世界観をきちんと表現しているとは思う。
「BLOOD-C」は、過去のBLOODシリーズのテイストを保ちつつ、CLAMPのキャラ設定やストーリー構成が何とかうまく混ざり合っているかなぁ…でも、グッと引きつけるような話がまだ出てきていない気がする。
「輪るピングドラム」は、突拍子もない設定と物語だけが際立つ感じで、アニメの表現としてバランスを欠いている気がする。
「猫神やおよろず」は、設定自体引き込みが弱いし、ギャグっぽくしようとしている部分が空回りしているような気がする。
「快盗天使ツインエンジェル キュンキュン☆ときめきパラダイス!! 」は、とにかく原作通りの世界観を表現すること自体が、なんかご都合主義で話が作られているような気が…
「ぬらりひょんの孫 千年魔京」は、前作の続きで原作ファンなら見られる作品になっているんじゃないかと。
何はともあれ、夏アニメより秋の新作アニメの方にアニメファンの興味が向いているような感じであることが、今期の状況を物語っているように思えるのである。
●「聖地巡礼」が追い風 湯桶温泉で倍増
(2011/09/04)
北國新聞 2011.9.4 北陸経済面
アニメファンが作品の舞台を訪れる「聖地巡礼」の動きも、石川、富山両県の温泉・観光地にとって追い風となっている。アニメ「花咲くいろは」のモデルになった金沢市湯桶温泉では、7、8月ともに宿泊者数が前年同月比26%増となった。(中略)湯桶温泉観光協会は「湯桶は従来、地元客の利用客が多く、明らかにアニメの効果が出ている」としている。
---引用終わり
同じ制作会社(P.A. WORKS)の「true tears」の作中の麦端祭(むぎはまつり)も「むぎや祭」がモデルとされており、こちらも放映後数年で祭りの入り込み客が増えていることが紹介されている。
直近であと、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(埼玉県秩父)とか「たまゆら」(広島県竹原)なんていう例も挙がるのかもしれないが、作品自体がそんなにヒットしたかどうかはともかく、ある程度静かに盛り上がっていくというのが最近の聖地巡礼の傾向かも。実際に数字になって効果が現れていくというのは、それなりにいいことなのかもしれないが、観光に対する節度は守って欲しいものである。
●角川、リクルート子会社(メディアファクトリー)を80億円で買収
(2011/10/12)
日本経済新聞 2011.10.12
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E3E0E2E6868DE3E0E3E2E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
角川グループホールディングス(角川GHD)は12日、リクルート子会社で雑誌「ダ・ヴィンチ」や人気アニメ関連商品、漫画出版などを手掛けるメディアファクトリー(MF、東京・渋谷)を買収することでリクルートと合意した。買収額は80億円。
---引用終わり
角川グループホールディングスのプレスリリースはこちら
http://www.kadokawa-hd.co.jp/topics/20111012.pdf
出版だけでなくビデオやCDなどのセールスも行っているメディアファクトリー。角川書店のグループ会社と類似の販売戦略を特にアニメなどで行っているので、親会社であるリクルートはどうするんだろうなぁ…と思っていたら、角川GHDに売却ですか。ある意味アニメ原作の寡占化が進むなぁ。
●2011年10月改編アニメざっと見
(2011/10/29)
原作に忠実というのか、その雰囲気を適切につかんでいるといえば、「君と僕。」「ちはやふる」なんかが該当するんだろうが、その分派手さがないというのか何というのか…丁寧には作られているんだけどね。
「侵略!?イカ娘」は、前作同様ギャグを丁寧に作り込んで描き込んでいますねぇ。
「UG-GO(ウンゴ)」は、作品世界は制作会社なども含めて適切に作られているんだろうけど、何か今放送するには「ズレ」のようなものが感じられて、違和感があるなぁ。
「ギルティクラウン」は、取っつきにくくよく分からない部分があるが、何か引き付ける部分というのがあって、興味は引き付けられるのだが、微妙な位置にいる気がする。
「僕は友達が少ない」は、原作その通りでそれなりに丁寧に作られているんだろうけど、ある意味「イマイチ」な女の子をメインキャラとして集めて、そのズレが楽しめるように成立出来るかが気にかかる。(最初の方の話でもたついた感じがあったもので)
「ペルソナ4」は、前提となる原作世界が分からないと、なんとなく取っつきにくいようになっていて、それが分からないから映像で見せるというところまでいっているというわけでもないので、ちょっと厳しい。
「ラストエグザイル〜銀翼のファム〜」は、前作を知っていると入り込みやすいが、それを抜きでも映像のきれいさや丁寧に話を作り込んでいる感じに仕上がっている気がする。2クール目の最後でゴッチャゴチャにならなきゃ、まずいいんだけど。
「バクマン。2」は、実際に漫画を描く話になったので、アニメ作品自体に疾走感が出てきたかな、という感じでしょうか。
「ファイ・ブレイン〜神のパズル」は、地デジのデータ放送と連携したパズルの表現に凝りすぎ、話自体があんまりないように見えてしまった。
「C3-シーキューブ-」は、ちょっと設定が込み入りすぎてダークな部分を無理して表現している感じがする。
「Fate/Zero」は、もともとの原作を知らないと入り込みにくい作品ではあるが、それでも前作(Fate/Stay Night)並みに絵もきれいに動いているし、話もきちんと作られている。
「灼眼のシャナIII-FINAL-」は、前作のIIよりもストーリーが洗練されて作られているんじゃないかなぁ。ただ、これももともとの原作を知らないと入り込みにくい。
「WORKING’!!」は、前作知らなくても入り込めるファミレスを舞台にしたコメディーで、前作並みに興味深く作られていると思いますねぇ。(BS11と独立U局が同じ時間で1週ズレというのはどういう放送形態かねぇ)
「HUNTER×HUNTER」は、以前に制作の異なるもので見たことがあるので、出来は悪くないけど同じようなものを見させられてちょっと食い足りない感じがする。
「機動戦士ガンダムAGE」は、提示された内容を受け入れられるかどうかにかかっているが、SDガンダムなどが受け入れられるなら、そんなに違和感がないかも。ただ、4クールとなるとちょっと設定に弱い部分が感じられるのは、気のせいかなぁ。
独立U局とアニメ専門チャンネルのみで興味深いのは、もともと1年ほど前にOVAとしてつくられた「たまゆら〜hitotose〜」。作品の世界観を味わう感じで見るというアニメとしては、久しぶりに優しい雰囲気で作られているなぁ…と思います。
ただみて1度楽しむだけなら「ベン・トー」もありかねぇ。
見るものはないなぁ…ということはなく、そんなにえり好みしなければ楽しめるものも出てきたんじゃないかなぁ…というのが今期のアニメかなと思いますけど。
「夏目友人帳 参」は、前作までと同様安定して次回作があるといわれても、また続くんだなぁ…と思うくらい安定していたなぁ。
「ゆるゆり」は、意外とチャカチャカとしていて、話が日常っぽいわりにキャッチィだった感じで、次も見たいと思わせてくれたかな…でも女子中学生の百合だけど。
「神様ドォルズ」は、まず原作の導入を見たというところで終わっちゃった感じでなんか中途半端。絵の作りとか丁寧なだけになんかもったいない。
「うさぎドロップ」は、原作のテイストなど表現したいものをきちんと表現できたんだろうねぇ。幼稚園から小学校まで、というのも、キリが良かったかな。ただ淡い感じでキャッチィではないな。
「N0.6」は、もう少し複雑な伏線を解くという感じにならなかったので、なんか中途半端な気がした。
「まよチキ!」は、設定自体の弱さが最後まで続いちゃったり、話もうまく続かず、1話完結っぽくなってうまくいかなかった気がする。
「バカとテストと召喚獣にっ!」は、前作より設定も話も落ち着いちゃったかなぁ…なんか前作より食い足りないものが多かった気がする。
「ダンタリアンの書架」は、演出の壮大な雰囲気と実際行われる話自体のこぢんまりした感じのズレが感じられて、なんかもったいない。
「BLOOD-C」は、単なる劇場版の予告だったんですか?というくらい、最終話の前の話までをどうでもいい話にする最終話の世界のぶちこわし方に失策っぽい気がした。
「猫神やおよろず」は、設定自体引き込みが弱いまま、ギャグっぽくしようとしている部分も予定通り空回りしていた。
「快盗天使ツインエンジェル キュンキュン☆ときめきパラダイス!! 」は、とにかくご都合主義で話が作られていて、どっかで見たような話ばかりにみえた。
「青の祓魔師(エクソシスト)」は、なんか2クールのわりに話がシンプルだったような気がするなぁ。もう少し設定が込み入ったり伏線があった方が興味深くなったかも、と思った。
「逆境無頼カイジ2破壊録篇」は、原作通りゆっくりと話が進んできちんと大きく2つ分の話をやりました、という感じだけ。
「TIGER & BUNNY」は、意外といろいろな設定が活きていて、そこそこ見続けられる感じに仕上がったんかなぁ。好みではなかったが。
「Steins;Gate」は、最終話に近いあたりだけ見れば良い出来ですが、途中まではどうなるかと…というくらい、話がぶれまくっていたなぁ。
「日常」は、とにかくギャグに必要なタイミングがほんの少しずれて、絵の動きがなめらかなのに何か笑うタイミングを失ったという感じかな。
「花咲くいろは」は、P.A.WORKS 10周年で初の2クールものアニメでしたが、描きたいことをきちんと描ききって、なんとなくだけど見続けさせるだけの魅力を持ち続けた作品だったんじゃないかと。(それほどキャッチィなものがあったわけでは無かったのですが)
「侵略!?イカ娘」は、2期目でもギャグのトーンはダウンしなかった気がするが、1期目を超えるとまではいかなかったが同水準におさまった…って、これって結構すごいことなんですね。実は。(2期目以降でトーンダウンすること…)でも、バクマン。とか夏目友人帳とか、そこそこいくものが多い気もする。
「君と僕」は、本当に淡く淡々と少年の日常をストーリーとして表現して春には2期ですか…まあ、そりゃそれでいいかも。
「UN-GO」は、後半にかけてようやく原作と現代的な表現手法がうまくミックスされた感じだが、やはり小難しい印象は拭えない。(同時期のギルディクラウンよりはすっきりしているが)
「アイドルマスター」は、ピークを過ぎた作品自体のポテンシャルにアニメも引き込まれちゃったかなぁ…ひょっとするとゲームの方がのめり込みやすかったかも。
「僕は友達が少ない」は、残念な登場する女の子たちにアニメ自体が引き込まれて見せ場が少ない残念な感じに終わったのかなぁ…でも、アニメの演出やストーリーはきちんと出来ていましたけどね。
「輪るピングドラム」は、作品中いろいろな引っかき回す演出に引き込まれるものの、オチに無理にもっていった感じかなぁ。アニメとして表現された時間が何も無かったことになって、続いていくというのは、それでいいのかというとやっぱ個人的には疑問。
「C3-シーキューブ-」は、原作通りにストーリーを進めているだろうけど、なんか足らないものを感じた。もう少しアニメ独自の演出に凝っても良かったかも。
「Fate/Zero」は、春に続きがある実質2クールものなので、まあ、中間点としては悪くない期待感をもたせるものになったのでは。前作のファンの期待も裏切らなかったようだし。
「WORKING’!!」は、前期シリーズよりキャラクターが増えたにもかかわらず、演出や作品のトーンは変わることなくいつまででも続けられるようなファミレスを舞台にしたコメディになっていましたね。
「ぬらりひょんの孫 千年魔京」は、前作よりもより抗争のような部分が強調されていて、ファンなら見逃せない内容に仕上がっていたが、前作を知らないとイマイチ入り込みづらい。
CSや独立U局の番組では、OVAの雰囲気をきちんとTVシリーズになっても演出していた「たまゆら〜hitotose〜」とか、ただ半額弁当の取り合いだけやっているんだが、それがきちんとアニメとして面白く仕上がっている「ベン・トー」なども挙げておこう。
秋改編は、2クールものがそこそこあり、ペルソナ4とかラストエグザイル〜銀翼のファム〜とか灼眼のシャナIII-FINAL-など、狙い通りに順調に進んでいるんだろうなぁ…たぶん。
●2012年1月改編アニメざっと見
(2012/01/29)
独立U局からNHK Eテレで再編集放映されている「日常」が意外と面白かったりする。うまく面白いのを抜き出すと楽しめる典型例なんだろうと思ったりする。ちなみに1クールのみで同枠の次も「ふしぎの海のナディア」と決まっていたりする。
さて、本題。
少女の日常はよくアニメ化されているが、少年の日常をアニメ化した「男子高校生の日常」は、細切れの話をうまく作り込んでいるなぁ…と思った。そんなに笑えるほどではないがちょうどいい感じ。(スクエニとサンライズのコラボ作品とは気づかなんだ)
「夏目友人帳 肆」は、前作以前と同様の演出などであるがゆえに、逆にトーンダウンした印象を拭えない。「ゼロの使い魔F」も、同じように連作でこれまでと同じ世界観の表現にこだわったためか、トーンダウンした印象が強い。「探偵オペラ ミルキィホームズ第二幕」に至っては、話題に上るop,edを作れなくて、さらにトーンダウンした感じ。
「新テニスの王子様」は、原作通りにトレースするのでなんとかつくっている感じが強く、アニメとしての興味深い見せ方は感じられなかった。むしろ通常のテニスではやらないようなことが極端に強調されて見える。
「テルマエ・ロマエ」は、3話で完結するシンプルなアニメ。絵もあまり動かさず、台詞だけでストーリーを動かしていく選択は作品の内容から適切だったと思うが、作品そのものが面白いかというと個人的にはちょっと…
「キルミーベイベー」は、素直に原作マンガをアニメ化しているある種のぞんざいな演出が適切にあっている気がする。ただ、ギャグのパワーはイマイチ弱い。
「アマガミSS+plus」は、前作よりもトーンダウンした感は否めない。演出もストーリーも前作とまったく同じようにみえて仕方が無い。
「妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)」は、原作通りに丁寧に話が作られ、演出されていてそれはいいんだが、作品自体のパワー不足があるのかなぁ…イマイチ視聴者を引き付ける力が乏しい。
「アクエリオンEVOL」は、前作以上になんか制約があるような気がするなぁ。前作との違いをムリヤリつくった感じで、引き付けるだけのアニメ独自のキャラ付けなり演出が感じられない。
「あの夏でまっている」は、夏のひとときの話という設定自体どこかありがちで、類似の作品との差異がまったく感じられない。
「パパのいうことを聞きなさい!」は、強引に話を進めて小さい娘たちにてんてこ舞いする主人公という奥行きのない話になっちゃいそうで、興味を引き込みにくい気がする。
「BLAVE10」は、時代劇っぽい設定をアニメでやって、中途半端に現代劇っぽい演出をするという違和感がどうも、この作品でもでてしまった感じがする。
「モーレツ宇宙海賊(パイレーツ)」は、無理に主人公を違う世界に引き込まないように慎重に話を進めているが、それゆえストーリーのテンポがゆっくりしすぎて視聴者の興味を引き付けられていない気がする。
「ハイスクールDXD」は、独立U局作品にありがちなエロに軸がふらついていて、イマイチ本題の戦いがおざなりに感じられる気がする。
「偽物語」は、前作に当たる化物語のキャラや演出をうまく引き継ぎ、そこそこ見られる感じにおさまっている感じかなぁ。
今期は冬改編ということであんまり力の入った作品自体が多くなかったのかなぁ。とりあえず見ています、という程度の作品がほとんどを占めてしまった気がする。
●メディアミックスをうまくやっている出版社2社くらいか
(2012/03/17)
コミックス、ライトノベル、小説などなどの出版からアニメや実写の映像化へ積極的に展開している出版社は、一般にいう大手(小学館、集英社、講談社)などではなく、親会社が上場している角川書店グループやスクウェア・エニックスの方だと、個人的に思っている。一般的には原作の出版がヒットしてから、映像化のオファーが入って検討することが多い気がするが、そこそこのヒット程度でも映像化に着手し、それが縁で出版自体も放映後次第にヒットしていくということが多いのが、この2社ではないかと思う。
この手法をメインでやっていくと宣誓していたマッグガーデンというコミック専門の出版社があったが、IGポートにまとめられ非上場になった段階で、その手法はやらなくなったような気がする。グループ会社にプロダクションIGがあるにもかかわらず、メディアミックスの出版の相手方にマッグガーデンではなく、他の出版社を使う例が多いし。
それはともかく、角川書店グループはビデオグラムやCDなども販売でき、類似の戦略をとっていたメディアファクトリーをグループ傘下に置き、ますますメディアミックス路線を突き進んでいるように思う。その対抗としてアニメなどの本数である程度あるのがスクウェア・エニックスというところかなぁ…という感じである。
でも、他の出版社も結構コミックス・ラノベのメディアミックスはそこそこ行われているし、大手である小学館・集英社も子会社を介してアニメ制作に参画している例(たとえばバクマン。)もあったりする。
まあ、どうなるか分からないが、常に甘い果実があるわけではないがメディアミックスは育てて摘み取っていく果実としての価値はあると思う。
●2012年1月改編アニメ感想
(2012/04/10)
ギャグものは(その前のイカ娘から)1クール間をおいてなんとか「男子高校生の日常」が、それなりに引っ張っていったかなぁ。ただし、女子高校生と絡まないとギャグが上っ滑りするネタが多かったのが、この手のネタの限界かな。
対照的に「キルミーベイベー」は、ギャグがすべりまくったというのか…4コママンガの原作を引き出すにはもうちょっと工夫が必要。
「化物語」のいい意味での勢いを引き継いだ感のある「偽物語」。かれんビーが長かった割につきひフェニックスが短かったのはなんとなく分からんでもないが、オチが結構あっさりしていて食い足りない感がどうも…台詞はやたら多いけどね。(もうファンは、次の劇場版に期待か)
キッズ向けは、明らかに次のシリーズのために一旦終わらせるといったものなので、オチがなんとなく読めるというのか…
とりあえず戦って勝利しました、というのがほとんどなので感想もへったくれもない。
「夏目友人帳 肆」は、丁寧につくっていった世界観を少しずつ表現しましたが、とりあえずこれでアニメとしての終わりにしましたという感じなのかなぁ。いくらでも続けられそうなだけに、こういう風に終わらせるのもよしかな。
「新テニスの王子様」は、(1クール)これで終わりですか、というあっけなさを感じたし、もうテニスか何か分からんくなっちゃった感じ。
「アマガミSS+plus」「探偵オペラ ミルキィホームズ第二幕」「妖狐×僕SS」は、原作とかのある種のパターンにとらわれてアニメらしい見せ方をつくりきれなかった感じで、印象に残りにくい。
「ブラック★ロックシューター」は、2つの世界のつながりが分かりづらいまま、強引に8話で話をまとめた感じ。
「ゼロの使い魔F」は、オチに向かって話をただ進めているだけで、ファンすら興味を引き付ける表現などなく終わっちゃった感じ。
対照的に「灼眼のシャナIII(ファイナル)」は、きちんと壮大な戦いをやった上でオチに持ち込んだので、それなりに見られる作品には仕上がったが、前提が分からないとちょっと入り込みづらい。
「あの夏でまっている」は、小諸でおねがいティーチャー…ぽい話をやってみました、てな感じ。結ばれはしないけど、それでも映画フィルムでみずみずしい夏が描かれていたということにしておこう。(これで、聖地巡礼はちょっと期待薄)
「パパのいうことを聞きなさい!」は、軸になる登場人物を設定できずただロリっぽいキャラが何かやっていただけで終わっちゃった感じかなぁ。オチも強引だし。
「BLAVE10」は、話がバラバラでつながっていない気がしてねぇ…なんとなくアニメとして時代劇を作ってしまっただけという感じ。
「ハイスクールDXD」は、独立U局作品にありがちなエロに軸がふらついていて、本題の戦いはやっぱりとってつけた感じで終わった気がする。
「バクマン。2」は、前作よりもマンガとしてのギャグっぽい表現が増えてきて、見やすくなったかなぁという気がする。
「ちはやふる」は、中盤以降の競技かるたがメインになってきてきた頃から表現も心理描写も細やかになってきていい感じに仕上がってきた気がする。現在のメンバーが2年生になるはなしが作られたら、結構面白く仕上がるんじゃないかと思う。
「LASTEXILE-銀翼のファム-」は、何とか前作のような最終話の混乱もなく、きれいにストーリーを進めていってきちんと追われたんじゃないかと。興味深いかというと、映像や音楽のきれいさは際立つが、ストーリー上の軸としての興味は前作にとらわれていまいちだったかも。
●この春改編で始まったアニメの聖地巡礼の件 など
(2012/05/05)
2012年4月期も結構新しいアニメがありますねぇ。TVドラマや映画よりも本数的には多いんだろうなぁ…(下記のPDFの赤字が今期の新番組。ただし、放映局が変わって実質再放送というものもあり)
http:/sh-kato.cyber-hp.jp/anime/anime_sponsor1204.pdf
…で、実在する地域を舞台背景としているアニメは、いわゆる聖地巡礼の地として観光のように来てもらえる可能性があるわけで、とりあえず下記に挙げるのが該当するのかな。
坂道のアポロン(長崎県佐世保市)
つり球(神奈川県藤沢市(江ノ島))
夏色キセキ(静岡県下田市)
咲-Saki-阿知賀編 episode of side−A (奈良県吉野町)
氷菓(岐阜県高山市)
…こんなところかなぁ。エウレカセブンAOは沖縄あたりといった程度でちょっと地域特定は無理っぽい。
実在する地域の風景を背景美術として活用することは、見る側としては結構シビアに見る傾向があるんじゃないかと思われます。ロケハンなどまでやっておい
て、実際の風景とあまりに違いすぎると、逆に見る側として違和感を感じるということがあるようで…聖地巡礼のブログなどを見ると、アニメ化した映像と実際
の風景の写真を並べて見せることが多いですから、余計そういうことになるのかなぁ。(作品名 聖地巡礼 で検索すると、あっさりと出てくるはず)
この中で結構あざといとされそうなのは「夏色キセキ」。ローソンとのタイアップ的な映像もそこそこあるし、無理に下田を舞台とした雰囲気が場面によっては感じられるから。
聖地巡礼として訪れづらい作品は、ノイタミナ枠の2作品。
「坂道のアポロン」は、年代を少しさかのぼって設定しているし、そもそも風光明媚なところはあんまり出てこないし、ジャズを演奏したりする場面などに主軸があるから、比較的部屋の中での映像が主になるため。
「つり球」は、ストレートにこれまで江ノ島で使われまくった風景が出てくるので、新たな風景の見せ方を提示するというとらえられ方がしにくいため。
「咲-Saki-阿知賀編」は、学園のある吉野の風景が出てこられる話数は過ぎてしまって、たぶん最後の方に近いあたりまで全国大会をやっている東京の会
場以外は、TVの前で応援している人の場面でちょっと出てくるくらいしかないだろうけど、それまでに桜の時期などきちんと(原作のコミックスも含めて)描
かれているから、それなりに行きやすいんじゃないかと。
「氷菓」は、そもそもしないも観光地として確立している飛騨高山を実質的な舞台として、ロケハンでの再現に定評のある京都アニメーションが制作していることもあって、4月下旬から放送開始だが、それでも聖地巡礼をしたくなる素地がそろっている作品ではないかと思う。
…ということで、取りあげた地域では観光地からちょっと外れたところでもカメラを向けている人がそこそこいるんじゃないかなぁ…っと。それは、ドラマや映画のロケ地観光よりディープな方々の姿なんだろうなぁ…と、思って温かい目で見てやって欲しいものであります。
そして、放送が終了して少し経っても続くようであれば、本当の意味で聖地巡礼の地として確立したんだと気づかされるはずです。
そういえば、BDなどのセールスはそうでもなかったが、この春から気合いの入ったラッピング列車をのと鉄道で運行している「花咲くいろは」。5/6までの運行予定が好評につき延長されるとのこと。新たな映像制作も進んでいるとのこと。
さらに「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は、今夏のイベントに向けて、東京で公開した秘密基地を模した展示を秩父に置いたり、秩父地域での観
光タイアップを継続(例:芝桜祭りのコラボポスター)していたりする。コミックスや小説でのミックスメディアでの動きも継続している。
「たまゆら」のように、第2期制作をこの春発表した場合は、作品自体が終わりになっていないので、まだ竹原を聖地として訪れることが継続出来るわけで、そ
のうち現地でのイベントを第1期同様仕掛けるなどいろいろなことが出来そうだし、今後もアニメから観光地としての魅力を高めることも可能なんだろうなぁ…
たぶん。
…いくら伊勢崎市などが舞台になっているし、独立局どころかNHK Eテレまで放映された「日常」は、聖地巡礼になったとはきかない。BDのセールスもあんまり良くなかったらしいし、ギャグメインで舞台は添え物っぽかったし。
あと、たいがいのアニメはどこかに実在する風景を使っている場合があるので、やろうと思えばほとんどのアニメ作品で聖地巡礼は成立するらしい。素材映像とかアニメ制作会社の近くのエリアとか原作自体で参考にした風景とかから、実在する地域のある映像が出てくるからかも。
そりゃそうと、アニメ特に深夜アニメを見る人たちの中には、よくいろいろな角度からアニメを見る人がいるなぁ…と、聖地巡礼のブログなどを見て思うのであった。
最後に、どうでもいい話だが、「けいおん!(第1期)」第1話が放映されたすぐあとの土曜日に、京七福神の残り2カ所の朱印をもらいに、叡山電車の修学院駅に降り立った時、一生懸命駅周辺を撮影する人を複数見かけたが、それがアニメの聖地巡礼の姿と知るのは、実はだいぶ経ってからである。
●2012年4月改編アニメざっと見
(2012/05/06)
キッズ向けのアニメは、基本的にキャラなどの設定を多少変えてリニューアルしたものか、過去の続編ばかりなので省略。
「宇宙兄弟」は、すごく地に足がついている話だなぁ…と思うが、日曜朝という題材かというと微妙な気がする。
「ふるさと再生 日本の昔ばなし」は、いろいろ工夫しているけどかつての「まんが日本昔ばなし」を超えられない部分があるような気がする。
「NARUTO SD ロック・リーの青春フルパワー忍伝」は、ギャグメインの忍術無しで乗り切るんだろうけど、なんか食い足りない気がするなぁ(だって、NARUTOがメインじゃないし…)
「あらしのよるに」「しろくまカフェ」は、たぶん元になる本の枠を超えないアニメにおさまっちゃうんだろうなぁ。
「銀河へキックオフ!!」は、先行5話分を見たけどまあそこそこのサッカーアニメといったところか。妙なワザとか出てこないようだから、そこは安心して見られるが、そんなに派手さはない。
「君と僕。2」は、前作の続きである意味安心して見られるが、でも派手さに欠ける感じには変わりない。
「這いよれ!ニャル子さん」は、以前作った短めのアニメ程度の方が良かったような…ドタバタぶりだけが目立つ感じで終わってるし。その後opや他作品のパクリ(オマージュとは言いがたい)で、結構ヒットしてしまった感じになってしまったような…まあ、ちょっとここ最近トーンダウンっぽい気がするが。
「LUPIN the Third〜峰不二子という女〜」は、あまりに動かなすぎる。マンガに台詞をつけただけで、ある意味原作に忠実。
「めだかボックス」は、学園ものとしてキャラの立て方はそこそこいいと思うが、話のネタ自体いまいちキャッチィに欠ける気がする。
「坂道のアポロン」は、原作のマンガのテイストをきちんと活かして見られるアニメにはなっているが、素材自体に派手さがないのが厳しい。
「つり球」は、主人公の不器用さをうまく使って強引に「釣り」に持ち込んでいるので、それはそれでいいかもしれないが、でも何か弱い。
「あっちこっち」は、4コマの淡い世界観をうまく作り込んでいるし、学園ものとしてそれなりに仕組んでいると思うが、見たくなるようなネタが出てきそうも無さそうな…
「さんかれあ」は、主人公は1話目で立ったと思うがタイトルにもなっているゾンビになる女の子の設定提示がもったりしすぎている気がする。
「戦国コレクション」は、元がパチンコで女のキャラで戦国武将を…という段階で、制約がきついし、興味を持つ層も限られるような…
「エウレカセブンAO」は、前作のエウレカセブンにはまれたらだいじょうぶだけどそうでないと、なんか小難しくて入りづらい。
「夏色キセキ」は、主人公である4人の女の子が繰り広げるある種のキセキ自体に無理があるし、舞台はきれいに描けているが心情スケッチがなんとなく弱い。
「ヨルムンガンド」は、傭兵たちのある種の戦いを描くのか…BLACK LAGOONに似たテイストを感じていまいち目新しさに欠ける気がする。
「クイーンブレイド リベリオン」は、この手のシリーズによくある不必要な色気のようなものが作品の質を決めているような…
「これはゾンビですか?OF THE DEAD」は、前作を見ていないとついていけないネタが多すぎる気が…それを差っ引いてもいまいち盛り上がりに欠けるなぁ。
「謎の彼女X」は、原作にある意味忠実なだけあって、その作品の雰囲気に入り込めないとちょっと…という気がする。
「ZETMAN」は、原作通りに進めているからそれが好みの人なら入り込みやすいが、ダークサイトに寄りすぎているから見る人を選ぶかも。
「アクセル・ワールド」は、前提条件が今いち引き付けるものに欠ける気がするし、主人公が今のところ消極的っぽいのでちょっと弱い気がする。
「黒子のバスケ」は、意外と親切に前提などなどが1話で過不足なく表現されているが、引き付けるだけにキャラ・設定などはこれからかな。
「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」は、前作前半のスタッフ・制作会社(旧GONZO5スタ→Studio五組)と原作のマンガがある程度指針をつけていることもあって、きちんと見られる形に仕上がっている気がする。
「Fate/Zero(2ndシーズン)」は、期待を外すことなくきちんと話がつながっているのでいいんじゃないですか。
「氷菓」は、学園で起こるちょっとしたミステリーを解いていくという程度のほど良さと、舞台風景など画家なりリアルに描き込まれているし、キャラも丁寧に(台詞も含めて)描かれているが、その分派手さに欠けている感じがある。
「AKB0048」は、近未来の芸能が禁じられている世界で9人の少女がそれでも活動しているAKB0048に入るためにやっていくという成長もの…ということだが、なんかちょっと設定自体に無理があるので、アイドルものとしてキャラに入り込めないとちょっと見続けるのは無理っぽい。
●2012年4月改編アニメ感想
(2012/07/02)
アニメは、2クールものの途中のも含めて作品ごとに語ってみたいと思います。(ただし、気になったものだけで抜けるのはご容赦を)
ポケットモンスター ベストウィッシュは、一部の登場人物以外が演出・物語すべてにおいて変わらず、シーズン2に素直に続くという、キッズ向けとして当然の展開ですねぇ。でも、パターンで物事が動くというのは、実はキッズ向けアニメでは重要だったりします。
…というわけで、日中・夕方にやっているキッズアニメは、ざっと見でも書いたように似たような感想になるので省略。
そりゃそうと、スマイルプリキュアはピースというキャラクターが変身時にジャンケンをするそうで、同じ日曜日の夕方のサザエさんと対決になっているような…
さて、本題の深夜アニメの方へ。
君と僕。2は、本当に淡々と原作通りに等身大の高校生の日常を描いていったなぁ…演出的にも淡いトーンが印象的で、まあこれは続編として望まれたとおりに、時系列にきちんと進んで良かったのでは。
LUPAN the Third〜峰不二子という女〜は、絵のトーンからカット割りも含めて、原作であるマンガに忠実に再現した感じがあるが、かつてのアニメを見たファンや新たなファンを引き寄せるような部分はそんなになかったと思う。
めだかボックスは、当初から1クール12話という続編ありそうなストーリー進捗で、リズミカルにキャラが動くといった感じは、最初と最後の話だけという感じで中だるみがした感じがした。それでも、きちんと原作のマンガがもつテイストは出せたと思うし、演出面でも制作会社(GAINAX)のクセがきちんとでていたと思う。
坂道のアポロンは、原作のマンガをきちんと表現するという意味での上限の音楽や演出・映像が提供できたという感じかなぁ。アニメとしての挑戦的な演出的試みというより、原作に忠実かそれ以上にマッチングした演出で楽しめたと思うが、たぶん原作の世界に入り込めないと、ちょっと食い足りない感じはあったかもしれない。
つり球は、絵の選択・場所やストーリー、キャラなどの選択は、結果としてよかったと思うが、面白かったかというともう一つ何かが欲しかったなぁ…という気がする。でも、これはこれでありと思う。
あっちこっちもさんかれあも、原作に忠実でそれにあわせて演出も考えられていると思うが、アニメのとして面白かったと思える部分が特になく、原作の世界観をきちんと出せただけて終わった気がする。(作品のテイストがまったく違うのに、なぜが同じような印象を TBS深夜枠のアニメで同一に感じたのは、気のせいかなぁ…戦略的に手詰まり感を感じる)
戦国コレクションは、まだ続くがこれまで戦国武将を女性キャラとして表現した類似の作品と同じ絵のテイストや演出を感じてしまって、あまり興味を引き付けるものを感じない。
夏色キセキは、夏の女子高生たちが出会ったちょっと日常と違う出来事を既存の風景とあわせて描いてみました、という程度に終わってしまった気がする。物語がありきたりでキャラや声優などに興味がないと、継続視聴しにくい感じになったんじゃないかと。
エウレカセブンAOは、ベースになっているエウレカセブンにはまれていても、なんか設定に底の浅いものを感じるような、物語が流れているだけでその主人公の対極の側のスケール感が感じにくくこれからの2クール目の期待も薄いかもしれない。
アクエリオンEVOLは、いい意味でも悪い意味でも作品が持つテイストを守りつつ、勢いで話を無理に進めて終わらせちゃった感じかなぁ。なんか残るものがなく、アクエリオンシリーズを見たというのだけ残らないかなぁ。
ヨルムンガンドは、毎回オチが中途半端という印象が強い。平和を守る武器商人が率いる傭兵たちの活躍はしているが、その程度で終わっちゃっている。これで続編ありですか、いかがなものか。
クイーンズブレイドリベリオンは、前作ありのものなんですが、前作同様露出度の高い女性キャラがでて戦っているだけ、で、ただただだらだらと話がなんとなく進んで、今回も終わっちゃった感じ。
これはゾンビですか?OF THE DEADは、前作とちょっとキャラが増えて消化しなかった話をとりあえず前作好評だからやってみました、というところか。10話で終わったし、前作見た人が見ただけにおさまったかな。
謎の彼女Xは、たぶんなんか原作マンガとアニメとのズレが演出なのか何なのか分からないけどあった感じで、うまく表現しきれなかった感じが強く、とりあえず原作のストーリーを消化しただけという感じ。
ZETMANは、原作マンガのテイストやストーリーにあわせて表現することに終始してしまって、アニメとしてみせる部分はそんなになかったかも。
AKB0048は、まあ何とか世界観を構築できてキャラも動いているけど、見てもらえるものに仕上げられているかは、1クール目でも多少疑問あり。
モーレツ宇宙海賊は、アニメとしてストーリーやキャラをふくらませて、それなりに次につなげて見せていくことが出来たんじゃないかと。
アクセル・ワールドは、作品が繰り広げられる世界観がちょっと込み入っているようだが「バースト・リンク」で違う戦いの世界に行くと分かればそれでいいんだろうなぁ…と納得させる風に表現できているからまあいいか。とりあえず、原作のテイストをきちんとくみ取り、戦っている部分も含めて納得感を持ち表現されているからいいか。
Fate/Zeroは、ある程度見てる側もストーリーが分かって雰囲気があったようだけど、アニメとしてどう展開してオチに向かうのかという興味を持たせる脚本・演出が出来たんじゃないかと。
氷菓は、2クールもたせるだけの小説の話はあるが、それをただなぞるんじゃなく、派手さはないが表現や物語に工夫をしてきちんとアニメとして見せてくれる部分があるように思う。
咲-Saki-阿知賀編は、TVでの放映は準決勝の先鋒戦までで全15話の制作で何とか準決勝を終わらせることになった模様。それでも、最初は一気に地区大会を通過して大丈夫かなと思ったけど、きちんと麻雀を含めて見せてくれたんじゃないかと。ただ、後半準決勝になると阿知賀編というより千里山編じゃないかと思えるほど、怜(とき)というキャラがとして表現されているのが何とも…それだけ玄(くろ)の影が薄い。
黒子のバスケは、うまく試合としての動きと心理描写とかが適切に描かれていると思うし、原作のテイストもきちんと織り込んでいると思う。
這いよれ!ニャル子さんは、とにかくパクリネタの宝庫のようなアニメ。まあ、よくここまで勢いに任せて主人公たちのご都合に合わせて話を進めていけるものだと思いつつ、それよりもパクリの元になっているものに興味が向くという、ある意味2倍楽しめるniconico向きのアニメになっています。(よく、こんな作品TXが放送を許したものです)
とりあえず、楽しんでみられるのがいくつかあったので、それがBDなどのセールスに結びつくかはともかく、まあ良かったんじゃないかと。
●2012年7月改編アニメ感想
(2012/08/05)
続編は、いきなり続きから始めるのはどうかと(「境界線上のホライゾンII」や「薄桜鬼 黎明録」、「DOG DAYS’」)。そもそも、前作以来のファンがついて行ければ、それなりに商売として成立するのが前提にある感じがする。
5年ぶりでも、きちんとそこそこ説明しつつ始めるのはいいことだし、そもそも原作自体が安定しているのが「もやしもんリターンズ」があり、これは好スタートかな。
「ゆるゆり♪♪」も、もともとタイトルで説明不要だし、前作とほぼ同じトーンで演出されているし、これもいいかなぁ…っと。(これは確か1年ぶり)
「夏雪ランデブー」のように、原作がしっかりしているものは、その世界観をきちんと表現できればまず問題ない、という感じのもあることはある。「トータル・イクリプス」や「ソードアート・オンライン」、「じょしらく」といったあたりは、作品の世界観が好みなら、まあ見られるといったところになるんじゃないかと。
意外と…という感じなのが「人類は衰退しました」。絵柄のファンタジーさと実際の台詞などのブラックな感じの演出的なバランスがなかなか興味深い。
「ココロコネクト」は、2話目にしてようやく作品の全体像がつかみやすくなった感じかなぁ。ちょっと1話目が唐突感があって心配したが。(人格が入れ替わる、で数話といった形で、他の展開もあって進行するみたい)
「うた恋い。」「貧乏神が!」「恋と選挙とチョコレート」「この中に1人、妹がいる」「織田信奈の野望」「はぐれ勇者の鬼畜美学」「カンピオーネ!」「だから僕は、Hができない。」は、そもそもアニメ化する必要があったのかなぁ…というくらい原作をこなすのに懸命で、アニメだから楽しめる演出なり台詞回しが出てくる感じがしない。
作品本数自体少ないし、どうも力の入りにくいのが夏アニメだから、4月改編のような意外なとか飛び抜けた作品が出にくいのは分かるのだが…それでも、いくつか意欲作があるからまあいいか。
●滋賀県豊郷町、アニメ「けいおん!」でまちおこし
(2012/09/22)
日本経済新聞 2012.9.21
http://www.nikkei.com/article/DGXNASJB19021_Q2A920C1LDA000/
滋賀県豊郷町がアニメファンを呼び込み、街おこしにつなげている。豊郷小学校旧校舎がテレビアニメの「聖地」として定着し、年間5万人が訪れる。自然体でファンに接する地元の受け入れ態勢が人気の継続につながっているようだ。
---引用終わり
該当する施設自体が保存して自治体の施設として使うまでにいろいろな経緯があったので、自治体がそれほど積極的に動かなかったのが、まず良かったのかもし
れない。アニメ放映後人が来るようになって、商工会などがある意味自然発生的に動いて、徐々に「けいおん!」のいわゆる聖地巡礼の場として整備したり、イ
ベントを仕掛けた結果、「らき☆すた」の久喜市(旧鷲宮町)と同じような定着化をしたということのよう。こういう事例は、やはりなかなかないと思うが、参
考にすべき地元の立ち位置という意味では参考になると思う。
●千葉モノレール 「俺の妹」コラボ切符第2弾を発売
(2012/10/17)
交通新聞ニュース 2012.10.17
千葉都市モノレールは21日から、テレビアニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」とのコラボ切符第2弾を発売する。
作品中に同社沿線やモノレール車両が登場することから、昨年5月に第1弾を発売したところ、5000部を即日完売し追加生産する人気だった。今回、来年4月からアニメ第2期の放映が決定したことを受け、新たな描き下ろしイラストを使用して第2弾を企画した。
---引用終わり
交通新聞ニュースで、鉄道ファン向けの企画きっぷの発売が記事になることはあるが、アニメなどのキャラクターを印刷した企画きっぷが記事に出るのは、キッズ向けを除くとあんまり記事としては出てこないし、出てきても発売告知程度である。よっぽど第1弾が一気に売れたんだなぁ…と思ったら、5000枚即日完売で、追加したんですか。キャラつきの企画きっぷは数100から3000枚程度という感じが多いですから、これだけ売れたのは結構すごいことなんでしょう。今回もそこまでの売上になるかどうかは分かりませんが、そこそこの動きはありそう。
●2012年7月改編TVアニメ感想
(2012/10/18)
キッズ向けの終了したのは、次のシリーズでキャラクターや場面設定を変えただけで、基本的には作品のテイストに変化はないと言い切れるので、特に感想はなし。
「機動戦士ガンダムAGE」は、4クールで複数のシリーズ展開をやったことは評価するが、ガンダムとは違ったぼんようなロボットもののキッズ向けのアニメでした、という感想しかないなぁ…もうちょっと独自な台詞回しや場面などができていればと思うが、それはなかったと思う。
「境界線上のホライゾンII」、「薄桜鬼 黎明録」、「DOG DAYS’」、「ゆるゆり♪♪」「もやしもんリターンズ」は、見事に前作のファン以外は見てくれなかったような…それでも、前作のファンは見たんだから、まあいいか。
「TARI TARI」は、大人の都合に振り回されてもしっかりと自分たちのやりたい活動をやったというのを見せたかったんだろうけど、なんかもう一つ軸になるものがあったら面白かったかも…ちょっと引き付ける力が弱い気がする。
「エウレカセブンAO」は、2クールもやったのにさらに別途完結編をやるからって、中途半端なオチにするのはいいのかなぁ。過去のエウレカの設定を知らないと、置いてきぼりにあう物語にも難があったし。
「ココロコネクト」は、ネット上での騒動の割にはアニメとしては原作のストーリー展開にささえられて、かろうじて見られた感じ。設定などの割には、アニメ自体は派手さがなかったような…(いや「おかずコネクト」とか、たまにネタにされる話はあった という意見もあるだろうが)
「夏雪ランデブー」は、プレスコであることでより原作のテイストを色濃く再現でき、世界観に浸れれば心地いい感じで見られた作品に仕上がったと思う。ある意味ノイタミナ枠らしい作品の一例といえそう。
「氷菓」は、ある意味原作の小説のテイストを忠実に再現しつつ、アニメとしての見せ方もきちんとできていて、長編・短編取り混ぜながら一つのアニメシリーズとして見せてくれたんじゃないかと思う。(おかげで、原作小説5巻の累計売上が150万部突破だそうです)
「じょしらく」は、たぶん原作の漫画より毒っぽい内容を薄めたんだろうなぁ…と思うが、それでも仕掛け方・見せ方は面白くできたんじゃないかと。
「人類は衰退しました」は、絵や音楽などのファンタジックな感じとそこにくるんだある種の毒っぽい内容がバランス良く表現されていたから、見ていてそこそこ楽しめたんじゃないかと。原作の順番通りでなかったのも功を奏したかも。
アニメとして見続けたいと思えるのはいくつかあったし、作品としての派手さはなかったが、それでもまあまあと言うところかなぁ。
●2012年10月改編TVアニメざっと見
(2012/10/30)
「ひだまりスケッチ×ハニカム」は、4作目ということもあって安定して見ることができるというか、これまでと絵も演出も何も変わらないところが安心して見られるというところでしょうか。
「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」は、前作から基本的には続きになっていてそんなに目新しさはない。でも、武装した武器商人の戦いの話だから、このシリーズから見てもそんなに困ることはない気がする。
「ハヤテのごとく! CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU」は、声優は変えず制作会社などを変えて、実質最初からスタートさせる形となったが、過去シリーズと比べて新キャラやストーリーになんとなく違和感のようなものを感じた。
「めだかボックス アブノーマル」は、続きなんだけどアニメとしてのスピード感のようなものが、前作同様はしょっているというのか、リズムになっていないようは…うまく見せている部分もあるんだけど。
「緋色の欠片 第二章」は、前作同様ある意味ファン層を絞って、見てもらえる人が見れば…という感じで、いきなり前作の続きが始まっちゃった感じ。
「となりの怪物くん」「神様はじめました」「好きっていいなよ。」は、それぞれテイストは違うが、原作となっている少女マンガの世界観をうまくくみ取って、それにあわせてアニメとして演出している雰囲気がする。
「武装神姫」は、なんかこの作品らしさという設定や演出があるんだろうけど、感じられなくて、なんとなくすーっと話が進んでいるだけに見える。
「K」「絶園のテンペスト」「コード:ブレイカー」「BTOOM!」は、あまり説明がなくても絵や演出などで世界観を感じられる人は見られるだろうけど、そうでないとなんか小難しくでも格好良くアニメにしているだけに見えちゃう。
「イクシオン サーガ DT」は、中途半端にコミカルにした分、作品の演出やストーリーのバランスが崩れているように思えた。
「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」は、女の子たちが何人か出てきて、ちょっとした話があればいい、という程度の感じだよねぇ…それにエロをもう少し付け足せば「ToLOVEる・ダークネス」といった程度だし。
「ジョジョの奇妙な冒険」は、なんか雑な感じがして…たぶん、原作の漫画のファンの期待に沿っていないアニメになっているんじゃないかと。
「えびてん」は、パクリにする元ネタと登場してくる女の子たちとそれをつなぐ演出がしっくりこないというのか…バランスを欠いている。
「ガールズ&パンツァー」は、「うぽって!!」と「ストライクウィッチーズ」のどちらの方向性で行きたいのかなぁ…どっちにしても、女の子の素人の集まりをすんなりと納得のいく形で戦車道に導けるとは思えないなぁ。
「リトルバスターズ!」は、絵や演出は原作のテイストをうまくくみ取っているけど、作品の内容自体引き付ける部分がちょっと弱いかな。それでも、原作が好みなら見られる作品かな。
「中二病でも恋がしたい!」は、うまくキャラ立ても演出もできている感じかと思う。アニメにするときに、原作とは変えていて矛盾無く見られる仕掛けもしている感じ。(それよりも、製作委員会にTBSが入っているのに、自局では放送しないのはなぜ…)
「さくら荘のペットな彼女」は、絵や演出はまあまあだろうけど、たぶん原作の物語自体が予備知識なく入り込むとちょっと分かりにくい部分があるような気がする。それが、現実にはないだろう、といったいらぬところに気にかけて、興味を削ぐことにならなきゃいいが。
「マギ」は、原作に忠実に進めてかつそれでもアニメとしての演出を加えている努力をしているのは分かるが、もっと派手さがある部分が今のところ見いだせていないのが、なんか厳しい気がする。
「アイカツ!」は、玩具などを売る女児向けにカードを集めるという設定をしているが、それと唐突にただの女の子がアイドルを目指すという設定と相まって違和感を感じるなぁ。
「超速変形ジャイロゼッター」「獣旋バトル モンスーノ」は、ある意味男児向けのアニメの定形に沿ってつくられている感じか。
「PHYCHO-PASS」は、前提設定もしっかりと分かりやすくサイバー世界といったものが描かれていて、これはこれでいい感じかと思うが、2話目のわざわざ捕り物のない日常話をやったのは必要だったか疑問。
「Robotics;Notes」は、あんまり考えることなくロボット好きの高校生が大っきなロボットを作るって話と思ってみると、素直に楽しめるかもしれない。
「PHYCHO-PASS」と「Robotics;Notes」は、CXノイタミナ枠で同じProduction I.Gが制作するという意味でも、興味深い。
第1話で、これ興味深いとすんなりと思えるTVアニメが全然ないという珍しいクールでしたが、とりあえず10月にしてはおとなしい感じがしました。
●2012年10月改編TVアニメ感想
(2013/01/20)
キッズ向けは「クロスファイト ビーダマンeS」が、続編としての展開に飽きられたのかなぁ…終わっちゃいましたね。
「カードファイト!!ヴァンガード アジアサーキット編」は、素直に話を消化して、次のシリーズに行けたようで、こちらはきちんと見せられたのかなぁ。…というより、タイアップになっている商品の勢いで決まっているような…
深夜アニメも総じて苦戦かな。たぶん見ていない人にも作品名が分かるくらいの作品は、今期はなさそうな…
「となりの怪物くん」「神様はじめました」「好きっていいなよ。」の原作が少女マンガの3作品は、きちんと作品世界といろいろ起こって、これからも恋愛が続く…てな展開の描写はきちんとできていたと思いますし、個人的には好きな題材でしたが、ある意味上振れするようなターゲット以外への展開の広がりはなかった気がする。
同じ恋愛を描くのでも「中二病でも恋がしたい!」のように、ちょっと変わった女の子をそれよりキャラの立つ女の子たちと絡ませて、主人公の男の子がハートを奪っていくことを納得できるように、ストーリーや演出を作ってきたのは、ある意味評価に値する。opの興味深い描き方に注目がいったが、きっちり12話で一つの話として恋愛を見せて行けたのは、原作を素地にアニメとして別話で作り込めたからかなぁ。
前作があるのでうまく行ったのは「ひだまりスケッチ×ハニカム」かな。とにかく、作り込まれた世界観や絵のテイストをきっちりと守りつつ、きちんと原作通りに話を進めていて、ある意味ぶれがなかったからね。
逆に前作までを捨てて作った「ハヤテのごとく! CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU」は、まずキャラクターがかわいく見えない。(絵じゃなくて、演出とか動きとか台詞とか…)新たに登場させたキャラや、新たなストーリーがしっくりこないと、興味を退く方向にいったような…(これで、続編つくるんですか…不安です)
「めだかボックス アブノーマル」「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」は、前作と演出面も変わらず、あんまり際立つストーリーもなかったような
ヨルムンガンドは、前作より戦闘が減って戦略的な表現が多くってパワーダウンした感じにも見えるが、それでもめだかボックスよりは前作のファンをしっかりつかんで行けたんじゃないかと。
「ガールズ&パンツァー」は、意外とあわせてもうまく行かないと思った戦車と女子高生が部活動の延長っぽく表現できて、徐々に見たくなるようになってきて、脚本がうまく作っているのかなぁ…と思ったら、いきなり5.5話と10.5話(いずれもキャラ紹介の総集編のようなもの)が出てきて、最後まで作れなかった作品になっちゃった。(咲-Saki-阿知賀編もそう)
結局残りの話を2013年3月に放映することに決まったようだが…まあ、茨城県大洗町が盛り上がっているからいいか。
(茨城交通のガールズ&パンツァーラッピングバスは、1年ほど運行予定。鹿島臨海鉄道のガールズ&パンツァーラッピング列車は、延長して現在(2013/1/16)も運行中。記念乗車券は1/8で完売)
「K」は、複数のキングがいることだけは分かったが、それ以外のキャラが戦っているのだけが分かるということと、表現の器としての学園ものになったりと、素材を使い切れぬまま戦いだけを描いちゃったという感じで終わったので、なんとなくもったいない気がする。
「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」「To LOVEる-とらぶる-ダークネス」は、話は二の次でなんかキャラの絵のクオリティだけを狙ってカットが決まっている感じがしてねぇ…キャラがかわいいと思えないと、入り込めないなぁ。
「緋色の欠片 第二章」は、前作分かった主人公に与えられた宿命みたいなものをどうするか、という話を長々といろいろと戦いながら考える…てなところを、過剰演出でかっこいい男たちが主人公(の女の子)に語っていくだけで…どうも腐女子狙いの作品は…
「えびてん」は、女子キャラにいろんな作品のパクリをやらせるということなんだろうけど、元ネタとずいぶんかけ離れているように見えて、素直に楽しめませんでした。
「武装神姫」は、動いて考えられる(どうも戦いなどをさせる)フィギュアのようなものが、適当にいろいろな出来事をさせて、結局は無事にマスター(持ち主)のもとに戻るという話だったから、あんまり話自体新鮮みのないものだったような気がする。
「トータル・イクリプス」は、敵である異星からの獣のようなものとの戦いがメインのはずなのに、それ以外の内輪での足の引っ張り合いが描かれることが多かった気がする。どっちも、妙に絵的にこだわりすぎてイマイチ感が強い。
「コードブレーカー」は、ある種の超能力を持つものが悪を断つみたいな話で、それがかつて仲間だったのと戦うということでオチになっていたが、話の構築自体が原作に頼りすぎて、アニメとしてみていてしっくりとして楽しめるものではなかった気がする。もうちょっと、主人公である実はある種の能力を持つ娘が話に入り込めばと思うが、戦いを避けさせることを叫ぶだけのキャラに終わっちゃっているし。
「BTOOM!」は、どっかで見たような話の展開(いきなり異世界に飛ばされて戦いに明け暮れる)だし、なんかキャラ設定と実際の行動のズレのような違和感が残っちゃったように思えた。
「ソードアート・オンライン」は、同じ原作者の「アクセル・ワールド」と比べると、ゲーム世界にアニメが入り込みすぎて、現実世界に戻ったときの違いの大きさ(体へのダメージなど)がうまく表現しきれなかった感じだし、勢いで決まっているオチに向けて急いで物語を進めてしまった感じがした。ただ、キャラそのものへの感情移入は、比較的しやすくて、見続けたいと思えれば素直に楽しめた気がする。
-----ここからは現在継続中だがとりあえず語る
「ジョジョの奇妙な冒険」は、10話以降話も演出もがらっと変わって今の方がたぶん楽しめるようになっている気がする。逆に言うと、9話まではなんだったんだろう…と思うくらい、話で聞いていた原作とずいぶん違う気がした。
「PYHCHO-PASS」は、設定自体がアニメを見て理解しやすくなっているし、それが分かれば、数話で1まとまりの話をすんなりと入り込めるようになっていて、小気味よく見られる。ちょっと暗めの絵の感じも、作品世界に会っていてむしろクールな感じである。
「Robotics;Notes」は、ロボットの中にどうもあるらしい謎っぽい部分に入り込んでしまうのかなぁ…と思ったら、さらっと流して、また大きなロボットを(高校の部活で)つくっていくという話を主軸に話が進んでいっていて、意外と見やすい。ただし、もうちょっと込み入った設定などあった方が入り込めるかも。
「絶園のテンペスト」は、最初は分かりにくいなぁ…と思ったが、キャラそれぞれの立ち位置やその過去との絡みが分かってくるように表現されてきて、ようやく安心して見られるようになった。クールが変わって、いきなり過去話になっていてもそんなに困ることなく見られるのは、原作の漫画の話がしっかりしているのか、それともアニメ化するときの演出的なものかは分かりませんが。
「リトルバスターズ!」は、原作の持つ世界観や物語ががっちりと固まっているから、それをしっかりと表現することが求められていて、それは確かにできていると思う。逆に、それに入り込める層以外は相手にしていない感じがあり、原作ファン以外は置いてきぼりをくらっている気がしないでもない。
「さくら荘のペットな彼女」は、空太とましろの妙な形の恋愛を描くのか、変人と天才と凡人が織りなす複数の青春学園ラブコメを描くのかがはっきりしないのがねぇ…主人公クラスのキャラが多いだけに、動かし方を誤ると、際物のアニメで終わっちゃうからねぇ。
(もうすでに、原作ではおかゆだったのにアニメでサムゲダンに変えて炎上しちゃっているし)
以上、とりあえず語ってみました。
●2013年1月改編TVアニメ感想
(2013/03/03発表、2/2ML(メイリングリスト)向けにアップ)
2月に書いたものを、1か月遅れてそろそろ終わりに近いときに出すことになり申し訳ない。
「THE UNLIMITED〜兵部京介〜」は、元になっている絶対可憐チルドレンの方が主人公や周辺キャラ、話のこなれ方がしっかりしているからなぁ…主人公以外際立つキャラがなく、引き付ける話もつくりづらい感じがする。
「幕末擬人伝 浪漫」は、元ネタ自体があまりキャラがこなれていないし、絵の原作のテイストに飲み込まれて、ストーリーがおざなりに(ある意味ご都合主義に)なっている気がする。
「GJ部(グッジョブ)」は、放課後の日常をだらだらと特に際立った出来事なく描いているらしいが、だらだらしすぎ。どのキャラを主軸に楽しめばいいのか
分からない。これに、輪をかけてだらだらと同じように男性キャラをもてあそぶだけの「生徒会の一存
Lv.2」もなんともまぁ…ある意味とりつく島のない状態。
「ささみさん@がんばらない」は、よく分からない日常から始まって、後になってキャラのおかれている状況とかが分かったりと、進捗が見る人にとってやさし
くない。際だった絵的な演出を全面に出すのがどうかも不明確で、原作などで取っつけた人だけが見て楽しめる感じに終わりそう。
「僕は友達が少ないNEXT」は、前作を見てなくても残念な女の子たちが出てきて、だらだらと放課後などを過ごすという感じで、そのある種の脱力感がいい感じの味になっているなぁ。
「ちはやふる2」は、前作同様熱い競技かるたを描いているなぁ…うまく学年が上がってきちんとキャラも成長しつつ、新キャラもうまく取り込みながら、見ていていい感じに仕上がっている感じがする。
「ビビッドレッド・オペレーション」は、かわいらしいコスチュームで戦うというのを描いているのは分かるのだが、女の子たちが合わさってシンクロしないと
戦闘態勢にならないなど、小難しい設定をしてキャラの行動にしばりをつけたりしているのが、うまく演出しきれていない感じで、引き付ける何かが足りない気
がする。
「ラブライブ!」は、アイカツ!と何が違うかというと学校を存続させる条件として生徒を集めるためにアイドルになるくらいだが、唐突に(人の集まらないと
いう設定の)ライブをやり始めるなど、無理にキャラが話を進めて、その強引な感じで物語が進捗している感じがして、無茶ぶりがなんともいえず痛い。
「キューティクル探偵因幡」は、キャラ設定自体に無理があるし、ギャグを狙っていると思うが、演出的に滑っているような気がする。
「閃乱カグラ」は、巨乳・忍術・学園をどう演出するかで、基本的には過去の類似のシリーズ同様になっていて…まあ、ゲームが原作だし好きな人は見て、というところか。
「みなみけ ただいま」は、1作目では表現していた「何気ないけど妙なおかしさがある」というものがなくなって、何気ない日常をだらだらとキャラを動かしているだけになっちゃっている。今回も。(カレーの歌しか回復の手はないのかよ)
「AMNESIA」は、ある時点からの記憶を失った主人公である女の子が中立的に描けているし、それゆえかっこいいその周りの男の子キャラが引き立っているかなぁ…ただ、腐女子以外はあまり魅力的な謎な部分の物語は作れていない気がする。
「AKB0048 next stage」は、実質下積みの目立った活動のない前作から一転して表に出る話になっているが、キャラが多すぎるし、物語もとってつけたような感じがして、演出的にも雑でパターン化したキャラが動いているだけの話になっている気がする。
「八犬伝-東方発見異聞-」は、前提になっている設定をあまり説明せず、かつ話の進捗もゆっくりして、キャラを見せる部分に時間をかけてしまっていて、キャラにはまれないといまいち魅力に欠ける。
「D.C.III〜ダ・カーポIII〜」は、もう5作目だそうで…ある意味定型の物語とキャラを動かしているだけという感じで、見る人だけ見てくださいという感じがそもそもしちゃうのだが。
「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」は、修羅場になるのに時間がかかりすぎたかなぁ。これから、メインキャラが増えるんだが、物語の展開を原作に頼りすぎて、アニメとしては弱い気がする。
「たまこまーけっと」は、京都アニメーション原作の作品はきれいに作られるけれどキャッチィな部分が弱く、引き付ける力が厳しいという気がするが、今回もそんな感じとなった気がする。
ただし、キャラの立て方や設定の丁寧な表現はきちんとしているが、突拍子のない設定の部分と日常的な部分のつなぎがうまく行っていないし、日常にもう一つ(キャラ設定や物語で)加えて欲しいがそれがない。
「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」は、最初は説明不足の部分があったけど、異世界からゲーム(戦い)をさせる意味とか、設定が分かってくると、
きちんとキャラも立ってきているし、それなりに次への興味を引き付ける部分もでてきていると思うが、食い足りない部分もそこそこにある。
「まおゆう魔王勇者」は、いきなり魔王と勇者が一緒になって…というのと、勇者が出るんだから戦いがメインかと思えば、村作りからはじまる(中世の)国作
りっぽい話がメインでして、「狼と香辛料」という作品のテイストに近い感じになっている。意外と、話がきちんと組み立てられていて、それなりに継続して見
続けさせる仕掛けもできている気がする。
「琴浦さん」は、いやー最初の10分のうつ展開からうって変わってちゃんと学園ラブコメになっているじゃありませんか。主人公たちに思い入れできるように
物語を仕込んでいて、あり得ない設定をうまく納得できるように演出している点も興味深い。(ときおりシリアスな展開もありますが、基本的には学園ラブコメ
だし)
4月改編のように力の入った作品はあまりないですが、それでも見応えのある作品が数作品あった感じの1月改編というところですか。(2/2に書き上げたが、そんなに印象は変わっていない)
●アニメで新番組より気になった再放送をいくつか
(2013/03/16)
BS11は、深夜アニメを積極的に編成していて、かなり枠を持っている。その枠をもてあましているのか「中二病でも恋がしたい!」(金23:30 4/12より)「WORKING!!(第2期)」(日0:30
4/6より)の再放送を編成する。
フジテレビは、すでに深夜に月1回土曜(金曜深夜)を中心に放送した「刀語」を4月からノイタミナ枠(金0:45 4/11より)で毎週再放送を行う。主題歌(op,ed)は、新しい楽曲を使うとのこと。
民放・ケーブルテレビでのアニメの舞台となった県での放映は、最近珍しくないが、NHK総合テレビの県域放送で同様の例を行うのは珍しい。NHK広島放送局は「たまゆら〜hitotose〜」(総合テレビ
日13:05 4/7より)を県域放送として放送する。
http://www.nhk.or.jp/hiroshima/tamayura/index.html
●2013年1月改編TVアニメ感想
(2013/05/17,5/3別メーリングリスト向けにアップ)
まず、キッズ向けが軒並み終了するのが多かったが、関連した玩具などが売れなかった(タカラトミーに絡むもの)ということに起因しているようである。もうベイブレードなどなど厳しい状況のよう。(対照的なのが、バンダイナムコ絡みは安定ないし好調)
終わっても続編が続くのは、あえて語る必要もないでしょ。(キャラ設定や舞台などちょっと変えて、演出や世界観は全然変わらないから、そのままと思っていい)
深夜アニメのうち2クールものは、作品によりまちまち。
絶園のテンペストは、作品世界が多少分かりづらかったが、後半に対立する相手方やその対応がようやく見えてきて、
なんとなく見やすくなった気がする。でも、原作にあるようなある種の勢いはアニメでは感じられなかった。
リトルバスターズ!は、完全にゲーム原作にはまれていたかどうかで、見続けられたかどうかが決まった感じである。丁寧な作りではあるが、さらなる視聴層の確保までは至らなかった。
ジョジョの奇妙な冒険は、過去にでたOVAよりもかなりよくできた(ただし10話目以降ようやくだが)感じで、次への展開もありと思わせる形で終わらせられたんじゃないかと思う。
PSYCHO-PASSとROBOTICS;NOTESは、結構後半になると格好良さと制作会社と作品の相性の良さが出た感じで、見応えのある感じで2クールを終えられたんじゃないかと思う。サイコパスは、サイバーな感じをクールに描けたし、ロボティクス・ノーツは、熱血学園ロボットもの(かな)という部分があり、きちんと謎の部分にもオチがつけられたと思う。(同じ制作会社とは思えなかったが)
さくら荘のペットな彼女は、当初のつまずきを回復するまで学園ものとしてのコミカルな部分がうまくでず、原作をうまく描ききったという感じにはならなかった気がする。
イクシオン サーガ DTは、結局最後までコミカルな部分が浮いた感じになって、イマイチおもしろみが感じにくかったなぁ。ゲーム自体の世界観を素直に描いた方が面白かったかも。
2クールではないが、3月に残った11話と12話を放送したガールズ&パンツァー。当初からうまく学園ものに戦車道なるものをうまく組み合わせて、町おこしにも貢献するファンの勢いを作り出す作品に仕上がった感じである。(OVAや劇場版という続編が作られるくらいですからね)
1クールは、好調とは言いがたいが、そこそこ見られるものもでて、まずはここ最近のクールと似たような状況かな。
THE UNLIMITED〜兵部京介〜は、メインになっている登場人物にこの話だけのキャラを登場させたんだけど、それがなんか違和感になって話自体がイマイチ動ききっていないというか…まあ、元ネタの素直なアレンジの方が面白く見られたかもしれない。
幕末擬人伝 浪漫は、やっぱりパチンコ・パチスロが元だとうまくいかないというある種の定説に、しっかりはまった感じ。キャラのためにストーリー・演出があるでは、やはり自由度がなくアニメとして動いていない。
GJ部(グッジョぶ)は、もう一つテイストになるような軸なり登場人物があればいいんだけど、単純に原作を追ってキャラを物語通り動かしただけで終わった感じ。キャラはかわいいんだからもうちょっと、という気がする。
ささみさん@がんばらないは、後半になればなるほどいろんな出来事が複雑に絡んで主人公以外のキャラががんばって動いているなぁ…と思ったんだが、全体のバランスがあっておらず、イマイチ世界観など記憶に残らなかった気がする。
僕は友達が少ないNEXTは、前半は前作同様の残念な女の子たちのだらだらとした日常を描いたんだけど、後半そのバランスを崩す出来事が入って、キャラの関係性が崩れそうになるところで話が終わったんですが…微妙にいいかどうかの評価が分かれる感じになったかもしれない。
ビビッドレッド・オペレーションは、結局ある実は別の次元にいた娘がキーになっていろんなことが起こって、なんとかそれをまとめて終わりに導けたんだが、なんかキャラの会話や出来事がぎくしゃくしていて、まとまりのある納得いくものにはならなかった気がする。
ラブライブ!は、話の内容自体はベタで、そんなに目新しい感じもなく、キャラにこだわりがないとスルッと流れてしまう作品に見えた。ただし、キャラにきちんと反応する視聴層もいて、それなりに現状だとある程度の消費動向に影響を与えるくらいの力はあったらしい。でも、個人的にはイマイチ類似作との差異を見いだせなかったです。
キューティクル探偵因幡は、やっぱりギャグがすべった感じがしたけど、これでいいという人もいるかもしれない、とも思った。
閃乱カグラは、予想通り巨乳・忍術・学園をどう演出するかで、それにヒットするだけが見ていた感じで終わったかな。
みなみけ ただいまは、これまで同様○○の歌とかそんな話がないと、だらっと日常的な場面が描かれて終わり、という気がしたが、やっぱり今回もそうだった。
AMNESIAは、もう少し見せ方がある気がするが、その枠を超えることなく、素直にある時点以前の記憶を失った女の子がいろんな男の子と関わって、結局元に戻るというストレートな話で終わったので、個人的には食い足りない。
AKB0048 next stageは、前作よりも雑に話が進んで、いろいろな話をやって無理に終わらせた感じが強い。
八犬伝-東方発見異聞-は、イマイチ話の中ででてくる危機感とそれに対処していくというのがスルッと流れて引っかかりがなかった気がする。ゆえに、格好としてはキャッチィな男の子たちの絵しか印象に残らない。
D.C.III〜ダ・カーポIII〜は、定型の物語をまた見せられたというだけという印象しか無い。キャラの絵は確かに違うが、話・演出はまったく同じように見えてしまいました。
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎるは、最後の最後にようやく修羅場らしくなったかな…というくらい物語の進捗が遅い気がする。キャラも意外と際だった感じはなく、4人目の女の子が出てきてようやく話が転がってきたかな、という感じでした。
たまこまーけっとは、あまりにゆったりと物語が流れているし、何か(困りごとでも大変なことでもいいから)引き付けるだけの出来事が発生するかと思いきや、姫捜ししたんだかどうだか…と、次の年もまた同じように、といつまでも終わらない春夏秋冬の日常だけはきちんと描けました、で終わった感じで、逆に終わった気がしない。
問題児たちが異世界から来るそうですよ?は、10話で終わりという変則でしたが、その後に続くっぽい話に仕上がっていましたね。でも、問題児たちの能力とそれを絡めて話を進める点で、アニメとしての表現が弱いという感じが、何か食い足りないが、まったくダメというほどではない、そこそこの魅力はあったと思う。
まおゆう魔王勇者は、物語のテイストに入り込めれば、意外とストーリーはしっかりとできているし、後から振り返って見返しても楽しめるという形でアニメとして素直に楽しめるものになっていた気がする。ちゃんと最後に戦って締める、というのも小気味よく決まっていたと思う。(続編も作れそうな展開にしているし)
琴浦さんは、時折あるうつ展開と学園ラブコメがうまくバランスして描かれていたが、最後の方にサスペンスっぽい話を重ねすぎたかな、と思ったりもした。でも、最初の印象からすると結構うまく視聴者を引き付けて、最後まで見せてくれた作品に仕上がったと思う。
以上でだいたい語ったが、抜け落ちている番組があったらごめんなさい。
●2013年4月改編TVアニメざっと見
(2013/05/17,5/14別メーリングリスト向けにアップ)
今回は、遅くなったこともありますが、長文です。まずそこを了解ください。
キッズ向けは、リニューアル(新たなシリーズ)のものは、特にコメントがいらないと思うが、プリティーリズム・レインボーライブ、探検ドリランド-1000年の真宝-、バトルスピリッツ
ソードアイズ激闘伝、ダンボール戦機ウォーズ、とまあ結構あるんですねぇ。これでも、減った枠もあるから、少ないんだけどね。
キッズ向けで土9:30は、3つほど重なる。プリティーリズムはともかくNHKの「団地ともお」は、原作通りになぞった、大人としては共有できる感じで、なんかキッズ向けとしてはNHKらしくない。
絵本が元ネタで、製作委員会方式なのに絵の感じも子供向けのあまり動きの多くない太い線の輪郭と、シンプルな背景で作られた「ぼくは王さま」は、ナレーション、セリフ、音楽が逆に凝っている感じがする。BS11での放送ということも含めて興味深い。ちなみに、取りあげる本編としての話は6つなので、今週末(5/18)の放送分から4月5月にやったのを流し、合間に挿入する あいうえおうさま だけ変える形になって、全12話というこれまた変則的なものだったりする。
TXは夕方の時間に、「ムシブギョー」と「LINE TOWN」を編成して来たが、元にしているもののテイストをなんとか表現するのに終始して、アニメとして興味深いといった感じはやはり出ず。
深夜アニメが多いんだなぁ…これが。それでかつ、例年より興味深い作品がラインナップされたんで、ファンの中でも一押しするのが分散し、複数出す人が多かったように思う。
そういった状況の中、原作の内容として巨人に人が食われるというかなりグロい表現になるので、それでも視聴者がつくのかどうか、またアニメ放映開始がかなり直前に発表したこともあって、うまく視聴者がつくか不安視もしたが…あっさり格好いいオープニングのアニメ(MADがどれだけ作られたんだ…と思うくらい多い)と、1話目からしっかりグロい表現が(それでも多少原作よりマイルドになっていたらしいが)描かれていたということで、視聴者の期待を集めたのが「進撃の巨人」。それゆえ、ほぼ同時期に放映する(ニコニコ動画までにはTV放映をすませる形)という無理が制作上の都合と合わさって、第5話目にして異なる絵が放映されたということで問題視されたという事態になったようである。(どうも、第5話自体原作を知っているものにとっては、注目すべき話になっていたらしく、より騒ぎが大きくなって、作画が中途半端の放送=福岡版というのがエロい絵が入る=愛知版と並んで、ある種の隠語になりそうな状況になりそうである)
第2期シリーズものは、前作の評価をひっさげてであるけど、今期は結構好調な感じ。
見る側が低予算で厳しいことを知っている感じだし、作品中のさらに元ネタを楽しむという部分もあるという「這いよれ!ニャル子さんW」は、第1話から飛ばす飛ばす…という勢い。3月下旬にPVがでて、オープニングの曲が流れるとすぐに今期は「\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!」と前作同様AA(アスキーアート)ができてしまう始末。実はアニメ化としては第4期になる作品とは思えない(最初2期分はろくにキャラが動かなかったからなぁ)、ある意味いっちゃっている感じです。
とある魔術の禁書目録と並行している部分もあるので、制作する側は、話の時系列やキャラなど注意事項が多く、かつ原作のファンの期待も高い「とある科学の超電磁砲S」。原作のコミックスにある妹達(Sister's)編を描いて来ていて、それなりの評価になっている。アニメオリジナル(またはそれに近い)キャラもしっかり物語で登場させているし、かなり凝った話をアニメ化する期待も高い感じ。(ちなみに、前作は半分以上の話が アニメオリジナルの話だったりするから、その辺の期待もある。 また、オープニングのシングルCDも発売週1位と好調)
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。(第2期)」は、前作ほどの勢いはないものの、きちんと原作のラノベの話を丁寧にこなしていて、前作からの視聴者をしっかり取り込んだ形に仕上がっている。TVアニメとしては12話で、たぶんネットなど別個での放映を3話分予定していて、原作の内容をアニメとしても完結させる形をとる。
「ハヤテのごとく!Cuties」は、前作コケた分を回復するように、女子キャラに焦点を当てて可愛く絵及びストーリー上描くようになっていて好感できるかな。(やはりヒナギク主役の話は、作品の視聴者では、そこそこ話題になったようで)
「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%」は、前作同様にヒロインがしっかりと演じていれば、後は格好いい周りの男の子たちが動いてくれるから、まあこんな感じでいいんじゃないかと。(キャラソンのシングルをここ最近毎週発売しているが、確実にランク上位(というか1位とか)に来るから、前作同様ある範囲の視聴者にしっかりリーチしている)
「百花繚乱 サムライブライド」は、前作同様の絵と話に見えてあんまり見る気がねぇ…見たい人は見るだろうけど。
ギャグものは総じて苦戦…でもないか。
「DD北斗の拳」は、見れば確かに面白いと思えるんだが、TX火曜深夜というこれまで視聴習慣のない時間帯だけに、その点がハンデになっているかも。(ただし、北斗の拳が分からなくても、妙な人たちがコンビニでフリーターやっているということでしっかり笑える)
「よんでますよ、アザゼルさん。Z」と「波打際のむろみさん」は、各15分あわせて1枠として放映していることが、功を奏している感じ。アザゼルさんは、前作同様ちょっとギャグがすべっている感じもあるが、むろみさんの方のおまぬけな話と連続してみると、結構ギャグ枠としてすんなり楽しめるんじゃないかと。(個人的には、波打際のむろみさんの方がバカバカしい分、ギャグものとしては楽しめた)
「はたらく魔王さま!」は、異世界の人がフリーターで東京に住んだら…というのを描いている感じで、魔王や勇者が出て、といういわゆるファンタジーものっぽいのは、キャラの設定とたまに話に絡むくらいでおさまっちゃっていて、それが逆にギャグっぽい感じに仕上がっていておもしろがってみられるものになっていますね。
「惡の華」は、もともとの話を映像でよりしっかりと「気持ち悪い感じ」を強調している感じに仕上がっていて、その怖いもの見たさでつい見てしまうようになっている気がしますねぇ。ロトスコープで、実在する場面をきちんと表現し、通常2コマごとに動かす絵を3コマと遅くすることでより気持ち悪い感覚を絵として見せている感じがします。
いわゆるロボットものや学園もの+何かと戦うというのは、総じて苦戦。
「革命機ヴァルヴレイヴ」「DEVIL SURVIVOR2 THE ANIMATION」「デート・ア・ライブ」「銀河機巧隊 マジェスティックプリンス」いずれも、もう一歩食いつける素材に欠けていて、イマイチ感が強い。
「翠星のガルガンティア」も、もうちょっとキャッチィなキャラか話がない感じで、素直すぎる冒険ものにおさまってしまいそう。
「カーニヴァル」も、絵として特徴的なものはあるが、話として引き付ける部分に欠けている感じがする。
学園を舞台にした作品も、やはり何か一つ足りない感じが多い。
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」は、きっちりとキャラ設定などおさえているし、キャッチィなヒロインになり得るキャラもいるし、話もそんなに悪くないはずだが、他の作品と比べると、どうしてももう一歩引き付ける部分が足りない気がする。
「変態王子と笑わない猫」は、メインになるキャラがきちんと立ったが、それぞれが、最初はぎくしゃくした感じになる部分で、うまくそれでもまとまっていける話のように見せる部分が表現できず、唐突にキャラが話とともに動き始めた感じが拭えない。あと、演出的に同じ制作会社が作った さくら荘のペットな彼女 での違和感を同じように感じる部分があって、もったいない気がする。(でも、オープニングやエンディングのアニメに使った曲は、なかなかうまくいったと思う)
「フォトカノ」は、ある意味パターン化したものにキャラも演出もおさまっていて、見たい人だけが見る感じに仕上がった気がする。(TBSの深夜アニメは、この手の主人公と複数の女子キャラを描く定型的なパターンの作品を編成することが多い気がする)
こんな中で4コマを原作とした「ゆゆ式」は、逆にゆるい話をシンプルに描いているので、見やすく楽しめたりする。特に何か突拍子のある話が描かれることなく、それでも見てしまいたくなるものがきちんと表現しているのは、さすがという感じ。
「RDG レッドデータガール」は、小説が原作で現実にある風景をうまく取り込んで映像化するのに定評のある制作会社の作品だけに、絵としては魅力的にキャラも含めて作られている。でも、話は原作に頼っていることもあり、まだアニメとしてキャッチィな感じが出てこないし、ある意味真摯な感じに仕上がっている。(まあ、角川文庫65周年記念のアニメ作品だから、きついところもあるかもしれないが…氷菓にどこか近いものを感じる)
「断裁分離のクライムエッジ」は、キャラや設定が最初の話では分かりづらい部分があったが、話数を進めるうちにこなれてきてまずは6話で1段落つけて、さて次に章に、とある意味リズムが出てきたかな、というところである。ただ引き付ける部分が多少弱い。
「アラカンガタリ〜革神話〜」は、原作にあわせるばかりに、アニメとしてみせる部分がほぼない形に仕上がった気がする。
「絶対防衛レヴィアタン」は、元としているもの自体がアニメ化するにはちょっと引き付けるものがなさ過ぎ、設定通りキャラは出して物語を進めているが、謎の部分も含めて弱い感じがする。(原作グリー、制作ゴンゾというところでも不安要素が…)
CXやBS11などで再放送をやっているが、こっちのラインナップの方が結経興味深かったりする。「刀語」「中二病でも恋がしたい!」「黒子のバスケ」「天元突破グレンラガン」「WORKING!!(第2期)」…前見たのに、つい見てしまうことも。
以上。長文をお読みいただきありがとうございます。
●JTB時刻表の裏表紙広告に劇場版アニメ「あの花」が掲載
(2013/07/19)
JTB時刻表2013年8月号の裏表紙の公告に劇場版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(あの花)が掲載された。通常、近畿日本鉄道(近鉄)が伊勢へのキャンペーン広告を行うことがほとんどであるのだが、時刻表に(ただしJR時刻表のように駅には置かれることはない)アニメの劇場版の広告を出稿というのは、きわめて珍しいことではないかと思う。
たぶん、全国に比較的見られる可能性の高い広告媒体であるということと、秩父鉄道や沿線地域とジョイントした企画を行うなどしており、鉄道利用や観光などでの利用者に目に届くように仕掛けたいという意図があったのではないかと思う。ただし、映画公開は2013/8/31からと次の9月号(8/24発売予定)に実際はかかってしまうが、実際夏にあった出来事を表現した作品だけあり、「旬」を狙って仕掛けていく一環と考えるべきと思われる。
「300万人の心を掴んだ、ひと夏の奇跡の物語」として、TVアニメがさらに劇場版で仕掛けていく。当然興行的な勝算を狙ってのアド戦略がこれ以外にも行われるはずである。
●2013年4月改編TVアニメ感想
(2013/07/24)
終わったものを語るつもりなんだが、2クールで継続するものを先に語らないと、たぶん先に進まないような気がする。
「進撃の巨人」は、ようやく13話分を終えて総集編(13.5話)にたどり着いたという感じの制作が切迫した状況に追い込まれたのは、それだけ原作にプラスアルファした質のものをアニメ作品として提供できたからこそ。通常の深夜アニメの視聴層である年齢を上回る年齢層にも視聴を訴求できたことからも、その期待を次のクールも裏切らずに突き進めるかが勝負になる、そういう意味で大変だなぁ…と思うのである。(アニメとして面白いのは、あえていう必要がないでしょ。これだけ人気があれば)
どうでもいい話だが、IGポート(制作協力のProduction I.G及び制作主幹のWIT STUDIOの持株会社。ジャスダック上場)の株価が例の第5話の福岡版が出来ちゃう(作画の質が違う作品が流れた)という事態のあと、数万円だったのが一気に20万円近くまで上げたというのは、かつてのアニメバブルの頃に戻っちゃったかなぁ…と思う感じ。(2013年7月中旬でも株価が10数万円と高いです)
「とある科学の超電磁砲S」は、妹(Sisters)編を進めていくと分かっていてもきちんと見応えがあるように仕上がっているし、すでにとある魔術の禁書目録(のアニメ)で描かれている部分に突入するにもかかわらず、たぶんきちんと魅せてくれると期待させるように進捗させているのは、さすがというところである。
対照的に「銀河機巧隊マジェスティックプリンス」は、わざわざ2クールで作るほどの見応えのある話になっているかというと…同時期の何かと戦うものの作品群とあんまり変わりないくらい、キャッチィでない。
さて本題。
キッズ向けは通常2クールから4クールが基本なので、この時期の終了は、製作委員会方式で作られた「ぼくは王さま」のみ。絵本をどう30分のアニメとして作り込むかということと、動きがなく魅せていくかというトライに、きっちりと作り込んできたという気がする。7月から再放送でまた見られるようにしているので、どんなもんか興味がある方はどうぞ。(サントラはどうも9月発売予定らしい…ビデオ発売は未定ですが、音楽は出す気ありそう)
学園ものをベースに、何かに戦うは結構今期は多かったが、いずれも何か食い足りないものが残った気がする。
「革命機ヴァルヴレイヴ」は、どうも話の内容がゆっくりしていてイマイチ感が…と思ったら、10月に次のシリーズ放映ですか。まあ、まだ戦いの見せ場がそこそこあったからまだマシ。
「DEVIL SURVIVOR2」は、ゲーム原作よりなんかぼんような映像的な見せ方で終わったのかなぁ…イマイチ感がさらに強い。話は、きちんと動いているが、キャラも含めてキャッチィな部分が見られず。
「デート・ア・ライブ」は、話の取っつきの部分が分かりにくく、そこをクリアした人だけが楽しめたと思われるが、妖精がコントロールできない力を出して何とかするのと、ラブコメになる部分をうまく組み合わせきれなかったような…え、2シリーズ目ありなんですか。
「カーニヴァル」は、なんか設定もキャラも取っつきにくいというか、印象に残りにくいというか。なんとなく、世界観はあるんだがそれの表現に力を入れて、話はなんとなく付け足しという感じ。
小学館原作のものは、いずれも苦戦っぽい感じ。
「アラタカンガタリ」は、過去の世界でなんのいいながら活躍するのと、その中での主人公の迷いのようなものをバランスよく描くのに、たぶん原作はできているが、アニメではできていなかったと思われる。
「ハヤテのごとく! Cuties」は、前作よりきちんとヒロインたちをかわいらしく描ききったので、一時離れかけたファン層は回復できたと思うんだが、主人公であるはずのハヤテが困った感じになる場面をうまく描けていないから、なんとなく初期のシリーズの方が…となっちゃった感じかな。(オチの話もイマイチだったし)
ギャグものは総じて苦戦。
「DD北斗の拳」は、アナクロな世界観をうまく絵も含めて描いているんだが、なにせコンビニのアルバイトをした…という設定を生かし切ったがために、分かる人しか素直に笑えない。(元が分からないと笑えないギャグものは、やはり厳しい)
「よんでますよ、アザゼルさん。Z」は、前作を見ているのを前提に説明なくそのままで進めたので、見る層を限定してしまったし、ギャグ自体も使い回し感がでてしまった気がする。
それらとは対照的に「波打際のむろみさん」は、前提はともかく、まずギャグを織り込んで強引に話を進めていったので、むしろ小気味よく見ることができたような気がする。
いわゆる学園ものは、原作のテイストをうまく表現できたかにより、差が出たかな、という気がする。
「惡の華」は、きちんとあの気味の悪い感覚を映像表現や演出できっちりと作り込んで、より原作以上に引き込ませるものを作り出せて描けたんじゃないかと思う。ゆえに、オチをつける必要もなく、話が進捗していく、だけでも問題なかった気がする。(NHK前橋のローカルニュース枠で、わざわざマンガの原作者の インタビューをやるだけ、反響があったことは確かと思う)
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」は、ラブコメでない学園ものとして出来事が流れていくという部分では、きっちりメリハリをつけて作り込めていたし、キャラもしっかり立っていたので見始めればなんとなく見続けちゃうものに仕上がったと思う。(マーベラスAQL関連では、引き続き小学館ガガガ文庫からだったが、ある意味想定以上の出来だったんじゃないかと)
「ゆゆ式」は、ある意味まったりとした世界観をそうやって描くのが当然と思わせるように見せている点は、実は結構大変なことのはずだが、そつなくやっている。テンションの高い深夜アニメが多いなか、ちょうどいいところにこういったものがあったことで、意外と見ている人が多かった気がする。(芳文社の作品で、TBS以外からの配信だったが、それにあまりある視聴層の反応の良さがあったと思う)
「変態王子と笑わない猫」は、最初の取っつきのよく無さと、月子をメインに立てて話を進めるのが話数として遅かったこともあり、もっと視聴層が広げられたはずが、逃げられた感がある。それでも、最後の方の話になると、見せられる話が作られていったと思う。
「百花繚乱サムライブライド」は、もともとの視聴層から広がることも狭まることもなく、前作とおんなじに見えたのは気のせいかなぁ。
「RDGレッドデータガール」は、原作である小説の持つテイストが、主人公同様ゆったりとしていたことがあったのか、作品世界に取り急ぎ引き込む必要があるアニメとしては、弱い感じがした。でも、後半になってどんどん魅力的になっていき、ある意味妖艶な作品世界はしっかりと表現できていたと思う。
「フォトカノ」は、1人の男の子に複数の女の子が毎回話変わって…という作り自体が、結局以前の作品とおんなじように見えて、見る人しか見ないという視聴層の制約を作った感じ。
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。(第2期)」は、とりあえず原作通りに進めていて、それなりに視聴層をきっちり固めて見せていったという感じ。まあ、桐乃よりあやせの方がネタ的にコミカルな部分があったので、そっちでなんとかテンションを保ったかな。黒猫が意外と奥に引っ込んじゃった話なのは、原作通りなのである意味仕方ないかも。(まだ、ネット配信とパッケージで原作すべてをアニメ化するのが残っていますが)
区分しにくい作品群は、結構興味深いものが多い。
「這いよれ! ニャル子さんW」は、前作の勢いをそのままに、いろんな作品のネタを織り交ぜながら、きっちりと話を仕込んでいましたが、やはりネタ不足で苦しんでいるように見える部分もいくつか…まあ、面白かったんでいいです。
「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%」は、前作の学園での話から、実際に芸能界に入っての話になったので、それなりに話も膨らみ、視聴層も広げられたんじゃないかと。(キャラソンも、ウィークリーですべて10位以内ということで、原作を持つブロッコリーの直近の四半期決算は上振れです)
「裁断分離のクライムエッジ」は、演出的な部分で際っぽいので、イマイチ視聴層を拡大できず、ある種コアなファンで固まった感じがするなぁ。謎っぽい話も、とってつけた感が強い。
「はたらく魔王さま!」は、ファンタジーものかなぁと思ったら、1話Bパートにはすっかりとバイトをしている魔王さまたちのドタバタな活躍に、ついでに異世界での戦いの延長が笹塚周辺で繰り広げられているんだもんなぁ…しっかりギャグっぽくなっているし、この作品の監督、前作が未来日記だったなんて…というくらい。本来ならヒロイン的な立場になりそうなキャラが、ツッコミ役になったので、別のキャラがヒロインになって…って、これ狙ってやったんでしょうねぇ。とにかく、素直に面白いと思って見られた作品。2シーズン目もありそうなオチに、妙に期待しちゃう。
以上。昨年1年間とは対照的に、興味深い作品の多いクールになりましたが、
この勢い、実は2013年7月期も続くような…は、後ほど。
●2013年7月改編TVアニメざっと見
(2013/07/24)
2クールで継続中の「進撃の巨人」と「とある科学の超電磁砲S」が好調な状況を維持しつつ、この2013年7月の改編を迎えたTVアニメになるのですが、意外とこれが調子よさそう。
原作の力が結構あるがために、逆にアニメとしての表現ではいじくりにくいだろうなぁ…と思ったのが「銀の匙 Silver Spoon」。
放送開始前の時点で、2014年1月に第2シーズンを放映すると決めてきているだけあり、丁寧にきちんと原作のテイストを表現しつつ、ちょっとはアニメとしてのオリジナルの(ある種ふくらますための)出来事を追加してきて、基準水準以上のものは提示できたといえそう。
ただし、アニメによってさらに原作以上のものを提示するのは、かなり難しいが、それだけ原作の出来が物語としてよすぎると思う。
「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」(ワタモテ)は、男子高校生の日常同様に(月刊誌ではなく)Webでの掲載からアニメ化した作品。そのおかげか、国外での反応がちょっと尋常ではなく(アニメ開始時も含めて商売になりにくい層だが、かつ国内でも単行本がしっかり売れたので、アニメ化になったんですが…いや、これなんというか原作通りしっかり「喪女」が描かれているねぇ。とにかく、主人公のキャラがきちんとコミカル(といっていいのかな)に描かれていて、しっかりアニメとして見られる。
前作ありの作品でも、比較的好調なのは多い。
「たまゆら〜もあぐれっしぶ〜」は、前作までの作品のテイストをしっかりと引き続き表現されており、かつ新キャラも違和感なく追加してきて、話を続けて盛り上げていくように仕掛けている。
「<物語>シリーズセカンドシーズン」は、これまでの化物語以降の表現を継続しつつ、きちんと各物語ごとの強弱をつけて演出していくことが出ている。現在まず「猫物語(白)」と年末スペシャルでやった猫物語(黒)をきちんとつなぎつつ、期待通りの表現をしている。
(非上場の制作会社で、製作委員会に出資するシャフト自体は、別の劇場版作品の制作を抱えつつの状況だが、その辺で質的な問題が発生しなければ…2クールだし)
「神のみぞ知るセカイ 女神篇」は、TVアニメとしては3シリーズ目であるが、原作がきちんとストーリー面でフォローしているため、あとは丁寧にアニメ化すればそれなりに作品が成立するところまで形ができているといえそうである。キャラソンなどの展開もしっかりスケジュールを決めてこのシリーズでも行うらしい。(同じ制作会社などでやっているハヤテのごとく! Cutiesと、ちょっとその辺が違っている気がする)
続編だからいいとは限らない。
「ロウきゅーぶ!SS」は、前作に続き小学生がバスケをやる話です。
カワイイ小さな女の子が好きなら、絵だけで十分楽しめるだろうなぁ…と思うんだが、それにこびることなく、きちんとキャラとして成長したいという風に物語は作られています。でも、絵と声でどうも個人的にはねぇ。
「神姫絶叫シンフォギアG」は、前作と基本的な構築は変えずに、続きの話として作られていますので、前作での視聴層をどう取りこぼさず見せていくかが勝負所のようで、その点はできていますが、拡大はまずなさそうなくらい、世界観がしっかりして描かれていると思う。
「ハイスクールD×D NEW」は、前作と基本的に変わらない設定・物語などで、広がりは感じられず、前作と同じ客狙いがみえみえ。
「げんしけん二代目」は、制作会社などが変わっているし、原作もそもそも物語の中心や狙い所も含めて変わっているが、何よりキャスト(声優)を総入れ替えしちゃったのが、とにかく過去見てくれた人は完全にひいちゃっていますね。原作のストーリーも含めて、前作の部員たちのある種のオタクたちの怪しさがさっぱりと抜けて、スルッと引っかかりのないアニメになっちゃいました。
「ローゼンメイデン」は、かつての原作の方から入ったものとしては何か物足りない感じがする。人形(といっても話したり動く)たちの振る舞いよりも、主人公の選択による違いを表現する方にこだわったばかりに、見せるべきキャラや設定を忘れちゃった感じがする。
「八犬伝-東方八犬異聞-」は、話数自体が前作に引き続きになっているだけあって、前作の内容なり作品のテイストなりを理解していないと話に入りづらい感じになっている。でも、狙ったところへはきちんとリーチしていると思う。
ここからは新作になるが、出来はまちまち。
「威風堂々!!兼続と慶次」は、なんかパチンコやパチスロを元にしたアニメの持つ独特のテイストにのまれていて、なんか絵柄や話の設定も含めて、入り込みづらい気がする。
「ステラ女学院高等科C3部(しーきゅーぶ)」は、女子高生がサバゲーを部活でやるって話なんですが、きちんと学園ものアニメとしての演出はされているので、派手にあたる感じはないが、そこそこ見てくれる人はいそうな感じである。
「帰宅部活動記録」は、素直に帰宅部が部活動の部屋を持ったら…というある意味まぬけな話ではあるが、きちんと学園アニメとしての体裁を整えて、クスリと笑えるようになっていたりする。ただし、視聴者のプラスアルファを望めるほど魅力的というわけではない。
「ガッチャマンクラウズ」は、たぶんタイトルと違って普通に少年たちがなんかやっているといった感じのアニメになっちゃっている感じ。
もう少し何か、を期待したかったが、それもなくよくありがちな何かに戦っているだけのアニメ、という感じ。
「ダンガンロンパ」は、ゲームが原作なのだが、きちんとその原作のテイストを表現しているんだろうなぁ。とにかく、いきなり学園に入ったらバトルロワイヤルをやれといわれて、誰かがいきなり死んじゃうが…その中にある謎を解く主人公や同じく入学したキャラの(主人公より強い)メンバーが絡んでいくのが、違和感なく描かれていて、意外と視聴者を引き付けた感じあり。
「恋愛(ラブ)ラボ」は、ゆるゆりの制作スタッフが作っているので、絵などは確かにその流れを継いでいるが、話は原作に則ってきちんとキャラが動いていて進んでいるようである。ただ出来事が適度に進むだけのゆるゆりと違い、恋愛ラボとしての恋愛研究をしてみたい女子高校生がコミカルに描かれているが、絵のテイストが視聴者を決めちゃって、原作などを含めたファン層の拡大は、アニメ化したからといってもなさそう。
「君のいる町」は、原作自体が結構しっかりとした恋愛学園ものとしてできあがっているので、それを丁寧に表現できるかがたぶん焦点になる。その点においては、きちんとできているんじゃないかと思うし、この枠の前作までのような無理な設定のファンタジーを描いているよりも、この方がある意味キャッチィではないかと思う。
(舞台となっている広島県庄原市が積極的にコラボを仕掛けるらしいし、もう一つの舞台となっている東武東上線成増駅周辺も東武鉄道がスタンプラリーをしているように、関連地域での展開が早くから行われているという意味で、興味深いアニメでもある)
「魔界王子」は、素直に魔界での話になっているが、どうもメインキャラが婦女子を狙った絵の感じになっていて、それに話の描き方も傾いている雰囲気がする。ゆえに、あんまり視聴層の拡大はなさそう。
「有頂天家族」は、京都を舞台に人間に化けたたぬきたちが、いろんなことをやっているという話だが、たぶん小説が原作でそんなに絵的に連続してみせる話になっていない感じがする。
でも、いい味は出しているし、P.A. WORKSが描く京都の町並みも趣があって、絵として見せていく部分はしっかりしていると思う。
でも、そんなに興味を持ってみてくれる人は多くないかも。
「BROTHERS CONFLICT」は、1人の女の子にたくさんの男の兄弟ができて、彼らといろいろとある(いわゆる衝突とでもいいましょうか)わけですが、腐女子向けの逆ハーレムアニメって感じるのは、気のせいか。
主人公の女の子が主体的に動けないようにしばっている感じがして、なんか食い足りないと個人的に思う。
「空の境界」は、あらかじめ短い放映期間で劇場版として作られたものを30分もののアニメとして放映する形になっています。(宇宙戦艦ヤマト2199もその形態で作られている)すでにビデオグラムとして売られているし、その過程である程度そこそこいい評価を得ている作品のようです。
多少、映像も含めて暗いテイストなんですが、それだけにきちんと物語を構築して描かれている感じがします。
「神さまのいない日曜日」は、絵はある種のファンタジーでよく見るかわいらしいテイストなんですが、話は人が死ななくなった世界できちんと埋葬して死に導く墓守の少女が、ある少年と出会って自分のすべきことを考えるために今までいた町を離れて…という重い話になっています。そのバランスはいいのですが、話自体にあまりキャッチィな部分がないので、視聴層をある程度広げる
といったことは難しそう。
「ブラッドラッド」は、原作の持つ魔界の設定とコミカルな物語の描き方がうまくあっている感じと思う。そんな中に巻き込まれた死んじゃっていて生き返るために行動を共にする女の子も、きちんと自立的に会話につっこむし、それなりに小気味よく見られると思うが、何かもう一つ引き付けるものがないようなので、イマイチ視聴層の広がりに欠ける気がする。
「幻影ヲ駆ケル太陽」は、カードをあやつる女の子たちが戦いに…という感じなんだろうか。よくありがちなファンタジーもののアニメの表現で描かれているのは、作品の内容と合っているが、キャラも含めて引き付ける何かが欠けているように思われる。
「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」は、タイトルの前の方にある作品のスピンアウトという前提は無視して、ある種の魔法少女ものらしい話と思ってみると、まあ筋道が立っていてそれなりに興味深く設定もキャラもできているし、話もそれなりにできていると思う。
「Free!」は、原作の話がしっかりしているので、絵としてはどこかで見たようなテイストなのだが、不用意に腐女子向けっぽくならず、きちんと水泳やっている男子高校生たちを見せていく感じになっている。
「犬とハサミは使いよう」は、人間だったけどなんかの拍子に犬になった本好きと、たぶんラノベっぽい小説を書く女の人が、本とハサミを使ってなんかと戦うっぽい話のようだが…設定を省略してあとから示すような部分が多く、よく分からないが話が進んでいる感じがあって、なんか見続けるかどうか微妙な気がする。
「きんいろモザイク」は、イギリスに短期留学した女の子のホームステイ先の女の子が、日本に興味を持っちゃって転入してきて、いろいろな学園での日常的なんだけどいろんなことが起こるって話。ある意味、まったりとした話として描かれていて、派手さは無いが見る人は見そうな仕上がり。
「ファンタジスタドール」は、ある種のカードゲームのような設定で、プレーヤーになる女の子たちには実体化したものとして見えるようで、ゲームとして戦うんだろうなぁ…というところは分かるんだが、どうも主人公以外のプレーヤーはおおよそのこのゲームの設定が理解できているという話になっていて、主人公とともに視聴者はゲームを理解している仕掛けになっているよう。それが、見る側にとってなんとなく不親切な感じになっていて、キャラが可愛いとかあって入り込めないとなんとなく見続けにくそうに思う。
「サーバント×サービス」は、同じ原作者で先行してアニメ化したWORKING!!と同じようなものを期待しちゃうと、ちょっとずれていてどうかな、と思っちゃうかも。それを抜きに、とりあえずある区役所の福祉の部署(という設定も抜きにして)でのはたらいている人たちのドタバタを楽しむという風に、シンプルに内容を楽しむならあり。
以上、作品個々のざっと見はここまで。
(抜けていたらすみません)
個人的には、在阪局でたぶん昨年までなら讀賣テレビ放送(ytv)が放送していたと思われる「サーバント×サービス」「Free!」「幻影ヲ駆ケル太陽」が、これまでほとんど深夜アニメをやらなかった朝日放送(ABC)で放送している(どころか、製作委員会にも参画している)のが興味深い。
●アニメ展示会、再び統合 14年3月に開催
(2013/10/10)
日本経済新聞 2013.10.9
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD090L0_Z01C13A0TJ2000/
アニメ関連の20社・団体は9日、来年3月22〜23日に新たなアニメコンテンツの展示会を開催すると発表した。東京都の青少年健全育成条例改正をきっか
けに分散して開催されていた2つのアニメイベントを統合。大手アニメ会社が一堂に会するようにして内容を充実させ、海外からも関係者やファンを呼び込みやすくする。10万人の来場を目指す。
---引用終わり
結局、分裂のきっかけとなった東京都がアニメイベントから撤退し、結果として日数を短縮(かつてはそれぞれ2日があわせて2日に)して、新番組等のイベント中心の部分と、ビジネスとしての商談会としての部分を、場所で分けて同時期実施するというスタイルにしたらしい。
●2013年10月改編TVアニメざっと見
(2013/11/14)
前評判がそこそこあったのがほぼ総崩れというところかなぁ。
原作やミュージカルでそこそこよい印象の強い「弱虫ペダル」は、原作をなぞる程度でアニメとしては弱く、前作評判のよい「黒子のバスケ」や「IS<
インフィニット・ストラトス>2」「革命機ヴァルヴレイヴ」など見事に前作の勢いから落ち、平凡な普通のアニメ作品という感じにおさまっている。
「のんのんびより」は、この手の日常系アニメの層をしっかりつかみ、そこそこいい感じで演出されている感じ。
「ぎんぎつね」は、異世界が見えるものと学園ものが合わさっている感じだが、なんとかキャストの演技や絵・原作でなんとか保っている感じかも。
「キルラキル」は、グレンラガンに通じる演出などで、一定の層を確保した感じだが、それ以外の層にはいまいちかもしれない。
「夜桜四重奏〜ハナノウタ〜」は、前作とは別個に新たに始めた感じだが、これは前作と関係なくそこそこ見られるという普通に学園もので異世界ものをきちんと見せている感じかな。
「アウトブレイク・カンパニー」は、いわゆるファンタジーの異世界に、オタク文化を広めていく話なんだろうかなぁ…まあ、そこそこのドタバタでみられない話にはなっていない。
「COPPELION」は、もともと原作が持っているテンションをうまく映像化している感じかな。防護服無しでは生きられない環境での、そんなのがいらない任務を担った学生たちの話というのが、分かった上でみられるし、きちんといろんな出来事が起こってくるからね。
「境界の彼方」は、原作のコミカルな部分がようやく出てきてなんとか持ち直したけど、最初の前提の描き方が分かりづらくて、ある意味製作会社の悪いクセが出た感じかも。
「京騒戯画」は、番組の中の区切りを3パートにすることで、動画配信の時の短めで小気味いいストーリーの進捗を保とうとしているが、30分枠のアニメにしたので、その分演出的に間延びした感じの部分がでて厳しいかも。
「ストライク・ザ・ブラッド」は、学園もので戦うというパターンのアニメの定番な演出はきちんとやっているが、キャラなど引き付けるプラスアルファがいまいちな気がする。
「凪のあすから」は、映像のきれいさがまずでてしまい、作品のストーリーとしての興味があとから出てきた感じ。もう少し、主となるキャラを明確にすべきなのにできていないのも難あり。
「ゴールデンタイム」は、原作自体がそもそもはっきりしないキャラの扱いを最初のうちどうしようか迷っていた感じがあり、それがアニメ化してもでて、最初は取っつきにくいが、ある程度話が進むとそれなりに学園恋愛ものになっている。
「機巧少女は傷つかない」は、きちんと最初の前提から分かるように話が構成されているし、キャラもその輪郭がはっきりしている。ただし、ある種の世界観が視聴層を狭めている気もするけど、そんなに気にならずみられる気もする。
「てさぐれ!部活もの」は、実質10分でネタとしゃべくりだけでうまく見せているが、毎回パターンが同じ。それが味になっている。
「ログ・ホライズン」は、NHKがゲームに取り込まれたプレイヤーを描く…ってどっかで見たような話だが、ある種の無難な演出で危機感の描き方がどことな
くぎこちない。(それなら「ファイ・ブレイン神のパズル」のほうが、まだ見せ場がしっかりしていて見られる気がする。もう第3シリーズだが)
「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している」
「勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。」
…そもそもタイトルが長い。(それぞれ「のうコメ」「俺しぶ。」が略称)
タイトルが説明的なのに、内容自体はいまいち分かりにくく、どちらもいまいちな感じが拭えない。
あと、タイトルすらでていないのは、語る言葉もないもので…そこは察してください。
キッズ向けは、特にこれっていうのがなかった気が…どこかで見たか続きかという気がしてしまって。
以上、前期までのように興味を引っ張る作品も、それに連なっておもしろがれる作品も少ない状況の今期TVアニメでした。
●2013年7月改編TVアニメ感想
(2014/02/26)
実は、9月終わりで感想を書き損ねたので、1クール遅れたがとりあえず書く。
「進撃の巨人」は、次のシリーズ(コミックス付属やたぶん次のTVシリーズ)があるのが前提で、まず進めるところまで描いた感じだが、最初に引き付けた疾走感のある映像と、話の描写をきちんと原作にあわせた点など、とにかくうまくアニメとして作られたという感じであった。
「とある科学の超電磁砲S」は、前半は原作コミックスにもあり、すでにとある魔術の禁書目録でも映像化した話をどうふくらませてみせるかが注目されたが、きっちりその点はクリア。さらに後半のアニメオリジナルストーリーも、前作同様見応えのある話に作りS(いろんな意味を重ねている)としてしっかりしたアニメを見せてもらえた。次も期待が…でしょうねぇ。
実は、前作ありの他のは総じて不調。「ローゼンメイデン」「神のみぞ知るセカイ女神篇」「ロウきゅーぶ!SS」「神姫絶叫シンフォギアG」「ハイスクールD×D NEW」「げんしけん二代目」と、前作の勢いよりいずれもトーンダウンといった感じか。
「たまゆら〜もあぐれっしぶ〜」は、前作のトーンをそのままに高校2年生になった主人公たちを中心に、日常をきちんと描いていたというところでしょうか。
たまゆらにかぶりそうで、独自なところにいけたのが「きんいろモザイク」。これも学園ものの日常を描くものだが、キャラをうまく仕掛けていたので、前期ゆゆ式の視聴層をしっかり捕まえた感じかな。
「恋愛ラボ」は、なんか原作通りなのかいまいちこなれないで話だけ描かれた感じになった気がする。恋愛と女の子の友情とみると後者に重きが置かれたのが逆にイマイチ感になったかも。
「帰宅部活動記録」は、短い話をつなぎ合わせて30分ものアニメにしている感じがちょっと無理っぽいが、前々期GJ部のような演出になればもう少し…という気もしないではない。
「銀の匙 Silver Spoon」は、最初から第2期前提に話が進めるため、原作通り無理せず話を構築・演出できたと思う。ただ、他にキャッチィな作品が多かった間もあり、渋くそこそこのラインで収まった感じ。
「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」は、原作をきっちりアニメに表現したので、上にも下にも行かず狙い通りかな。
「BROTHERS CONFLICT」「神さまのいない日曜日」「ファンタジスタドール」「ブラッドラッド」「幻影ヲ駆ケル太陽」「超次元ゲイム ネプテューヌ」「ステラ女学院高等科C3部」「犬とハサミは使いよう」「君のいる町」など原作などの作品の世界観をきっちり見せることに特化した感じで、もう一息というか、キャッチィな部分がなかった気が。
「サーバント×サービス」は、もうちょっと引き付ける何かがあったら…というか、これだけ目立つ作品が多いなかでは普通のアニメという感じで目立てなかったが、渋くWORKING!!のファン層は固められたかな。
「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」は、10話と変則だが次のシリーズを作る前提で、見せたい場面などはきちんと表現していたんじゃないかと。
「Free!」は、意外と話として面白く見せてくれたし、キャラも格好良く見せていたので、次も…というファンもいたんじゃないかな。
「有頂天家族」は、ある程度原作にクセがある感じだったが、そこを活かしてうまく見せることができたんで、素直にアニメとして楽しめた気がする。
「ガッチャマンクラウズ」は、新たなガッチャマンとしてそう違和感なくアニメとしては作られたんじゃないかと思う。ただ、新規で引き付ける部分に少し弱い感じもしたが。
「ダンガンロンパ」は、作品世界をきちんと描き込んで、キャラにうまく引き込んだ形に仕上がったと思う。
以上、語りたいと思う作品が多かったという印象ですか。
●2013年10月改編TVアニメ感想
(2014/02/26)
2013年9月までが、引っ張るだけの力強いアニメ番組があったのと対照的に、10月改編では特に引っ張り込む作品はなかった気がする。それゆえ、ほぼヒット作無しという状況かな。
2クールだった「<物語>シリーズセカンドシーズン」は、きちんと化物語からの表現手法を活かしつつ、原作通りの多弁な作風できちんと見せたというところ。
のんびりとした日常の雰囲気を見せていくアニメは、2013年途切れることなく、琴浦さん→ゆゆ式→たまゆら〜もあぐれっしぶ〜と来て、10月期は「のんのんびより」がその枠に入ったというところか。
前作があるものは、軒並みそのパワーを落として、イマイチ感が残る感じになった。「インフィニット・ストラトス2」「革命機ヴァルヴレイヴ(2ndシーズン)」「リトルバスターズ!〜Refrain〜」いずれも、ストーリーの消化でていいっぱいでキャラやシーンで引き付けるものは新たにだせずじまい。
「黒子のバスケ」も、2クールなのでウィンターカップになってようやく見所が来る感じだが、過去話などが中心の1クール目はスタッフなどを変えたのも含めていまいち裏目に出た感じが強い。
「COPPERION」は、もともとの原作がきちんと引っ張れたのか、なんとか最後まで見られる作品であったが、前提をすっ飛ばされていきなり作品世界を描かれて、徐々に分かってくるのはいかがなものか。
「ガリレイドンナ」は、設定に無理があったのか、キャラを引き付ける話が後半にようやく出てきた感が強く、もう少しうまく演出すれば…と思えたくらい消化不良で終わった感じ。
2クール続く「サムライフラメンコ」は、設定・キャラがバラバラに分かってくる感じで、最初から引き込むところでしくじっている感じ。焦点もはっきりしないので、今になっても見たいと思わせる話にぶち当たらない感じがする。
「キルラキル」は、最初感じたグレンラガンが好きなら大丈夫という感じがしっくりくるなぁ。とにかく戦いはじめたらキャラが動いて面白くなってくること。(見続けたいが、繰り返し見るもんじゃない気が)
「機巧少女は傷つかない」「ぎんぎつね」「京騒戯画」「夜桜四重奏〜ハナノウタ〜」は、そこそこ話が見られる形で構築されていたが、キャッチィなキャラなり話にならなかった感じが惜しい。
まだ続く「弱虫ペダル」「ゴールデンタイム」「東京レイヴンズ」「ストライク・ザ・ブラッド」「凪のあすから」は、まず1クール目で一区切りっぽく作られていて、これらは原作・脚本がしっかりしているのか、きちんと見せ場をつくって進んでいたので、次のクールにとりあえず期待しておこう。
「てさぐれ!部活もの」は、実質10分で要はWebラジオをアニメにしてみた感じだけど、意外とそのしゃべりだけで楽しめたかな。
「勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました」「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している」「境界の彼方」「メガネブ!」「BLAZBLUE」「アウトブレイク・カンパニー」「蒼き鋼のアルペジオ」など、なんかもうちょっとプラスアルファでキャラとか設定とかシーンで見せ場があったらなぁ…作品の世界観をきっちり見せるところで終わっちゃった感じがする。
以上、熱く語れる作品があんまりなかった感じで終わった気がする。
●2014年1月改編TVアニメ感想
(2014/06/29)
15分アニメといったショートアニメは比較的ヒットしやすいらしい。となりの関くんは、なんとなくつい笑ってしまって、見続けてしまったという感じだったのでは。
咲-Saki-全国編や黒子のバスケ(第2期)といった続編がいまいち勢いが落ちたものの、見続けてしまうという感じにはなった。
銀の匙は、前作同様で落ち込み無しというのはさすがというところか。
中二病でも恋がしたい!戀は、何話か面白いのがなければ、埋没の可能性も…と厳しい。
鬼灯の冷徹は、はまればギャグが面白くなんだろうけど、自分ははまれなかったので多少厳しい感じか。
キルラキルは、勢いで見せていった感じかなぁ。結局最後には見入ってしまった感じになったかも。でも、グレンラガンの延長という気が。
原作と異なるオチにしたらしい いなり、こんこん、恋いろは。は、うまく舞台を使い切った学園恋愛ものっぽく無難に仕上がっているが、もう一歩何か欲しかった気がする。
桜Trickは、レズっぽい要素が強すぎたか、日常的な学園ものとしては、ちょっと食いつきが悪かった感じがする。
のうりんは、農業よりも学園ものの要素を強くしたのは、よかったと思うが、キャッチィな部分は多少弱含みに終わった気が。
凪のあすからは、きれいな映像と丁寧な話の構築はいいが、ながらで引き付けるほど積極的なキャラが出ず、もったいない気がした。
ディーふらぐ!、ハマトラ、サムライフラメンコ、魔法戦争、Z/X IGNITION、ノブナガン、バディ・コンプレックスなどなど際立っているところはあるのだが、それにひっかかかる人以外は見てくれそうもないところが厳しい感じだったかも。
いずれにしても、飛び抜けてみたいと思わせる作品があまりなかった気だったように思う。
●限定版「ソードアート・オンライン 7」の特典CDが交換対応 ほとんどの曲のピッチが間違っていたが2年間誰も気づかず
(2015/09/16)
ITmediaねとらぼ 2015.9.16
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1509/16/news115.html
2013年4月24日に発売された「ソードアート・オンライン
7」の限定版Blu-rayとDVDの特典CDにおいて、一部の収録内容に間違いがあったとしてアニプレックスが商品の交換に応じています。収録されてい
る全27曲のうち21曲が、間違ったピッチで収録されていたため。Twitterにて、音楽担当の梶浦由記さんも告知しています。
(中略)
ピッチのずれが判明した理由は、梶浦由記さんのライブの選曲のためにスタッフがCDを聴いていたところ、「ちょっとおかしい」と気付いて連絡したため。このライブがなければ、本当に誰も気付かないままだったかもしれません。
梶浦由記さんは今回の件について、「自分で気付かなかったのが何よりいけない」としながらも、「私にもかなりの衝撃でした」と語っています。
自分の作品が2年間も間違った形で販売されていたとなると、その驚きは大きいはず。
---引用終わり
だからBDやDVDでの特典CDとしてのサントラ発売は止めようよ…という話のように思える。
結局、特典CDの場合はどうしても保存用になってしまい、積極的にサントラを聴く人は少ないようである。
作曲者は、さすがにプレスしたものまでチェックするのは難しいと思うので、仕方ないかと思う。
でも、気づいただけマシかも。
●癒やしだ…… せせらぎ音や耳かきとともに美少女と交流を楽しむシチュエーションボイス「せせらぎ少女」プロジェクト始動
(2015/09/23)
ITmediaねとらぼ 2015.8.29
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1508/29/news013.html
せせらぎ音や耳かきとともに美少女との交流が楽しめるシチュエーションボイス「せせらぎ少女(CV:佐藤聡美)」プロジェクトが始動です。
---引用終わり
当該クラウドファンディングのページ
https://www.makuake.com/project/genecre/
個人的に興味を持ったのは、このプロジェクトで作られる作品のコンセプトではなく、
クリエイターの中でもとりわけ声優やイラストレーターの世界は経済的に還元されにくいといわれています。この作品の成功を皮切りに、クリエイターにより良い仕組みづくりにまい進したいと思います!
---引用終わり
とかく、資金を出した作り出す組織に対してのリクープ(回収)がメインになって、作り手である著作隣接権者(実演家など)への配分があまりされていないという状況が実態ではないかと思う。
そういったトライアルとしてのプロジェクトというのに興味を持ったわけだが、やはり目標金額に達するまで期限の前日というかなり危うい形になったようであ
る。でも、とりあえずクラウドファンディングとしては達成したのだから、実際作られるということで期待してその成果物が出るのを待ちたいと思う。