作曲家別アニメサントラ紹介-04
 

<はじめに>
 CYBER STATIONの電子掲示板で、不定期書き込み中の
この作曲家別アニメサントラ紹介も、書き始めて1年が経とうとしています。

 まだまだネタはつきそうもありませんが、だんだん書き込む内容の
表現の仕方に厳しさを感じています。
 それはそれとして、自分の持っているCDの紹介もかねてやって
当分は続けてみようかと思います。

 結構アクセスが多いようで、ご覧になっている方々に感謝致します。

 何度も書いておりますが、取り上げられる音楽の基本は、
他のTV番組でもやたらとBGMとして使われることが多いものです。

(初出の日付は、CYBER STATION 電子掲示板での日付)
 
 

○第20回 杉山卓夫さん
(初出 99/05/10 )

 久保田利伸氏とMOTHER EARTHというバンドを結成していた、とか、
私をスキーに連れてって 波の数だけ抱きしめて の音楽を担当した、
といった方が分かりやすいと思います。

 この方のアニメーションの音楽は、めぞん一刻だけです。

 たぶん、もう販売していないと思いますが、該当CD紹介しておきます。

 めぞん一刻 MUSIC BLEND (KTCR-1060)
 めぞん一刻 MUSIC BLEND (KTCR-1060)
 めぞん一刻 MUSIC Shake (H00K 20162)

いずれもキティレコード

 後者2つは、前半部分が杉山さんの作曲部分。

 ブリッジと呼ばれる、10秒から60秒以内の程度の短い音楽が
多いのですが、これがまた結構「使える」曲が多いです。
(かつてのマジカル頭脳パワーという番組は、これしか使っていないのか、
 というくらい多用していた時期もあった)

 これまで、この手の音楽を作ったことがなかったということのようですが、
逆にそのためにいろいろなものを当てはめて、トライアンドエラーを
繰り返した結果、いい曲が作られたような感じがします。
 いろんなジャンルの曲のエッセンスが使われていますからねぇ。

 3分程度の曲は、シンプルな旋律に季節をうまくアレンジした感じで、
派手さはないものの、聴かせる曲に仕上がっています。

 この曲たちが番組の主旋律の音楽として構成され、番組が終わるまで
きちんと「めぞん一刻」の音楽として使われ続けるくらい、芯のしっかりした
旋律だったのかもしれません。

 めぞん一刻というアニメ作品は、TVシリーズと劇場版あわせて3人の
作曲家が音楽を担当しています。
 このあと、気が向いたらその辺の話を書こうと思います。
 
 

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○第21回 菅野よう子さん (第15回でも紹介)
(初出 99/05/13)

 以前取り上げた、菅野よう子さんが音楽を担当したCOWBOY BEBOPの
最後のサントラが発売されたので、ご紹介しておきます。

 ジャケットの青がまぶしいので、すぐに分かるはずです。

 COWBOY BEBOP BLUE  (VICL-60203 ビクターエンタテインメント)

 WOWOWで4月まで放映されていたアニメーションをごらんになった人は、
確実にこれを聴くと、その世界にずっぽりとはまれるでしょう。

 アニメーションを見たことがない人も、たぶんしっかりはまれる音楽が
ぎっしり詰まっています。まるでかつての洋楽のアルバムを聴いているように。

 アニメーションのサウンドトラックとしては、考えられない数量の
出荷数をあげたのは、その音楽性のよさからだということを、
あらためてこのサントラシリーズ(3枚)を聴いて納得しました。
 

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○第22回 ゴンチチ さん
(初出 99/05/27)

今回は、個人的にはアニメサントラ紹介としては「意外」な感じがする
アーティスト GONTITI です。

GONZAREZ三上 さんと TITI松村 さんのお二人によるギターデュオで、
たぶん、彼らの曲「アンダーソンの庭」は、必ず何度か耳にされて
いるくらい、よく聞いてみると聞き覚えのある曲調のはずです。

個人的なTV番組リサーチでは、ゴンチチ T−スクエア カシオペアは、
よく番組BGMとして使われるかなり「常連」のグループと思います。

だから、アニメサントラのように結構テーマ性の強いものを作ることは
ないと思っていたのですが…。

紹介するサウンドトラックの元となった原作のマンガというのも、アニメ化
されるまで人気が出るとは(私が注目した1巻が発売された頃には)
思わなかった「ヨコハマ買い出し紀行」(講談社 アフタヌーン連載)。

以外ついでに、このサントラがTV番組のBGMとして使われるとは
私自身全く思わなかったんですけどね。

 ヨコハマ買い出し紀行 ベスト・サウンドトラックス
 (SRCL 4319 ソニーレコード)

作り出されたドラマCDやオリジナルビデオアニメを見聞きしてみると、
ゴンチチを音楽として選択して正解だったなぁ、と思わせてくれます。

 お祭りのようだった世の中がゆっくりと落ち着いてきたあのころ。
 のちに夕凪の時代とよばれるてろてろの時間、ご案内。
 夜の前に、あったかいコンクリートにすわって。
           (ヨコハマ買い出し紀行 1巻のカバーから)

原作でもあるコミックス「ヨコハマ買い出し紀行」を見ながら、
ゴンチチの音楽を聴きつつ、のんびりされるのもいかがでしょうか?

(蛇足 そういえば「ぼのぼの」の音楽もゴンチチさんが担当していたことを最近思い出しました)
 
 
 

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○第23回 森英治さん
(初出 99/06/08)

誰かが読んでくれると思いつつ、自己満足で書き続けているこのシリーズ。
競馬ネタや鉄道ネタと違い、説明しづらいったらありゃしないのですが、
気が向いてCDを買っていただいて、「そういうことだったのか」と思って
くれれば、と思ってくれる人が一人でもいてくれることを願いつつ書いております。

今回は、森英治さん。

PICASSOというグループをご存じでしょうか?そのキーボードを担当して
いたのが、森英治さんです。
アニメ めぞん一刻のエンディングの音楽を4曲ピカソは提供しています。
その中で、いちばんピカソの音楽らしく印象的なのは、「シ・ネ・マ」だった
のではないでしょうか。

それが縁というわけなのでしょうか。
劇場版のめぞん一刻の音楽を、彼は担当しております。
めぞん一刻〜完結編 は、映画としてはそれほど目立つものではありません
でしたが、音楽としては結構ひかるものがありまして、映画は見ていないのに
サントラだけは購入していました。

オリジナル・サウンドトラック めぞん一刻 完結篇
(H30K20116 キティレコード)

Track5のIN THE MOONとかTrack1のI LOVE YOUなんか、結婚式の披露宴で
使えるんじゃないかなぁ。
 
 

森英治さんらしい曲がうまく作品にあったのは、やはりYAWARA!なんじゃ
ないでしょうか。
柔道の試合より、柔(やわら)の心情スケッチの方に重点があったアニメ作品なだけに、
そんな気分を十分に生かした曲が多くありました。

YAWARA!名場面サウンドセレクション!! (KTCR-1081 キティレコード)

この中のTrack7 勝利の涙(当初出たサウンドトラックではDream&Emotionという
曲名でしたが)は、かつてドキュメンタリーの感動する場面やなんかの
表彰の場面によく使われていましたが、確かにこの曲を聴きながら見ると
感動するよなぁ。
 
 

逆に、らんま1/2は、あまりうまく作品世界とマッチしたとは言い難い
感じを受けましたが、音楽単独ではやはり聴かせるといった感じの
曲が多かった気がします。
特に、間の抜けたキャラクターをイメージした曲は楽しめますね。
その逆に、格闘といったものを表現する曲はやさしすぎるのか、あまり
ピンとくる感じではなく、むしろ別のイメージを感じます。

らんま1/2 音楽道場 (D27G1003 ポニーキャニオン)

中国ものといえば必ずかかったTrack13-1とか、作編曲者は違うが、
歌のはずなのにイントロしか(他のTV番組で)使われたことがない
Track10など、実は結構使われる頻度が90年代半ばまで多かった
サントラでもあるのです。
 
 

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○第24回 川井憲次さん
(初出 99/06/30)

今回は、前に何度か登場している川井憲次さん。(第16回 第17回 第18回 です 他に第26回 あり )
CDについては、再掲になりますが
少女マンガのアニメ化した作品について、書いてみます。
 

姫ちゃんのリボン 音楽篇 (VICL-371 ビクターエンタテインメント)

赤ちゃんと僕 オリジナルサウンドトラック (TYCY-5516 東芝EMI)

今回取り上げる2枚のサウンドトラックは、90年代にかなりたくさんの
番組で使われた曲が多くあります。

たぶん、その理由は、
1.少女マンガ 特に低年齢を対象にしたものは、日常描写と夢の世界
  という部分を持ち合わせているが、近年日常描写の方が比重を占めて
  いる割合が多いため。
2.あまり突拍子もない設定がほとんどでてこないため。
  (現実の方が突拍子ないから、かもしれない)

だと、推測します。
この辺は、ずいぶん前に書いた カードキャプターさくら も同じだと思います。

日常描写が中心になると、悲しい場面や元気よく駆け抜けていく場面などを、
音楽によってデフォルメ(強調)することが多くなります。
また、他のアニメーションのジャンルのように、メインテーマを決めて
そのテーマのアレンジバージョンが多用されるといったことは難しく、
いきおい場面にあうようにその都度作られる曲が多くなるようです。

そのような曲を、うまく作れるような職人技に近いものを持っている
作曲家は、そういるものではないようです。
そういう意味では、かなりうまくできていると思います。

また、別の作曲家がシリーズの続きの音楽をつくることがありますが、
前任者がうまくその作品世界を表した音楽をつくっていると、その後を
つくる作曲家も、かなりいい感じの音楽をつくってくることがあります。
(それは、その後のシリーズに例をだしてみます)

曲がいいのはいいのですが、なにせ本来つくられた目的のアニメ作品を
知っているので、他の番組で使われると、そのアニメ作品の場面が
頭の中に浮かんで、かつそのギャップがあると…。
ちょっと音楽効果の人、考えたらどう?と思うこともしばしば。
さらに、ジャケットのイラストがあの少女マンガの絵ですから、
CDを買うとき、やはり恥ずかしいものですね。
(最近、そんな恥ずかしさも薄れてきて、やばいなぁと思うこともある)

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○第25回 佐橋俊彦さん
(初出 99/07/08)

個人的趣味で書き続けて、もう25回目。
あまりにも一般的でないCDばかりがでてきますが、たぶんこのまま
突き進んでいくつもりですので、おつきあい下さい。

今回は、佐橋俊彦さん。

今回取り上げたサントラのあとは、いくつかANB(テレビ朝日)系 日 7:30の
戦隊ものの音楽を担当されていました。

その戦隊ものの雰囲気が得意なんだなぁ、と後から持っているサントラを
聞いてみて納得したものです。

今回取り上げるサントラは、以下の3つ。

GS美神 極楽音楽大作戦!! (KICA 155)
GS美神 極楽音楽大作戦!!U(KICA 167)
赤ずきんチャチャ 聖・まじかるレビューVOL.1 (KICA 192)
(いずれも キングレコード)

GS(ゴーストスイーパー)美神 極楽大作戦!!というマンガ自体が、
かなり「何でもあり」といった感じなので、アニメーションも変わった
手法(5秒も音がない状態を続ける、というのが一例)を取り入れて
楽しんでつくられた作品になっていました。

音楽も、それに呼応するかのごとく、ロック・フュージョン・ジャズ・
クラシックさらには民族音楽のエッセンスをぶち込んでつくられている
という凝りようですが、聞いてみると納得できるくらいスタンダードな
BG用の音楽という感じに仕上がっています。
ですから、不意にこの曲たちが別の番組できこえても、それほど違和感なく
聞くことができるようになっています。
ゴーストスイーパーの話ですが、もともとギャグものですから、恐怖を
助長するような曲がほとんどないというのも、特徴といえば特徴でしょう。
 

赤ずきんチャチャ という作品は、その手の人にはあまりにも有名な
作品ではあります。
(この作品のサントラは、サントラというよりドラマCDに近いような気がする)
 もともと原作が持っている、少女マンガとしてのギャグものと
いうスタンスを持ち合わせつつ、ある程度長く続けるアニメーションと
して新たに「チャチャの変身シーン」を加えて、戦っていく部分を
取り入れましたが、その変身シーンの音楽をメインのメロディーと
していくことになったようです。

その変身シーンの音楽で、最初につくったのは勇ましすぎてカワイクない
という答えだったようです。次つくったのは、肩の力が抜けすぎて
これならはじめの曲の方が、となったため、勇ましすぎる1曲目の
ファンファーレを2曲目のカワイイメロディーと入れ替えて、
完成させたそうです。
それが、CDのTrack7 マジカルプリンセスホーリーアップの
はじめの方の曲になります。
 

結果として2つの主題を持つ音楽をうまく作り出すことができたため、
他の音楽もうまく作品世界を作り出すことができたようです。

ちなみに、その後の戦隊ものの音楽も、この辺の部分が基本になって
つくられているようで、結構似通っていたりします。

(彼は、1999年10月改編のTVアニメの音楽をたくさん担当したようですが、
 そのあたりの話は、後で書くことになる予定)
 
 
 

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今のところ17シリーズまで

作曲家別アニメサントラ紹介

こんなものも作っております

2012 TV アニメ サントラ選
2011 TV アニメ サントラ選

2010 TV アニメ サントラ選
2009 TV アニメ サントラ選
2008 TV アニメ サントラ選
2007 TV アニメ サントラ選

2006 TV アニメ サントラ選
2005 TV アニメ サントラ選
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2003 TV アニメ サントラ選
2002 TV アニメ サントラ選
2001 TV アニメ サントラ選
2000 TV アニメ サントラ選
1999 TV アニメ サントラ選

サントラのおまけ-01
サントラのおまけ-02

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