とあるサイトでアップしている、アニメ作品ごとに気づいたことを並べて書いていく
「○○のトピックス」を転載します。
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○月刊アフタヌーンで連載のマンガが原作で、ようやくTVシリーズがTBSで2005年1月より放送開始。OVAとして制作され、TBSが制作に名を連ねていながらCSやNHK BSでの放映はあったものの、TBSでは放映されなかったといういわく付きの作品。
○WOWOWノンスクランブルで、「ああっ女神さまっ 小っちゃいってことは便利だね」という各話としては短いものを、確かポニーキャニオン提供の枠で制作している。
確かこの作品の前半7話分は、ベルダンディー役の井上喜久子さんが産休中で、岡村明美さんが代役をやっていたが…いろいろファンの間ではいわれていたようです。
○この作品OVAの前にCDドラマが作られていたらしいですが、現在のキャストと異なっていたらしいです。こちらのドラマについては、ファンの間でもあまり語られることはないとのこと。
○劇場版も制作されています。
他のシリーズが比較的コミカルな部分が多い作りになっているわけなのですが、かなり重い主題を持ち込んでしまったようです。OVA後半2話も重い主題を持った話ですが、その前までのコミカルなもので包んだ形で進んだものと異なり、単独の作品であったためにこれだけ見ると厳しいと思われる。また、その重いテーマのための登場したキャラクターが、ある種の愛すべきキャラとしての印象を持てなかった点も、惜しむべきではないかと思う。
○OVA及び小っちゃいってことは便利だね までは、ポニーキャニオンがディストリビューターであったが、劇場版とTVシリーズはビデオがバンダイビジュアル、音楽がジェネオンエンタテインメントがディストリビューターとなっている。
制作母体はAICではあるが、小っちゃいってことは便利だね についてはOLMが制作母体。
○今回のTVアニメシリーズは2クール(半年)。原作マンガの最初の頃の話を丁寧に表現していくことに重点がおかれている。OVAですでに描かれたものも改めてエピソードとして取り込んでおり、TVシリーズとしての統一して物語及び設定である意味新鮮な形で見ることができるようになっている。
このために、逆に(ベルダンディーとともに人気がある)ウルドやスクルドの登場が遅くなっているわけではあるが、納得できる形で話が進んでいることもあって、問題となってはいない。
○TVシリーズとしてリリースされているDVDに、ウルドやスクルドが主役となる話をDVD単独で発売するとのこと。2話分1パッケージで2005年12月発売。
○TVシリーズは、TBS・HBC・TBSチャンネル(CS)で放送。その後すぐキッズステーション(CS)で放送。さらに遅れてBS-iで放送。
以上のように、遅れても継続してみられるような体制になっていたりする。
○2006年4月よりに新たなTVシリーズ「ああっ女神さまっ それぞれの翼」開始。原作通り話を進めていくが、メインキャラに絡むキャラごとに話をまとめていく構成で進めているらしい。今回はTBSとMBSで放映、その後少し遅れてBS-i放映と前作とちょっと異なる。
○2007年12月に、TBS及びBS-iにて「ああっ女神さまっ 闘う翼」としてスペシャルアニメを放送。作品の周年記念の意味もある。
○2000年4月から9月にTX系で放送されたアニメ。週刊少年マガジン連載の作品のアニメ化。水曜22:28という放送時間や提供企業の多くが作品制作に関わっているという意味でも、編成上特異な番組である。
○19時台のゴールデンタイムを除くプライムタイムでのアニメ番組の編成は、マンガ日本経済入門(1987.10-1988.3)とこの作品くらいだったと思う。(週刊ストーリーランド(NTV)も入るといえば入るが…)
この番組の編成は、当時好調だったポケモンが年末年始スペシャルで思いの外苦戦したということで、挑戦的な編成をすべきという局内の状況を受けて行われたものであると、アニメビジネスフォーラムでテレビ東京 岩田プロデューサーが述べていた。
その当時の、編成についての個人的な感想は下記URLの部分で書いてある。
http://sh-kato.cyber-hp.jp/housou/TV03.html#tv0010
○深夜枠などで一般的になりつつあった提供企業にも制作出資組合が番組制作費を持ち、提供企業は放送局に電波料を払うという形態を採用している。
一般的には、制作費+電波料を放送提供料として提供企業が支払う形である。
○ラブひなという作品は、一人の優しいが情けない部分が多い男性に、5人の大きく性格付けの異なる女性とのドタバタを描くものである。主軸となるのはあくまで成就すべき本命との恋愛模様である点は、これまでの恋愛を描くアニメ・マンガと同様である。
この作品で提示された5人の女性(なる・しのぶ・素子・カオラ・みつね)のキャラクター設定というのが、この後の作品でもほぼ同様に(人数の増減があるにせよ)つくられているといえそう。
○キャラクターごとにCDをつくったり、DVD初回特典にキャラクターのフィギュアをつけたりする動きを(これまでもようであったが)明確に商品企画として提示した作品でもある。
○この作品以降、講談社がアニメ制作に関わる度合いが高まった気がするのですが…
○CSでは、AT-Xで何回か放送されたようだが、キッズステーションで2005年10月より「すたチャまにあ」枠の一つとして放送予定。最近の萌え系アニメが忘れている、丁寧な心情描写とコミカルさをあわせた演出や設定構成を確認してみると興味深いかもしれない。
○小学館 週刊ビックコミックスピリッツ連載の原作を元に、TX 日 0:55で2005年1月より9月アニメ放送。2クールを予定とおもったら、3クールであった。
○これまでこの枠は、比較的大人向けの作品をチョイスしており、このためテレビ東京のアニメでは必ず入るとされる「TVから離れてみるように」というテロップなどは表示されない。ただし、BSジャパン(月0:30)の放送ではテロップ表示される。
また、原作を出版している小学館も作品制作にかなり関与しているようで、物語の基本部分が原作コミックスでほとんど可能である作品のチョイスをされている。そして、原作コミックスからの大幅な設定などの違いがないと思われる。
○オープニング・エンディングアニメーションで利用される音楽を作品にあわせたセレクトでアニプレックスは、鋼の錬金術師をはじめとしてうまくできているという印象が強い。(この辺は、avexとの比較をすると分かりやすい)
○声の出演のセレクトも、作品が1話ごとにエピソードや登場するゲストキャラが異なるので、キャラクターをきちんと立てるというコンセプトからうまく選択していると思う。その自信があるからこそ、オープニングアニメにキャラクターとともにキャストを表記していると言えそう。
ナレーションに石坂浩二氏を起用したり、ゲストキャラの声の出演者もなかなか演技として聞き応えのある方をセレクトをしていると思う。
○動的な動きが多い作品ではないので、映像として緻密に描かれているかどうかが気になるものと一般に思われるが、実はそれほど絵画も含めて緻密に描かれているわけではない。
マンガが持つキャラクターを活かした部分の表現は、一般的なセルアクションをうまく活用し、背景美術として取り扱われる絵画などの美術品の表現との絵の質やカットによる動きのズレが感じられないようにしている。これがなかなか難しい。
○どうしても解説・説明のための台詞が多いが、ナレーションや登場人物にうまく他の台詞と違和感がないように組み込まれている点は、なかなか興味深い。
○明確に見る側の知っているレベルがサラであることからも、そこから見た視座で話が進んでいる部分が多くなっているが、並行してフジタや三田村が画策している部分をある一定割合入れ込んで物語が多層的に含んで謎解きの興味にもきちんと応えている形でストーリーが構成されているようである。
○それにしても、原作よりもサラがかなり表に出て物語を引っ張っていったような気がしますけどねぇ。それがおもしろかったので、いいんだけど。
○この作品のDVDによる販売は、BOX形態で2クール分をまとめた形となる。実際、バラにして長い月をかけてリリースすると、後半になって販売が先細ってくるといった問題もあるし、CMなどが投下できる作品終了後までに売り切る方が、年齢が高めのターゲット向けには適切かもしれない。
○ファン層がかなりまとまっている感じのゲームがもともとの原作であり、TVアニメと劇場版の2つのアニメが存在する。それぞれ別のアニメ製作会社が担当し、TVアニメはBS-iで2005年1〜3月(金0:30)に放送、劇場版は2005年1月に公開。
○そもそも、ゲームを原作とするもののアニメ化は、一般的にマンガ以上にそのゲームでの世界感を崩すことなく表現することが求められていることもあり、なかなか難しいジャンルではある。ただし、そういってもある一定の購入層がいて売れるということもあって、作られる例は少なくない。
○このゲームの制作した組織は、以前にもKANONというゲームを制作して、それをアニメ化したことがある。(放映はフジテレビの深夜枠)この時の製作会社がAIR劇場版の制作をした東映アニメーションのはず。
○AIRのTVアニメ化は、BS-iで2004年春の段階でスポットCMとしても発表されており、作品が表現している時期である夏の放映と思われた。しかし、制作上の都合により結局2005年1月からの放映となった。TVアニメでCMでの告知がされてここまで遅れる事例は珍しいと思われる。
○AIRのTVシリーズのアニメ制作は、京都アニメーション。アニメ製作会社としては珍しく、残業までして納期を間に合わせるといったことをせず、確実に設定した質の作品を作ることをモットーとした会社であるらしい。このため、放映予定がなかなか決まらなかったり、OVAなどの発売延期などが比較的多いらしい。(最近発売したMUNTOの第2弾も、2005年冬発売が延期して春になったらしい)
○ゲーム原作で音楽制作されていても、TVアニメ用に新たに音楽を作り直すのが一般的であるが、AIRではゲームで制作した音楽をそのまま利用するという形をとった。映像のカット割りなどを考えると、使える楽曲が限られることになるわけだが、それを映像の質や構成といった演出で見事にカバーしていたといえる。ただし、楽曲そのものが(ゲーム用だけに)カッチリと作られているがゆえに、音楽そのものでさらに奥行きのある演出がしにくかったようである。(編曲をして別途録音をしたらもっと…と思える発言もうなずける)
○TVアニメで映し出される背景は、かなり質の高いものとの評価があるらしい。実際、ロケをして実際の風景を元に作ったものとのこと。それだけでも一見の価値があるともいえそう。
○ストーリー構成については、ゲーム原作にかなり忠実に行われているとのこと。よくよく見るとパターン化しているのであるが、ある事象が複雑に絡んでその結果を導きだして納得させるだけの出来事として構成されている。また、それぞれの出来事へ進んでいく間も適切に並んでいるようである。
映像として荒れたようなものがなく、適切なタイミングで話が進んでいったこともあり、この作品で京都アニメーション制作の評価が結構上がったようである。
○対照的に、TVアニメ放映と重なる形で公開された劇場版は、ゲーム原作を知っているファンにとってあって欲しい出来事が抜け落ちていたりしたこともあったらしく、評価があまり芳しくないらしい。制作側のある種の演出の個性といった部分も、こういった作品の場合は余りよい評判になるようには機能しなかった可能性が高い。
○BS-iで2005年夏に番外編となる作品が放映されるとのこと。また、最終話(12話)の翌週に総集編の放映もあった。
…次に同枠でやるアニメは、やりにくいだろうなぁ…(これが私の御主人様 です)
○2006年4月よりBS-iでAIRの再放送を実施。これは、すでにTVアニメ化されているKanon(東映アニメ制作CX放映)をBS-iで京都アニメーション制作で放映することに先駆けた対応とのこと。AIRと同様の構図が、Kanonでも行われる。(さらにCLANNADでも…である)
○制作自体HD画質であったことから、その画質でのコンテンツ保存の要望が多かったのでしょうか。国内向けのBlu-ray
Discタイトルとして発売日がアナウンスされたの最初の作品が、このAIRのTV版のBOXだったりする。
impress AV WATCHの記事にもあるように、かなり早い時期からBlu-ray Discでの販売の話があったようである。…そこまでのクオリティで見たかったのか。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060720/pony.htm
○CSのAT-Xで2009年4月より7月まで放送あり。
○AIRやその後京都アニメーションによってつくられBS-iで放送されたKanonやCLANNADについては、登場する場所を巡るといういわゆる「聖地巡礼」としてかなり熱の入った動きがあることが知られている。同様に、Blu-ray
Box発売の声も高く、結局順次発売されていく形になっている。
○フジテレビがあらためて深夜のアニメ枠を設定。ノイタミナ(noitamina:
animationを逆につづったもの)第1弾として2005年4月から2クール、2006年7月から1クール放映したアニメ。
YOUNG YOU連載のコミックスが原作である。
これまでのフジ深夜枠アニメは比較的遅い時間が多く、スポーツ中継の延長などで放送休止となる事例が多かったが、この枠は0時台開始なので放送休止はほとんどないと思われる。
このアニメ開始の時点で、10月以降に放送される第2弾の作品が決定している。
○原作が持つであろう、淡い映像とおだやかに出来事が進行しつつ、複雑に恋愛も含めた人間模様が描かれるという部分は、確実に作られている。その他に、このアニメ独自のコミカルな部分も適度に表現されていて、飽きることなくバランスよく見ることができる作品となっている。
○音楽の使い方で、挿入歌が作品後半の盛り上がりのある部分で使われることが多く、カット割りも含めてミュージックビデオに近い曲と描かれる映像が心地よい感じで見せているようである。挿入歌となっていないものでも、タイミングよく音楽が入っているようである。
○コミカルな部分は、うえだゆうじさんの声の演技によるところも大きいと思う。ジパングとかよりもすごいよマサルさんの演技だよねぇ…これって。
このように、声を演じている人が他のアニメで演じているパターンとちょっと異なる雰囲気で演じるというある意味難しい課題を持っている訳なんですが、それを感じさせることなく演じていることに好感が持てる。
○キャラクターの服装デザインに原作者が参加しているため、作品のトーンに違和感なく入り込めているような気がする。ついでに、舞台となる大学の映像も、きちんとロケをして作っているようである。
○サブタイトルとしては明確にしていないが、AパートとBパートを分けたものとしているものとなっている。サブタイトルで明確にして分ける例が多い中で、こういった形も珍しいといっていいかも。
たぶん、作品構成のコンセプトが最近あるアニメの様式というより、連続もののドラマのそれに近いからだと思われる。
○実はエンディングの中で次回の予告映像が流れているんだが、あまりそのことを気にすることなく、たぶんエンディングが終わって出てくるカットの予告映像だけしか見えていないんだろうなぁ。提供クレジットの後にほんの数秒の予告があるが、それだけではないんですね。これが。
○2006年7月より、CX深夜ノイタミナ枠でハチミツとクローバーの第2シリーズの放映。実写映画もちょうど公開したタイミングとなっている。前作の引き継いだ形で、第1話は第1シリーズの総集編のような形となっており、実質第2話から。監督など若干の制作スタッフの変更はあるものの、作品のトーンなど変わらずまずまずの滑り出しといえる。
○きちんと原作同様にストーリーを進めていったこともあり、1シリーズにあったコミカルな部分は比較的抑えられ、丁寧に登場人物の心情を表現していった形で、きっちりと完結させた感じであります。
○NHK教育で2005年4月から放送のアニメ。週刊少年マガジン連載のマンガが原作である。2005年と2006年に各26話制作されている。
○CLAMP原作のもので、登場キャラクターがこれまでの作品にも似たものがあるだけに、思い入れの強い似たキャラクターに対する抵抗感がファンの中にはあったらしい。さらに、同放送枠で再放送されていたのが「カードキャプターさくら」ということもあって、CLAMPファンの中では前評判はそれほどいいとはいえなかったらしい。
○ツバサ・クロニクルとストーリーが重なるxxxHOLiCという作品も、劇場用アニメとしての制作が発表されており、そこで登場するキャラクターもすでにツバサ・クロニクルの中で登場している。(声の出演に関しては、劇場版と同じ方が対応していた)
さらに、ツバサ・クロニクルも劇場用アニメとなるとのことだが、TVシリーズと制作母体は別である。
○ツバサ・クロニクルの制作母体であるビィートレインは、どちらかというと現実とはちょっと異なる程度の異世界の表現やアクションシーンでは定評のある作品を作られている。そのことが、異世界を旅するというこの作品の設定に適切なものとなっていると思うが、たぶん自社で作ることになるとは思ってなかったんだろうなぁ…と思ったら、インタビューで実際にそう思っていたことが書いていた。
原作の持つ世界感をそのままにして、盛り込むエピソードの内容や順番を変えたり、オリジナルの設定を組み込んだりしており、それがアニメ作品として原作マンガと違ったものとして認識されるだけの世界感を形成している。
これによって、原作が持っていたファンの違和感のようなものはかなり払拭されたと思われる。
○ビィートレイン 真下監督作品といえば、音楽担当は梶浦由記さんというくらいNOIRや.hackで印象づけた感がありますが、この作品もその梶浦さんが担当。予想以上にTVアニメサントラとしては長めの楽曲が延々とかかりまくっています。これまでも民族音楽的なものを作っていましたが、今回はじめて琴も使ってこれまでにないテイストの音楽もいくつか登場してきています。
○メインキャラについて。小狼(しゃおらん)・ファイは、原作の絵のイメージにかなり近く表現されている感じであります。サクラはもっとお姫様といった印象を強めていながら、より積極的に表情を持って描かれている感じがする。
黒鋼(くろがね)は、あの2カットの知世姫の映像のおかげで、知世姫に仕えるという文脈以外がついたような気が…それはそれとして、実際にいそうもない真面目で無骨なだけに、一番動かしやすいキャラかもしれないです。
○サクラの物語に対する関わり方が、たぶん原作となるマンガとはずいぶん異なっているようである。第2話でサクラと小狼が初めてあった頃の回想シーンもある程度の時間を割いて表現したり、第4話でサクラが自分の意志で積極的に行動(周囲からは行方不明なんですが…)していることからもそれがうかがえる。また、別の国に移ったあとの第8話でも彼女の能力でその次の展開の端緒を作り出すという物語になっている。
(たぶん、このことが原作ファンが持つ抵抗感を除いた理由の一つと思われる)
○かなり早い時期に今回の2クール分の脚本が作られていて、最終話もはっきりと終わりとなる話でないということを述べられていたようです。それゆえ、翌年(2006年)春に第2シリーズというのもかなり早くから決まっていた雰囲気があったようである。ゆえに、放送終了後すぐリピート放送となることも決まった。
○ツバサ・クロニクル第2シリーズは、監督を複数たてた形で制作されていて、かつオリジナル話を複数はさんだ形での放映となっている。それでも、同一作品としての質の確保ができているといってよいくらい、監督の違いが気づかれていない。
○ツバサ・クロニクル第2シリーズの最初、ピッフルワールド編では、声優の演技に興味深いものがいくつかあり。第1シリーズでは、落ち着いたトーンだけの知代だったが、このときはかなり快活な部分も見えて、厚みのあるキャラづけができたと思われる。
サクラ役の牧野さんは、実はカードキャプターさくらを見ていないのであるが、それでも「ほえ?」という台詞がアドリブで出てくるなど、作品の色を取り込みつつ自らのキャラを出してきている感じがした。
○第2シリーズは、原作コミックスと異なるオリジナルの内容で構成されていたといってよいくらい、アニメ独自の作品世界が構成されていった。第2シリーズ最後の国(エピソード)は、第1シリーズ同様多めの話数で多くの謎をちりばめて、それを解決していく重めのものにした上で、さらに旅を続ける形になっていた。
○コミックスとセットでOVAが制作・販売されるとのこと。タイトルは「ツバサ TOKYO
REVELATIONS」。制作は劇場版をすでに担当しているプロダクションIGで、2007年8月にプレスリリースされている。
スタッフについては下記URL参照のこと。オープニングテーマを牧野由依さん、エンディングテーマを坂本真綾さんが担当。
http://www.production-ig.co.jp/contents/works_sp/1700_/s03_/003744.html
○ツバサ TOKYO REVELATIONSは、2007年11月、2008年1月、2007年3月に発売予定。講談社からの出版物(コミックス21から23巻(ただし通常版))の特別版扱いでの発売となる。作品としては、原作者書き下ろしの脚本での30分もので、作画や演出としては安定して作られているようである。
○ようやく、2008年よりCSでの放送開始(確かキッズステーションで)。さらにNHK
BS2でも2009年4月より再放送を行う。
○2005年7月より9月までテレ朝(EX)で放送。テレビ朝日系でANIPLEX単独で制作表記となっているという意味では、珍しい番組である。
○エンディングのクレジットの「協力」に
尾道フィルムコミッション や 尾道のひとびと
とあるということからも、尾道とおぼしき地がかなり明確に舞台となっている。(ただし、実在するものと異なっている部分が多くあるので作品中で尾道とはセリフで入っていない)
ずいぶん前に新聞記事としてロケハンをしたのが取り上げられていたらしい。
http://homepage2.nifty.com/ONO_MICHI/MENU/sannichi2004/20040925a.htm
そりゃ、(監督の)舛成さんとか(脚本の)倉田さんがR.O.D THE TVのコメンタリーで映画「時をかける少女」の話をしていたり、(音響監督の菊田さんがゲストだったときに)学校ものだけやってみたいとのいっていたが、本当にやるとは思わなかったなぁ。
倉田さんと舛成さんは同世代だし、確実に大林宣彦監督の尾道三部作は見ているからなぁ…その辺の抑えどころはばっちりでしょう。それに、R.O.Dで「リアルを追求したウソアニメ」といってやっていますし。
○脚本の倉田さんは、確か同時期に開始したガンソード(TX)と掛け持ちになるはずでは…すでに書き上げているかな?(いや。1クール程度とはいえ、R.O.Dのノリではできているとは思えない)
ちなみに、倉田さんは岡山県井原市出身。
○DVDが8月に発売されるが、
全話オーディオコメンタリー収録
…またやるんですか。
(オーディオトラックのコメンタリーは、バンダイビジュアルのアニメの劇場版DVDでよく行われていた。きちんと制作上の話をつっこんだコメンタリーは、2003年頃から、各社いくつか連続もののアニメでも登場した。でも、ただ画面に反応して思いついたように話す、というのはR.O.D(OVA,TV)、とこの作品くらいなモンでしょう)
○まあ、第1話アバン部分で読子らしき女学生が見えたのはおさえておこう。(R.O.D小説第10巻とダブらせてみると楽しめるはず)
○DVDが8巻(各巻2話収録)となっているように、16話制作するが、TVには12話分を放映予定。話を構成しているうちに16話になったので、それをすんなりOKしてしまうというのは、珍しいといえば珍しい企画である。
1話あたりの長さも、TV放映を(R.O.D同様に)考慮せず、このためTV放映ではカットされる部分が今回も続出となっている。(違和感のあるカットが多かったけど、やはり…)
○コメンタリーというよりもはや作り手のヨタ話となっているが、これが今回も興味深い内容になっているらしい。別の会社が制作しているアニメの話は出てくるし…
第2巻には、主人公の声を演じている方々が登場した。(実は、彼女たちは別にこのアニメ関連のラジオ番組をやっている、ということも付け加えておく。2005年10月も継続放送だそうです)
○R.O.DのCSでの放送は結構制限があったり(OVAはTV開始前、TVはPPV)遅かったり(TVはフジテレビ721集中放映後、AT-Xで2005年9月から)したのだが、かみちゅ!は2005年10月よりAT-Xで放映開始と結構早い。
○Aniplex提供番組でこの作品のDVDのCMが流れることがあるが、さすがにBLOOD+(MBS-TBS土18:00)は違和感ありまくりだったような気がする。
○平成17年度[第9回]文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 優秀賞 受賞作品になりました。これまでも結構アーティスティックな作品が大賞・優秀賞になり、最終選考にそれとは対極の作品が入ることが多かったんですけどねぇ。
http://plaza.bunka.go.jp/festival/sakuhin/
○セルDVDのコメンタリーによると、ロケハンはさらに行われていたとのこと。それだけロケハンを行ってきちんと現実感のある映像を仕上げた作品は、ほとんどの場合その使われた地を見ていく、いわゆる聖地巡礼がインターネットとしてアップされていくようである。やはり、コメンタリーでいっていたが、実際の場所の写真とアニメの映像との比較をされるので、絵を作る側は戦々恐々とのこと。
○BD-BOXが2010年6月に発売されている。
○2011年1月より日曜23:00からNHK BS2で放送される。
●SAMURAI7のトピックス
○黒澤明監督作品「七人の侍」を原案としたアニメ作品。2004年6月よりスカパー!PPVで先行放送。2004年10月よりNHK
Hi-Vision(金19:30)にて放送。
○制作母体はゴンゾとMICO(国際メディア・コーポレーション)である。MICOが絡んでいるからNHKで放送するかなぁ…と思ったら、ハイビジョンでの放送となった。
○ゴンゾ制作で比較的商売としてそこそこうまくいった作品は、物語もオリジナルで作られているが、いまいち物語のまとめ方が弱く、途中で最初について客が離れるという難点があるような気がする。逆に、ある程度原作なりがあってストーリーがコントロールできていて、かつ作品の設定にメカニカルなものが多くでていると、ヒットとは言い難いが長いこと語り継がれる作品となる例が多い。
比較的PPV先行でもそれほどストーリーがあれたようなコメントが見かけられないことからも、後者のパターンの作品となるのではないか。
ただし、妙な性格のキャラクターが物語の後半で内容をかき乱し始めると問題になるよなぁ…SAMURAI7にもそういったキャラがいるみたいだから気がかりである。
○原作にないオリジナルキャラクターも、うまく設定できていて、ストーリーとの関連もうまくできているんじゃないでしょうかねぇ…キララなどが、そういったキャラになります。(最初聴いたとき、折笠富美子さんだと気づかなかったもんなぁ)
○サムライの描き方やキャラの立て方は、見ていてしっくりと来るようになっています。それぞれのキャラクターが登場するときの話が、連続もののTVアニメではある程度ふくらませて構成しなければならないんですが、きちんとそのキャラの見せ場を組み入れている点は評価できます。
○たぶんPPVやセルDVDで特典映像などがあると思うが、NHK Hi-Visionだけの特典ともいえる「字幕放送」がある。「水分(みくま)りの巫女」など映像と音声だけじゃ分かりにくい言葉が分かるのも、見る側として助かる。DVDでは5.1ch音声はできてもまだハイビジョン画質は提供できないので、その点もお得。(スカパー!はSD画質ですし)
○音楽がどうも犬夜叉に似ているなぁ…と思うが、それでもこの作品にしっくりと来る。適度に壮大な世界観を見せつつ、またリズミカルな展開を見せる役割を果たしている。
○それにしてもNHK Hi-Visonの放送は遅々として進まないなぁ。10月から始まって11月でまだ6話。12月第1週も放送休止で、さらに日曜日の再放送(21:35)はさらに1話遅れ。DVDリリースに先行することなく放映されていくようです。
何とか26話放送終了後、別途集中放送をBS2で実施。
○2005年10月よりアニマックスで放送開始。サムライアニメとして同時期に放送されたサムライチャンプルーと同じCSチャンネルで編成されるのが興味深い。
○2006年4月より、NHK総合テレビで放送開始。これまで放送したものとエンディング曲及びエンディングアニメーションが異なり、「次回をお楽しみに」としてキャラの映像とともに表示されていたものも無い。
●蟲師 のトピックス
○月刊アフタヌーン(講談社)隔月連載のコミックスが原作で、2005年10月からフジテレビなど6局で深夜に2クールで放送すしたアニメ。1話完結もの。20話分を地上波で、残り6話分をDVDのみのリリース予定だったが、BSフジで2006年に放映。
○作品の中では、どの時代の頃の話かも含めて、前提とされることはあまり詳しく説明されていない。最近のアニメに限らずTV番組の多くが、かなりその前提となることを説明して視聴者にとってわかりやすくする傾向が強いが、そういったトレンドとは一線を画している。
○キャラクターの表情を出すための映像表現として、実はかなり淡々とした表現の作品でも、ほっぺに赤い丸っこいものを出すといったデフォルメっぽい表現をするのであるが、それすらこの作品では出てこない。
場面背景の淡く微妙な映像とそれに合わせた登場人物や蟲・建物などの表現を選択するために、わざわざCG表現を排して作っている。ただし、その映像の質や動きの表現の良さなど水準そのものが高いため、むしろCGであるかのように見えてしまうという困った話になっている。
○音楽については、かなり注意深く選んだ楽曲をまずオープニング曲として取り入れている。一見外国の楽曲であることから違和感を感じるかもしれないが、映像も含めた作品の世界観の形成に十分なものとなっている。
作品中の音楽も、映像が持つトーンやそこで表現される場面設定をうまく表現できる最小限の楽器を利用して、うまくメロディをつけているといえる。また、最後の場面から続くエンディング(スタッフクレジット)の楽曲を毎回カスタマイズして作っていくというかなり凝ったことを行っている。
○制作スタッフや視聴者がこの作品について意見交流をする場として「蟲師空間」を放送開始少し前より実施。
http://www.kanshin.jp/mushishi/
開設1ヶ月経って荒らしとおぼしき書き込みもほとんどなく、レスポンスよく視聴者からの反応も書き込まれているようである。
(ほぼチャットのような勢いでの日記へのコメントで、ちょっとあったらしいが)
いろんな濃い学問的な話から日常の光景までいろんな話が書き込まれていて、読んで追従するだけでいっぱいいっぱいだったりします。
○番組内のCMが入ることに、これほど文句が出る作品って珍しいと思う。それくらい、作品世界にきちんと入り込ませて、見応えのあるものとしているんでしょう。。(ただしこの時点では2話放送しただけですが)
○深夜枠6局での放送にもかかわらず、関東地区での放送開始前プロモートは、下手な番組より力が入ったものだと思う。
JR東京電車特定区間での中吊り広告(3日間)や放送直前1週間に深夜限定だが30秒のスポット予告CM(30秒のため番組枠内だったが)。
○年内放送は9話まで。年明けは2話連続など変則的な放送形態となるので、いろいろと録画プログラムなどでの追従が大変そう。
深夜枠でも遅い時間で、かつ土曜深夜という時間変更が比較的多い曜日のため、録り逃しがおおく、視聴率もそもそも取りづらいだろう。
○ビデオ販売及びレンタルを2社で対応するため、蟲師のDVDのCMはマーベラスエンターテイメント(セル及びレンタル)とエイベックス(セル)の2つが存在する。
○会社四季報2006年1集(2005.12発売)のマーベラスエンターテイメントの業績見通しとして、
下期は「蟲師」等のDVD(中略)の販売増が寄与。
と書かれていた。
○ケースイの気まぐれ♪録り逃し注意報! の
1月7日の録り逃し注意報!
http://no-torinogashi.tvblog.jp/notorinogashi/2006/01/17_1811.html
にて、新春第1回の放送について、
通常 27時40分から30分の放送ですが、
放送時間が27時まで繰り上がり、さらに2話同時放送になります。
繰り上がり追跡に対応しているレコーダーでも録り逃す危険度が高いです!
毎週予約をしているなら手動予約に切り替えてください!
…と、ここまでいわれる番組って一体…
○年末年始やトリノ冬季オリンピックによる特別編成などにより、フジテレビ以外の放送局での放映は放送日をずれ込んでしまっていますが、とうとう北海道文化放送(uhb)では16話が休止予定になってしまったようです。…でも、どこから20話打ち切りってうわさが流れているんだろう?(フジテレビでの20話は3/11深夜だからねぇ)
○『蟲師 初回限定特装版 第一集』 限定追加生産だそうです。それほど、発売日前後から追加注文や在庫問い合わせが相次いだんだねぇ。
http://www.mushishi.jp/news/index.html
○TVでの連続放送は20話まで、ということが月刊アフタヌーン2006年4月号(2006/2/25発売)の監督インタビューとして載っていたとのこと。コミックス2巻収載の「筆の海」をオンエア最終話に持ってくることからも、これまでフジテレビ深夜アニメに見受けられた(どちらかというと)放送局側の都合が優先されたっぽい終了ではないと思われる。(放送話数が確保できず、製作したが放映しないことを決めた話があるという「L/R」という例に近いということにしておこう→当初から20話の予定だったことが、その後分かることとなる。)第2シリーズとして別の機会に6話分を放送するとか、(サムライチャンプルーのように)別の放送チャンネルで流すという期待があるだろうなぁ。
○地上波(フジテレビ)最終20話のエンドクレジットで、21話以降(つまり26話まで)はBSフジにて5月中旬より日曜深夜(月曜)1:00から放送するとのこと。→つまり、サムライチャンプルーと同様の対応となる。(好評だったため)
サムライチャンプルーのばあい、この放送開始(5/14深夜)以前にそれまでの回の放送をBSフジで行っており、再度振り返ってみることができるのでは、という期待も出てくるが、ダイジェストとしての1話のみの放送が決定しているだけ。たぶん追加はない。
○講談社月刊アフタヌーン2006年5月号(3/25発売)超付録は、「蟲師」DVD彩
TVアニメ第一話〜第十三話 特別編集版 オーディオコメンタリーです。いきなり最初にMMVのロゴが出てくるのにも驚いたりしています。
長濱監督と中野さんが声だけの出演でコメンタリーをしております。(映像では出てきません)
DVDの表面の「彩」の文字を見て、MMVの担当の方を思い出したのは言うまでもない。(会ったこと無いけどね)
○BSフジ2006/5/8(5/7深夜)放送の蟲師ダイジェストは、提供クレジット(月刊アフタヌーン・マーベラスエンターテイメント・avex
mode)が出てくるという、BSデジタル深夜アニメでは珍しい形になっている。(BS朝日のアニメ魂枠を除くと、数えるほどしかない)BSフジの深夜アニメとしては、これが初のはず。
ダイジェストとして、登場キャラクターとそれに絡んだ出来事に焦点を当てた編集版に、中野さんのナレーションで順次説明していくという形態は、なかなか見応えのある形に仕上がっていた。キャラと合わせて演じている声優の表記があるという点も、それぞれの方の仕事を追認しやすかったと思う。
○2006/7/6から7/10頃に、関西テレビ放送(KTV)及び北海道文化放送(uhb)にて、BSフジで放送した6話分を公開上演する「蟲の宴」の募集CMが放送されたとの報告あり。
映画などの公開前の募集CMはよくあるが、DVD化される作品の公開上演での募集CMというのは、相当珍しい事例である。
わざわざそのCMのために、ギンコの声の出演の中野さんが語っているという意味でも貴重なものである。
○2006年10月より、BSフジで26話分を放映している。こういった形で、改めて放映する形態のアニメは、NHKやCSでの放映を除くと珍しいといえる。
○NINTENDO DS向けソフトとして、2008年1月に蟲師のゲームが発売された。
○2008年3月に、蟲師のDVD-BOXが発売された。
○2008年中に、原作となるアフタヌーン連載の蟲師が終了することとなり、それをきっかけとして制作スタッフや視聴者がこの作品について意見交流をする場だった「蟲師空間」が2008年6月末で閉鎖することとなった。(閲覧は2008/9/30まで可能)ここまで継続できたこと自体、ある意味奇跡といってもいいと思う。
○NHK BS2で2008年12月9日から火0:25より放送開始。(時間帯は日曜深夜に移動したが、2009年7月上旬まで放送)
http://www3.nhk.or.jp/anime/mushishi/
○Blu-ray BOXが2009年3月発売予定あり。収録内容は既出のDVD-BOXと同じもの。
●ARIA The ANIMATION /The NATURAL/The Origination のトピックス
○月刊コミックブレード(magガーデン)連載のコミックスが原作で、テレビ東京系で2005年10月より12月(The ANIMATION)、2006年4月より9月(The NATURAL)及び2008年1月より3月(The ORIGINATION)に深夜放映しているアニメ。AT-Xでも放送。
○アバンでは本編でのカットと別取りの台詞による導入話。提供クレジットとCMの後、オープニングアニメはAパートとして組み込まれて作られるというかなり凝った構成で作られている。(オープニング曲が流れている間も、曲に台詞が重なりストーリーが進んでいくのである)
映像そのものはきれいに整えられた海の青と建物の白を基調とした背景とデフォルメも含めたきちんと書き込まれたキャラクターが違和感なく作り込まれている。
映像だけ見ていてもその淡く整ったきれいさでほのぼのさせられるし、そこで起こるというにはあまりに落ち着いたストーリーに感動させられるが、なにぶん深夜アニメ。本放送時間に見ると、その心地いい世界観が描かれていて、眠くなること…
○深夜アニメのわりには提供クレジット数が多く(10月6社11月7社)、ここ1年の深夜アニメでは一番多いんじゃないかと。(舞HiMEや舞乙HiMEなども多かったんだが)
○原作コミックスとはかなり話を組み替えて作り込んでいるようであるが、むしろ納得のいくように設定の説明がされるように作られているし、明らかに「恥ずかしい台詞」が語られているんですが、それが納得いくような形で表現されているんです。手間がかかることをやっているはずなのに、それを感じさせないくらい、納得できる流れで見せている点は、かなり評価すべきではないかと思う。
○音楽担当がChoro Clubということで、作品の世界観にあった劇判音楽が提供されているといえそうである。また、Choro Clubが以前音楽を担当した「ヨコハマ買い出し紀行」(OVA2つ目の方。1つめはゴンチチが担当)との比較を、この作品はよくされると思う。
○AT-Xは、第1話及び第2話を無料放送していた。(第1話は周知のため、第2話は10/20のAT-X独自の無料放送日に重なったため)それと、わざわざAT-Xでの番組宣伝CMを作っていたことも取り上げておく。
○「恥ずかしいセリフ 禁止!」が、この作品の決め台詞。主人公の灯里(あかり)が恥ずかしい台詞を作品中語りまくりますからねぇ。灯里の友達である藍華(あいか)がこの台詞でつっこみますが、これが絶妙のタイミングで入っていくのも、この作品のリズム感を作り出していると思います。
○確か、この作品の視聴率はあまり芳しくないはず。ただし、オープニング曲のCDセールスはかなり好調のようでして、こういった部分からもリアルタイムで見ている視聴率が必ずしもセールスに直結しないことを示していると思う。視聴率が深夜アニメで好調だった作品でも、DVDなどのセールスがそれほど良くない作品も多いし。
○この作品のサントラは、どうも最初の発注数がそれほど多くはなかったようで、アニメなどを主に扱う店では予約だけで発注数になったところもあったらしい。
そんなこんなで、サントラとしての評価も高く、さらにいうとすでに発売2週間後にはTV番組のBGMとして使われていたりする。
○TVアニメでop,edのシングルCDで、カップリングされている楽曲を作品中の挿入歌としてすべて使うという事例は、たぶんそうとう珍しいはず。opのカップリング曲は、挿入歌とは別に提供クレジット部分で使われていた。
○マッグガーデンは、出版が主でアニメ化やキャラクターグッズなどの販売展開で総体としての売り上げを伸ばす戦略だが、これまでのヒット作の終了や返品増で2005年は相当の苦戦。ゆえに、ARIAの想定外のヒットといえる状況に、かなりの期待がかかるといえそう。(第5期第3四半期報告にも、出版部門のコメントで挙げられている)
http://ir.eol.co.jp/ASP/3720?task=download&download_category=tanshin&id=321457&a=b.pdf
○この作品の第2弾製作が決まったとのこと。2006/1/10発売のARIA8巻の帯に明記されていて、そのコミックス中の作者の後書きマンガにも書かれていることからも、結構早め(放映開始の最初の頃?)に決まったものと想定される。(サントラ発売が、結構急に決まったことからもひょっとして…と思ったら)
○マッグガーデンにとって、ティー・ワイー・オーが主要株主となって共同事業を行う作品となっており、ある種の試金石となる作品であったと言えそうである。
http://ir.eol.co.jp/ASP/3720?task=download&download_category=tanshin&id=267049&a=b.pdf
ちょうど、この時期の前後に主要株主の移動もあったし。
○ARIA The ANIMATIONのDVD発売元は松竹 ビデオ事業室(SHV)で、発売元はメディアファクトリー。このため、番組は終了しても、SHVやメディアファクトリーの提供枠でCMが流れる形となっている。(ガラスの仮面・陰からマモルで流れていた事例あり)
○マッグガーデンとしては、これまでのアニメ作品と比べてあまり戦略的とは言い難い動きであるような気がする。DVD第2巻発売で、こういったイベントが組み込まれるのもそれを示しているのでは。
キュアメイドカフェで「ディスガイア」&「ARIA」のイベント
http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0602/13/news069.html
さらにマッグガーデンについて述べると、自社のホームページには掲載作品のアニメ化情報が挙がるが、IR情報としてはこの手の情報が挙がらないのも、宣伝・広告が戦略的に練られていないように思える。
○2006年4月より第2シリーズ放送となりタイトル及び時間枠決定。ARIA The NARURAL でTXでは日曜深夜(月曜)1:00より放送。AT-X及びTVO,TVAで放送と、ネット局は減少。
○日経産業新聞 2006年3月9日素材・エネルギー面の双日 新生への道 上 で、双日が出資する自動車工場の写真とともに記事に挙がっている写真が、なぜか「ARIA」だったりする。
○月刊ウンディーネという、アニメオリジナルで設定した雑誌を、アニメの作品紹介ムックとして3冊(ARIAカンパニー・姫屋・オレンジプラネットの特集号として)マッグガーデンより発売予定あり。さらに、ARIA
THE NATURALに向けたアニメ版の先行情報本の発行もあり。
マッグガーデンも営業担当のトップ変更から、戦略的に仕掛けができつつあることを示しているといえる。
○個人的には、スクラン2学期の方を先に放送した方がよいと思うのだが…
そりゃともかく、The ANIMATIONではアバン→提供クレジット→CM→Aパート(オープニング挿入)→CM→Bパート→エンディング→CM→予告→提供クレジットと、アニメとしては変則パターンだった。
さらにThe NATURALではAパート(オープニング挿入)→提供クレジット→CM→Bパート→エンディング→予告(サブタイトルとカットのみ)→CM→提供クレジットと、これまた変則。(第1話のみアバンあり)
○ARIA The ANIMATION 第11話(その オレンジの日々は…)は、シリーズ中でかなり評価の高い話である。
原作の持つ話の内容に加えて、アニメオリジナルとしてのいろいろなものをつぎ込んでいるし、挿入歌をうまく活用している。
具体的には、アリシア・アテナに加えて晃を登場させ、過去の話も丁寧に表現するだけでなく、コミカルな部分(アテナのドジっ子ぶりをさらに際だたせる)を作品中に加えてアクセントをつけている。Bパート全般に語られる恥ずかしい台詞の連続を、Aパートのうちに納得させられるような会話などで結びつけている。
かつ、ほぼ原作の内容を表現し終えたと思わせて、挿入歌を流し始め、歌と出来事を見事に組み合わせていって、見る側にしっかりとしたイメージを残せたのは秀逸といえる。
ARIA The ANIMATION PERFECT GUIDE BOOK(マッグガーデン)の中で、監督の佐藤さんが
あのシーンは導入部からタイムを計りつつ、ここで曲が始まって、ここから走り出して、ここで手を振ってと計算しながらコンテを切りましたから。(中略)音楽に合わせてコンテを切るって、そんなに難しいことじゃないと思うんですが。
…いえいえ。ある程度映像のイメージができていないとこれが結構難しいんです。それは、あまり作られていないことからも示しているはず。この音楽との兼ね合いなどもあって、当初この話は外に出す予定が監督がコンテを切ることになったとのこと。
○この作品のサントラのTV番組での利用割合が予想されたとおり、2006年春から相当高まっているといえる。
下記の2チャンネルのスレでの登場回数から推測すること
アニメのサントラがTV番組で引用されてたら報告3
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1143601155/l50
○ARIA The NATURAL その ゴンドラとの別れは…(16話)は、オープニング曲をThe ANIMATIONで使ったウンディーネを使ったり、原作からいろいろな話を持ち込んだり、かつアニメオリジナルに仕立てているという意味で凝ったものとなっている。絵コンテは佐藤監督が担当している。エンディング曲を2クールものなのに16話で変更するというのもめずらしいパターンである。
○CDドラマなどが出ているから、キャラクターソングCDも出るとは予想したが、ARIA〜ピアノ・コレクション〜スタジオーネ-季節-というCDを出すとは思わなかった。
○The NATURALでは、第1話以外はThe ANIMATIONでは全てあったアバン(アニメ本編の前に流されるもので、本作品では、映像カットとナレーションで構成される)が放映されていないが、DVDの映像特典の形で実は作られている。全てのカットはアリア社長が登場する部分で構成されているし、ナレーションは灯里・藍華・アリスなどが本編に関連する内容を語っていて、予告としての役割にもなっている。
○放映が終わっても関連出版は続くらしく、2005年9月株主以降に半期ごとに配布しているマッグガーデンの株主優待の図書カードも2回ともARIAですから、稼ぎ頭の作品であることは事実でしょう。(2006年9月,2007年3月株主向けも…でした)
○マッグガーデンとプロダクションIGとの経営統合の報道資料によると、
「ARIA」シリーズでコミック累計販売数300万部・DVD30万本
やっぱ、結構売れていたんか。(コミックス10巻とDVD12本)
○OVAシリーズ(ARIA The OVA 〜ARIETTA〜)が2007年9月にリリース。AT-Xで9/2 24時(9/3 0時)にオンエア。
○そろそろ経営統合するマッグガーデンが、珍しく取引所経由でのプレスリリースを出したと思ったら、「ARIA
The Origination」として第3シリーズのTVアニメ化の発表だったりする。(2007/8/30)
http://ir.eol.co.jp/EIR/3720?task=download&download_category=tanshin&id=488244&a=b.pdf
2008年春頃に関連出版物を多数出す予定もあり。
○マッグガーデンの2008年3月中間決算短信(上場廃止前最後のもの)に、ARIA The Originationの収益を下期に見込んでいること、及び牧野由依さんの11/21発売のシングル封入書面に1月発売のシングルがARIA The Originationのための楽曲であることから、2008年1月よりARIA The OriginationのTV放映すると推測される。→2008/1/7深夜より、現在コミックブレイド連載のスケッチブックが放送されている枠(TX火2:00)で放送開始する。
○AT-Xは、2007年12月31日7時よりARIAシリーズThe ANIMATION /The OVA 〜ARIETTA〜/The NATURAL)を全話放送する。AT-X10周年記念でもある。
○2008年春の出版CDリリースの概要が出る。12巻(最終巻)と好評だった月刊ウンディーネの3週連続出版、サントラCDにピアノコレクション2弾目、ドラマCD3巻、さらにDVDはTV未放映もつけて7巻とかなり品種が多い。夏頃の出版予定もあるということで、直近の深夜アニメではかなりの規模の商品化といえそう。
○原作コミックスの最終話の1つ前(Navigation59)が2008/1/30発売のコミックブレイドに掲載された。この中で、アリシアというキャラがウンディーネを結婚して引退し、舟(ゴンドラ)協会の要職に就くというエピソードが描かれていた。これが、(作品ファンとしては比較的少ない)男性ファンの想定と異なり琴線に触れたらしく、ネットで結構いろいろと書かれていたようである。(アニメ関連以外のスレで書かれているのはねぇ…)
○2009年3月にARIA The ANIMATION のDVD-BOX発売。好評だった第11話(そのオレンジの日々を…)の絵コンテ縮尺版や新作ドラマCDをつけた形となる模様。(2008年11月時点でTV-CMが流れているが、ミチコとハッチン (CX水深夜)で流すのはいかがなものか)
○DVD-BOXは、2010年までにすべてのシリーズで発売されることになる。サントラやドラマBOXも2009年から2010年にかけて発売されており、商品化が長いこと継続しているシリーズとなっている。
○白泉社月刊LaLa連載のマンガが原作のアニメ。NTVで2006年4月より9月まで水0:50より放送。
○制作:ボンズ、脚本:榎戸洋司、キャラデザ:高橋久美子と、これだけ条件がそろってて、もしおもしろくなかったら…と監督の五十嵐卓哉さんが述べるのはもっともなんですが、NTV深夜枠はとにかく最初の注目をうけにくい。23時台(animo枠)を今期初めてNANAを編成したこともあって、目立たなかったこと…同枠前作の闘牌伝説アカギと同様の開始前の認知度だったと思う。
掲載誌以外でこの作品をある程度放映前に取り上げたのは、ボンズをピックアップしていた日経キャラクターズくらいだったと思う。(…で、2006年7月のアニメージュは表紙と10ページの特集記事。この放映前との違いはいったい)
○確か、ラブコメらしいのだが、原作の持つ過剰な情報をうまくアニメとして並べて、さらにタイミングよく場面や音をつなげていっている。そのため、ギャグ的な部分でのおもしろさが際だっているように見えるし、少女マンガに特有の作品の世界観の取っつきにくさを確実に緩和している。
また、間の使い方はギャグアニメのそれに近く、4秒も音声のない間というのは、久しぶりにこのアニメで見たと言っていい。
○この時間枠は、ほとんど提供クレジットがないという深夜アニメでもめずらしいケースである。ゆえに、オープニング曲のCMがこのアニメとともに流れることはなく、VAPがWOWOWノンスクランブル枠提供している番組で流れるという妙な形になっている。
○この作品の美術については、高い質を保っているといっていいと思う。かなりいろいろな映像設定が必要(工数が多い)なことを考えても、主人公のハルヒが「金持ちども〜」といわせて納得させられるものが表現されているのは、高評価していいと思う。
○個人的に、ハルヒと声の役の坂本真綾さんが結構かぶって見えます。
○この作品のタイトルは長すぎるので「ホスト部」で呼称されているらしい。ついでに、主人公のハルヒは同時期に涼宮ハルヒの憂鬱という作品があるのでホスト部のハルヒと呼ばれることもある。
○この作品の周囲環境として有利に働いた点として、ほぼ同時間に放映されているアニメのように原作マンガが持つ人気とそれに伴った期待といったものから切り離されて存在できた点にあるといえる。そのため、原作マンガをあまり引きずられること無く、過度な期待感もなく自由度をもって作ることができたことが、まず挙げられる。
さらに、原作マンガなどの基礎的な知識や好みといったもので取っつきにくいという部分はなく、見れば素直に楽しめるアニメとなっていることもあると思う。(絵的な部分は、そりゃ少女マンガ原作だから選ぶ部分があるけどね)それだけ、ファン以外ははじくようなアニメが多いこともいえると思う。
○登場人物の過去を描く部分も多かったが、コミカルに演出している部分とのバランスが良かったと思う。コミカルな部分でロベリア学院のヅカ部が登場する話が2話あったが、あれは飛び抜けて笑える話になっていましたねぇ。
○NTV深夜枠のCSでの放映は、CS日本(日テレプラス&サイエンス)がその多くを占めるのだが、このアニメは2006年10月よりアニマックスでの放映。わざわざこうした形で放映されることからも、この作品が比較的ヒットしたことを示しているといえそう。
○2006年10月から12月にTBSにて放送したアニメ。
コミックブレイド MASAMUNE(マッグガーデン)連載の同名作品を元に、アニメとしてオリジナルの演出をしている作品である。
○DVDを発売しているバンダイビジュアルのプレスリリース
http://www.bandaivisual.co.jp/press/2007/press070123-4.html
連結子会社であるLantisが音楽販売を担当しており、キャラクターCDなども発売されている。TBSも公式サイト立てて、比較的通常の番組並みの対応をしている。対照的に、原作を掲載しているマッグガーデンでは、リンクをはる以外は原作の紹介に終始し、雑誌も含めて積極的にPRしているという雰囲気はなかった。
○第1話放送後のネットでの反応は、予想外に良かったらしく、TBSの公式サイトでのアクセスがその日かなり高かったことが、DVDのプレスリリースの中にも書かれている。
○この作品の監督は、作品そのものに派手さはないもののしっかりと設定を活かして話を構築するということでは定評があったはず。この「あさっての方向。」では、原作の設定を活かして新たに話を構成しているといっていいと思う。
大人になることを願ってそうなった からだ のキャラクター設定は、ピュアであるという現実にはかなり無理な設定ではあるが、そこをしっかり構築して話を進めることにより、作品の雰囲気を明確に提示できたといえそう。同級生である網野も、からだ同様にピュアであるといえる。
このため、尋がからだから距離を置いている(椒子からは甲斐性なしと呼ばれる)ことや、椒子が素直でない点がより明確に表現できている。
また、アニメオリジナルキャラクタと主人公たちが関わっていくことによって、その心情が変わっていくことも、見ている側にとってすっきりと入ってみることができている。ゆえに、尋や椒子が話の最後ではずいぶん変わったように感じられたという印象を持たれたはずである。
○この作品の音楽は、作品開始当初から比較的評判が良く、それによってサントラ発売の内容が変わったという印象を受ける。サントラの発売が、MBS以外では放送を終了した2007年1月と遅れたことが、売り方としてはちょっと惜しいと思われる。
それはそれとして、サントラそのものについては毎度のごとく「作曲家別アニメサントラ紹介」を参照のこと。
http://sh-kato.cyber-hp.jp/cd-15.htm#cd129
○作品の導入としての1話で、あまり椒子が好ましいキャラの大人として描かれず、からだもただ年相応の子供として描かれて、最後に大人と子供がいきなり入れ替わる。そして、2話でそれを受け入れざるを得なくなる椒子と受け入れられずに泣き続けるからだが淡々と描かれるが、これによってその後の演出が映えるのだが、ここで視聴をあきらめちゃう人も多かったように思える。
けれど、椒子とからだが一緒に生活し始めることで、相互に心の変化(というより成長)が見られ、きちんと見応えのある物語を作っていけたように思う。だから、途中の話から見た人の方が、興味深く最後まで見て、そして最初に戻って見返すという感じになったように思える。
○CS AT-Xで2009年4月下旬より7月上旬まで放送あり。
○○NHK教育 土18:30にて2007年5月より放送開始のアニメ。12月に放送終了後、継続して再放送をする。
原作の一つの形となる小説が徳間書店より出ている。26話。
○放送開始後すぐに、徳間ジャパンコミュニケーションズよりサントラCDが発売されているように、ずいぶん前からアニメ制作が行われていたようである。9話までの内容などをまとめた本(電脳コイル
アクセスガイドBOOK)も6月下旬に(9話が放映する前の週に)発売されていたりする。
ちなみに、サントラCDは2枚組。ついでに、6月時点でTV番組に利用された実績もあり。
○第1話放送の翌週金曜19時台でリピート放送したり、1から5話を6話放送の直前(15時台)に放送するといった、かなり最近のアニメでは破格の扱いだったりする。
○ちょっと先、メガネに電話などの情報端末の機能で使われているという前提で、小学6年生を主人公に据えた作品である。舞台となる街の設定は比較的古い風景が残る地方都市を設定している。また、作品中に過去のアニメなどのディティールが入っていたりしている点も、興味をひきやすい。こういった比較的敷居の低く入り込みやすいテイストのため、積極的な視聴ではないものの、時間枠や媒体の範囲の広さ(NHK教育土18時台)もあって、結構見ている人が多いのではないかと思われる。
○最近のNHKで放映されるアニメは、NHKが製作に参画しない(著作権者となっていない)パターンが出てきており、この作品もその一つ。(同じ18時台の「メジャー」や同枠前作「ツバサ・クロニクル」などはNHKが製作に参画)
徳間書店・バンダイビジュアル・NHKエンタープライズ(NEP)の提携作品である。
○電脳コイルのように作品の監督が原作者である例は、「十兵衛ちゃん」などそれほど多くない。それだけ、監督の作品についてのコントロールが効いている作品といえる。(著作権の意味づけとしても、特筆すべきであるとも思うが)
作品としては、監督の磯光雄さんの絵のセンスの良さに、演出や設定がうまく作用しているんじゃないかと。細部について細かに決めているようでもなく、謎っぽい込み入っていると思える部分も、案外シンプルなのかもしれない。表現したい狙いは、たぶん新しいものや古いものをコミにした「懐かしさ」を見せていくことなのではないかと。
○伏線と思わせることを適度に毎回の話の物語の中に組み込み、きちんと後からの話でそれに気づかされるようにできている点は秀逸である。イリーガル3部作と呼ばれる話では、声優の方にも好評だったヒゲの話(11話)など笑えたりじんわりする話など適度に組み合わせつつ、後半伏線が溶けていく重い話が連続していく。
あっちの空間のヌルが登場してくるあたりの話では、子供向けとしてはちょっと難がある(トラウマになっちゃうんじゃないか、と思うくらい怖い感じ)と思われる。
○制作開始からは2年以上、アフレコを始めてからすでに1年以上の期間をかけていることが、DVDの特典映像や絵コンテの日付から推測できる。
○イサコの声をやっている桑島さんもそう思っている、イサコの女王様ぶりが、後半ある出来事から一気に崩れていく様は、ある種キャラに対する興味をグッと引きつけていくのではないかと思う。
○8月に夏編成のための休止をはさんだ後、放送再開前に自由研究ということで、作品の説明をした番組を編成。さらに、10月に後半部を中心とした総集編を放送。26話のアニメとしては、それ以外の総集編番組をこれだけ編成するのは異例ではないかと思う。2008年1月1日にも、全話の総集編としてのスペシャル番組を放送。
○2009年4月よりNHK BS2にて再放送を行う。アニメやSFなどの各賞を受賞するなど、制作側の想定外の評価を受けているらしい。2009年秋からNHK Hi-Visionでも放送。
○2011年にBD BOXが発売された。
○2007年10月から12月にTX,TVA,TVO,AT-Xにて放送した深夜アニメ。月刊コミックブレイド(マッグガーデン)にて掲載中の漫画が原作。
○出来事を重ねてみせるというより、作品世界を丁寧に見せて、その雰囲気を楽しんでもらうという作品である。また、同じ雑誌のアニメ作品であるARIAなどと近く、制作スタッフなども重なっていることもあり、ARIA
2.5という感じで見ている人も多いはず。(同枠の後番組がARIA The Origination(TVシリーズ3つめ)だし)
取材協力として太宰府高校がエンディングでクレジットされている。しかし、深夜アニメにはよくある話だが、舞台となっている福岡県の地上波では放送されていない。
○この作品、ネコや犬のキャラクターの声の出演が興味深かったりする。
ミケ:金田朋子、ハーさん:伊藤静、クマ:中田譲治、ぶち:斉木美帆、グレ:大原さやか、犬男:能登麻美子、クロ:下野紘
ミケ、ハーさん、クマ、ぶちは、鳴き声以外もしゃべる場面があります。確か、能登さんは大庭月夜役でもあったが、明らかに犬男の鳴き声の方が多いはず。
それと、登場する美術部のメンバーの声も、見ていて違和感なくしっくりしていました。
○主人公の空は、原作の漫画では吹き出しなしのセリフであり、どのように声をつけていくか興味深かったが、onではあんまりセリフを言っていませんでしたね。擬音などを発することが多かったですし、モノローグなどoffでは結構話していました。
あと、舞台となる地域の方言(博多弁or福岡弁)を原作でも話すキャラを限定しているが、その点にあんまり違和感を感じないようにもなっていた。(中世さんは和歌山出身で博多弁をしゃべるということで、苦労はしていたらしいですねぇ)
○雰囲気を楽しんでもらうという作品の場合、映像表現や脚本・演出と並んで音楽もかなり重要な位置を占めます。そういったこともあり、村松健さんが音楽担当したということは、かなりよい選択だったと思われます。
○2006年10月からTBS-MBS系深夜に放送していたアニメ。
MBSは深夜にアニメの再放送を編成して比較的好評であったことから、深夜枠でもアニメ放映ということを考えており、それを実現した作品である。
ただ、土曜18時にも自社でアニメ枠があり、その番組との人気の差が発生したことにより、編成したMBSのプロデューサーに対する意見が出ているらしい。
その後、2007年夏にシリーズ完結の2話を深夜に連続放送。
さらに、2008年4月より日曜17時に放送中。
○サンライズによるロボットが登場するアニメシリーズに、CLAMPがキャラクターデザインを担当すると言うことで、話題作りはそこそこあったと思われる。
ただし、それ以上にキャラクター設定や場面設定でガンダムSEEDと類似する匂いを感じられたらしく、女性を中心に開始当初から注目を集めていたようである。
○確か監督などは、緻密な設定と人間模様を中心に描いたプラテネス(NHK BS2にて放送されたアニメ)を作っていて、キャラクター同士の関係や舞台設定など必要以上にこみ入った感じが無い。このため、各話での出来事を追いながら、作品世界に入り込みやすい構築になっていると思う。(少なくともガンダムSEEDよりは分かりやすい)
○この作品の4話のセリフが、かなり印象的になっているらしい。
「公表するぞ、オレンジを」
「全力を挙げて奴らを逃がすんだ」
(放送で使われた通りで、正しいかどうかは忘れたが)
こういったセリフが出て一人歩きすること自体、作品の認知度が上がっている証拠でしょう。
○ブリタニアとイレブンとの関係なども物語の構成上興味深いが、きちんと学園ものとしての物語もうまく織り込んでいるのは、ちょっと珍しいのでは。もう少し軍などの現実に寄るものが多いという意味で、それとは違って面白く転がっているんじゃないかと。
○連続したシリーズ話として最終となる話で、主要な登場人物が亡くなり、結構いろいろな反応があったらしい。その話までは結構期待をつなげたが、その後2007年夏に放送したシリーズ最終2話は、ファンの期待をそぐ内容になってしまったらしい。
その後、2008年4月より「コードギアス 反逆のルルーシュR2」として、放送時間も日17時からに変更して放送開始。期待に添う内容に戻して進んできた。(ルルーシュが熟考してというより出たとこ勝負っぽい判断に見えるが)
その後、シリーズ半ばとなる話で、これまた主要な登場人物が亡くなるということになった。どうもこれは内容がリークしていたらしく、愁いを帯びたファンのコメントがすでに挙がっていたらしいとか。
そういった事態からも、キャラクターごとにかなり層の厚いファンを形成できたことが明確になっており、本編が多少ぶれてもついてくる素地が形成されていると考えてよさそう。
○本作については、2009年にBDで総集編が2つつくられる予定がある。それだけ、いろいろと評判が良かった作品であるわけで。
○月刊少年ガンガン連載のマンガが原作で2008年4月よりTX 月 18:00で放送中のアニメ。制作会社のボンズの10周年記念ということで、深夜(TXでは金2:15)でもおまけ映像やわざわざ作り替えた予告を流すソウルイーター レイトショーも放送。
○当初からマカの声が棒読みに聞こえるということで結構批判っぽくなっているが、さすがに1クールを超えてくるとある種の味に感じられて来つつある。(多少は良くなってきているのではあるが、いったんついた評価はそう変わらない。けど、それを気にすることは少なくなったということなんでしょう)
○深夜帯のアニメのように短いクールでの放送ではないため、主要キャラの紹介の話を最初に並べてから本編となるやっかいごとが始まっていくという流れになっている。それでも、当初からきちんと伏線となることを張り込んでいるし、それをその後しっかりと使い切っているようである。
○レイトショーでのおまけ映像は、本編で使った映像に別音声をつけて構成したり、ピクチャードラマのように全く本編と違うネタを仕込んだりするということで、結構手間がかかっている。後提供クレジットにも、スタッフの描いたり取ったり作ったりしたものを出すコーナーを設けているという気合いの入れ方がすごい。(続けられるのかが気にかかるくらい。)
○本編から明らかに外れたと思えるキャラクターと思えて仕方ない「エクスカリバー」。こいつが「ウザい」。
人に質問しておきながらその質問の答えには反応しないわ、自分の(真偽不明と思える)武勇談を延々と語るわ…(な〜んか時折似た様な書き込みをする人をネット各所で見かけるのだが)
彼が登場した話の放映当日は、公式サイトがエクスカリバーで乗っ取られるという演出はするわ、2度目に登場した(2008/7/28放送17話)
時には、とうとうAパートの最後に歌い始めた(「エクスカリバー・ゴーズ・トゥ・キャリフォルニア」というタイトルらしい)歌が、中CMでもバックでかかり続け、Bパート最初まで続くという徹底したウザさの演出だったりするのである。(中CMはスクエニ(少年ガンガン)とメディアファクトリー(ソウルイーターDVD)だから出来たともいえる)
○死武専で試験をやるという話の時に、スタッフや関係者に対しても事前に作品に関連する試験を行って、それをわざわざその話の時にオープニング・エンディングのスタッフ名の横に点数を発表するということをやっていた。試験問題・模範解答及びスタッフ(声の出演者なども含む)の解答用紙については、公式サイトに掲載するという凝りよう。(レイトショーでは一部さらしにされていてような…)
○2010年10月よりソウルイーター リピートショー ということで再放送をしている。わざわざopとedのアニメ及び楽曲を変えている。(1クールごとに変える予定らしい)でも、途中で再放送は打ち切り、別番組の放送となったらしい。
○2009年4月より6月まで、TBS深夜及びBS-TBS深夜に放送のアニメ。原作マンガは4コマで2巻しか無く、多分にアニメオリジナルの内容を含んだ、京都市内とおぼしき女子校の軽音楽部を舞台としたアニメ。
○音楽を主体としたアニメではなく、どちらかというと部員たちの何気ない日常を興味深く見せるところに主眼を置いた作品。こういったアニメでは、実在感を与えるために背景美術や設定などにかなり実際の風景などをきちんと取り込むことで、より魅力的になる。この点については、京都アニメーションは定評があるといってよく、改編当初ノーマーク作品であったはずだがかなりのヒット作といえるものとなったようである。実際、作品中に出てくる風景や店舗、学校の元となったものは放送後数日でアップされる状況となったらしい。(まさか、自分も叡山電車 修学院駅周辺を訪れて事実上の聖地巡礼をする羽目になるとは思わなかった)修学院駅周辺やJEUGIA(大証2部上場)三条本店、滋賀にある保存についていろいろあった元小学校などなど、これまで京都を舞台として扱ったアニメでは一番舞台を訪れる数が多いものとなったといえる。
○軽音部が舞台なので、当然歌自体もそれなりに作品中の出来事と関連づけたこともあり、興味を引き付けるものとなった。(劇中曲がいきなりCD チャート上位にあがったりしたし)op,edも結構動画サイトでMADが作られたようだし、opに至っては鉄道会社系シリーズまで登場することになったりする。(最初に作られた「けいきゅう!」がよっぽど出来が良かったのが影響したらしい)
○原作以上に膨らんだストーリーで、よりキャラクターが魅力的に構成されたと思われ、軽音部それぞれのキャラクターごとにファン層が形成され、楽しまれたようである。特に澪は、(メイド服の)衣装や学園祭の舞台で転けてパンツが見える(原作では見えた絵だが、アニメでは見えないような構図にしていた)など、より引き付けるネタが多かったようである。他の4人のキャラも、普通の1クールもののアニメキャラからすると、結構興味を引き付ける出来事が多かったように思える。
○レフティー(左利き用の楽器)など音楽自体でも、結構ネット上のいろいろなところで盛り上がっていたようです。op,ed,劇中曲それぞれで、なかなかアニメではヒットしにくい歌モノという定説を跳ね返すようにうまくできていたし、作品中の のほほん感をうまく形成するような劇判(サントラ)も作られていたといえる。
○2010年4月から9月までTBS深夜及びTBS系放送局にて第二弾「けいおん!!」が放送。放送最終話に、劇場版製作発表。2011年12月公開予定。
○けいおん!!では、サントラCDが2枚発売。キャラクターソングCDや劇中曲CDも多数発売されるという状況になっている。
○2010年夏頃TBSショップに行ったところ、1コーナーをけいおん!が占めているくらいグッズも売れているらしい。
○けいおん!!では、修学旅行の話があり、旅行地が京都となっているため、高校が関東方面から出てきたという設定になっているようであった。
○2011年12月に映画化され、卒業記念旅行としてロンドンに行く(それも2年のあずにゃんも一緒に)というものだったらしい。京阪電鉄 大津線のラッピング電車や叡山電車のヘッドマークも翌年2月頃まで延長されるほどの人気で、JR山手線までラッピング電車を仕立てたとのこと。公開4週で興行収入10億円を突破し、想定以上のものとなったらしい。
○2008年1月から3月に、独立U局やBS11などにて放映したアニメ。同名の恋愛アドベンチャーゲームが原作であるが、アニメオリジナルの設定及びストーリーで展開している。
○富山県南砺市を舞台としているだけではなく、祭りなども取り込み、実写的な味わいをうまく活用して、学園恋愛ものをよりリアル感あるように表現した作品であるといえる。主人公の一人の突拍子のない行動と、それらに振り回されたように一見見える主人公たちが、結果としてはベーシックな恋愛ものを繰り広げていくが、それらの中に重なる祭りなどのイベントがうまく絡んでいるといえる。これによって、いわゆる聖地巡礼の地としての南砺市の位置を確立したといえると思う。
○この作品を制作したP.A.WORKSの映像などを制作する本社は、この作品の舞台である南砺市にある。初の主制作作品でもあったが、そういった地理的な理由もあり、比較的緻密に南砺市(旧城端町)の風景を作り込んだ作品が出来たということのようである。
○2009年7月7日のスーパーJチャンネル(テレ朝系夕方のニュースワイド)で、この作品が取り上げられた中で、社員への低家賃での寮の提供による(フリーなどの)アニメーターの管理費の削減と人的な制作上の管理の容易さや、光によるネット環境が無くCATV経由での容量の大きいネット環境の整備など地方自治体からの援助を受けている旨の説明あり。
元々はハコもの以外でもアニメによる地域振興例として取りあげた意図が見えるが、それはあくまで副次的なものであり、地元進出企業への振興が作品上の舞台として取り上げられ、結果として地域振興にもつながったと考えるべきである事例といえる。
○サントラに関しては、もともと歌付きの楽曲やゲーム音楽が中心だった方が、そのテイストを活かしつつ、すぱっと転調したりして、一つの楽曲で複数の旋律を組み合わせることを特徴とした、でもベーシックな旋律を確実に固めていって繰り返し聞いても印象が崩れない楽曲をうまく作っています。さらに、そういったものとは別個ともいえる地域の祭りなどで使われる音楽も、当初からあったかのように作られています。
映像表現とのマッチングというより、まず舞台設定をしっかりとつかみ、そこにきっちり合わせることで、映像と音がしっかりと組み合わさって聞こえてくるようになっていたりします。
○「あなたの力でBD化プロジェクト ランキング第一弾 <アニメ編>」の投票が2009年8月にあり、そこで第1位を獲得したということで、true
tearsのBD化の検討がされる。その結果、期間内に予約入金数が2,000個以上に達したら生産するという完全予約受注限定生産商品として発売されることが決まる。
http://www.bandaivisual.co.jp/pdf/2009/pr091110.pdf
限定生産販売は予約入金数を超えたため実施。BD収録仕様内容から締め切り後も購入要望があり、2010年1月中旬に追加購入募集を行うこととなった。
○2012年3月4日放送のNHKクローズアップ現代で、作品が紹介され、制作会社(PA WORKS)の周囲1キロ程度を舞台背景として作られたことが説明され、制作会社の社長のインタビューもあった。
●WORKING!!のトピックス
○2010年4月から6月まで、よみうりテレビ、東京MXテレビなどで放送されたファミレスを舞台としたラブコメディーのアニメ化したもの。原作はヤングガンガン掲載。AT-Xでは1巻発売後の4月下旬より放送開始したり、アニメの編成が多いtvk、テレ玉、CTVで放映されなかったことで、比較的コアなマニアが視聴しにくい環境に合ったらしい。
○制作母体はよみうりテレビとアニプレックスということになっている。アニプレックス参加のA1 Pictures制作で、どうも1クール前に制作が進行していたようで、アフレコなど制作が2010年4月の放映段階ではすでに終了していたとのこと。このため、第1話収録のDVDが4月下旬発売ということができたし、3月に1話を先行放映出来たらしい。
○最近HDフォーマットでの制作で、BD発売が当然ということになっているが、この作品はSDフォーマットでの制作となっている。このため、DVDのみ初回限定版と通常版の発売のみになっている。
○4月からの放送決定が2010年12月、それから実質的にイベントなどの開催をしてきたが、雑誌媒体への情報提示など放映開始までは他の作品に比べておとなしめ。
よくあるネットラジオは番組放映の中盤5月から開始(でも10月までやっていた)するなど、後になるほどいろいろイベントを仕掛けていくという珍しいパターンの作品である。
twitterのフォロワー数も5月には1万を、10月には2万2千まで増えていったのもなんとなく分かる。
○10月にDVDの全話数(7巻)が発売されて、終わるかと思ったらイベント「ワグナリア〜夏の大感謝祭〜」のDVDが2011年1月に発売することでまだ終わらない。
○DVDの初回生産限定版の2巻と5巻にサントラCDを収録したのではあるが、これまた2011年1月にサントラCDが別途発売される。DVDにサントラが収録され、その後サントラCDが発売される事例はテレビ版xxxHOLiC以来の珍しいものになるはず。
○DVD 1万以上は売れたらしく、そういう意味ではヒットなんでしょう。たぶん。
○2011年10月に第2弾の放送開始(1クール)。監督は替わるが、大きくスタッフは変えないとのこと。その前段として関東の独立U局とBS11で第1弾の放送をする。
タイトルは「WORKING'!!」としているが、新たなキャラが増えるくらいで、特に作品の雰囲気は変わらずに作られた。当初よりDVDとBDが発売された点は第1弾と異なる。
○TXとアニプレックスが共同して(原作のない)オリジナルアニメの制作と放映を目的としたもの。2010年はTX火1:30に1-3月「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」4-6月「閃光のナイトレイド」7-9月「世紀末オカルト学院」の3作品を放映する。
○閃光のナイトレイドと世紀末オカルト学院が放映順番がどうも当初逆に発表されていたようである。
○ソ・ラ・ノ・ヲ・トは、第1弾ということでそれほど作品の認知度がなくはじまった作品ということになる。奥行きの深い美しい映像と音楽、取り立てて最後の方までキャッチィなスケール感のある物語があったわけではないものの、作品の世界観に共感できたのか、そこそこの評価を受けた作品といえる。
○ソ・ラ・ノ・ヲ・トの音楽は、大島ミチルさんとしては新たな試みをしたものといえるものであり、放映開始後すぐにサントラCDのCMを流すくらい気合いの入ったものであったようである。
○閃光のナイトレイドは、第2弾ということで第1弾のCM枠で制作状況の映像を流すなどのPRは結構やっていた。
映像は確かに美しく仕上がっていたといえるが、物語はあるひとりの登場人物の行動にとらわれて、スパイものとしての物語全体の軸を欠く結果となったように思える。
○世紀末オカルト学院は、あまりオカルト設定に物語がこだわることなく、大きく2話でひとくくりとなり、最後に何度も展開が大きく変わるといういい意味の視聴者への裏切りを発揮して、見応えのある話に仕上がったといえそうである。
○アニメノチカラ3作を通じて、オリジナルアニメをつくっていくことへのトライアルとしては、適切な枠組みを作ることができたというのが、制作側の感想になるのではと思う。
○2009年7月から9月に、独立U局及びBSジャパンにて放送されたアニメ。西尾維新原作の同名小説が原作となっており、その後放送された「刀語」(CX及びBSフジで2010年1月から12月まで月1回1時間枠で放送)同様、西尾維新アニメプロジェクトとして制作された第1弾作品である。
○アニプレックスがよくやる売り方として、セルBDやDVDに、初回特典としてキャラクターソングCDやサントラCDを組み合わせる手法であった。結構ヒットしたにもかかわらず、結局サントラCDは単独発売されなかった。(対照的にセルDVDしかないWORKING!!の方は、単独でサントラが発売される)
○通常BD販売では、シリーズの第1巻目が一番売上枚数が多いが、化物語ではシリーズ後半の「なでこスネイク」が一番売上枚数が多かったとのこと。
○「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」「なでこスネイク」と2、3話で一つのシリーズが終わる形で作られ、それごとにopが作られるといったことが行われていたらしい。(ひたぎクラブで作られたopをそのまま流す回もあったが)
○「つばさキャット」は、TV放映としては2話で一旦終わっている。(といっても、2話目で羽川翼は登場しない)その後、ネットで期間限定の無料配信を3話分行うのだが、制作進行が遅れまくり完結するのに半年以上の時間がかかっている。
○一部の放送局では、選挙報道による休止を余儀なくされたこともあり、「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」については、総集編としての話が一部放送局では放送されている。
○実質15話をすべてTVとしてみることは、しばらくの間かなわなかったが、2010年12月に5話ごと3週に分けてWOWOWにて放映を行う。放映は提供クレジット映像はなく、予告もTV放映時と同じショートバーションのものであった。(予告のフルバージョンは、ネットでは流されていたらしい。セルBD などでどうなっているかは、購入等していないので不明)
○制作会社のシャフトらしいほんの少しの文字と色だけの絵をカット割りとして挿入したり、関連する映像をパッと見せたりと実写や旧字体を織り込んだ凝った演出となっている。
○まず、台詞が過剰に多い。とにかく小説そのものの台詞なりモノローグをすべて語らせていて、映像は添え物といった風にさえ思えるくらいである。(別個のプロジェクトで発表された)刀語と比較すると、刀語がある程度剣での戦いなど絵で見せる部分があり、台詞が多少過剰かな、と思う程度ですむのと比較しても、同一の原作者の作品としても台詞の過剰さが突出している。
○それぞれのストーリーごとの(声優さん自身も含めた)キャラクター人気というのも、結構セルの売上に影響したんじゃと思うくらい、キャラに合わせたストーリーに仕上がっていたんじゃないかと思う。
○原作自体は、「化物語」以降も「傷物語」「猫物語」「傾物語」と続いており、化物語のアニメとしてのヒットをうけて続編のアニメ化という話もあるらしい。
○個人的には、メインヒロインである戦場ヶ原ひたぎの声が意外でしたねぇ。斎藤千和さんがこれまでの声のトーン(子供っぽい感じ)からはかなり違った形で表現してくれたものでして。
○化物語のBD BOXやサントラの発売も2011年末頃あった。
○化物語のその後の話となる偽物語(にせものがたり)が2012年1月から3月までTVアニメとして制作、放映された。通算すると西尾維新アニメプロジェクトとしては第4弾作品かな。独立局及びBS11にて放送されている。
○化物語、偽物語はとりあえず一連のTVシリーズとしてつくられている感じで、これで打ち止めというところかな。偽物語は「かれんビー」7話と「つきひフェニックス」4話の全11話。
傷物語は、劇場版として2012年に製作される予定あり。
○2011年1月から4月までMBS(TBS)系で放送されたオリジナルアニメ。原作としてのアニメの他、コミックスによる出版化もされている。
○シャフト 制作、新房昭之 監督、蒼樹うめ キャラクター原案、虚淵玄 シリーズ構成と脚本、梶浦由記 音楽というキャストだけでも結構興味深い形で制作発表されたこの作品。これまであったような魔法少女ものとは一線を画したものになるという期待はあったが、いろんな意味合いで期待を超える作品となったといえるだろう。ただし、放映前のPVなどではかわいらしい少女が魔法少女として活躍すると思われる程度の紹介に止めていた。
○深夜アニメとして放映するしかないなぁ…と思わせるわとなったのは第3話。魔女を倒す魔法少女として素直に描かれてきたが、魔女に魔法少女の一人が惨殺されるという形で表現されて決定的となった。(一連の場面を「マミる」と表現されることがあるくらいである)BPOへ苦情が寄せられたり、何にせよ衝撃的であったことから、同時期のアニメでは抜きん出た話題作となった。
○魔女のデザインや戦いの場となる異空間の描写は劇団イヌカレーが担当し、この作品の主たるダークな部分をきちんと演出しているような形となっている。
○4話以降は、魔法少女たちにとにかく過酷な運命が待ち構えていて、それぞれのキャラクターに思い入れをしているファンたちにとって過酷な結果を提示していくこととなる。主人公である「まどか」は、話数が進んでも全然魔法少女になることなく進んでいくことからも、受け入れがたい設定内容であったことが分かる。
○内容が大きく変わるのは10話以降。クールに他の魔法少女に距離をおいていた「ほむら」がタイムリープをして同じ1か月を何度も繰り返して、次第に「まどか」に思い入れしていること、異なるが何度も類似のストーリーを魔法少女たちが繰り返していることがこの話で説明されている。この話によって、「ほむら」など魔法少女たちに対する認識を視聴者にとって変えることに成功しているといってよい。ただし、東日本大震災発生が影響し、MBSとニコニコ動画でしか3月中に放映出来なかったため、余計この話(10話)に対する評価が高まったという気がする。
○TBSなどでは、東日本大震災による報道特別番組の編成に伴い、金曜深夜(土曜1時台)での放送枠で10話以降の3話分を放映出来る余裕がなくなったこともあり、4月に入る前あたりには3話ないし2話の放送による完結をすることを決定したようである。しかし、一度に1時間ないし1時間半の放送枠を確保するには結構な調整が必要であったし、放送内容からある程度震災から時間をおく必要が生じたため、2011年4月21日深夜(4/22
15時前後)からの放送となった。実際は、MBSで11話を先行して放送する形態となり、そのちょっと後にTBSが10話を、数日後にCBCが放送するという放送局ごとの時間差が生じていて、それが2ちゃんねるやブログなどの書き込みに影響したと思われる。
(震災への自粛と思われるのは11話のワルプルギスの夜に避難する人たちを表現する場面があったこととされている)
わざわざ完結編放送当日の読売新聞に関東および関西で全面広告を出稿するという策に出たが、そういった仕掛けを講じるにあまりある効果(視聴率およびセルビデオのセールス)を得たようである。
○虚淵さんの脚本ということで結構ダークなオチとなると思いきや、意外と魔法少女たちを救っていくようなストーリーとなったようである。それでも「さやか」は存在自体が消えてしまったり、「まどか」も「ほむら」以外には存在をおぼえてもらえない(いわゆる神的な存在)状態になっているが、それゆえきちんと12話で完結させるように仕掛けられていると思われる。
○初期販売分のセルビデオで、収録台詞の多重とブックレットの記載ミスということで製品欠陥があり即日交換が発表されたにもかかわらず、BD売上は初週売り上げで化物語を上回ってこの時点でのテレビアニメ史上最高を記録している。(2巻目でさらに1巻目を上回った初週売上を記録している)
○アニプレックスは、直近もオリジナルアニメに積極的な姿勢ではあるが、この魔法少女まどか☆マギカでも原作がないという不利な条件をはねのけて、結果としてヒットさせるということに成功したわけである。一見不利と思わせるようなダークな展開の話であっても、話題性をもたせるような仕掛けをしていくことでセールスに結びつけることが出来ることを示したといえる。また、震災による自粛中断ということも話題性を強める方向に作用したのではないかと思われる。
○ヒットを受けてのその後の「魔法少女まどか☆マギカ」は、2011年度の文化庁メディア芸術祭のアニメ部門の大賞を受賞するなどのいろいろなアニメ・メディア芸術の賞を受賞する。
マーチャンダイジングについては、作品放映後の1年間のほうが活発だったように思える。
○2011年12月号(11/10発売)のNewtypeで劇場版製作の発表あり。テレビシリーズの総集編前後編と完全新作の全3作品ということで製作する見込み。
○2011年4月から6月にCX ノイタミナ枠で放映されたアニメ。同時期のノイタミナ枠[C]同様に、アニメオリジナルで原作となるコミックスやラノベなどは無く、脚本から後で小説が作られたということはあるらしい。
○「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」というタイトルは長すぎるので、「あのはな」または「あの花」と略されて紹介されることがほとんどである。
○埼玉県秩父地方が舞台で、その風景などをふんだんに使っているが、作品そのもののテイストがあまりアニメらしくないところから、制作側としてはそんなにヒットするということは考えなかったらしい。
○西武鉄道が番宣ポスター掲示や記念きっぷを発売したり、ノイタミナショップでの販売や、作品中に登場する秘密基地を再現したものなど、比較的作品放映前後からいろいろとイベントなどを仕掛けていたが、それが作品自体のヒットで時間を引き延ばす形になったのは、対応した側としては想定外といっていいだろう。
○とりあえず幽霊ということになっている「めんま」は、作品中で幽霊らしくない実態をある程度もつ人物としてアニメとして表現されていて、そのめんまとそれを見て触れることが出来るじんたんを中心に、秘密基地を中心として「超平和バスターズ」の頃の活動と現在との狭間にとらわれる青年たちが、生き生きとかつ苦悩しつつ関わっていく姿が、深夜アニメの視聴層の共感を得たということになるのではないかと思う。
○Blu-rayメディアにおけるテレビアニメ第1巻の初動売り上げ約3万1000枚は発売当時で史上3番目という記録を残している。
○西武鉄道だけではなく、西武鉄道の子会社である秩父鉄道と東武鉄道がジョイント企画として「らきすた」と「あの花」の記念きっぷ販売ですべてそろえるとクリアファイルがもらえるということや、ヘットマークをつけた列車を仕立てたということもあるが、それは放映後の話である。
○放映後にもかかわらず、2011年夏に秩父で作品イベントが企画されて盛況のうちに終わり、2012年夏にも実施することを早々と決めている。
○メディア芸術祭では、おしくも審査委員会推薦作品となったが、同じ文化庁が選定する芸術選奨新人賞を受賞する。
○2012年になっても「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は、コミックス(2012年4月より)・小説(2012夏完結予定)・ゲーム(2012年夏予定)・夏のイベント・舞台地の祭りのポスター制作(例:芝桜まつり)など継続して仕掛けていくことを4月中旬の段階で決めたとのこと。また、超平和バスターズの「秘密基地」が2012/4/7-7/1秩父で公開とのこと。
○2011年4月から9月まで、独立U局やキッズステーションで放映されたアニメ。オリジナルアニメであり、当初は1クールか2クールかの期間は決めずにスタートしたため、後ほど2クールアニメとなったということ。
○作中ででてくる鉄道はのと鉄道を使っており、このため当初からいろいろとイベントを仕掛けていったらしい。西岸駅の駅名票の1つを作品中の仮想の駅「湯乃鷺」にして、放映後半年掲示することにしたり、車内アナウンスを登場する声優さんに変えたものをつくって期間・時間を決めて運行するなどしていた。2012年3月24日からラッピング列車を運行する予定。
○PA WORKS10周年アニメとして、制作発表段階から北陸・金沢を意識した仕掛けをしてきているようである。舞台となった温泉地である湯乃鷺温泉は海岸部ではなく内陸部(金沢市内から山のほうに入る)湯桶温泉である。放映2週間後にアニメで行われた「ぼんぼり祭り」を実際に湯桶温泉で実施し、地元紙である北國新聞によると5000人を動員したとのこと。
(2012.2の北國新聞によると、すでに10月頃の湯桶温泉の予約がいっぱいになっているとのこと。ぼんぼり祭りをいつ開催するか決まっていない段階で、この様な状況になっているほど、まだヒットの熱はあるらしい)
○のと鉄道や湯桶温泉以外も、能登半島のいろいろな場所をロケハンして舞台設定としているようで、聖地巡礼をする人にとっては結構大変なものになっているらしい。
○作品自体は1クールごとにある程度のテーマがあって話を締めているという形に仕上がっていて、2クールを単なる成長ものではなく働いていくことのいろいろなやっかいな出来事を丁寧に描いていったんじゃないかと思う。
○メディア芸術祭では審査委員会推薦作品になっている。
○花咲くいろは HOME SWEET HOMEとして、新作を製作しているとのこと。
○北國新聞 2012.3.25
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20120325104.htm
アニメ「花咲くいろは」のキャラクターを描いたラッピング列車が24日、のと鉄道七尾―穴水駅間に登場し、早春の能登路を駆け抜けた。出発式が行われた七尾市中島町外(そで)の西岸駅には全国から約300人のファンが詰めかけ、地元関係者は観光誘客の弾みになると期待した。
---引用終わり
とうとうラッピング列車を仕立てるところまで来て結構の動員があったようである。今のところ、4月までに運行ダイヤが発表されているが、ある程度の期間の運行が予定されている。平日の火水木曜日を除き、日中の車内アナウンスを花咲くいろはの声優さんによるバージョンのものを流すとのこと。運行は2012/5/6までを予定しているが、好評であれば延長の可能性あり。
○2012年のぼんぼり祭りの日程も、すでに決まったとのこと。湯涌稲荷神社ぼんぼり点灯式7/22(日)、湯涌ぼんぼり祭り10/6(土)
http://www.yuwaku.gr.jp/event/2012/20120324.html
すでに、昨年と同時期に実施を見込んで湯涌温泉の宿泊予約は満室らしい。
○2010年11月、12月にOVAとして発売されているが、実際は9月からAT-Xなどで先行放映されている。(15〜20分 全4話)
その1年後の2011年10月から12月まで、たまゆら〜hitotose〜として独立局やAT-XなどでTVアニメとして放映している。(全12話,OVAに未放映話1話収録予定)
○広島県竹原市が舞台となり、ARIAの制作スタッフが中心となって作られたのをある種ウリにしてOVAが放映されたが、日常系としてしっかりとした作りが幸いし、結構OVAとしてはヒットしたということから1年後にTVアニメ化となったらしい。竹原市やNGOなどの協力を結構得ているのではあるが、イベントの仕掛け方などかなり製作委員会のあざとく感じさせない慎重な形を期間限定でやったこともあり、結構の動員となったらしい。
○たまゆら〜hitotose〜の第1話は、主人公の楓(ふう)の中学時代までの居住地である横須賀市汐入も舞台となっており、京浜急行や横須賀市などイベントを仕掛けていったらしい。汐入駅では1日だけのイベントだったにもかかわらず結構の動員があったらしい、とNHK MAGねっとで取りあげられていた。
○オープニング曲に坂本真綾さん、エンディング曲に中島愛さんを基本にして作られていて、楽曲自体も結構ヒットしたんじゃないかと。それ以外でも、挿入歌が多様に使われていたこともあって、それだけでCDが発売されるという異例な形になっている。
○2012年3月4日のNHK クローズアップ現代の最初にわざわざタイトルコールを新規に製作していて、それも関連して聖地巡礼で若い人を中心に結構竹原市を訪れていることを紹介されていた。
○2012年3月25日付けで、第2弾製作の発表あり。これに伴い、AT-Xでのたまゆら〜hitotose〜の2012年5,6月の再放送が決まる。