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●アニメ番組回想(2004.11,12 2005.1)
(2005/01/16)
○KURAU Phantom Memory(テレ朝金2:12)
音楽や映像の透明感のわりには、途中から話が込み入ってきて、話に不透明感があった気がする。クラウとクリスマスとの関係のオチが推測しやすいだけに、それを納得させるだけの出来事を重ねられたかどうかは、疑問が残る。
○モンキーターンV(TX日0:55)
映像表現の向上とともにボートレースシーンのカットがコミックス以上に活き活きと描かれ、かつ安定した原作コミックスの話をうまく演出して違和感なく作り込んだ点は評価できる。
ただし、きれいに描きすぎているがゆえに、そのレベルの高さが分からないという問題もありそう。
○サムライガン(テレ朝火2:12)
話の構成と絵の表現のバランスが合っていなかった気がする。設定などが興味深いものになっていただけに、映像だけが一人歩きした感じがして惜しまれる。
○リングにかけろ1(テレ朝木2:42)
きっちり原作通りに描けているんでしょうけど、それゆえ絵からは熱さが感じられるが出来事には古さが感じられて、最近作られたのに懐かしく感じられたのはもったいない。(鉄人28号との違いで比較すると、このズレが明確になるかもしれない)
○無人惑星サヴァイヴ(NHK教育木19:30)
当初のよくありがちな異星への少年たちの漂流もので見るのを止めた人が、その後「見逃した…」と言わしめるくらい、奥の深い惑星に秘められた謎と少年たちの冒険の面白さが構築できていました。キャラクターの絵が比較的落ち着いたトーンであり、実質4クールと最近としては話がゆっくりと進行していったことで、最初の視聴者の引きつけがうまくいかなかったことが惜しまれる。
○こちら葛飾区亀有公園前派出所(CX日19:00)
いい意味でパターン化されたものをどうやって決まったキャラクターで目先を変えて見せていくか、に挑戦してきたアニメでしょう。素材による良し悪しの差はあったが、番組として見せるということで一定の水準を保てたという部分は、プライムタイムでのアニメでは必須なんだろうなぁ…とあらためて思うのでした。
○ローゼンメイデン(TBS金1:55)
設定などが特定のファンをつけやすい内容ではあるが、話の筋道の立て方や1クールとしての落としどころはきちんとしていていた気がする。登場キャラクターの行動に違和感がなかった点は評価できる。
○To Heart 〜Remember my Memories〜(独立U局など)
たぶん、当初組み立てていた話の軸に修正してつくられていると思われるが、結果としてありきたりな話に終わってしまった気がする。さらに、前作で人気の出たキャラクターがあまり前面に出なかったため、より見る側の興味をさます結果となったと思われる。
○蒼弩のファフナー(TX月1:30)
設定や話の流れはそんなに悪い質ではないが、引きつけるためのキャラクターや出来事が希薄で、最終話でようやく、もともとの視聴者以外にも興味深い内容になったのはもったいない。
○トランスフォーマー スーパーリンク(TX金18:00)
これまでのトランスフォーマーシリーズの設定や演出を踏襲しているため、それなりに質を確保している。でも、これまでの視聴層にとどまってしまっているし、最終話に向けての盛り上がりも特になかった気がする。
○マーメイドメロディーぴちぴちピッチpure(TX土8:00)
どう考えても3クール打ちきりのような話の流れに見え、無理に落ちをつけたと思われる。離ればなれの理由が、話の進行で希薄になってしまったり、前作よりご都合主義っぽい話が多かった気がする。キャラクター玩具の質の低下も影響しているかも。
○SDガンダムフォース(TX水18:00)
3Dモーションキャプチャーによるアニメ制作のスキルアップとしては特筆すべき作品。しかし、子供向けとしてはあまり突拍子ない設定もなく、パターン化されたものでおさまってしまったのが何かもったいない。
○B-伝説! バトルビーダマン(TX月18:00)
これまでのビーダマンシリーズのような、グッと引きつける技も特に出ず、別にビーダマンでなくてもよかったような話で終わっちゃった気がする。熱のある出来事もそんなになかった気がするし。
○双恋(TX木1:00)
物語の設定や流れそのものがあんまり意味あるように見えなかったなぁ。必ずといっていいくらい2人ずつの女の子たちが登場してくるカットが、みんな同じように見えてくるくらい、際立った部分が全く見られなかったです。
○げんしけん(キッズ土0:00)
ただ、淡々と大学の講義以外の状況を描いているだけだけど、そこここに共感できる出来事があったので見続けられたような気がする。結局、オタクになりきれないキャラに周囲が引きずり回されたストーリーとなったが、そのおかげでメリハリがついたと思う。
○お伽草子(NTV火1:10)
東京編になってから、ちょっと主人公たちの立ち位置にブレが出て、伝記もののような怪しさ以外が際立ってきた部分もあった。でも、前半で作り込んできた設定などをきちんと物語に折り込み、それにあわせた絵作りができた点は評価できる。
○プリンセスアワー(φなる・あぷろーち/W〜ウィッシュ〜)(キッズ金0:30)
まず、キャラクターの設定に合わせた見せたい場面を決めて、それに従って話を組んでいるため、意外な部分が全くないです。(意外な魅力を当初設定との違いで見いだせるような)作品世界に入り込めるかどうかが、見続けるための条件になってしまっている気がする。
○うた∽かた(キッズ火0:00)
ストーリーに危機的な状況を織り込んで、キャラクターを引き立てているらしいが、絵でそれを見せている感じがない。そのことがキャラクターの絵と相まって、違和感を感じさせている気がした。
○流星戦隊ムスメット(キッズ土1:00)
タイトルを一時変えたり、声の出演者を毎回コーナーとして登場させたりと、ファンサービスとされる部分は比較的多くの仕掛けをしていたらしい。でも、見せるべき部分がどうも焦点ボケしてしまっていて、なんかやっているなぁ…と、派食ったネタの元は浮かんでも、かわいらしいキャラも戦っている場面もその他の出来事も、全然残らない作品で終わった模様。
○グレネーダー ほほえみの閃士(WOWOW金0:40)
いろいろと込み入った設定なりがあるのかな?と思ったら、シンプルな話だったのが意外といえば意外。1クールものとして登場人物の数や物語の進め方は適切。キャラの設定もそんなに(色香に惑わすまでの)飛び抜けた印象はない。それゆえ、すっきりしすぎて食い足りない気がするが、この程度でおさえた方が良い作品が多いので、ある意味新鮮みがある。
アニメ番組のスポンサー一覧を作ってみました。
anime_sponsor0501.pdf (PDFファイル
2005年1月分です)
時間枠ごとのスポンサー自体の変化、放送枠そのものの変化が見て取れるかと思います。
過去分もあり
anime_sponsor0403.pdf (PDFファイル
2002年3月と2004年3月分)
anime_sponsor0404.pdf (PDFファイル
2004年4月分)
anime_sponsor0407.pdf (PDFファイル
2004年7月分)
anime_sponsor0410.pdf (PDFファイル
2004年10月分)
●アニメ番組ざっと見(2005.1)
(2005/02/04)
○ギャラリーフェイク(TX日0:55)
多少わざとらしいと思える演出はあるものの、ストーリーや設定がきちんと映像としてこなれて演出されていると思う。ただ映像としての派手さがなく落ち着いた感じになっているので、複数の視聴層への波及は難しそう。
○ああっ女神さまっ(TBS金1:55)
以前OVA化しているものを丁寧に話を再構築し、飽きることなく見せている点は評価できる。ストーリーの進み方がややゆっくりしているので、絵など作品世界に入り込みづらい人にとっては飽きられる可能性はあるかも。
○AIR(BS-i金0:30)
映像としての質の高さを保ちつつ、原作としたゲームの合間を埋めるストーリーを作り込んでいるようである。好き嫌いが出やすい絵ではあるが、それにあまりこだわらなければきちんと見せてくれる作品に仕上がっていると思う。
○魔法先生ネギま!(TX木1:00)
TVでは流すのが難しそうなカットが結構あって、まあなんとか乗り切っているようです。キャラクターに必要以上に依存することなく、ストーリーを1話のなかできっちり見せている点は評価できそう。それでも、絵やキャラクターをかわいく見せる部分に寄っているので、はじく人ははじく内容だねぇ。
○JINKI EXTEND(テレ朝木2:12)
登場人物やメカニカルなものがきちんと見ている側に納得のいく動きをしており、基本設定も話を進めていく中できちんと理解しやすいように映像として説明されている。引きつけるポイントがまだ定まっていないように見えるが、突拍子のない話にそれる心配がなく見ることは出来そうな気がする。
○スターシップオペレーターズ(TX水18:00)
細かい設定はあるものの、大枠の設定とそれに巻き込まれた登場人物がそれなりにすんなりと理解できた。ただ、戦闘シーンなどに派手さが感じられず、舞台となる戦艦が巻き込まれた戦争の設定部分にも、納得できるだけのスケール感がなかったのが気にかかる。
○まじかるカナン(独立U局,BS朝日,AT-X)
出来事のドタバタさとキャラをかわいく見せる場面がうまくかみ合っていないような…かわいく見えるべき主人公が際立たっていない気がした。
○Xenosaga the ANIMATION(テレ朝木2:42)
元となるゲームの映像を作り込んでいる部分はそれなりの水準にはあると思う。アニメとして設定をふくらませる部分があまり感じられなかったので、今後の期待はあまり感じられなかった。
○トランスフォーマー ギャラクシーフォース(TX土8:00)
マシンなどの3D映像表現などは結構見せてくれるものを感じる。ただ、ストーリーや設定を含めてこれまでのトランスフォーマーシリーズとさほど差異が感じられないので、既存ファンの維持程度の作品かも。
○ピーチガール(TX土7:00)
映像や台詞などの違和感はそれほどないが、原作が描いているであろう友情や恋愛のすれ違いなどは、これまでの作品の枠より多少狭い感じでしか、アニメでは今のところ描かれていない気がする。
○まほらば〜Heartful days〜(TX月1:30)
原作となるコミックスの世界感をうまく表現しているように思われる。でも、それぞれの出来事自体にあまり引きつけるだけの意外さといったものがなく、ほんわりとした世界感を表現する方に寄りすぎて、最初から見た人たちだけでまとまってしまいそうな気がする。
○B-伝説バトルビーダマン炎魂(TX月18:00)
新たなシリーズといっても、前作の続きでしかないように感じられるのは問題あるような気がする。
○好きなものは好きだからしょうがない!!(独立U局,キッズ)
ストレートに主題を描いている形になったためか、予定調和していて、いまいち危うい部分が感じられない。ただ、絵や設定としてはあやしい世界が描かれるだけに終わっちゃう気がした。
鉄道ではキャラクタービジネス利用が多いなぁ
(2005/03/20)
学校の長期休暇シーズンになると、子供向けを狙ったという感じでキャラクターを使ったスタンプラリーなどが鉄道ではよく行われます。
最近のトピックスとしては、JR北海道が海底駅利用拡大を狙った青函トンネル吉岡海底駅の「ドラえもん海底ワールド」と関連して運行される特急「ドラえもん海底列車」でしょう。
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2004/050315.pdf
ドラえもんの声優陣が2005年4月より刷新されるのにともない、これらイベントで車内や構内で利用されるドラえもんの声が、番組放送より早くリニューアルされますからねぇ…初日3/26のドラえもん海底列車は、北海道内のJRなどでの限定発売にもかかわらず、すでに完売。臨時列車運行とのこと。
鋼の錬金術師を利用したスタンプラリーを冬に引き続き春も開催するJR西日本。
ユニバーサルスタジオジャパンでの期間限定イベントもあり、春休みとゴールデンウイーク両方で開催。
http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/050318a.html
(注:ゴールデンウイークの方は、JR福知山線脱線事故のため中止)
JR西日本は、名探偵コナンなどとのジョイントイベントを開催。昨年は岡山・倉敷地区を対象にラリーイベントを実施。イベントでの謎解きについてアニメ番組(2話分)で制作するという凝り方までしています。
JR四国は、特急列車をアンパンマン列車としてペインティングなどを工夫したものを採用。これに関連して、スタンプラリーを開催。今回は春から夏の結構長い期間設定。
http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/05-03-17/01.htm
JR九州は、「つばめ」1周年関連と映画公開イベントとしてワンピーススタンプラリーを実施。
http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/9dd28b8cb8f46cee49256a7d0030d2e6/d6e8216d6e5cff0b49256fb0005800be?OpenDocument
JR東日本は、夏に自社グループ会社(JR東日本企画)も著作権を持つポケットモンスターのスタンプラリーを毎年開催。
関東私鉄でも夏を中心に旬のキャラクターを利用したスタンプラリーを実施しています。
以上、利用されている状況の概要をまとめてみましたが、結構多いことに気づかされます。
アニメ番組のスポンサー一覧を作ってみました。
anime_sponsor0504.pdf (PDFファイル
2005年4月分です)
時間枠ごとのスポンサー自体の変化、放送枠そのものの変化が見て取れるかと思います。
過去分もあり
anime_sponsor0403.pdf (PDFファイル
2002年3月と2004年3月分)
anime_sponsor0404.pdf (PDFファイル
2004年4月分)
anime_sponsor0407.pdf (PDFファイル
2004年7月分)
anime_sponsor0410.pdf (PDFファイル
2004年10月分)
anime_sponsor0501.pdf (PDFファイル
2005年1月分)
○ハチミツとクローバー(CX金0:35)
複数の恋愛模様を見せるという部分が淡いトーンでしっかり描かれているだけでなく、きちんとコミカルな部分も表現されている点は評価できる。あと、挿入歌の使い方もセンスがいい。
○ツバサ・クロニクル(NHK教育 土 18:30)
きちんとベースとなる部分も違和感なく表現されており、アニメオリジナルのストーリー構築もできているようである。映像と音楽との親和性もよく、小気味よく物語を見ることができる作品だと思う。
○これが私の御主人様(BS-i金0:30)
素直にマニアなことをやっている割には、タイミングよく映像を見せていることもあってあんまり気にならずに、コミカルなストーリーとして楽しんでみることができていると思う。(いや、ある程度同じスタッフで作った この醜くも美しい世界 とずいぶん違うなぁ…)
○エレメンタルジェレイド(TX火18:00)
必要以上にファンタジーとしての設定に寄ることなく、多少ゆっくりと設定を見せている感じではあるが、うまくストーリーを構築していると思う。それゆえ、食い足りない部分があるかもしれない。
○MAR〜メルヘブン〜(TX日10:00)
主人公のキャラクターで引っ張っている感じではあるが、何とかうまく見せ場を作りつつストーリーを進めている。ただ、主人公並みに引き込めるキャラがまだ出ていないところに不安がある。
○交響詩篇エウレカセブン(TBS-MBS日7:00)
多少ベースの設定が小難しい点があるが、話に引き込んでいくという点は何とかクリアした感じである。今後、主人公とともに引き込む何かが起こらないと、今の設定のままでは(重いテーマが見え隠れしている割には)食い足りない感じがした。
○うえきの法則(TX月18:30)
メインキャラがしっかり立っていて、2〜3話目から話がうまいこと転がってきた感じがある。ただ、あまり説明しないですっ飛ばしていく部分が多くなると、ついていけるかどうか気になる。
○トリニティ・ブラッド(WOWOWノンスク金0:00)
設定のどこか暗い部分をうまくコミカルに見せる話を織り込んでいるが、まだ見せ場となる部分とそれを引き立てる前段のストーリー構築ができていない気がする。
○創聖のアクエリオン(TX火1:00)
見せ場と思われる戦闘シーンでは設定通りと思われる見栄えがして納得できる映像が見られるが、その前後でのキャラクターの行動などは、大枠のストーリーとのズレがあるのか、どこかしっくり来ない部分がある。
○極上生徒会(TX木1:30)
学園ものとしては、のほほんとした非日常が起こっていくという感じで、丁寧な作りの割には、思いの外グッと来る部分がないかもしれない。
○ガラスの仮面(TX水1:30)
きちんと映像やストーリーをなぞっているだけで、アニメとしての見せる部分が感じられない。結構知られている話であるだけに、より違った強調した部分がないと飽きられてしまうような気がする。
○甲虫王者ムシキング 森の民の伝説(TX水18:00)
主人公が真面目な感じだし、それに絡んで登場するキャラもそんなに個性的ではない感じなので、思いの外淡々と物語が進んでいる感じがする。
○アイシールド21(TX水19:00)
登場するスポーツの楽しさを感じさせるような話はあまり表現されておらす、どちらかというと試合の場面ではそのスポーツの説明に終始しているように感じた。映像の割には、キャラ自体の個性は感じられなかったのも気にかかる。
○ふしぎ星の★ふたご姫(TX土10:00)
主人公のちょっと間の抜けた、でも能力があるためなんとなく活躍している場面は描けていると思うが、そのベースとなる邪魔をする相手方がいまいちスケール感がない気がする。
○おねがいマイメロディ(TX-TVO日9:30)
いつの間にか、アンパンマンと設定が変わらないような…マイメロディというキャラを活かした話という感じではなく、パターン化した子供向けの話に収まった感じ。
○ZOIDS GENESIS(TX日8:30)
シリーズが進むとどんどんパターン化した話になっているような…芯となるような敵役などの設定が希薄なので、引き込む部分が弱い気がする。
○LOVELESS(EX水2:40)
映像は原作が持つであろう雰囲気を適切に表現していると思う。ただ、その淡い雰囲気に飲まれてセリフやストーリーも雰囲気に載せているだけという感じがする。
○こみっくパーティー Revolution(独立U局,BS朝日)
前作同様に、行われる話が違うだけでセリフも出来事もそのキャラクターの反応もパターン化されたものにおさまっていて、作品世界にはまれるかどうかが見る鍵になる作品といえそう。
○いちご100%(EX水2:40)
原作の掲載誌を後で知って驚いたなぁ…あまりにパターン化された、よくありがちな複数の女の子との恋愛を繰り広げる学園もので、それ以外の話が見えてこないのが一番の問題。
○スピードグラファー(EX金2:40)
設定がパッと見た感じではゴチャッとして難解な印象がある。映像の見せ方はセンスを感じるが、必要以上に話を重ねている点は、巌窟王と同じ匂いを感じた。
○フタコイ オルタナティブ(独立U局,キッズ)
ある意味突拍子のない話を時にはだら〜っとした感じで進めていき、双子の女の子が出てくれば何でもありという雰囲気ではねぇ…適当にいろんなことをやってみましたという風にしか感じられそうになりそう。
○宇宙交響詩メーテル(アニマックス)
999の外伝なんですが、それ以上でもそれ以下でもない可もなく不可もない出来のもの、という感じで仕上がっている気がする。
○IZUMO -猛き剣の閃記- (独立U局,キッズ)
過去の時代設定に現代のような人がいる割には、話は過去の時代にそったものであること自体に違和感がある。それにストーリーや設定で納得させるだけのものがあるかというと、それも感じられず、パターン化した印象におさまっている。
○こいこい7(独立U局,キッズ)
いろいろ盛り込みたいがために、ただただ、借りてきたいろんな設定を使って女の子達をたくさん出して、絵を動かしている感じにとどまっている気がする。
○わがまま☆フェアリー ミルモでポン!ちゃあみんぐ(TX火19:30)
軸となるはずの主人公とその好みの男の子との関係が、これまでのシリーズで一番淡泊な感じがする。では、妖精達も立っているものが加わったかといえばそうではない感じだし、これまでの話を転がしていくだけのように感じられた。
●アニメ各社、相次ぎ実写コンテンツ制作
(2005/06/21)
NIKKEI NET 2005.6.21
http://www.nikkei.co.jp/news/tento/20050621AT2E2000720062005.html
アニメーション企画・制作各社が実写の映画やテレビ番組の制作に乗り出す。東映アニメーションとGDHはコンピューターグラフィックス(CG)技術を生かした劇場映画の制作を開始、創通エージェンシーは子供向けテレビ番組を企画する。ここ数年拡大してきたテレビのアニメ放送枠は頭打ちとなっており、収益源の多様化を急ぐ。
---引用終わり
映像を企画・制作する会社なんですから、そもそもアニメにこだわる必要はないわけです。ただ、その製作販売のノウハウがアニメに偏っていたからこそ、実写コンテンツに乗り出すためには、自社で映像化の企画から参画しているという必要があると思われます。このため、事例のほとんどがすでにアニメ化かその予定があるものに限定されているわけです。
そう考えると、TVの放映枠に限界があるから実写にもその幅を広げるというより、アニメと実写といったものの境がそれほどはっきりしたものでなくなりつつあり、どちらでもある程度生かせる可能性が出てきたということなのではないかと思うのですが。
●タカラ、竜の子プロを買収・玩具や映像配信に活用
(2005/07/02)
NIKKEI NET 2005.7.2
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20050702AT1D0105701072005.html
玩具大手のタカラはアニメーション制作の老舗、竜の子プロダクション(東京都国分寺市)を買収した。竜の子プロは「科学忍者隊ガッチャマン」「みなしごハッチ」など人気作品を多く手掛け、作品の9割以上の権利を自社単独で保有する。タカラは制作会社を傘下に置き、著作権確保などキャラクタービジネスの基盤を強化する。
---引用終わり
タカラは1990年代に女児向けアニメの製作に参画してきたのですが、バンダイと比べるとあまりうまく行っているといいがたい状況だったりします。少なくとも、制作側・権利側との継続した連携が取れて、キャラクタービジネスが出来ているということにはなっていないようです。合併予定の相手であるトミーも、まだ点でうまくいっているという程度で、自社で主導的にアニメ企画ができている状況とは言い難かったりします。
2000年代に入ってからだけを考えると、竜の子プロを思い出せる作品というのがほとんど無い気がするくらい、あまり評価されている事業活動が感じられないように思います。竜の子プロから排出された人材による製作会社でいくつかでは、企画まで含めて参画できる力を持っていて、その会社名と作品が結びつくのですけど。
まずは、これまでの作品でのビジネス展開で軌道に乗せ、それから多少時間がかかるがアニメ制作によるビジネス展開の拡大ということになるのでしょう。
うまくいけばいいのですが、新作にしろリニューアルにしろアニメ制作にはある程度の時間がかかるわけだし、時代の気分をある程度かぎとって作品にしていくことは(売るためには)必要なのですが、直近の状況ではそれが感じられないことに、不安感があったりするのでした。
NHK連続テレビ小説で、現在放送中の「ファイト」の高崎フィルムコミッションに限らず、いろんな地域のフィルムコミッションが、映画やTV番組の撮影に対して協力をしている例が増えているのはご存じでしょう。
…で、映像設定などをする必要のあるアニメも、具体的にフィルムコミッションの協力を得る事例が出てくるんじゃないかと思ったら、2005年7月開始のアニメで(今のところ見つけたのは)2作品出てきました。
「かみちゅ!」(EX水2:40)
尾道フィルムコミッション
「奥様は魔法少女」(キッズステーション土0:00など)
萩フィルムコミッション
こういった形での協力が、映像としてどのように活用されているかは、実際に見た方が分かりやすいと思いますので、チェックしてみてはいかがかと思います。
アニメ番組のスポンサー一覧を作ってみました。
anime_sponsor0507.pdf (PDFファイル
2005年7月分です)
まだ作成途中ですが。継続している番組の提供の変化が結構ありますので、2005年4月分と比較してよく見てみると興味深いものとなるはずです。
時間枠ごとのスポンサー自体の変化、放送枠そのものの変化が見て取れるかと思います。
過去分もあり
anime_sponsor0504.pdf (PDFファイル
2005年4月分です)
anime_sponsor0403.pdf (PDFファイル
2002年3月と2004年3月分)
anime_sponsor0404.pdf (PDFファイル
2004年4月分)
anime_sponsor0407.pdf (PDFファイル
2004年7月分)
anime_sponsor0410.pdf (PDFファイル
2004年10月分)
anime_sponsor0501.pdf (PDFファイル
2005年1月分)
かみちゅ!(EX水2:40)
舞台となる尾道の風景や1980年代をきちんと雰囲気として織り込んで、かつその時代っぽいアニメの物語表現として、きちんと作り込まれている点は評価できる。
絶対少年(NHK BS2土8:06)
絵の構成や出来事が実物っぽく丁寧に描かれているが、雰囲気そのものを見せる部分が多く、個別の出来事があまりに淡泊に表現されている気がする。
雪の女王(NHK総合日19:30)
絵や演出にちょっとクセがあるが、表現している世界自体はきちんと元となる童話の素材を活かしている。主人公の目線で物語を容易に見られる点も評価できる。
苺ましまろ(TBS金0:55)
かわいらしいキャラの絵のわりに、実際にいそうでありそうな小学生の世界をきちんと描けている。ただ、その小学生のシニカルな会話でなんとか興味を引きつけようとしすぎて、他の視聴層を引きつけるプラスアルファが感じられにくい。
フルメタル・パニック!the second raid (wowow木0:00)
前作のコミカルな部分が半減して表現する形になるが、それでも(前々作以上に)きちんと原作が持つ見せ場は表現できている。ただ、戦闘などの緊張したシーンばかりで引きつけていくことになると、ちょっと他の同種のものとの差異がなくなるので見る人を選ぶ可能性がある。
ぱにぽにだっしゅ!(TX月1:30)
ケロロ軍曹以上に元ネタが分からないと引っかかるツボが分かりにくいと思う。話がいろいろと脈絡もなく飛んでしまうので、見る人をえらぶよなぁ。
GUN×SWORD(TX火1:30)
ストーリーのややゆるゆるなものを残しつつ、たまに格好良く見せる部分と、映像表現の多少とがった格好良さがいまいちあっていない気がする。
シュガシュガルーン(TX土7:00)
かなりパターン化した少女マンガの魔法ものって感じだが、原作の持つテイストをただコピーしていて表現しているのか、いまいちしっくりと来ない。(本編よりエンディングアニメの方がしっくり来るのは、なぜ?)
D.C.S.S.〜ダ・カーポ セカンドシーズン〜(独立U局,キッズなど)
前作よりストーリーにもキャラの立て方にもパターン化されたものを感じる。軸となる話もみえず、ただ望まれた出来事が連なっているだけにみえる。
SHUFFLE!(wowow金0:30)
パターン化されたキャラやストーリー構成ではあるが、ちょっと違った感じがする部分がないわけではなさそう。でも、やはり類似のものとの差異はそれほどない。
ぺとぺとさん(独立U局,キッズなど)
人とさほど差異なく存在する妖怪さんたちがいるというのんびりとした世界感はうまく描けている。でも、個々の物語としては、そのあわい感じで焦点がぼやけているように見える。
プレイボール(独立U局,キッズなど)
かつての同種のアニメを、現代そのままの演出で行っていることを評価するならば、かなりよい水準である。でも、それだけで原作の枠に収まっているように思える。
きらめき☆プロジェクト(キッズ)
出てくるものや出来事が極端なだけで、結局カワイイキャラクターを描きたいだけに終始しているようにみえる。
らぶげ(絶対正義ラブフェロモン,それゆけ!外道乙女隊)(独立U局,キッズなど)
話やキャラの設定まで借りても、話はとってつけた感じで、結局カワイイとおぼしきキャラをたくさん出せばよい、という形におさまっている気がする。
タイドライン・ブルー(EX木2:40)
製作会社の過去の作品と同じような演出なり絵のトーンが感じられる。主人公があまりキャラとしてたっていない感じだし、それとは別に話が進む部分が多く、いまいち引きが甘い気がする。
奥さまは魔法少女(独立U局,キッズなど)
映像として動いているとは思うんだが、主線となる話がそれぞれのキャラに内向きに進んでいて、いまいち入り込みにくい。舞台となる街の映像も、必ずしも生かし切れていないと思う。
涼風(TX木1:00)
スタンダードな学園恋愛ストーリーで、きちんと主人公のキャラクターが立っていて、描けているとは思う。ゆえに、プラスアルファのような演出なり出来事がみえないので、食い足りない気がする。
●アニメ番組ざっと見(2005.4-9)
(2005.10.11初出)
2005年4-9月放送されて見たことのあるアニメすべてをコメントします。(回想だけを書くのが面倒になった、ということもある)
●平日午前
[しましまとらのしまじろう]
それぞれのキャラクターに合わせていろんなちょっとした出来事をまとめ上げ、かつある程度見る子供を納得させる内容に仕上げている。キャラクター設定とその絵がかなり固まっているので、ストーリーで内容を転がしていっている状況にまで落とし込まれている。
●土曜午前
[ピーチガール]
絵は比較的安定しているが、動きを見せるという部分ではもともと原作の絵自体に無理があった気がする。前半もたついた感じのストーリーだったが、後半にはきちんと納得できるキャラクターの行動や心情変化を展開できていたと思う。
[シュガシュガルーン]
比較的説明をすることなく、主人公同様唐突に物事が最初は進んでいた印象がある。ようやく関係するキャラクターが立ってきて、主人公が考え始める場面が出てきて、見やすくなってきたという印象である。
[トランスフォーマー ギャラクシーフォース]
製作会社が変わっているはずなのに、作品の印象が全然変わった感じがせず、さらにロボットなどの動きのわりに、人の描写が通り一遍な感じである。ただし、世界感はそのままできちんと表現されているから、それほど問題ないと思う。
[ロックマンエグゼ・ストリーム]
新たなシリーズに何度か変わっているはずだが、同じキャラで同じような出来事を回している印象をいまだ持ってしまう。それだけ、絵などが安定しているとも言えるのだが、新規性が見えにくいというのは問題あるかもしれない。
[ビューティフル・ジョー]
絵が特徴的なわりには、設定やストーリーは結構パターン化された感じであり、最初の頃の話をアレンジして回した形で終始したような感じであった。
[ふしぎ星の★ふたご姫]
明確に割り切った女児向けアニメで、きちんと定石にのっている設定や話・絵作りが出来ていると思う。
[ボボボーボ・ボーボボ]
とにかく、絵も話もそんなに悪くないのだが、時間的な表現(間のような部分)があまりにタメがなく進んでいったことに問題があったような気がする。
[あたしンち]
ベタな日常ネタを、きちんと面白く見せていき、その表現をほとんど変えずに来ている点は、かなり評価できるんじゃないかと。
●日曜午前
[まじめにふまじめ かいけつゾロリ]
キャラクターごとの役割分担も、時間を追った物語の進め方も、もう型が確立されたようで、安心してみていられる感じです。ただ、素材の選び方によって、いまいちという話が出てき始めている点が気にかかります。
[交響詩篇エウレカセブン]
制作・出資側が気合いを入れていたわりには、ゴチャゴチャした話に入り込みすぎて興味をそぐような話が、増えてきた気がする。絵の見せ方は割といいのだが、飛び抜けていい場面が浮かばないのも気にかかる。
[ZOIDS GENESIS]
ストーリーの進め方がゆっくりとしているが、きちんと違和感なく絵を動かしつつ、適度なタイミングで新たな展開を提示できていると思う。ただ、主人公たちがあまりグッと来る設定が感じられないようである。
[ふたりはプリキュア Max Heart]
2年目のシリーズになって、キャラクターとそれに絡むストーリーもこなれてきたし、適度にこみ入った話で子どもたちがドキドキ出来るような感じを構築できていると思う。
[金色のガッシュベル]
対すべき敵となるものが構築できず、一時期興味を削ぐ話に動きそうであったが、昨年のようなパターン化された危機をうまく作り込み始めてきているように思う。
[おねがいマイメロディ]
絵から受ける印象と話が最初の頃はマッチしていなかった気がするが、今はキャラの役割も含めてうまくパターンを構築できているようである。
[メルヘブン]
なんとか実際の敵となるものとの対決の必然性をストーリーで見せることができ、パターン化された感のあるが格闘大会のような形に持ち込めたので、なんとか見られる話にできたような気がする。
●平日午後
[それいけ!アンパンマン]
いい意味で、ある枠を外すことなくキャラやストーリーを構成できていて、さらにゲストキャラを登場させて話の味付けを変えていることで、ちょっと違った同じような話を飽きることなく見せ続けている点は、評価に値すると思う。
●平日夕方
[バトルビーダマン炎魂]
バトルの味付けがだんだん似ている印象が出てきたし、主人公たちが活動している世界も小さく感じられる。
[うえきの法則]
危機の立て方など少年もので格闘が入るものと、それほど差異はない気がする。ただ、主人公が明らかに他とはキャラの立て方が違うし、そんなに格好良くもないだけに、引きつけるものをうまく構築できていると思う。
[エレメンタルジェレイド]
謎解きとなる部分を見せるための話のタイミングがいまいちゆっくり出し過ぎて、その後必要以上に一気に展開する形になった気がする。ただし、きちんと納得のいく好ましいオチになって欲しいという風に見せてきて、その通りにできたのは良かったと思うが。
[BLEACH]
最初の展開がゴチャっとして分かりにくかった気がするが、きちんと対立軸とその戦いの過程が描かれるようになってきて、興味をうまく引きつけることができたと思う。絵も間もうまく描けていると思う。
[甲虫王者ムシキング]
カードゲームの説明といったものとは別個に話を構築しているはずなのだが、世界観に入り込めないと説明されない部分が多すぎる気がする。思いの外、絵も話もさらっとした感じで、いつでも入れるがいつでも出られるといった印象が強い。
[遊戯王 デュエルモンスターズGX]
対立軸があまり見えない形でストーリーが推移した気がする。主人公もそれほど話を引っ張っていく感じがせず、周囲状況でなんとか進めている印象が強い。
[陰陽大戦記]
危機の立て方がいまいち唐突な印象があり、主人公が立ち向かう必然性が感じにくかった気がする。あわせて、戦うためのツールなども映像的な調和も含めて、とってつけた感じがした。
[冒険王ビィト]
原作通りの話の運び方だったようで、その範囲できちんと描かれた感じはした。ただ、この作品らしい話があまり見えなかったように思えた。
[ケロロ軍曹]
キャラごとに転がせる話が限定してしまって、パターン化しつつあるのを時折崩そうとしているのだが、もともと設定自体がなんでもありにしているため、苦労しているように見える。だからといって、元ネタありのパロディにもシフトできていないのも気にかかる。
[とっとこハム太郎]
かなりパターン化した話のストックを作り込んだようにも見えるくらい、きちんと主人公たちが動いていると思う。でも、かつてあった演出の変化はなくなっているように思えた。
●平日ゴールデン
[BLACK JACK]
丁寧に原作を描けていて、見やすく分かりやすいものになっていると思う。ただし、映像の演出もそれに引きずられて多少ぎこちないところがあるように感じられた。
[名探偵コナン]
起こる事件そのものにあまり驚きがなくなっているし、うまく描けているために逆に謎を解くプロセスに興味がいっているような気がする。また、それぞれの事件に興味が向くため、連続した話としての設定が見る側から薄らいでいるようで、それが視聴者を確実に引き留めにくくなっているのかもしれない。
[焼きたて!! ジャぱん]
とにかく、突拍子もないことをなんとかパンとして作っちゃうという部分を、きちんと見せてしまっている点はさすがだと思う。ただし、演出が案外絵のわりに平板になっているようにも見える。
[わがままフェアリー ミルモでポン!ちゃあみんぐ]
これまでのシリーズと違って、主人公たちのそれぞれの行動がバラバラに動いていた感じで、同じ絵なのに違った作品という印象を受けた。
[アイシールド21]
強引に話を進めていく人とそれに引きずり込まれて力を出していく人が、うまく役割分担して話を進めていると思う。ただ、絵があまり動いているという印象がなく、試合がメインになると今後厳しいようにも思えた。
[NARUTO]
一時対抗軸が不明確になっていた時期があるが、目的を持って主人公やそれに関わる人が動いてくると、興味深く見ることができていたと思う。
[ポケットモンスター アドバンストジェネレーション]
ゲストとなるポケモンにあわせて話を構築していて、きちんと登場人物たちが役割に沿って進めていく。そういったパターンが、ようやくうまく出来上がっていて来たように感じた。
[ドラえもん]
声の出演によるしばりがなくなり、ある程度作れる話の自由度を増した形で、かつこれまでのパターンを崩すことなく作っていると思う。
[クレヨンしんちゃん]
いかに突拍子のないことをしているように見せる設定を1話ごとに作れるかが勝負であって、それをなんとか乗り切っていっているところは評価できる。
●土曜夕方
[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]
前作以上に話を広げていった感じがあるが、それをまとめていくための軸の提示がないままに、唐突に終わりに向かったという印象が強い。絵の動きもシンプルにまとめた感じで、キャラを見せることを重視した感じがする。
●日曜夕方
[ちびまる子ちゃん]
なんとか引き出しを新たに開いて物語を作り出している部分と、キャラの設定から出てきそうな話を作る部分が出てきて、うまく世界観の維持はできていると思う。
[サザエさん]
現代にありそうな場面を今いるキャラクターでなんとか表現していくということに挑戦していて、それをうまく見せている点は評価していいと思う。基本設定や表現は変えず、物語や周囲設定はきちんと変えてずっと継続できていること自体が驚きに値すると思う。
●日曜ゴールデン
[ワンピース]
一時期対抗軸を失ってキャラが自問自答しているように見えたのだが、すっきりと冒険への障害に立ち向かっている方が、もともと持っているキャラの設定からは、しっくり来ると思う。
●深夜
[創聖のアクエリオン]
絵として動いているが、その起こっているストーリーと前提がなんとなく分からないまま突き進んでしまった印象が強い。絵や音楽にとらわれて、話が勝手に進んじゃってしまった感じする。
[GUN×SWORD]
話の設定ととがった映像がしっくり来ない場面が続いたが、ようやく対抗すべき敵が見えてきて、コミカルな途中の話も含めて見やすくなったようである。
[MONSTER]
原作通りきちんと表現していたがゆえに、描写としてきつい部分まできちんと見なきゃならないことになり、興味引かれても厳しいなぁ…と思いつつ見てしまった感じでした。もう少し、原作とは違ったものを入れてみた方が見やすかった気がしました。
[ガラスの仮面]
原作者のいうとおりに作っているのでしょうが、必要以上にこだわっている表現が多い気がしました。絵も声の演技もそれほどきつい感じはないのに、なぜかきついなぁ…と思わせる場面が多いのが気にかかります。
[攻殻機動隊SAC 2ndGIG]
さらっと謎っぽいものが進んでいって、出来事にそって話が進んでいる印象であります。それぞれの絵などの質は高いのですが、つなげてみていまいちピンとくるものがないという感じでした。
[いちご100%]
登場人物がただ動いてその場の状況で話を進めているだけで、感情移入できるキャラが絞りにくいという感じがしました。絵や話を見て分かる設定からなら、原作のように感情移入できるんでしょうが。
[かみちゅ!]
映像などの設定に現実感を持たせることで、描いている(あり得ないかもしれない)ストーリーに納得感を感じさせて見せている点は、かなり評価できる。
[涼風]
パターン化されたすれ違い恋愛話としては、一定の水準にあると思う。ただし、もう少し感情表現を台詞より絵にした方が見やすいかもしれない。
[魔法先生ネギま!]
変でいろいろある学園での話を興味深く設定・表現でき、きちんと危機的な話も織り込めた点は評価できると思う。ただ、キャラの設定に寄りかかりすぎた話が多いのが気にかかった。
[極上生徒会]
もう少し主軸となるキャラに絡んだ危機を大きめに設定するか、それぞれのキャラにまつわる話をキャラが魅力的になるようにできれば良かったと思うが、なんとなくのほほんとした世界観の構築に終始した気がする。
[LOVELESS]
よく考えればちょっとしたことを大事(おおごと)として表現して、キャラごとの関係を納得させるという形は構築できていたと思う。ただそれに終始して、その雰囲気を味わえないと入りにくい点は難があると思う。
[タイドライン・ブルー]
危機の立て方やそれぞれのキャラの関わり方が、いまいち一つの線にのらないで、場当たり的に動いていた感じがする。絵としての表現は見せる部分が多かったと思うが、それだけでストーリーとの関連が見えにくかった感じもした。
[ハチミツとクローバー]
コミカルな描写や挿入歌を入れていくセンスは、かなり高水準であったと思う。オールすれ違いの恋愛をきちんと時系列に見せていく部分は、途中で興味が落ちる部分があったものの、きちんと最後まで描ききったと思えるように仕立てていたと思う。
[SPEED GRAPHER]
映像表現として際立った部分ばかりが目立ち、それを納得させるだけの設定などがあまり表現されない形で、映像表現の勢いで進んだという印象が強い。
[トリニティブラッド]
ごちゃっとした設定説明の話が結構多かった点が気にかかるが、危機の立て方やその説明はある程度納得でき、キャラの魅力的に見えるようになっていた方ではないかと思う。
[ああっ女神さまっ]
原作が持つ世界観を適切に、足すことも引くこともなく表現した点は評価できる。それゆえ、このアニメオリジナルの設定なり話が、あまり後半で機能しなかったのは、ある意味惜しいと思う。
[苺ましまろ]
きちんと設定した(小学生高学年の行動をその目線で表現する)視座を適切に表現している点は、かなり評価できると思う。また、話の選び方や絵及び演じ手の水準が高いことも感じましたね。
[ギャラリーフェイク]
きちんとした原作での考証やストーリーをうまく活用して、興味深く見る工夫ができていたと思う。原作以上にキャラが活躍している話もあったように思える。
[まほらば〜Heartful days〜]
絵の落ち着いたトーンのわりに、かなり起伏のある話を交えて、それぞれのキャラクターに興味を向けるようにしていった点は評価できる。それぞれ風変わりなキャラ設定のはずが、納得できるように感じさせていったことも、作品の世界観をうまく構築できたことと重ねて適切に表現できたからだと思う。
[ぱにぽにだっしゅ!]
いろんな作品のネタを取り込みつつ、突拍子もない話を強引とも思える形で一つの話に仕立てているはずなのに、きちんと面白がれるというのは、高水準の技術なのかもしれない。
●BS
[モンキー・パンチ 漫画活動大写真]
とにかく、原作のテイストをそのままに映像化したという程度で、可もなく不可もなしというところでしょうか。
[BUZZER BEATER]
ハイビジョン対応のはずなのに、映像としての粗さが(通常画質でも)目立った点がまず気にかかる。主人公よりも周囲のキャラが話を回していて、いまいちグッと来る話が作り込めていなかった気もする。
[これが私の御主人様]
適度な範囲で突拍子もないことを映像にしていて、それでいて女性キャラがかわいく描けているからこれはこれでいいかも。いまいち話がうまく転がっていなかったようで、強引にまとめちゃった感じがした。
[新釈 眞田十勇士 The Animation]
ある意味ストーリーを忠実に淡々と表現していて、登場人物に目線を置く場がなかった気がする。絵も作品にあった形で選択されているが、この世界観を好む人以外は見ようと思えなかったりする。
[GIRLSブラボーsecond season]
必要もない表現が多かったような…ベースとなる主人公のすれ違いや分かれそうになる部分が、唐突に進んでいきなりオチに進んだ感じで、キャラそのものに興味がないと継続してみるのは難しかった気がする。
[フルメタル・パニック!the second raid]
戦闘の部分は結構きれいに描けていると思う。でも、そのベースとなる話が敵キャラの他人からイヤと思われる部分が強調されて影響し、それを緩和するような話がほとんど描かれなかったため、継続視聴がきついと思えたような気がする。
[SHUFFLE!]
途中からエロい表現の制限がなくなったためか、必要もないと思われるキャラの迫り方や行動が多くなった気がする。それゆえ、キャラそのものに興味がないと見るのは難しくなりそう。
●NHK
[おでんくん]
キャラ設定に目新しさはなく、ちょっとした話でクスリとさせるように作られている。ただ、表現が同じトーンにおさまっていて、前の話をおぼえているとちょっと…かも。
[おじゃる丸]
ある出来事が起こっても、そのキャラにあった形で元通りにしてしまうストーリーが作られているようである。それゆえ、キャラがきちんと設定通り演じる必要があり、それがずっと出来ている点はさすがである。
[忍たま乱太郎]
学校で先生と生徒や生徒たちが起こしそうな話を、うまく形にしていると思う。それゆえ、キャラ設定さえ間違えなければ、いろんなアレンジができる話になっていると思う。
[MAJOR]
最近なかなか見ることのできない、明確な目標を持って進む主人公を描く話であり、それを現実感ある形で映像化できた点は評価できる。
[ツバサ・クロニクル]
もともと原作が持っていた設定の緻密さに、ストーリーや映像表現・音楽などで新たな枠を構築し、新たな場を構築してキャラクターを魅力的に見せていけたのではないかと思う。
●独立U局,CS
[英國戀物語 エマ]
もともとあまり極端な動きがないだけに、緻密に映像を作り込んで、かつ原作からも納得できる形での話を構成していけたことが、興味深い作品となったのではないかと思う。
[IZUMO -猛き剣の閃記-]
もともとも原作をアニメに置き換えただけで、そんなに悪い点もないが、アニメらしい表現なりキャラの見せ方もなかった気がする。
[こいこい7]
ただ、いろんな作品などの表現を集めて、キャラに動かしていただけのような気がする。
[フタコイ オルタナティブ]
一見、挑戦的にいろいろな表現をしていたように見えるが、単に設定したキャラクターに演じられるように設定を変えて、そのキャラたちが動いていただけだった気がする。前後の話がつながらず、シリーズとしてもオチも見えなかったですからねぇ。
[こみっくパーティー Revolution]
前作同様、きちんと設定にあった話を作って、それを動かしていただけで終わったようです。
[好きなものは好きだからしょうがない!]
それぞれの話ではきちんと納得できる形で終えているが、結局は主人公たちが今のような形でいることを納得させるために行っていることを表現しているだけだからなぁ。キャラクターに思い入れがないと薄っぺらく感じるかも。
[絶対正義ラブフェロモン]
とってつけたような設定と話で、ただあるシチュエーションのこんな絵を描きたいということだとしたら、それは狙い通りに作られていると思う。ただそれだけの作品かも。
[それゆけ!外道乙女隊]
別にあんなにたくさんのキャラを並べなくても…と思うくらい、単にキャラがたくさんいるだけで、あとはストーリーがあるから動いているだけで終わってしまった感じである。
[ぺとぺとさん]
設定は興味深い適度な不思議さを持っていたと思うが、そのうちキャラクター設定については、うまく話の中で組み入れることができていなかった気がする。ただし、設定としてあった世界観はうまく描けていたと思う。
[奥さまは魔法少女]
必要以上に主人公たちが悩んでいる姿が表現されていて、舞台設定やキャラ設定が話とうまく絡めていなかった気がする。キャラの絵と舞台設定が、いまいちずれていた点も惜しまれる。
[D.C.S.S.〜ダ・カーポ セカンドシーズン〜]
前作よりもそれぞれのキャラクターの違いが分かる話が、うまく作れていない気がする。ゆえに、絵と前提設定でキャラに興味を持っていないと、見続けるのは前作以上に難しいかもしれない。
[プレイボール]
絵や表現が原作同様古い印象もあるが、見る側が感情移入すべきキャラがなかなか見えてこないため、上っ面の話を見ていくだけで、野球にある程度興味がないと継続視聴しにくい気がする。
[あまえないでよっ!!]
コミカルに動かすキャラの方が本来の役割以上のことをしていて、シリアスな話に戻すキャラがあまりストーリー上も機能していない印象を受ける。結果、設定とストーリーがあまりつながって機能せず、どっちつかずになった気がする。
[機動新撰組 萌えよ剣TV]
絵や設定はそのままでも、OVAより多めの(異なる印象のある)話を用意しなければならないのだが、結局そのOVAと類似した話しか提示できていなかったような気がする。
●ARIA The ANIMATION
(2005/10/12)
そんなに出来事があるわけでなく、映像と音楽と作品ののほほんとした雰囲気だけで見せるアニメって、実はあんまりないんです。
(そもそも、企画としてあんまり通過しにくいと思う)
個人的に、講談社月刊アフタヌーン連載でOVAでアニメ化された「ヨコハマ買い出し紀行」は、そういった世界観をうまく表現した作品でして、気に入っていたりします。
そんな感じのアニメとして、2005年10月改編で登場したのがマッグガーデン 月刊コミックブレイド連載の「ARIA」があります。
http://www.ariacompany.net/
TX系の深夜(TX木1:30)とAT-Xで、実はAT-Xの第1話は無料放送。
よくよく見てみると、音楽担当がChoro Clubでして、実は「ヨコハマ買い出し紀行」のOVA2弾目の音楽担当だったりするんです。
http://www.players.co.jp/~choro/
音楽としての期待はばっちりですし、作品自体「未来形ヒーリングアニメ」とキャッチフレーズをつけていますし、それに違わない第1話だったんじゃないかと、思ったのでありました。
アニメ番組のスポンサー一覧を作ってみました。
anime_sponsor0510.pdf (PDFファイル
2005年10月分です)
まだ作成途中ですが。継続している番組の提供の変化が結構ありますし、新たなスポンサーも登場しています。
時間枠ごとのスポンサー自体の変化、放送枠そのものの変化が見て取れるかと思います。
過去分もあり
anime_sponsor0507.pdf (PDFファイル
2005年7月分です)
anime_sponsor0504.pdf (PDFファイル
2005年4月分です)
anime_sponsor0403.pdf (PDFファイル
2002年3月と2004年3月分)
anime_sponsor0404.pdf (PDFファイル
2004年4月分)
anime_sponsor0407.pdf (PDFファイル
2004年7月分)
anime_sponsor0410.pdf (PDFファイル
2004年10月分)
anime_sponsor0501.pdf (PDFファイル
2005年1月分)
カードゲームなどのコンテンツラインナップの充実を図れず、転けまくっているブロッコリーはともかくとして、興味深い作品プロデュースを中心とした企業について書いてみます。
マーベラスエンターテイメントは、かなり幅広い作品ジャンルに対して、自社グループや他の企業との協力でコンテンツ販売をしています。「capeta」「涼風」「蟲師」と、かなり違った方向性の作品をラインナップして、きちんとある一定水準以上のプロデュースを行えるのは、気になる存在です。
自社が関わるコンテンツでなくても、ミュージカルやゲームのプロデュースを行えるのも、かなり強みになっていると思われます。
アニプレックスは、鋼の錬金術師以降の作品ラインナップと楽曲も含めたプロデュースの強化が著しく、当たりはずれの幅も広いが、目を見はるものがあります。映画NANAのプロデュースと関連して、「パラダイスキス」も並行して進めたり、「かみちゅ!」「焼きたて!ジャぱん」「BLOOD+」「ギャラリーフェイク」といったかなり異種な作品群を抱えており、CDセールスもSMEグループやそれ以外も含めて対応できる柔軟性を持ち合わせています。
マッグガーデンは、あくまでコミックスでの収益が基盤の会社なのだが、アニメ化によってその基盤を高めるという形になっています。どちらかというとアニメ化しやすかった他社のファンタジー系の路線から、作品世界を見せていく「ARIA」などを展開することによって、その作品群の幅を広げ、結果プロデュース力をつけつつあるというところでしょう。
作品のバリエーションを増やしてプロデュースできること。そうしないと、いくらファイナンス手法があってもコンテンツ企業としての存続は危ういだけに、こういった動きがある企業は注目に値すると思います。
●アニメざっと見 2005 年10月速報版
(2005/10/28)
作品個別でなく、概要として書いてみます。
(作品ごとは後ほど書きます)
平日夕方・土曜朝については、想定通りの仕上がり…ということにしておこう。
ターゲットそのもののズレを感じたり(こてんこてんこ)
間が悪かったり(アニマル横町)
狙いすぎだったり(韋駄天翔)
なんか話が変わっている(冒険王ビィト エクセリオン)中、
そつなく作られているもの(カペタ)もある。
前作の評価を受けた作品は、どちらも無難に水準クリア。
(ローゼンメイデン トロイメント、舞-乙HiME)
土曜夕方という時間枠で、表現を含めて、見ている方が
ハラハラしてくる作品も登場したからなぁ。(BLOOD+)
深夜枠全般に、これまでの傾向通りの作品が多い中、
アクションも含めて比較的興味を引きつける作品も出てきている。(灼眼のシャナ)
その作品と重なっている地域があり、
質が高いが深夜では眠くなる作品もある。(ARIA The ANIMATION)
これは、比較的ノーマークだっただけに、掘り出し物という評価になっているらしい。
フジ深夜枠は、
ノイタミナ枠は順当だが、前よりもそれほど評価されている感じではない。(パラダイスキス)
もう一つ深夜かなり遅いにもかかわらず、1話が2ちゃんねるですら評価するのが多かったのには驚いた。(蟲師)すでに、2話への期待も高まって大変だと思う。
日テレ枠では、
しゃべりが多いのが気にかかるが、しっかりした演出で見せている麻雀アニメ(闘牌伝説アカギ)もあるが、
映像などはきれいだがすんなりと流れてしまった、登場人物がある作品と重なるアニメもある。(Angel
Heart)
アクションで見せるのか、ストーリーで見せるのか、いまいち判然としない作品も散見される。
(IGPX、BLACK CAT、SoltyRei、ノエイン もうひとりの君へ)
ターゲットを絞りすぎて、平板な演出のものもあるし、(クラスター エッジ)
妙にがんばりすぎるキャラクターで、いまいち空回りしているものもある。(ガンパレード・オーケストラ)
まあ、ざっとこんな感じでしょうか。
蟲師は第2話まで放送が終わったんですが、TV放映する商業アニメーションという形態でありながら、ここまでアーティスティックな「作品」としてのこだわりを守り続けて作られているという意味で、かなり貴重なアニメの一つと言い切っていいと思う。
毎回エンディング部分の映像が1枚の写真で見せていくし、そこに流れる音楽も毎回カスタマイズして作っている。それも、作品本編とふまえてものとして作られている。
漫画作品の雰囲気やその映像をより具体的に見せていく映像作りや脚本・演出は、かなりバランス良く作られており、むしろこれを2クール維持して作り続けられるのか、ということを視聴者の側が心配してしまうくらいである。
日経産業新聞(2005年10月26日)によると、この作品はマーベラスエンターテイメントでは20代後半の社員に担当させているという。
また、この作品には「蟲師空間」というブログに近い機能を持たせたサイトでの制作側・ファンどちらも参加できる日記や掲示板での交流も行っているが、こちらの反応も現時点では総じて好評である。
http://www.kanshin.jp/mushishi/
東京地区JRの電車内中吊り広告(10/21-23)とか深夜アニメでは異例の30秒CMによる番宣など、力の入れ方もかなりのものであり、それに見合うだけの作品であるにもかかわらず、これが関東・関西・中京・福岡・北海道・広島の6局しか放送しないことが、とにかくもったいなく感じる作品である。
さらに付け加えると、
蟲師空間の中でスタッフがCGを使っていない絵作りをしているといっているのであるのだが、動きのある高質な絵の表現があるとついCGと認識して評価する人かかなり多いことに気づかされる。
日本のアニメでは、比較的動きがある質を一定ないし高めた映像作りでCGをまず導入してきたところが多く、それをPRしていたことがこの認識の元であると思われる。
先日のNHK BSアニメ夜話(2005/10/24 ほしのこえ)で述べられているようにハリウッドなど制作側のCG導入の意図は、質を変えることなく(人件費が多くを占める)制作コストを下げるためであることもふまえると、この評価のズレを直していかないと、この蟲師の正しい評価がされないのではないかと思えてならない。