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●2003年12月に終わったアニメ番組
(2004/01/21)
○高橋留美子劇場 人魚の森
原作マンガをきちんと表現するという部分ではうまくいったと言っていい。映像的に必要最小限のデフォルメにとどめ、声優の演技力に頼った部分が大きかったことが、功を奏したように思われる。
○D.C.〜ダ・カーポ〜
キャラクターごとの主人公への関わりがパターン化していて、絵やシチュエーションは違うはずだが同じような印象を受ける。いっそ1クールでキャラを絞った方が見やすかったかも。
○君が望む永遠
映像としてみせるよりも、出ていることが重要に思えるような感じを受ける。台詞は凝っているようにみえるが、貼り付けて結果としてシチュエーションに合わせているようにみえるだけに、アニメ化する必要性自体も感じにくかった。
○Avenger
舞台を明確に絞った点は評価できるが、逆にキャラクターやストーリー構成に(これまでもそういえない部分があるけど)広がりがなくなってきて、とがっている表現の方が目立つ印象を受ける。
○爆転シュート ベイブレード Gレボリューション
ベイブレード自体の勢いとともに進んできた感じでしょうか。大会での戦いで盛り上げる手法も、新たなキャラ・設定も、想定範囲内でこれはこれでよしというところでしょうか。
○超ロボット生命体 トランスフォーマー マイクロン伝説
終わった気がしないなぁ(シリーズが変わるだけだし)型を楽しむという部分のわりには、設定はそれなりに変わっているようですが、それがあまり感じられないというくらい、表現・ストーリー構成が定着しているんでしょう。たぶん。
○神魂合体ゴーダンナー!!
吹っ飛んだ(ある意味想定外の)勢いある何か起こったときの表現と、それ以外の淡々と描きべき日常の差があったようななかったような…勢いだけで進んだがために、私としては印象が薄い。
○真月譚 月姫
映像もそれなりにきれいだが、キャラクターとストーリーとの関わりがいまいち希薄。ストーリーで引きつけるべき出来事自体も、映像のきれいさのためか重みを持った印象に欠ける。必要以上にキャラへの思い入れが薄いのは、気のせいであってほしいが…
●アニメ新番組ざっと見(2003.11,2004.1)
(2004/01/21)
まず、2004年1月開始分
○モンキーターン(TX土24:55)
よくボートレースの映像をここまで違和感なく見せるとは…と、アニメビジネスフォーラムで1ヶ月前に見た画面と本放送を見比べて思ったりしたものです。
そりゃともかく、競艇学校の部分(たぶん数巻分)を2話分にして相当省略しているし、髪がみんな短いから区別つきにくいんだよなぁ…それが取っつきにくくなっていることになるかも。そういうこともあって、判断保留。
○マリア様がみてる(TX水25:00)
コバルト文庫初のアニメ化だそうで…2話目からようやく映像と台詞がしっくり来ましたが、それにしてもしゃべりにくそうな言い回しの連続です。ある意味格式ある世界感に入り込めればそこそこ楽しめる作品かも。
○十兵衛ちゃん2 〜シベリア柳生の逆襲〜(TX水25:30)
前作と主人公の声の出演が変わって、プロデュースも一部変わっていますが、制作側のその他の体制には何らの変化もないこともあり、前作同様のテンションですねぇ。前作をおもしろいと思えば、しっかり楽しめそうです。
○トランスフォーマー スーパーリンク(TX金18:00)
ここまでシリーズが続くと、パターン化が心地いい感じですね。それゆえ、設定の違いが分からなくなってきてしまってコメントしにくくて…
○SDガンダムフォース(TX水18:00)
米国で先行放映しているものとのこと。3Dアニメにありがちな不必要な動きが気にかかるが、2Dアニメ的な絵の属性も持ち合わせて違和感なく見られる。でも、ストーリーはそんなに際立ったものはなく、子供向けのパターン化された話になるのかな?
○B-伝説! バトルビーダマン(TX月18:00)
ビーダマン自身が主役キャラでない話になりましたが、それが逆にビーダマンを使ったゲームのバトルものとしてのストーリー構成を使えるので、そんなに飽きられることなく話を組めるのでは。ただ、主人公達のキャラにそれほど魅力的な設定をしていないような…
○エリア88(テレ朝木26:12)
OVA同様マンガ原作ファンにはいろいろ苦言をいわれるだろうなぁ…どの場面を格好良く見せたいのかが明確でないような気がする。平均的に丁寧に描けているし、ストーリーもある程度動いているがその程度のものにしか見えない。
○ごくせん(NTV火24:53)
いい意味でも悪い意味でも原作コミックス通り。実写ドラマ化したときのような、際立つ特徴もないように見えたからなぁ…見ていてもす〜っと流れてしまった感じだし。
○北へ。 〜Diamond Dust Drops〜(AT-X火10:00他)
主役キャラと背景はきれいに描けていますねぇ…でも、それ以外は特筆すべき内容は無し。とってつけた話を並べているだけの印象を拭えない。
○みさきクロニクル 〜ダイバージェンス・イヴ〜(BS朝日・AT-Xなど)
前作(ダイバージェンス・イヴ)より時間的に前の話なんだそうで、前作にはまった人は見られるけど、それ以外は相手にしていない気がする。まあ、オープニングとエンディングアニメだけは作品とある意味無縁で明るい感じで見られるからいいのか。
○ゆめりあ(BS-i木24:30)
ここまでご都合主義の話というのはどうもねぇ…キャラのかわいさと素直な主人公のスケベ心(及びとまどい)だけで話が動いているというのは何かねぇ。絵もそこで止まっている感じだし。
11月開始分
○ふたつのスピカ(NHK BS2土9:00)
NHKの宇宙もの3アニメシリーズ(プラテネス・無人惑星サヴァイブ)の中でも、落ち着いたトーンの作品。ストーリーで起こる出来事の起伏も(実際の出来事の重みとは異なっていて)それほど際だった表現をせず、それでもキャラクターをうまく見せている点は評価できる。
○ボボボーボ・ボーボボ(テレ朝土19:28)
パターン化したギャグ表現ではないんですが、マンガとしてはおもしろく表現出来た内容をそのままアニメ化した感じで、ズレとしてのギャグがいまいち上っ滑りしている感じである。
○クロノクルゼイド(CX月26:28)
どうしても第1話は設定を説明しすぎてしまい、作品がベースに持つ部分に引きずられてしまうが、コミカルな話をまず置いてその後にベースを持ち出したのはうまくいったと思う。ただし、表現やストーリー構成・キャラクター設定は、平均点レベルですが…それすらいっていない作品が、多作で多いんですけど。
放映後CS放送になってみたもの
○瓶詰妖精 -Bottle fairy-
かわいらしく描けてて、季節に合わせてしょ〜もないことをやっているだけなんですが、そののほほんとした世界観を描けているからまあいいか。
○藍より青し〜縁〜
前作以上にただみんなで仲良く楽しんでいるだけの話になっているんだもんなぁ…前作よりも恋愛のすれ違いとなる場面が少なく、前作にはまれないとたぶん評価できない内容かも。
出てきた当初から、ちょっとセクシーだったりする年上のお姉さん役が多かったようです。それは、比較的高くもなく低くもない声の音域とちょっとクセのある、ほどよいざらつきのある声質というのが影響しているように感じられます。そういったクセがあるのですが、逆に高めの声を強調すると素直なトーンの声になるようでして、なかなかかわいらしい声も魅力的だったりするような気がします。
最近は、いろんな番組での「姉御」の声を演じていらっしゃるようでして、かつてよりもより強調されて登場しているような感じです。でも、同じようなのにきちんと違って演じられている点はさすがです。クロノクルゼイドのサテラとか、鋼の錬金術師のリサなど、似通ってしまいそうな気がするんですが、そうはなっていませんよね。
個人的にいい仕事しているなぁ…と思ったのは、pianoの暁子役。普段よくやっている姉御っぽいけだるさ・妖艶さ・凛とした感じなどとは違って、口うるさいけど時にはやさしく語りかける母親を違和感を感じることなく演じきっていたのは、私としてはかなり声の演技として印象に残ったものでした。
あと、R.O.Dのナンシー役は、OVAの最後の部分以降のあのかわいらしい声というのは、普段の役や演技を聞き慣れていると同じ人の声とは思えないくらい、違和感なく演じきっているような気がします。
アニメ番組のスポンサー一覧を作ってみました。
anime_sponsor0403.pdf (PDFファイル
2002年3月と2004年3月分です)
anime_sponsor0404.pdf (PDFファイル
2004年4月分です)
時間枠ごとのスポンサー自体の変化、放送枠そのものの変化が見て取れるかと思います。
かなりおおざっぱな説明になってしまいますが、アニメ作品に対するスタンスについて、レコード会社(販売側の企業といった方が適切かも)ごとに語ってみます。
○エイベックス
新興勢力らしく、自社の楽曲の(オープニング(op)・エンディング(ed)部分への)タイアップからスタートし、自社が制作にも参加したアニメもいくつかある。
犬夜叉は、エイベックスとしてはビデオ販売・サウンドトラック・op,ed曲まで行った中では比較的うまくいったが、制作に主体的に入っているとは言い難い。
制作に主体的に入った作品(009・チャンス トライアングルセッションなどなど)が結構あるものの、その積極性と裏腹にいまいアニメファンに訴求していない気がする。
頭文字Dと機動天使エンジェリックレイヤーは、その中で例外的な作品といえる。頭文字Dは、エイベックスがもつ楽曲と作品がうまくマッチングしており、エンジェリックレイヤーは、エイベックスらしい楽曲の登場が抑えられた点でうまくいったと思う。
今後も、アニメに対する制作を含めた関与は強化されると思われるが、自らの得意技を確立するための模索が続くと思われる。(というか、自分の持っているコンテンツを無理矢理押し込んでいるように思えるが)
最近のアニメ制作への関与は、作品群の絵的な偏りが大きく、また子供向けといわれる部分への対応がほとんどされていない点がやはり気にかかる。
○ビクターエンタテインメント
自社制作以外のアニメビデオを販売しないというスタンスが特徴的。サントラを中心としたアニメ作品への楽曲提供では、たぶん最強のサントラ制作集団と言っていい制作部が存在する。(たぶん)
自社制作のアニメは、年に1〜3作品程度。その分クオリティーを高めたものを企画でき、何らかの話題となって大はずれすることはないようである。
自社制作のアニメでの提供枠でのCM以外でも、サントラなどの楽曲提供作品でもCMを出す点は、他者との差異を顕著に見せる例ともいえる。
Noir,LASTEXILEなど、たしかに見せる部分がしっかりある作品が多いなぁ。しかし、偏りが大きい部分が気にかかる。
○キングレコード スターチャイルド事業部
キングレコード本体とスターチャイルド事業部(スタチャ)は、どうも違った組織という気がして仕方ない。キングレコードというCM最後での表記が、スタチャの作品ではほとんどついたためしがないからねぇ。
スタチャは、見かけ上声優などの自社で比較的活動している方をメインキャストとして固めて、キャラクターを中心とした作品が多いと思われている。しかし、実際は作ってみたいという意志が見られる作品をチョイスして、その資金面・人的な面も含めた土台作りをプロデュースし、宣伝や販路まで確保して、トータルで利益を出すという、総合プロデュースとしての役割が大きい。
このため、自社で販売できるCD・ビデオを制作関与していても他社に販売させる例も多い。
たくさんの企画を行っているため、コアなアニメファンにとっては好まれない部分も多いらしい。また、制作終了後に関係者とのもめ事が露見することもある。
作品ごとに、放映・販売形態をいろいろ変えていて、結果としてかなりの数の作品を並行して行っている。それらを有機的にまとめて宣伝していく術ももっており、それゆえ総合プロデュースで成り立っていると言い切っていいのでは。
(スタチャのスタッフの幾人かが、最近知的財産関係に移動になっているらしく、その辺の強化も図っているのでは)
○パイオニアLDC→ジェネオン エンタテインメント
当初は、それほど積極的に自社が制作に関与した作品ということではなく、ビデオ販売強化の一環として行ってきた感じがする。このため、暴挙とも思える策に出た例もあった気がする。(天地無用を日18:30に放映した例)
萌え系のかわいらしいキャラクターを中心とした作品が多いという印象があるが、最近はそれとは別にターゲットを絞った形での作品が多く、挑戦的な作品が増えてきている。(Hellsing,L/R,灰羽連盟,魔法遣いに大切なこと など)
キャラクターソングなどの企画ものでは、スタチャやLantisなどと双璧をなす「当たり」を出している気がする。しかし、自社の所属歌手となると声優に限るといまいち。しかし、自社所属の歌手によるop,edの提供という部分ではある一定の果実を得られる状況まで持ち込んでいるといえそう。
○バンダイビジュアル
アニメビデオの総合商社といった感じでしょうか。子供向けからかなり重厚なストーリー・映像のものまで、いろいろ手がけております。
スタチャとは対極としての部分があり、まず企画を練り上げて制作に入り、徐々に商品化を進めていくが、あくまでアニメ制作とビデオ化までで収まっている感じである。
このため、バンダイビジュアルの他に複数の会社が関与することになり、思いの外バンダイビジュアルが主体的になっていない気がする。
それでも、多数の作品に参画していることにより、継続的に提供枠を確保してCMを流せるということもあり、単品の作品ごとでのCMに終わりがちな宣伝活動が継続できるため、他より強みとして生かせているようである。
○ポニーキャニオン
アニメ向けの楽曲制作がメインだったはずだが、1990年代前半にアニメ制作を積極的に行ってきていた。ここ数年ほど制作から遠ざかっていたが、最近またアニメ制作に関与してくるようになる。
萌え系の作品が比較的多かった印象があるが、どうもアイドル的な売り込み方がしやすいということに起因するらしい。
ある時期までは、スタチャ並みに声優をアイドル的にアルバムやシングル制作をしていったのだが…あ、今でもやっているか。2003年あたりから、アニメへの楽曲提供という部分では積極姿勢に転化してきている。
DVDシングルOVAといった企画上の奇策ともいえる手を行ってきたという伝統が、ポニーキャニオンにはある。(でも、今はそういった雰囲気はなさそう)
○バップ
NTVの関連会社ではあるが、そこにはこだわらないアニメ制作も行っていたりする。しかし、どちらかというとNTVで放映されるアニメ制作及び販売が主である。
バップ独自で(アニメ・特撮などの)サントラシリーズを行ってきたが、どうもそれを行ってきたプロデューサーが退社したらしく、そういった企画は今後は期待しにくい。
バップとしての色として制作に関与したという作品はあまりなく、どちらかというと販売会社に徹している感じである。
○日本コロンビア
ビデオ販売はしているが制作関与はほとんどなく、アニメソング(アニソン)やサントラ制作がメイン。そういった過去の資源は豊富にあるが、そこにとどまっている感じである。
過去資源としてのアニメサントラやアニソンの再発売は、2003年前後から積極的になっているが、新作としてはまだまだ動き出しているとは言い難い。
○ソニーミュージック
アニメ制作は関連会社も含めていくつかあるが、適時に商品販売をするという展開に欠けていて、結果としてop,edの楽曲のタイアップという形にとどまっている。
ソニーミュージックとしてアニメ制作に関与した作品は、それなりに評価が高いが、アニメの制作会社など制作側に支えられた部分が大きい。また、思ったほど自社にそのノウハウが蓄積されていないようで、どうも点での展開にとどまっている。(アストロボーイ鉄腕アトムも、そうした範囲にとどまっているように見える)
アニプレックスとの連携によるop,edへの楽曲提供が比較的うまくいっている感じであり、この方向性が定着する可能性がある。
○SME・ビジュアルワークス→アニプレックス
比較的時間をかけて制作するというスタンスがあるようで、そういったノウハウが今のところ蓄積にとどまっていて、セールスも含めて活かされているとは(社名を変えるまでは)いえなかった。
外部からの人材投入と制作からプロデュースをメインとしたものに変更してきているが、この動きでうまく定着できるかが今後の重要な鍵になる。(2003年10月期の鋼の錬金術師・R.O.D
THE TVで、まず方向性が見いだせたというところでしょう)
○Lantis
サントラやキャラクターソングなどCD制作・販売のみ行っている。ただし、アニメ制作にもかなり関与しているように見えるくらい、提供する楽曲の「色」は確立している。
音楽プロデュース及び販売に徹しており、販促の集中化が明確であることも戦略的に見える。
○メディアファクトリー
ビデオ販売のみ行っているらしい。
自社の出版物との連携もしており、比較的アニメ作品の制作関与も積極的。
ただ、作品のバリエーションはあるが、リンクした宣伝としては、いまいちうまくいっていないような気がする。
周期的に積極的に売ったり、引いたりして年間を通して継続して売っていくという部分があまりな移転も、戦略の揺らぎのようなものを示しているように感じられる。
○マーベラス エンターテイメント
ビデオやゲーム販売といった部分が目立つのですが、そこそこ売れ筋の作品を狙い打ちしているという印象が強いです。
CDも、ラインナップとしてあるという感じで、自ら仕掛けていくという部分があまり感じられないのは、取り扱っている作品に起因するのかも。
独自の企画の作品もあるんですが、まだ主となっていない気がするのです。(しかし、最近照準があってきつつあるようで…ガンスリンガー・ガールとか修羅の刻など)
○東芝EMI
確か、かつてはアニメ向けレーベルもあったし、そこそこCDもでていたようだけど、1990年代後半にはほとんど表舞台にでることがなくなったような気がする。
最近時折出てきているようですが、op,edだけって感じかも。
○ハピネット・ピクチャーズ
まず、ライトマニア向けのアニメのビデオ販売で実績を作っている状況のよう。2003年度である程度の売上を上げることができてきており、それによって継続的に作品を提供できる体制ができているようである。
今後、子供向けのアニメでの制作から主体的に関与すると思われるが、まだその部分についての実力は未知数。
○マッグガーデン
自社の出版物からアニメ化を進めていく形態を主として行っている。TV放映からビデオなどへの展開を図っており、企画そのものがかなり練られた形で提供していることもあり、今のところ想定通りのセールスになっていると思われる。
自社の雑誌などでうまく作品を育てることが、今のところうまく機能しているが、それ以外の基軸が出せるかが今後の焦点。
●アニメ新番組ざっと見(2004.4)
(2004/04/28)
○Get Ride!アムドライバー(TX月18:30)
パターン通りかっこいい兄ちゃんたちが、当初からものすごい評価を受けているということで登場しているというのは、子供としては入り込みにくいような気がする。戦いのもっともらしさもいまいちな気が…
○MADLAX(TX火1:30)
主人公であろう2人がいまいちストーリーの主軸にあるように感じられないくらい、別個に進んでいるように見える。魅力的に見せる展開もあまり見られず、個々の場面の絵と音楽の良さだけが際だって感じられる。
○GANTZ(CX火2:28)
絵などの設定の必要以上のトーンの暗さと、ただ小生意気にしか見えない登場人物のセリフや行動、はっきりしない敵である相手方の存在が、番組内の世界観のバラツキに感じられて、いまいち内容が飲み込みにくい。
○修羅の刻(TX火18:00)
時代物ということで、この時間帯としては派手さがない素材ではあるものの、ストーリー構成や話ごとの見せ場はしっかりとつくっている点は評価出来る。主人公のキャラ設定が納得しやすい点も、いい感じに仕上がっているのでは。
○わがままフェアリー ミルモでポン!わんだほう(TX火19:30)
設定やストーリー展開を新たにして、もともともキャラの属性を活かした話に戻せたので、良かったように感じられる。パターンとしてのクリスタル探しも、長期的ストーリー展開の道筋をつくれるので、今後うまく動くかも。
○MONSTER(NTV水0:40)
原作をそのまま描写も含めて適切につくられていると想像出来る。でも、そういった部分の出来の良さが、アニメとしてはそれ以上でもそれ以下にもなり得ないので、原作評価がそのままアニメとしての評価となってしまう気がする。すると、あとは好みの問題で見られるかどうかになるはずです。
○RAGNAROK THE ANIMATION(TX水1:30)
ゲームのアニメ化ということがあまりにも感じられるくらい、ゲームでの設定やイベントに忠実に再現されている感じ。ゲームプレーヤーがコントロールすることなく、ゲームを進めただけのアニメということになるように思えるんですが…ゲーム制作側の意向が入ったメインキャラの動かし方に見えちゃうと、アニメとしての幅は全然期待できそうもない気がする。
○爆裂天使(テレ朝水2:12)
設定だけ変えて、キャラや展開は似たような感じが…おおよそのオチがまだ明確でないし、キャラも見た感じのステレオタイプにしては設定の作り込みが甘い気がする。展開に都合を合わせてキャラをあてている気がする。
○忘却の旋律(TBS水2:54)
ちょっと難しい基本設定が、ようやく数話過ぎて分かりだしてきた気がするが、必要以上にストーリー展開が重い気がする。現実の光景に借景した異世界の見せ方がうまくできるか、旋律の謎解きがうまく展開出来るかが今後の鍵となるでしょう。
○キン肉マンII世 ULTIMATE MUSCLE(TX木1:00)
米国で放映されたものを日本版としたものだが、もともと日本である期間までは放送したものの続き。キン肉マンらしい話としての対戦形式だが、設定がすっきりしていて、引っかかりがいまいち欠けている感じがする。
○鉄人28号(TX木1:30)
原作に忠実ともいえるくらい作品に仕上がっているし、話の展開もそこそこおもしろく動いている感じである。子供向けのような甘ったるい展開がないだけに、逆に子供が見ても楽しめる話になっているのでは。
○アクアキッズ(TX木18:00)
不必要な3Dアニメとしての動きもあるし、設定も平板なため展開が読みやすい。丁寧な作りではあるが、興味を引くかどうかは微妙なように感じた。
○絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク(TX木18:30)
宇宙を舞台に海賊とそれを追うものとのいろいろな展開を見せるんだが、若者群像を見せていく部分に特化しているはず。いまいち展開に無理がある気がするが、作品世界にクセがある分、はまりこみやすい作品ではあると思う。
○この醜くも美しい世界(BS-i金0:30)
最初の話くらいしか明確にダークな設定を見せていないが、まほろまてぃっくで見せたある種のお約束的なイベントをちりばめつつ、しっかりとテーマを見せていくんだろうなぁ。まあ、狙ったターゲットへのつかみはしっかりと出来ているんでよしとしましょう。
絵や次のストーリーへのタイミングは比較的よくできていると思います。
○最遊記RELOAD GUNLOCK(TX金1:30)
ようやく旅が進んでいくわけでして、対立軸との争いも明確に出来てきているというわけで、主人公たちが適切に描けているんだから、それはそれでよしということでしょうか。
○恋風(テレ朝金2:12)
淡い絵のトーンにちょっと風変わりな設定の中、淡々と人と人との関係が動いているのを見せているようである。でも、淡すぎる演出・表現に絵的な興味がつながらないと継続してみるには弱い気がする。予告だけが(1話のストーリーのダイジェストになっちゃっていて)妙に楽しめるのも問題あるのでは。
○天上天下(テレ朝金2:42)
原作とキャラ設定はうまくいっている気がするが、学園が持つダークな部分の見せ方がいまいちしっくり来ない。また、必要以上に主役キャラにしゃべらせている点や、絵や音楽として(作品にはまっている人以外は)はじく部分が多いのが気にかかる。
○今日からマ王(NHKBS2土9:00)
主人公がその生い立ちの割にパッとしない現状からいきなり異世界へと行き来することになるが、その納得出来るくらいのギャップとなっていないのが気にかかる。主人公が素っ頓狂なことを行っているのに、ストーリーが適切に進行しているのも納得力を欠いている気がする。
○DAN!DOH!!(TX土9:30)
ゴルフの見せ方、キャラの立ち方は原作同様しっかりしているが、それ以上のものを見せてくれる可能性は少ない気がする。アニメとしての出来は標準以上ではあると思うが。
○ケロロ軍曹(TX土10:00)
キャラ・設定も含めてアニメとしてしっかりギャグを見せている感じである。お約束としての設定が明確なだけに、小気味よく各話ごとの話が展開している。
順次キャラが増えていて、それにあわせたストーリーが適切に構成されているのもいいが、字やナレーションの使い方がギャグをうまく演出している点も評価できる。
○愛してるぜベイベ★★(アニマックス土19:00)
あまりキャラなり場面設定に興味を引く話になっていないような…まあ主人公(振り回される結平と凛としているゆずゆ)の個々のイベントから変わっていくというシチュエーションが楽しめれば、それはそれいいかも。
○それいけ!ズッコケ三人組(TX日9:00)
実写だとそれほど感じられなかった主人公たちの言い草や出来事の古さが、アニメとして絵にすると際だってしまい、いまいちおもしろがれないのでは。
○マシュマロ通信(TX日9:30)
元とした原作マンガから追加してアニメとして入れるストーリーがいまいち間延びしていて、あまり子供などを引きつけるようなものが感じられない。優しいキャラクターの絵に支えてもらって話を作っているような気がするので、引っかかりが弱い気がする。
○火の鳥(NHK日19:30)
原作トレースという部分と絵も含めたクオリティは着実にあると思う。1クールで見せるということで1話ごとの密度も均一に出来、うまく見せることが可能になったのでは。
○せんせいのお時間(TX月1:30)
原作の(たぶん)4コママンガのリズミカルな話の仕掛けを、アニメとしてうまく絵と話の文節として表現出来ているのでは。まあ、内容は身もフタもないし、学園ものとしては変なキャラばかりそろえていることも、それ自体ギャグとして考えればいいんでしょう。たぶん。
○レジェンズ よみがえる竜王伝説(CX日9:30)
…書き忘れた…トピックスを参照してください。
http://sh-kato.cyber-hp.jp/anime/topics-02.html#t-20
●アニメ新番組ざっと見・回想(2004.2と2004.3)
(2004/04/28)
まず、ざっと見 2月分
○かいけつゾロリ(テレ朝系(メ〜テレ)日7:00)
ポプラ社も含めた制作母体の形態の興味(日経産業新聞2004/2/2の記事参照のこと)もありますが、いたずら好きで適当に旅をしていくゾロリという設定は、ちょうどこういった領域の子供向けのアニメがなかっただけに、おもしろがれてみることができそう。
○二人はプリキュア(テレ朝系(ABC)日8:30)
まず、主人公達の設定を説明して、それからその日常とは違う展開を表現できたので、つかみはナージャよりうまくいったのでは。設定・絵なども比較的得意な内容に持ち込めたので、あとはストーリー構成がうまくいけばそこそこいけるかも。
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1月終了番組の回想
○激闘!クラッシュギアNITRO
作品そのもののポテンシャルもそれほど無く、これまでのクラッシュギアのパターンをそのまま続けていた感じ。また、別の方向性を設定などに組んでみたものの、うまく機能することなく終わっちゃった気がする。
○明日のナージャ
(設定にかかる)視聴者層の年齢を高めにしたことより、物語が動き出して目が離せなくなる話を早い時期から持ち出せなかったことの方に問題がある気がする。(11月くらいから、そこそこストーリーが動いてきて視聴率や電子掲示板への書き込みといったものに反応が出てきましたからねぇ…)
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3月終了番組の回想
○バーストフレモン
標準的なアニメというのがあれば、その水準には達しているでしょう。でも素材やキャラクターの設定まで標準的で、デフォルメなどが全然ないように感じられるのが、韓国主導アニメといえばいえるのかも。
○マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
まだ続編があります。声優やキャラ設定などあまりに不安定とされていた部分が、逆に味となってそこそこおもしろがれる作品になったんでしょう。たぶん。
○カレイドスター
振り返っていくと結構壮大なストーリーとして見せているようだけど、個々の話としてはあまりそれを感じられなかったのか一番の問題。主人公よりその周囲の話が多すぎたし、絵としての見せ場も若干ストーリーとのズレが生じていた気がする。そのズレを調整できる視聴者がはまれたというのは損だった気が…
○ポトリス
いい意味でも悪い意味でもゲームの世界をトレースした作品。アニメとして新たな世界観を演出できなかった点が、もったいない。
○そーなんだ!
見せ場となる話の軸なり変身などの展開が結果として存在せず、きれいに話を進めているだけだったので、子供としても興味が向かなかった可能性が高い。
○ポポロクロイス
前作より旅に出て行く必然性は感じられず、おのおののイベントもパターン化したように感じられてしまった。
○ソニックX
シリーズとしてみるとあまりおもしろみが感じられないが、個別の話はソニックがしっかり動いていて、これまでのシリーズの演出としての質は保っている。でも、ダラダラ続けている印象が感じられた。
○デ・ジ・キャラットにょ
演出・設定が迷走したなぁ…結局クールごとに設定を変えたが、オールキャストでドタバタをするまで、この作品が保つコミカルな部分が活かされなかった気がするのが、やはりもったいない。
○アストロボーイ 鉄腕アトム
きちんと構築された設定・ストーリーが丁寧に表現されていたので、安心してみたり見せたり出来るアニメにはなっている。でも、そのきれいな印象が個別の話やキャラに対する思い入れがあまりなくなっている点は、放映後のアニメの印象を希薄にしてしまったように感じられる。
○PAPUWA
主人公が保っているダークな設定があまり強調されることなく、おちゃらけに楽しんで話が進んでいる。でも、妙な世界での日常を描いているだけの印象しか感じられず、前作の続編の印象をこえることが出来なかった気がする。
○まぶらほ
女の子が突拍子もない目的があって、でもきれいに描けている部分だけが目立った気がする。主人公であるはずの男の子が、結局本編のように幽霊のような状態でストーリーとしての軸となっていないわけで、最初と最後だけでストーリーが見通せるというのは問題あるのでは。
○プラスターワールド
キャラクターがいろんなことに立ち向かっていく必然性や、キャラの能力などがいまいち分かりにくい。ストーリーを進めて説明していく感じも見られず、置いてかれていった感じである。
○最遊記REROAD
ながーい次の旅の前段だったんですねぇ…次は深夜で。前作と設定は何も変わらず、出てくる話は必要以上に間延びしている気がする。
○探偵学園Q
結局、金田一少年の事件簿で確立した少年たちの事件解決のパターン・演出をそのまま継いでいった感じのとどまったし、主人公よりそれ以外のキャラの方が魅力的に描かれすぎたのが、独自の楽しみ方を感じられなかったような気がする。
○わがままフェアリー ミルモでポン!ごおるでん
前作から対立する相手と戦う方向に話がずれていったが、ようやくその戦いも終わりになったようです。メインの視聴層も飽きが来ていたので、ここでこの手の方向終了はいいタイミングだったかも。
○ガングレイブ
ガンでの戦いとしての見せ方はしっかりしていたし、そのベースとなる組織との構図も明確で、適切に見せていたと思う。でも、そういったものが日本のアニメとしてはトレンドから外れているようで、プラスアルファの部分が提示できなかったため、他の視聴層への波及は出来なかったよう。
○みさきクロニカル
前作(ダイバージェンスイヴ)の過去の謎解きのような話で、前作にはまれる人なら楽しめるが、それ以外は見事にはじいた感じ。カット割りが唐突な部分が多くて不親切な部分な印象もあった。
○ごくせん
いい意味で、原作のコミックスに忠実なアニメ。そのため、原作ファンをしっかり取り込めていたが、幸いドラマが先行していたので、敷居が低くなっていて見る人が多かった気がする。でも、アニメとして新たなおもしろさがあったかというとそうはいえない気がする。
○PEACE MAKER 鐵
新撰組と鐵の話が結局別個に進んでいて、有機的に絡んでいるという印象を感じられなかった。鐵があまり話の主軸にあるという感じもなく、実際の絵としての見せ場とのズレを感じて、単純に新撰組メンバーへのキャラへの興味に進んでしまったように思えた。
○マリア様がみてる
アニメとしてのストーリーの運び方は、前半はつながっている感じで良かったんですが、後半は個々の話でまとまったという、アニメとしては逆の作りだったので、この作品の世界観にはまれなかった人は途中でひいたんではないかと。まあ、コバルト文庫ファンには、しっかりと全編はまれたと思います。
○十兵衛ちゃん2 シベリア柳生の逆襲
前作より話の軸がより深い部分にいったため、前作の設定が分かっていないと入りにくい気がする。それでも、殺陣の見せ方など映像としての見せ方、話の構成などはおもしろく見ることは出来ていると思う。でも、敷居が若干高くなった気がする。
○銀河鉄道物語
元となる設定や話を忠実に作っているんだろうなぁ…という印象が強い。松本零士作品にはまれる人以外がみて、楽しめるかといったらちょっと敷居が高いといわざるを得ないだろう。
○超重神グラヴィオンZwei
前作以上にキャラクターが見えにくいし、ロボットなどが戦っている部分が多かったように感じられて、ストーリー全体で何を表現したかったのかいまいち分かりにくかった。
○エリア88
戦闘機の飛ぶときの絵だけは良かったよなぁ…それ以外は、バラバラにつくられているように感じられるくらい、見ても記憶に残らない感じだったです。
○魁!!クロマティ高校
ギャグそのものでのバラツキはあるものの、15分枠の短めであることを有効に使って見せていました。キャラと声優の選択も適切だったし、出来そうもないネタはスッパリとあきらめていったのも良かったと思いますね。
○R.O.D. THE TV
TV放映は途中打ち切りです。それでそこそこ不満が起こるくらい、20話までの展開は見始めると興味を引きつけるだけのポテンシャルを保っていたようです。実は、説明をすることなく登場する設定が結構あるんですが、それ以上にストーリー展開に興味を引きつけた点は、評価出来るのでは。
●アニメ新番組ざっと見(2004.5)
(2004/05/23)
○ぷぎゅる(キッズステーション アニパラ内放送)
3分ものなんで通常は対象から外しているんですが…しょ〜もない不条理ギャグをリズミカルにたたみ込んでいるので、妙な味のあるおもしろさになっている。エンディングでのマンガのコマのような見せ方の部分が、これがまたおもしろく仕上がっている。
○サムライチャンプル(CX木2:28)
江戸時代に入った頃の舞台設定を借りて、だらだら〜っと成り行きでいろんな出来事にあうという話ですが、主人公たちが格好良く描けていて、おもしろそうな出来事がありそうな期待を感じさせる1話での演出でした。渡辺信一郎監督作品としては久しぶりにリズミカルな展開・スピード感のある動き・個性的なキャラが生きたものという印象です。(個人的には、フウの声を演じている川澄綾子さんが伸びやかに演じているのが嬉しくて…)
○GANTZ
たぶん、原作が持つ属性をうまくアニメとしてとらえきれないまま進行して、ようやく後半でとらえられた感じなのでしょう。すると、ダークな部分だけがクローズアップされてしまって、キャラのいずれかに共感できないと取っつきにくい作品で終わった感じがする。
○キン肉マンII世 ULTIMATE MUSCLE
終わった感じがしないなぁ…いろんな意味合いにおいて、独自の世界感を丁寧に描くことしかできなかったように思える。
○この醜くも美しい世界
素材も描いている世界感も作品中のテーマも、まほろまてぃっくと変わらないのですが、ギャグっぽい部分が欠け落ちていているように感じる。メインキャラ同士がしょーもないバトルをやっている場面があるかどうかで、プラスアルファの視聴層を確保できるかどうかの差が出たような気がした。
○恋風
落ち着いた(たぶん原作のコミックスにもある)世界感を丁寧に描けているとは思う。ただ、あまりに引っかかる出来事が目立ちにくく、日常と(会話と言うよりモノローグに近い)セリフが流れてしまっただけに感じられたのは、好ましいことなのか問題なのか判断がつきかねました。
○火の鳥
描くテーマが明確であったこともあり、映像的に凝る部分と物語とのバランスが適切にとれていたように感じられる。ただし、描かれたテーマそのものに興味があるかどうかで、視聴に差がついたようだがNHK総合での放送と言うことですくわれた感がある。
○せんせいのお時間
コミックスで表現されている属性を適切に描いた点は、評価できると思う。でも、作品そのものの極端なキャラクター達のボケ・つっこみが面白いと思えるかというと、すべったネタの方が後半になると多かったのが気にかかったが。
○妄想代理人
実写にするのが難しいからアニメで描いたという感じの作品でしょうねぇ。アニメを使って描きたいものを描けたという意味では成功した作品といえそう。でも、30分程度の続き物というよりもう少し長めにした何本かの映画とした方が見やすい素材のような気がした。
○神魂合体ゴーダンナー!! 2ndシーズン
勢いだけでまた突き進んだというのか…それでもバランスよく映像になっていることはなっていますが、どうも話が都合よすぎって感じが前シリーズより感じました。
○クロノクルセイド
きちんと描くべきポイントもはっきりしていて、時代背景も含めた世界感もコミで納得いく話を構築できたと思われる。やはり、後半はコミカルな部分がなくなってしまって重い感じが残ったが、そこに入るまでに適切に素地を読み込ませて視聴者に引き込めた点は評価できるのでは。
○KURAU Phantom Memory(テレ朝金2:12)
作品の設定がイマイチ見えない部分があるし、キャラクターの絵としての違いが顔からは判別しにくい気がする。それでも、主軸となる謎といった部分が適切に感じられるという興味がわく点は評価できるかも。
○モンキーターンV(TX日0:55)
競艇を映像としてみせる部分は、ほぼ違和感ない水準で確立したので、原作であるマンガが持つストーリーを描きやすくなっている感じである。原作の話自体が興味深いので、それを描くだけで十分ということであれば、問題ない出来ではないか。
○マリア様がみてる 〜春〜(TX日7:30)
前作は深夜枠で今回朝に移動したものの、作品を描くスタンスが変わらなかったので、これはこれでヨシとなるはず。あとは作品自体が受け入れられるかだが、視聴率というよりそれ以外で出てくる感じになるかも。
○アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル
NHKらしいアニメということがいえそう。最近こういったオーソドックスなストーリー構成・設定の作品がほとんどないだけに、安心してみられるものとはいえそうだが、食い足りない部分もかなりあるともいえる。
○蒼弩のファフナー(TX月1:30)
少年たちが格好良く描けているかは微妙な線かも。尖った部分のある少年たちの活躍が、ストーリーとうまくつながって行ければ面白くなりそうだが、まだしっくりしないように感じられた。
○GIRLSブラボー first season(CX火2:28)
まず、キャラクターがかわいく描かれていますねぇ。ベースとなる設定も、話の展開も作品を知らなくてもある程度分かっている点は評価できそう。ただし、興味を持てるかどうかは好みの部分が大きそう。
○お伽草子(NTV火1:10)
光と影のコントラストがしっかりと映像化できていて、作品世界をうまく演出していると思われる。設定や主となる話は、込み入っているのか1話目ではあまり分かりにくかったように思われる。
○ギャラクシーエンジェル(TX(TVO)木1:00)
新キャラも含めてまた第1話にありがちなギャグのペースがつかめていないための迷走感があった。設定などの説明は全くなく、これまでの視聴層に向けての作品づくりが明確であるが、それだけに飽きられる可能性もあって厳しい気がする。
○月は東に日は西に -Operation Sanctuary-(独立U局BS朝日AT-X)
何かこれまでと違ったことが起こる話なんだろうけど、あまりに唐突すぎて設定やストーリー構成がご都合主義になりそうな予感がする。キャラクターの絵もパターン化されていて、デフォルメなどして外れることが難しいのも大変そうな気がする。
○Wind -a breath of heart-(独立U局BS朝日AT-X)
映像と設定がパターンになっているなぁ…主人公に感情移入できなければ、ぼんやりした出来事をただ見るだけで終わっちゃいそう。
●声優起用から見た「名探偵ポワロとマープル」について
(2004/8/1)
テレビアニメ及びセルアニメ(OVA)の多くは、劇場用アニメと異なり俳優ではなく声の仕事を主としている声優と呼ばれる方が主となって演じられております。テレビドラマでは、俳優に限らず歌手や芸人などタレントと呼ばれる人が登場してきますし、フリー及び局従業員のアナウンサーもでてくるものとはずいぶん違っています。
テレビアニメの配役選択の方法(オーディションを行って選んでいく)などが異なってることもあるのでしょうが、なかなか声優以外の方がアニメ番組の配役を得ることは少ないようです。個人的にこの状況は、余裕がないことを理由に新たな可能性の芽を育てられていないように感じられます。
過去のアニメ作品いうと、ゲストキャラとして主題歌などの歌手や作品に関連するイベントなどに絡めて出てくる例はいくつかありました。るろうに剣心 のように、メインキャラで俳優を起用する例はかなり珍しいといっていいと思います。
さて、そういった状況の中、その状況とは異なる対応をして来たのが、NHK制作 制作主体OLMのアニメ「アガサクリスティの名探偵ポワロとマープル」(NHK総合日7:30)番組のエンディングでの声の出演を見ていただけると分かりますが、他のアニメでよく登場する声優がほとんど登場しません。強いていえば、メインキャラであり、この作品にアニメとして見やすくしているキャラとして機能しているメイベル役の折笠富美子さんくらいでしょうか。メインキャラクターにかなりのキャリアがある俳優さんを配し、ゲストキャラに俳優や歌手などをふんだんに取り入れています。
たぶん、アニメをよく見ていらっしゃる方は違和感があるでしょう。きれいで聞きやすいトーンの平均点はいっている声で、あとは映像や設定さえよければそこそこの水準のものになりますし、それに慣れてしまうと名探偵ポワロとマープルはぎこちなさを感じるでしょう。しかし、映像や設定だけでなく、ストーリーの運び方とそれを表現するためのキャラクターの(年代も含めた)多さから、今の声優の層の偏りではカバーできないということもいえそうだし、映像や声に動きやキャラクターを強調して演じさせること求めていないようです。
素材として声優と呼ばれる方を必要としていないという部分のほかに、起用の自由度が出てくるという部分で、ひょっとするとこの作品はいい効果が出てきているのではないでしょうか。実際、ここまでの話ではうまく機能して適切な配役ができているように感じられます。
OLMについては、キャリアの少ない声優さんとベテランの声優さんをうまく配していて興味深い配役しているをモンキーターン(TX日0:55)で行っています。キャラクターとその声優が作品の出来の大きな部分を占めるようなコメントが多いのですが、そういった部分以外のアプローチから考えてみるきっかけとしてこれらの作品を見てみるというのもいいのではないでしょうか。
いろいろある場で考えさせられたんで、ここでその内容をさらしにします。
燃えだろうが萌えだろうが、対象に対する興味があるという部分は共通している。それゆえ、対象に興味があって好ましいものを指す言葉の一つとして考えるのが適切ではないか。(だから、興味が失われたという「萎(な)え」が対義語になりうる)
萌えは好ましい状態から派生していて、それらに該当すると認知されている絵から推測するに「かわいい」という感覚から派生した一つのジャンルと考えるべきと思われる。
萌えを燃え(対象に強く興味を示す)の置き換えと思われる使用例は、もっぱら個別の受け手の状態を示すものであるので、定義そのものが無理があると考える。
萌えというのは、その判断から認知に至る過程が必要であり、一種のあと出しジャンケンのようなものであるので、市場に提供してある期間を経ないと確定できないと思われる。
それは、
個人では萌えと認知しても説得できる要素を提示できないために他の人から認知されない例が多いこと
及び
(電子掲示板などの)コミュニティで萌えについての意見交換による意見の形成や新たなコミュニティの発生によって萌えであることが示されることにより、ある一定数以上が萌えについての認知を共有することが必要とされるからである
と考える。
萌えについては、その文脈をおさえるという作業を経ないと認知されないが、必ずしも一つの要因が大きな文脈のための要素となり得ない。同一のキャラクターデザインや原作者でつくられた絵や、同様のストーリー構成・舞台キャラ設定であっても、その相互作用によって萌えについての判断は異なる。ただし、最小限としての要素として萌え系と認知される作り手であり、それを狙っている部分があると、萌えの対象になりやすい。
萌えが後付けで判断されるがゆえに、作り手の想定外のキャラが萌えキャラとなりうる。それは、絵だけでなくアニメやマンガなどのストーリーや場面・そのときの振る舞いなどが影響し、それが重要な判断要素となりうることを示している。
ゆえに、萌えキャラと認知が確定するまでのコミュニティの在り方については議論できる余地があると思うが、その結果を見て萌えキャラを定義することは体系化できる可能性があるが、具体的な形にするのは無理があると考える。また、萌えの状態は個人の好みによる部分がほとんどを占めるので、大枠の傾向を語る形しか議論することは難しいと考える。
能登さんの声は、ボリュームがそれほど大きくなくて、でもしっかりと言葉を聞こえさせる声の輪郭がはっきりしているんです。一般には線が細く聞こえるけどよくよく聞くと芯は太いという感じですし、クリアなきれいな声という印象があるけど、高音では結構ざらついたクセのようなものがあるんです。
どうもCMなどのナレーションで聞いたことがあるような…と思って今回調べたら、そちらの仕事も多かったですね。もともと声の仕事の始まりがラジオCMからとのことですし、声優としてのキャリアはかなりあるようですが、それが最近まで注目されにくかった理由のようです。
ナレーションとしての声の役割は、映像で説明していることを言葉として説明して残すことですから、言葉をきちんと伝えられて声の質としては主張しないことがどうしても求められます。能登さんの声の質が、そういったものに適していたこともあり、それなりに評価されて仕事としてきたと思われます。
私が能登さんの声というのをアニメ作品として意識したのは、WOWOWノンスクランブルで放送されたX-エックス-の小鳥役。声の線が細いと感じられるところから選ばれた感じでして、言葉は確かに伝わるんですがキャラクターとしての印象が作品そのものでの小鳥の印象の薄さ同様、引っかかりがなくスルリと流れた感じでした。
能登麻美子さんとして引っかかるキャラクターを演じられたという印象がある作品としては、成恵の世界の成恵役でしょうか。それまでの線が細いという印象をそのままに、クセのある高めの声の領域が前面に出てきて、ボリュームで普通なら感情の起伏を見せるのですが、そうでない形で真摯な成恵の表情を声としてつけてきたようでした。たぶん、ナレーションでの動きのない形での演技から、動きというのが出てきたんだろうと思います。
そもそもの声の質から、男の子の声の仕事はほとんどなかったようですが、成恵の世界の前後からそういった仕事も出てきていたようです。フルメタルパニック?ふもっふの風間とかGIRLSブラボーの雪成など。声のボリュームがない分、モノローグや説明っぽいことを話す役では、ちょっと高めの男の子の声でもしっかりキャラを演じ分けできているようです。
最近かなりいろいろなアニメで耳にする声になっており、当てていく役の幅も広がってきているようですから、意外な役の仕事が見られることに期待をついしてしまいたくなります。
ITmediaで取り上げられた「萌えゲームが迎えた『曲がり角』」という記事。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0409/07/news083.html?c
ここで、萌えについての定義を挙げたらしく、それが結構議論になったらしい。
その一例が下記URLのスラッシュドットジャパンでの議論
http://slashdot.jp/articles/04/09/08/1340243.shtml?topic=31
そういった議論を見ていれば、ある程度分かるかもしれないと思ってみたが、結局分からなかったです。そういうことからも、萌えというのは難しいと思ったのであります。
今回は、斉藤千和さん。
ちょっと高めの声なんですが、ある程度のボリュームで起伏のある声も出せるし、すっきりとした透明感はあるけど、さらにざらついてペタッとした感じのクセがあるいうところでしょうか。個人的には聞き分けがしやすい特徴のある声でして、表情も見えやすいという印象があります。
デビューは、確かココロ図書館のこころ役。このときの声を聞いているんですが、声のクセが見事に消えていて、きれいなちょっと高めの声でしたので、私の記憶に残っていないんですねぇ。
彼女の声が認知されたのは、同じ監督の作品であるR.O.D -THE TV-のアニタ役になるんでしょうねぇ。いろいろな表情をつけてきちんと演じられていましたし、声のクセをそのまま活かして、それでもきちんと新たなフィールドでの演技もしてきていました。さらに、26話(2クール)を主役として演じてきたことによる経験もついてきた気がします。
R.O.D. -THE TV-以降は、かなりいろいろな作品で見かけるようになっています。今のところは忙しくもいろんな役回りをこなしている感じですが、その中で動きの多いキャラには彼女らしさを感じさせてくれます。ただ、まだ動きの少ないところではうまく言葉を響かせられず、クセを消したような声になってしまっているようですので、その点が演じられたらもっと面白く転がっていくかも…と思ったりしました。
アニメ番組のスポンサー一覧を作ってみました。
anime_sponsor0407.pdf (PDFファイル
2004年7月分です)
anime_sponsor0410.pdf (PDFファイル
2004年10月分です)
時間枠ごとのスポンサー自体の変化、放送枠そのものの変化が見て取れるかと思います。
●声優の市場が広がって欲しいなぁ…という期待
(2004/11/07)
子供向けをメインとしたアニメから、1990年以降ようやくティーン以上の年齢向けの市場が開拓されて、アイドルのようなキャラクターと関連させた声優が比較的アニメ以外とされていた市場を形成していったようです。女性の声優は、アイドルとしての売り込み方のパターンが確立していたこともあり、子供から大人まで作られるアニメ作品の幅をフォローするだけの市場を確立できましたが、それでも似たような声質・演技の方が多いという弊害があったように思います。
対して男性の声優は、パターン化された美形キャラの仕事が脚光を浴びていたとはいえ、その数は少なく、またコミカルなものや渋い大人の演技を求められることも多いのでした。でも、アニメ作品の質や内容の種類から考えると、それほど声優としての市場が確立しているとは言い難く、どちらかというとアニメ声優とは別個に演劇や音楽活動をしている例が多かったような気がします。
「ジパング」(TBS金1:25)とか「モンキーターンV」(TX日0:25)のように、登場する人物が男性ばかりで美形と呼ぶにはちょっと無理がある作品の内容では、これまであまり脚光を浴びることのない渋い演技を見せる場がようやく登場してきたように感じられます。こういった作品が作れるようになっているということは、男性の声優の質・量がそれなりに充実してきているということになっているように感じられてきます。
ターゲットが絞られ、演技の幅もあまり必要のなく、持っている声質を高めるといったもので、最近のアニメ市場では作品の多くが占められているように感じられます。そういった動きの流れを変え、作品の質を高めていくためには、アイドルとして売れないと維持できない声優の市場にとどまるのではなく、もう少し複層的に声優市場を確立していく必要があるように感じられるのです。そういった期待がアニメ作品として少しでもでていることに、期待をしたいのでありました。
●アニメ新番組ざっと見(2004.10)
(2004/11/10)
○アークエとガッチンポー(TX土7:00)
動きの少ないアニメではあるものの、話の組み立て方などは子供向けとして適切に作られていると思う。日本が忘れ、韓国が捨てたものを取り入れた中国製(話の構成は日本)のアニメって感じ。
○ロックマンエグゼ・ストリーム(TX土8:30)
きちんとこれまでのロックマンシリーズのトーンを崩さずに丁寧に作られていると思うが、新たなシリーズとしての期待感はやはりうすい。
○ビューティフル・ジョー(TX土9:30)
ゲームを元にしているようだが、絵などのディティールにこだわりすぎて、アニメとしての話をふくらませるという部分がいまいち見えていない気がする。
○ZOIDS FUZORS(TX日8:30)
ゾイドシリーズとしてはおとなしい話だし、主人公たちがそれほど際立って目立つ感じも受けない気がする。
○School Rumble(TX火18:00)
1放送3話でそれぞれの話の時間も不定形。コミカルな部分もあるが、それなりに真面目に学園ものアニメとしている部分もあって、最近のものとしては挑戦的なものを感じる。かつきちんと笑える。
○BLEACH(TX火18:30)
きちんと納得のいく構成で、いろんな出来事が起こってきて、それに主人公たちが向かっているというのが演出できている。絵もそれにあった形で崩れることなく描けている。
○遊戯王 デュエルモンスターズGX(TX水18:30)
これまでのシリーズと全く違っている印象を受けるし、引き込むための主人公が対する出来事などがうまく見せていないような気がする。
○陰陽大戦記(TX木18:00)
基本設定となっている部分と、それを使うためのツールや話に納得できるつなぎとなる部分が見えにくい。でも、子供向けとしての演出などの質は一定水準にあると思う。
○冒険王ビィト(TX木18:30)
以前にも見たような…と思えるようなストーリーや絵のように見え、この作品独自の引き込む核になるような絵や設定がまだ見えていない気がする。
○機動戦士ガンダムSEED DESTINY(TBS(MBS)土18:00)
いい意味で、前作を引き継いで話を構成していて、それが矛盾なく進んでいる点は評価できる。ただ、まだ新たなキャラクターがしっくりと来ていないところに引っかかりを感じる。
○BLACK JACK(NTV(YTV)月19:00)
絵の見せ方や話の構成は、通常のアニメとちょっと風変わりなところがあり、また言葉で示す部分も多いのではあるが、原作の持つ物語の力をうまく活用していると思われる。
○焼きたて!! ジャぱん(TX火19:00)
主人公のキャラクターがしっかりと立っているので、話の引き込みがしやすくなっていると思われる。パターン化されている期待感の形成に従っているが、それを維持していける点は評価できる。
○ファンタジック・チルドレン(TX火1:00)
説明すべき点とあえて見せない点のバランスがうまくいっていない気がする。絵の淡い部分が話の構成まで影響しているように思えた。
○月詠 -MOON PHASE-(TX火1:30)
絵については…いわゆる萌え系なんでしょうねぇ。それでも、話はしっかりと謎をいろんなところに振り込みながら、キャラをかわいらしく描いているというバランスの良さがあると思う。
○サムライガン(テレ朝火2:12)
絵も物語そのものも、適切な水準にあると思うんですが、アニメとしての演出なり話の構成がどうもきつい部分を際立たせて必要以上にダークに感じられました。
○遥かなる時空の中で〜八葉抄〜(TX水1:00)
話は適切に並んでいると思うのですが、それを並べてみせる時間といった映像作品としての演出が、どうも間延びしているように感じられる。また、キャラに入り込まないと許容しにくいズレのようなものも感じる。
○tactics(TX水1:30)
それぞれの出来事で、きちんと話の強弱をつけていて、かつ登場するキャラクターがきちんと役割を果たして物語をすすめている点は評価できる。ただし、ベースとして後半出てくるはずの設定がほとんどでないのは、あとで問題になるように思われる。
○岩窟王(テレ朝水2:12)
話の構成や見せ方はそこそこの水準にあると思うが、映像とうまく絡んでいるかというと、まだ違和感を感じる部分がある。対する相手方のスケール感がまだ感じられない点も引っかかる。
○双恋(TX木1:00)
主人公たちをどう絡ませるのかの強弱がまだ確定していないらしく、個別の話で魅力的に見せる台詞や行動に注力しすぎている点が気にかかる。
○BECK(TX木1:30)
音楽ものとして見せる部分より、主人公たちの行動なり考えていることを丁寧に出来事によって見せている点は興味を引きつけるものがある。ただ、出来事にそれほど派手さがないのが惜しい。
○リングにかけろ1(テレ朝木2:42)
良くも悪くも、試合での出来事で引きつけていくことになっていて、これまでの作品で作られた手法を適度の使っていると思う。でも、妙に古さを感じられる。
○ジパング(TBS金1:25)
映像で説明するよりも、会話をきちんと聞かせることに特化しているだけあって見やすいし、グッと来る話になると思う。映像も、ディティールなどに違和感を感じさせないものになっている点も評価できる。
○舞-HiME(TX金1:30)
主人公たちが生き生きとしていると思わせる演出や設定が実現しており、かつ学園ものとしての出来事や作品のベースとなる退治する敵との関連もうまく映像にして取り入れていると思う。
○ローゼンメイデン(TBS金1:55)
人形が持つ能力に、それなりの納得できる前提をうまく見せて、かつそれぞれの人形や登場人物に合わせた話を構成している点は評価できる。でも、必要以上に説明しないままでいる部分が多く、引きつけるだけの物語が提示されていない気もする。
○グレネーダー ほほえみの閃士(WOWOW金0:40)
そもそもの設定を強引に納得させていった話を作れたようですが、まだ絵と設定との間のズレのような部分があるし、個々の話がうまくこなれていないようにも思える。
○学園アリス(NHK BS2土8:06)
類型化した少女モノの主人公キャラの絵だなぁ…風変わりな能力を持つ同級生たちと巻き起こす学園ものですが、勢いあるキャラのしゃべりとうってかわってのんびりしたトーンの話の構成がどちらに転がるかが気にかかります。
○SAMURAI7(NHK Hi-Vision金19:30)
スカパー!PPVで先行放送中のもの。原作があるだけに物語の構成といった部分はしっかりしているし、映像やアニメオリジナルの設定もうまく機能している気がする。あとは、最後までこのバランスの良さをキープできるかだと思う。
○プリンセスアワー(φなる・あぷろーち/W〜ウィッシュ〜)(キッズ金0:30)
設定通りにうまく映像として描け、かつメインキャラがかわいらしく見える話を作れるかが重点なんでしょうか。それ以上でもそれ以下でもない水準だと思いますが。
○うた∽かた(キッズ火0:00)
絵や話はこの手のものにありがちなパターン化された内容に終始しているが、何よりどのキャラが主軸で話が進んでいるのか分かりにくい。また、キャラが同じような絵に見えるんですが。
○流星戦隊ムスメット(キッズ土1:00)
過去に作られた作品の設定をとってつけて、カワイイキャラクターに演じさせているだけにしか見えなかったなぁ。対する相手方が見えないように感じられたのが、その一番の理由のように思いますが。
○To Heart 〜Remember my Memories〜(独立U局など)
明らかに前作以上に見せたいキャラを絞って、それに対応させた話になっているんでしょうが、次のカットがすぐに見えるくらいパターン通りで、思った以上にキャラがかわいく感じられず、お人形に見えてくるなぁ。
○げんしけん(キッズ土0:00)
おたくを丁寧に描くとこんなもんだよなぁ…という部分は(うまく描けているし…)ともかく、どれだけある1人のキャラが「爆発」するかで面白さが決まるような気がする。