作曲家別アニメサントラ紹介-01

<はじめに>
 CYBER STATIONの電子掲示板でアニメネタでちょっと盛り上がったので、
自分の趣味の世界をちょっと披露していこうか、と思い立ちました。
 作曲家別にアニメサントラを紹介することを自分の持っているCDの
紹介もかねてやってみようかと思います。

 取り上げられる音楽の基本は、他のTV番組でもやたらとBGMとして
使われることが多いものです。
 確認してみたければ、あまりレンタルされていないようですから、
購入してみてください、といいたいところですがジャケットがあの絵柄
ですからねぇ…。

 CYBER STATIONの掲示板の方では、かれこれ40回も書いていますが、
少しずつこちら(メンバーズ・スクエア)の方にアップしていこうと思います。
(初出の日付は、CYBER STATION 電子掲示板での日付)

第1回 大谷幸さん
 初出 : 99/01/28

 TVドラマでも、確か98年度後半の朝の連続ドラマ「やんちゃくれ」の
音楽も担当していますように、いろいろな音楽を作っている方です。

 最近のTVアニメだと、「ポポロクロイス物語」とか「星方武侠アウトロースター」
あたりがあります。ただ、どうも作品が持つ世界に寄りすぎて、あまり
他の番組で使われるような感じの曲にはなっていません。

 でも、その作品の画面にあわせるとめっちゃくちゃその場面が
浮かび上がってくるような曲を、多く作っています。
 サウンドトラック全体としていい感じに仕上がった曲を提供する、
私の中ではそれほど購入する可能性がなさそうな、でも聞いてみると
うならせるもののある感じ曲が多いです。

 彼のつくったサウンドトラックで、一番使われているのが、たぶん

 逮捕しちゃうぞ オリジナルサウンドトラック 1 1/2。
  (ビクターエンタテインメント VIZL-20)

 分かりやすい例になるかは分かりませんが、98年3月頃までCXめざましテレビ
のスポーツのコーナーにはいるときの曲は、このサントラの41曲目
(だと思った)ともう一つ別の音楽を重ね合わせたもの、とある雑誌に
その番組の音楽効果の人がばらしていました。

 このサントラに、演出サイドから作曲家に対しての発注表をBGMメニュー
として載っけているのですが、結構事細かな指示内容が書いてあり、
それが大谷さんの持つ曲のバラエティーをうまく引き出したような
ことを感じさせます。

 さらに、このサントラでは曲名がM-4-1といった具合に制作上つけられて
コードを書いています。これは、サントラとしての曲は、作品の場面毎に
作成され、この時点で曲名がつけられることがあまりないからです。
 サントラCDといった形になる段階で、作曲者やアルバム製作者側が
JASRACへの登録の時にその曲のイメージに合わせて曲名をつけることが
多いようです。

 それはそれとして、一つのアニメ作品の中で、これだけバリエーションのある
曲が使われていることを知る上で、結構参考になるサントラだと思います。
(ただ、私の場合は、アニメの場面とダブるため、TVの前で結構頭を
 抱えていたりしますが)
 
 

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○第2回 若草 恵さん
 (初出 : 99/01/30)

 私は、この方を辛島美登里さんの曲のアレンジャー(編曲者)として
知ったのが最初です。TVドラマの音楽も、90年代に入って
結構やっていますので、結構曲調は聞き覚えのある方が多いのでは
ないでしょうか。

 アニメの音楽は、CXの名作劇場で2つほど担当したようです。
 一つは「私のあしながおじさん」。もう一つは、今回紹介する

 ロミオの青い空 オリジナル・サウンドトラック VOL.2
 (WEA JAPAN  WPC6-8138)
 

 舞台がイタリアということもあり、どこか懐かしくのんびりとして
雄大なサウンド・イメージを基本にしてつくった、と若草さんが
言っているように、スタンダードな旋律にいろいろな表情を
織り込んだようなサントラになっています。

 私がこのサントラの中で、若草さんらしいなぁ、と思ったのは、
基本旋律に対するアレンジのうまさですね。
 もっと分かりやすく言うと、オープニングやエンディングの曲の
インストゥルメンタル(曲だけにしたもの)のアレンジは、
いろいろな人のアルバムでアレンジをするだけあって、新たな
音の世界をはっきりと見せてくれます。
 この辺の曲が、結構いろいろな場面にしっくりとくるものが
あるようです。

 このサウンドトラックを、アルバムとしてトータルで聞くと、
ちょっと変化のない、でも落ち着きのある曲調で、安心して聞ける
のではないか、と思います。それだけ、じゃまにならないBGMとして
秀逸だということでもあるのでしょう。
 
 

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○第3回 デビット・シルビーズさん
  (初出 : 99/01/30)

 本日は、日本のアニメでアメリカの人に音楽を依頼した、たぶん
数少ない事例を取り上げます。その作曲者は、デビット・シルビーズさん。

 第三若草物語を原作とした、「若草物語 ナンとジョー先生」。
 CXの名作劇場で唯一の続編となるこの作品。今までと違った試みを、
ということで、BGMは原作の舞台、マサチューセッツの空気や色彩を
より強くだしたいとの要望が制作側からあり、作曲・音楽録りすべて
アメリカで、ということになったようです。
 時間がなく、英語に翻訳したメニューだけで発注されたという、
かなり切迫した状態での依頼になったようですが、できあがってきた音楽は
作品を見られた方はご存じでしょうが、見事なくらい制作されたアニメーションの
イメージにぴったりくるものでした。

 派手さのないスタンダードな旋律ではありますが、これほど生き生きと
登場する子供たちの表情を「描いた」音楽は、そう滅多にお目にかかれる
ものではないと思います。

 音だけで、プラムフィールドに行きたくなったら、どうぞこのCDを
聞いてみてください。

 若草物語 ナンとジョー先生 MUSIC COLLECTION
(日本コロンビア COCC-13047)
 

 このサントラの曲を使うときは、不思議とやさしい気分が流れている
映像によくかかっていますね。
 
 

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○第4回 千住 明さん 
 (初出 : 99/01/31)

 今回取り上げるのは、TV番組のオープニングテーマなどが
中心になっている感じがする、千住明さん。

 映画、舞台、TVドラマなど幅広く音楽を提供していまして、
NHKスペシャル 世紀を越えて にも、音楽として参加していますし、
NHK人間大学のテーマ曲も、彼の作品です。
(ざっとした形で知りたい方、千住明:サウンドトラックス1998-1997
 POCX-1091/2 ポリグラム を聞いてみてください。さらに、
 世紀を越えて の方はサウンドトラックが出ています)

 アニメ作品では、映画 ちびまる子ちゃん〜わたしの好きな歌
 機動戦士Vガンダム、ビート・エックスがあるのですが、
私が紹介したいのは、

 ママは小学4年生 音楽篇 (VICL-296 ビクターエンタテインメント)

 千住さんがすべての曲を作っているわけではなく、神林早人さんや
樋口康雄さんなども参加されてつくられているものではありますが、
千住さんのアレンジャーとしてのよさを感じるものになっています。

 シンプルなのだけど、きちんと一つの曲の中にストーリーがあって、
きちんと聞かせてくれる感じの音楽になっていますし、他の作品では
陥りやすかった同じパターンを間延びして使ってしまうということもなく、
小気味いい感じに仕上がっています。

 作品に対してのやさしさが、素直に音楽として現れている点は、
基本的にはいいように作用しています。そのためか、ある種の
画像に対する曲の汎用性を、この作品の場合はでているようです。
(ちっちゃい子供がでてくる場面では、要注意のサントラに
 仕上がっているような…)

 TVドラマだと 家なき子 あたりをあげておきたいのですが、
どうも作品の厳しい内容に引きずられた感じがあって、どうも好きには
なれませんでした。(でも、サントラを買ってしまいましたが)
人間・失格 とか 未成年 あたりだと、彼の持つやさしさが
曲だけを取り出すと作品に引きずられた分、つらく感じられます。

 それよりは、NHKスペシャル テクノパワー サウンドトラック
(メディアレモラス MRCA-20024 メディアレモラスは解散した会社なので、
 売っているかなぁ)
 の方が、彼の優しさを感じられてよかったような気がしますし、
実際やたらと聞くことが多いです。特に、ニュースで。
 

(世紀を越えて については、サントラのおまけ-01 第3回参照
 

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○第5回 安田 毅さん
  (初出 :99/02/01)

 今回は、結構聞き慣れている可能性のあるサウンドトラックを
ご紹介してみましょう。作曲者は、安田毅さん。

 マンガの原作、オリジナルビデオアニメ(OVA)、ともにかなり濃いファンが
多くいる「ああっ女神さまっ」のOVAの方のサウンドトラック。

 ああっ女神さまっ 音楽編 VOL.1      (PCCG-00237)
 ああっ女神さまっ 音楽編 VOL.2 Super(PCCG-00258)
(いずれも、ポニーキャニオン)

 まず、このサウンドトラックの多くは、どこかで聞き覚えのある旋律が、
アレンジを変えてでてきます。
 カシオペアからポールモーリア、ロッキーのテーマまででてくる始末。
 原曲よりも、こっちのサントラの曲の方が、TV番組では聞こえてくる
かもしれません。とにかく、アレンジのセンスがいい。

 オリジナルの音楽も、作品のイメージをうまく吸収して、どんな場面でも
使える感じになっています。
 一番使われているのは、たぶんCatchと表記されているアイキャッチ
(番組の区切りで目を引き留めるための画面・音楽を指す)用の音楽。
 Catch(nyaa)などは、確かズームインサタデーのアニマールニッポンで
使われていたはず。

 93〜94年発売のサウンドトラックですが、5年たった今でも、
TV番組で使われることの多い理由は、聞いてみてもらった方が
分かりやすいくらい、表情豊かな曲たちがあふれている、
というふうに言っておきましょう。実は、普通のサントラに比べて、
あまり使っている楽器(というより音源)の数が少ないのです。
そのためか、あまりがちゃがちゃとした感じの曲はなく、その
シンプルさが、主旋律をうまく生かしているようなんです。

 ものは試し、まずは購入するなりして聞いてみてください。
 ただ、OVAも一緒に見ることは勧めません。
 TV番組でこれらの曲がかかってきたとき、OVAの場面が
頭の中によぎって、大変な目に遭うことを保証します。
(本当に、この手のサントラはひどい目に合い続けています)
 
 
 
 

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