今年も、気づく範囲内でサントラのTV番組BGM利用
「ヘビーローテーション」を自分なりにまとめてみようと思います。
サントラ発売時期が、1999年11月から2000年10月まで
いう限定をしておきます。
<TVドラマ・TV番組>
TVドラマ・TV番組については、1つだけ。
○日本映像の20世紀
COCQ-83290 日本コロンビア 1999.12.18発売
千住明
Main Titleやおじいちゃんのじまんといった曲のアレンジを中心として、
良いことも悪いことも含めて日本の映像を都道府県毎に振り返るという
番組コンセプトにあった、いい感じの曲が集まっています。
日本の風景を描くための曲ですから、画面への汎用性という点も
うまくできているように、結果としてできていました。
流行に惑わされることなく、自分の中にあるスタンダードなものに
向き合って作られた曲だけあって、聴き応えもあります。
<TVドラマ・TV番組サントラ 今年の印象>
今年は、溝口肇さんの活動が目立った感じです。
でもこれを含め、劇伴に収まってしまった、俗に癒し系とよばれる
邪魔にならない音楽に終始したものがつくられていった感じがします。
「feel」「Image」などコンピレーション(オムニバスともいう)アルバムに
収録された曲が受けることからも、それなりに需要があるのですが、
収録された曲のように「単独の音楽としても聞くことができる」曲が、
今年ほとんど浮かばなかったのが、印象的です。
これは、仕事を受けた作曲家より、仕事をだす映画やTV番組側の
音楽に対する考え方に影響されているのでは?とも思います。
<アニメサントラ>
アニメサントラに関しては、4つ(6タイトル)取り上げさせていただきます。
○カードキャプターさくら オリジナル・サウンドトラック4
VICL-60342 ビクターエンタテインメント 2000.3.23発売
劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード
オリジナル・サウンドトラック
VICL-60591 ビクターエンタテインメント 2000.8.2発売
根岸貴幸
誰がなんと言おうと、現時点でカードキャプターさくらの
サントラ全6枚(TVシリーズ4 劇場版2)は、TV番組の
BGMの利用度がトップクラスのものです。
TVシリーズの最後となった4は、新たなシリーズ向けに
起こされたものとして、しっかりと作られていますし、
劇場版はTVシリーズの総決算としてきちんとまとめられている
感じになっております。
発売後3週間以内に使われている点からも、明らかに使いたくて
使われているといった感じのサントラです。
○ゲートキーパーズTV オリジナルサウンドトラック
PCCG-00540 ポニーキャニオン 2000.7.19発売
田中公平
ゲーム音楽からはじまっていますが、アニメ音楽としてのアレンジを
することによって、ますます画面にあわせやすくなっているという感じです。
複数のキャラのイメージの音楽をうまく作り出すという、田中氏らしい
仕事が感じられる作品。
この2つの事例を見ていると、
なんか、「イマジン」の勝利という感じがしてきますね。
(ゲートキーパーズやカードキャプターさくらなど、イマジン制作のものが
比較的多く取り上げられていますから)
○でじこのサウンドフェスティバル
KICA 521 キングレコード 2000.8.23発売
増田俊郎
デ・ジ・キャラット サマーフェスティバル2000という
関東地区しか(それも昼前)にしか放送されていないにもかかわらず、
こんなに使われるとは…よほど妙なノリの曲に飢えていたのか、
滑り込みで使われはじめた感じであります。
○エクセルサーガ 大いなるサウンドトラック 実験1
VICL-60512 ビクターエンタテインメント 2000.1.1発売
エクセルサーガ 大いなるサウンドトラック 実験2
VICL-60514 ビクターエンタテインメント 2000.3.20発売
増田俊郎
デ・ジ・キャラットの妙な音楽に輪をかけているのが、このエクセルサーガ。
でも、おちゃらけな曲タイトルでだまされそうだけど、個々の曲が
使われるためにねらっている意図はしっかりしていて、それが映像などの場面に
あわせやすいようになっているようです。
ギャグっぽい曲は、増田氏の一人勝ちの感がありますね。
次点をあえてあげるとすれば、
ワンピース(田中公平)
ハンター×ハンター(佐橋俊彦)
魔術師オーフェンRevenge(岩崎文紀)
ラブひな(是永巧一)
あたりが入るのかな?
(これらは、今後も継続的に使われるかという点で、
まだ疑問がある)
<アニメサントラ 2000年の印象>
イメージアルバム的なサントラが多かった気がします。
サウンドトラックとしての曲より、ソングものに販売の比重があることも
影響しているのでしょう。やはり、曲そのものの楽しさより、
作品世界との親和性が重視しているからだと思います。
でも、作り手がそれほど引き出しがあるわけではないので、
どうしても、その引き出しを増やす努力をしないと、同じような曲が
あふれかえってしまう感じがするのですが、ソングものには
そのための努力をしている感じはあります。でも、サントラの方には、
昨年来同様に、それほど引き出しを増やすための挑戦的な
作り方は感じられませんでした。
今回ここにあげたのは、その作品世界との親和性を重視しつつ、
それでも挑戦的な部分があるものを取り上げた形に、
結果的になっているような感じです。
sh-kato
通常版は、今のところ17シリーズまで
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