今年も、気づく範囲内でサントラのTV番組BGM利用
「ヘビーローテーション」を自分なりにまとめてみようと思います。
サントラ発売時期が、2002年11月から2003年10月まで
いう限定をしておきます。
<TVドラマ・TV番組>
TVドラマ・TV番組については、今期は1点あげます。
○ビフォー・アフター
Epic Records ESCL 2429 2003.8.6発売
松谷卓
カスタマイズされた曲ではあるものの、楽曲としての質の高さと
単独の曲でも十分テーマ性を表現している部分があり、思いの外
他のTV映像での利用があったようです。
また、番組自体の認知度も上がってきて、それに符合して
曲の評価も流れるようになったようです。
スタンダードな曲調に聞こえる部分で、かなり編曲としては
凝ったことをしている点も、インスト作品としての評価を高めたと思います。
ついでに、実質TV番組発ということなので…取り上げます。
○女子十二楽坊
プラティア・エンタテインメント PYCE-1001 2003.7.24
梁剣峰ほか
多くは知名度のある楽曲のアレンジなので、TV映像のBGMとしてはあまり
使われていません。でも、今のトレンドである中国的な音楽として時折使われていた
ものを一気に取り込んで、かつオリジナルの楽曲をしっかり場面テーマを
印象づけることに成功したため、よく聞こえるインストアルバムとなりました。
<アニメサントラ>
アニメサントラに関しては、3つ(4タイトル)取り上げさせていただきます。
昨年度とうってかわって、今年度は前半集中となってしまいました。
○魔法遣いに大切なこと オリジナル・サウンドトラック
パイオニアLDC PICA-1271 2003.3.7発売
羽毛田丈史
楽曲自体が「立って」いるので、アニメ作品の世界観も包括した曲としても、
一つのインスト曲集としても聴くことができたサントラ。これまでのTV番組での
羽毛田さんの楽曲などと比べても、楽曲としてもその作品集としても心地いい
ものになっております。深夜放映のアニメでありながら、あわせたい映像が
浮かぶものだったのでしょう。相当いろんな番組で聞かれた曲たちとなりました。
○ななか6/17 オリジナルサウンドトラック ココロノオト
Lantis LACA-5161 2003.3.26発売
増田俊郎・ダブルオーツ
よくよく考えると、このアニメ作品自体はそれほど知名度があったわけでは
なさそうなんですが、学園もので日常と非日常をうまく使い分けた曲が
作られたようです。複数の作曲家で並行して発注されたアニメサントラで、
これほど作品としての統一性を保って、かつそれぞれの作曲家の
特性が活用されたものとしても、特筆すべきものでした。
結果として、この多様性がTV番組での利用度を高めたようでして、
もともと評価の高かった方々の面目躍如というところでしょうか。
○朝霧の巫女 幻想音楽・第一集 幽世
キングレコード KICA 583 2002.11.22
朝霧の巫女 幻想音楽・第二集 現世
キングレコード KICA 593 2003.1.22
斉藤恒芳
日本的な和楽器っぽい音楽は、案外多くあるものですが…バリエーションが
それほどなかったということで、このサントラの利用はそこそこあったようです。
しかし、そこから多少離れた、日常を描写する楽曲というのがこれまで
斉藤さんの作ったサントラでは少なかったのですが、この作品では比較的多く
作られています。そういったちょっとコミカルな曲もこれまでの評判通り
いい感じに仕上がっていて、かつ他の映像への汎用性をもつ楽曲という
ことにつながったようです。
次点として、 成恵の世界(根岸貴幸)
ワンダバスタイル(TRY FORCE)
L/R(西田マサラ) をあげます。
成恵の世界は、アニメとしての素材がいまいち中途半端で、現状のTV映像のトレンドとずれていた点
ワンダバスタイルは、サイケデリックをベースとした曲ですが、それゆえ特定の曲に偏った利用である点
L/Rは、ボーカル曲が多くジャンルがこれまたずれていたため案外利用が少ない点で
そこそこ使われているのですが、次点としました。
<アニメサントラ 2003年の印象>
昨年書いたように、今年は見事に反動が来てしまいまして…
アニメーション自体かなり多数の作品が作られている状況に加えて、
作品のジャンルのバリエーションがあんまりなくなってきたことで、
音楽としての質が均質化してしまったようです。
特に、ゲームなどのアニメ化では、元となるゲームのイメージや作られてきた音楽に
とらわれてしまい、違っているはずなんですが似たような印象を受けて
しまったものが多かったような気がします。
楽曲として評価できるものもいくつか登場したことはしたのですが、
TVアニメーションというより劇場用アニメーションのようなサントラと
なってしまって、楽曲全体のテーマ性が強く出過ぎ、単独の楽曲としては
印象が薄まるものが、どうしても多かったようです。
その中で、個別の楽曲と立っていてテーマ性も併せ持つサントラは、
よくよく考えると現在のアニメのトレンドから外れた作品のものであった
ように感じられたのでありました。
sh-kato
通常版は、今のところ16シリーズまで
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