今年も、気づく範囲内でサントラのTV番組BGM利用
「ヘビーローテーション」を自分なりにまとめてみようと思います。
サントラ発売時期が、2004年11月から2005年10月まで
いう限定をしておきます。
<TVドラマ・TV番組>
TVドラマ・TV番組については、今期該当なしです。
そつのない、音楽としての質の高いものは提供されているんですが、サントラとして複数の楽曲で場面やシチュエーションなどの印象に残るものはなく、印象に残るとしてもメインテーマの楽曲に集約されたものがほとんどを占めた感があります。
<TVドラマ・TV番組・日本映画の2005年の印象>
TVドラマは、1クール化での作品数増が定着したこともあり、音楽制作にそれほどコストをかけられない状況となっております。また、シリーズ化による(結果としての)音楽制作削減もあり、作品がそこそこのヒットしたわりに印象に残る楽曲も少なく、サントラ発売自体も減っています。
TV番組でのサントラは、NHKが一連の不祥事で制作状況が縮小局面となっております。スペシャル番組であえて作品用音楽を作ることも減ったこともあり、サントラそのものが減っている状況になります。
日本映画は、作品そのもののヒットのわりに、音楽そのものもコミで売り込む「NANA」を除き、音楽はそれほど力を入れて演出に使われたものはなく、主題歌だけが音楽としては一人歩きした感になったようです。サントラ単独で、楽曲としてのイージーリスニング的な売り込みができるものもなかったのも、取り上げなかった理由となりました。
<アニメサントラ>
アニメサントラに関しては、4つ取り上げさせていただきます。
○ツバサ・クロニクル オリジナルサウンドトラック Future Soundscape
ビクターエンタテインメント VICL-61661 2005.7.6発売
ツバサ・クロニクル オリジナルサウンドトラック Future Soundscape II
ビクターエンタテインメント VICL-61662 2005.9.22発売
梶浦由記
作品が持つ多様な世界観と、統一すべきキャラクターのイメージやストーリー上の起伏とが、梶浦さんが持つ音楽的な属性とうまくマッチして、NOIR以来うまく組み合わさった楽曲提供となったようです。アニメの放映時間枠が子供向けということも、いい意味で楽曲に柔らかな印象を持てたことにつながったといえ、サントラとしての汎用性が高まったといえる。
○焼きたて!!ジャぱん オリジナル・サウンドトラック(Aniplex SVWC7243)
Aniplex SVWC 7192〜3 2004.3.24発売
岩崎琢
R.O.D(OVA)のような映画音楽的なものを子供向けということでかなり意識しており、ゆったりとしたリズムで旋律をスウィングさせるようにのせている感じのものと、リズミカルでもコミカルで明るい調子の楽曲が多用されたことが、サントラとしての利用を高めたといっていいでしょう。
○ふたりはプリキュア プリキュア・サウンド・スクリュー! オリジナル・サントラ1
マーベラスエンターテイメント MJCD-20011 2004.9.24
ふたりはプリキュア プリキュア・サウンド・セラピー!! オリジナル・サントラ2
マーベラスエンターテイメント MJCD-20011 2005.1.26
昨年発売時は、作品がブレイクする途上ということもあって、結局今年取り上げることになりました。子供向けということで、ドラマのような場面イメージ先行ではなく、メロディ重視で比較的デフォルメされた表現が多かったことを、さらにサントラとして製作した音楽の構成自体うまくできていることも、利用促進の要素となったようです。
○かみちゅ! オリジナルサウンドトラック
Aniplex SVWC 7291 2005.10.26
発売時期からちょっと厳しいと思いましたが、利用度が比較的多かったことが確認できたため、今年度で取り上げました。1980年代の日常をベースに描く作品の音楽という部分にあわせて、楽曲としての統一性とメロディがくっきりしている点が利用しやすいものとなったようです。
次点としては、
英國戀物語エマ オリジナルサウンドトラックアルバム
Silhouette of a Breeze (ポニーキャニオン PCCG-00679)
苺ましまろ オリジナルサウンドトラック(ジェネオンエンタテインメント
GNCA-1035)
絶対少年 Original Sound Track(Mellow Head LHCA-9001)
を挙げます。
いずれも比較的日常の延長としてのいろいろな出来事を描くという作品で、印象的なメインテーマに付随した楽曲の統一性がよかったものになります。
ただ、メインテーマが強く印象されたり、楽曲としてイメージされる場面が多少ばらけていたりして、利用しづらい部分があったような気がします。
<アニメサントラ 2005年の印象>
ぺとぺとさんのように、日常風景っぽいもので描かれているものでも、他のこれまでの楽曲との差別化が感じられないものは、それほど利用されないということになったようです。
キャラクターソングを中心に売っていくアニメ作品の多くは、不思議とサントラの印象も弱く、ドラマとカップリングでCD発売となる事例も多く、ストーリーで見せる部分が弱い作品が多くなっている傾向は、今年も継続しているようです。
今年は、設定期間外として取り上げていませんが、ARIAはアニメ(ヨコハマ買い出し紀行)やTVドラマでの楽曲としての評価が高かったカップリングだったことと、作品テーマが持つ日常風景への親和性の高さから、今後かなりの利用可能性があると思われます。
また、日本のやや昔の時代での自然に寄り添った出来事を描く蟲師は、エンディング曲を毎回制作するなどかなり高質の楽曲が作られており、場合によっては利用頻度が高まる可能性があるものになっていると思われます。
絶対少年やかみちゅ!をどうするかを判断するのが困ったように、手間をかけて制作側がこだわっているものでは、今後の音楽の製作状況がよくなる端緒も出ているんですが…多作で、資金集めの手段だけが高まっている状況では、あまり期待できないのかもしれません。
sh-kato
通常版は、今のところ17シリーズまで
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